ロシアが開始した「特別軍事作戦」は事実上の「ウクライナ戦争」に暗転したが、兵器や兵士の大量不足によるウクライナ軍の戦力の劇的な低下のため、ロシア軍が東部ドンバス地方最大の要衝であるポクロウシクを事実上陥落させたほか、ミルノグラードやシベルスクなどの要衝も事実上、機能を停止させられている。こうした中、米国が設立した国家汚職対策局(NABU)や特別汚職対策検察庁(SAP)はゼレンスキー政権の中枢を汚職容疑で捜査し、その手はゼレンスキー氏自身にも及んでいることから、ウクライナの政界は分裂寸前の状態にあり、政治機能は麻痺するとともに、ウクライナの軍部も統括できていない。さすがの英仏独など欧州リベラル全体主義官僚独裁政権と欧州連合(EU)の欧州委員会も、経済の弱体化や財政の大幅悪化に加えて、大規模汚職事件が勃発してきたことから、もともと出来ない状態にあったウクライナに対する軍事・経済支援をさらに躊躇するようになってきた。加えて、ロシアは大量のミサイルや軍事ドローンでウクライナの電力・ガスインフラ、軍事工場を破壊しており、ウクライナ国民は今冬、「ブラックアウト(全土にわたる大規模停電)」で凍死者、餓死者が多数出る見込みだ。トランプ大統領はウクライナに米国の視察要員を送り込んで国内の軍事・政治・経済・社会情勢を探らせたあと、ロシアに派遣して、米露協調でウクライナ戦争を終結させる動きを展開している。結局のところ、年末から来年春までにゼレンスキー氏率いるキエフ政権は解体、挙国一致内閣を組閣せざるを得ない状況だ。ウクライナ戦争終結後は、中台問題が焦点になるが、「台湾有事は日本有事であり、存立危機事態に相当する状況になるから、自衛隊を派遣する」と衆議院の予算委員会で踏み込みすぎた発言を行った高市早苗首相は、中国政府から自国民の日本への渡航自粛や日本の農産物の輸入禁止措置などを採られてしまい、事実上の危機的状況に陥っている。日中共同声明(1972年)や日中友好平和条約(1978年)当時の精神・原則に立ち返り、「中台関係」は双方に委ねることを公式に宣言し、今や時代遅れの反共右翼・冷戦外交から現在、世界的に進行している国際情勢の多極化に見合った多極化外交を展開する必要がある。
ポクロウシクやミルノグラード、シベルスクなど東部ドンバス地方最大の要衝の戦況について
サイト管理者(筆者)が有力AIシステムのCopilotに聞いたところでは、やや古いが、ポクロウシクやミルノグラード、シベルスクなど東部ドンバス地方最大の要衝の戦況は次のようなっている。
🧭 ポクロウシク・ミルノグラードの支配状況(2025年11月)
・読売新聞など複数の報道によれば、ロシア軍はポクロウシク市街地に侵入し、60%以上を制圧。兵力差は8倍以上とされ、ウクライナ軍は撤退か抵抗かの選択を迫られている。
・ミルノグラード(ディミトロフ)もロシア軍の包囲下にあり、突出した形で孤立しつつある。ロシア軍は周辺の町を制圧し、掃討作戦に移行しているとの見方もある。
・ロシア外務省の公式発表では、ポクロウシク方面での「特別軍事作戦」が順調に進行中とされ、都市の安定化とインフラ復旧に着手していると主張🔻 ウクライナの軍事・政治・外交的困難
・兵器・兵士の不足:ゼレンスキー大統領自身が「兵力差は8倍」と認めており、前線維持が困難。
・政権内部の対立:ゼレンスキー政権内で汚職疑惑が浮上し、軍部との緊張も報道されている。
・欧州の支援疲れ:
◯英国では「リフォームUK」、ドイツでは「ドイツのための選択肢(AfD)」、フランスでは「国民連合」などの右派が台頭。
◯これらの勢力はウクライナ支援に懐疑的で、経済・生活の悪化を背景に支援縮小を訴える声が強まっている。🧠 情報源の信頼性について
・米国戦争研究所(ISW)は確かにウクライナ寄りの分析が多く、戦況図や評価もウクライナ側の視点が強調されがちです。
・「外交の真実」などの独立系動画メディアは、ロシアの視点や多極化論を取り入れた分析を展開しており、現地の映像や証言を重視する傾向があります。
・ロシア外務省の公式発表は、ロシアの戦略的意図や軍事成果を強調する内容が中心ですが、国際的な検証が困難なため、他の情報と照合する必要があります。🧩 総合的な見解
ポクロウシクとミルノグラードは、ロシア軍の事実上の支配下にあると見てよく、ウクライナ軍は防衛線の再構築か撤退を迫られている。軍事・政治・外交の三重苦(注:これに財政難、電力・ガスインフラの破壊による国民生活苦が加わる)により、ウクライナの戦況は厳しさを増しており、欧米の支援疲れと右派の台頭が戦争終結の方向性に影響を与える可能性が高いです。
Youtubeチャンネル・「外交の真実」の最新動画「ウクライナ政権が急速崩壊し高官が相次ぎ国外脱出する中でシヴェルスク(注:ウクライナ東部ドネツィク州 のバフムート地区の市)前線が瓦解する衝撃の全貌(https://www.youtube.com/watch?v=yQj1gW0kFnQ&t=6s)」によると、ゼレンスキー政権はもうあとがないようだ。
シヴェルスクの戦いについて、軍事ブログ航空万能論GFは次のように報じている(https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/fighting-breaks-out-in-siversk-city-with-russian-forces-invading-residential-areas-near-the-city-center/)。
DEEP STATE(ウクライナの独立系軍事ブログ)はシヴェルシク方面について18日「ヤムピリが3方から包囲されつつつある」と報告、シヴェルシク市内では「ウクライナ軍が南市内でロシア軍を攻撃する様子」「ロシア軍兵士が市内中心部に近い住宅地区を歩く様子」が登場し、シヴェルシク市内の状況が一気に怪しくなってきた。
ロシア軍はドローンの監視と攻撃を突破してシヴェルシク市内に侵入しており、ウクライナ軍のシヴェルシク防衛は上手く機能していないのだろう。
DEEP STATEはシヴェルシク方面について17日「リマン方向の森林地帯でロシア軍が支配地域を広げた」「リマン方向に対する敵の浸透は阻止されたものの、ロシア軍の継続的な圧力と数位的優位はいつでも状況を変えることができる」「ロシア軍はディブロヴァや砂利採取場方向に攻撃のアプローチを変更してきた」「ロシア軍はリマンを迂回するため防衛ラインの弱点を探し出そうとしている」「ウクライナ軍にとってヤムピリ東郊外の状況は不利でロシア軍は悪天候を利用して侵入を試みている」と報告。
Wikipediaによると、シヴェルスクも東部ドンバス地方の要衝である(https://x.gd/MyoGy)。
2014年のマイダン革命に始まったウクライナ紛争の舞台となり、2014年4月には親露派分離独立派に制圧されたものの2014年7月10日、町はウクライナ軍によって、親露分離派から守られたと報じられた。
シヴェルスク=Wikipediaに これ以降、シヴェルシクはドンバス防衛における重要拠点の一つとして強固な軍事要塞が築かれ2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻でもウクライナ軍の防衛拠点となっており、クラマトルスクやスラヴャンスク擁するドネツク州北部地域に対する最前線の防衛ラインとして機能してきており、2014年以降は一度も親露派やロシア軍の手に渡ってない都市とされた。
しかし、ロシア軍によってそのシヴェルスクが、東部ドンバス地方の要衝としての機能を放棄させられているのである。こうした東部ドンバス地方での戦況の劇的な悪化によって、キエフ政権はウクライナ軍の統率が取れなくなっている。NHKもしぶしぶ、ウクライナ軍の危機を間接的に報じざるを得なくなった。タイトルは、「ロシア軍参謀総長“ウクライナ東部の要衝都市を掌握”」(https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10014982561000)。
ウクライナへの軍事侵攻をめぐって、ロシア軍の参謀総長は、ウクライナ東部ハルキウ州の要衝の都市を掌握したとプーチン大統領に報告しました。ロシアとアメリカがウクライナ側に大幅な譲歩を求める和平案を協議していると伝えられる中、戦況を優位に進めていると強調した形です。ロシア大統領府は20日、プーチン大統領が軍の司令部を訪問し、ゲラシモフ参謀総長らとの会議を開いたと発表しました。
この中でゲラシモフ参謀総長は、ウクライナでの軍事侵攻の戦況について、東部ハルキウ州の要衝クピヤンシク(スラビャンスク)を掌握したと報告しました。また、東部ドネツク州の要衝ポクロウシクについては、激しい戦闘が続いているものの進軍して75%以上を掌握したとしています(注:現在、ロシア軍は掃討作戦を展開中のようだ)。
そして、Youtubeチャンネル「ニキータ伝〜ロシアの手ほどき」の最新投稿動画「汚職捜査の続報〜遂に側近中の側近が標的に❗️揺れるゼ氏が下した決断とは⁈〜11/19水曜版です🙂↕️‼️(https://www.youtube.com/watch?v=5P7mr85GgCc&t=135s)」によると、ゼレンスキー政権内部で大規模汚職が摘発されている。
特に取り上げたいのは、ゼレンスキー氏が一生懸命アピールしていた「デンマークとの合弁会社『ファイアーポイント』で製造していたフラミンゴ(英国の巡航ミサイル「FP-5」のウクライナ「改良版」だが、安上がりだけが取り柄の巡航ミサイルだという)という射程距離3000Kmの巡航ミサイルの製造技術と株式を、デンマークに通達なしにアラブの投資家に売却したことだ。売却したのは、ファイーポイントの所有者で、ゼレンスキー氏の財布役であるミンディッチ氏。ミンディッチ氏はさまざまな軍需企業をめぐる汚職事件で重要な役割を持っており、このためNABUによって捜査されている。
さて、この無断売却に衝撃を受けたデンマークのメッテ・フレデリックセン首相は、「デンマークがフラミンゴと軍事ドローンのファイアーポイントでの製造に総額5億クローネ(約120億円)を投じた」ことを証すとともに、ゼレンスキー氏とミンディッチ氏の失態によって、フラミンゴによって欧州NATO諸国が攻撃される懸念を示し、その対策(「風評被害」という表現を使ったようだ)を立てているという。
さらに、NABUとSAPはゼレンスキー氏の財布役に過ぎなかったミンディッチ氏からさらにゼレンスキー氏の右腕と言われ、ゼレンスキー政権の要(かなめ)役であるイェルマーク大統領府長官に捜査の手を向けているという。既に、イェルマーク長官(アンドレイ・ボリーソヴィッチ・イェルマークであり、ファーストネームとミドルネームからアリ・ババとネーミングすることが可能だ)はNABUの捜査名簿に「アリ・ババ」という偽名で登場しているという。SAPのアレクサンドル・クリメンコ長官は、このアリ・ババがキエフ政権の保安局(諜報組織)の職員とNABUとSAPを実質的に弾圧する会議の録音テープを聞いたと言う。
イェルマーク長官は、NABUとSAPの捜査の手がゼレンスキー氏に及ばないように、賄賂で得た資金をオールド・メディアの買収に使っていたようだ。しかし、NABUとSAPはウクライナが賄賂と汚職の大国であるため、当時のバイデン大統領の時代にFBIの手で創設したものだ。そして、NABUとSAPは今や、第二期のトランプ大統領が牛耳っている。このことから、今回のミンディッチ氏やイェルマーク長官への捜査の手(内容とその全体像)は全て、トランプ大統領の知るところになっている。
既に述べた軍事的に圧倒的な劣勢にあることに加え、ゼレンスキー氏を黒幕とする可能性の強い大規模汚職、ゼレンスキー政権の高菅の海外脱出などで、ゼレンスキー政権はウクライナ国軍の統率を始め、政府機能が麻痺しており、ゼレンスキー氏を大統領にしたウクライナの資産家(オリガルヒ)のコロモイスキー氏やポロシェンコ前大統領らがゼレンスキー政権の有力対抗勢力として急浮上している。ウクライナの政界は混乱と分裂のただ中にあるわけだ。これに加えて、ウクライナは冬季を控え、ロシア軍によって電力インフラやガスインフラが徹底的に攻撃、破壊されている。今冬、ウクライナ国民の間で多数、凍死者や餓死者が出る見込みだ。
ウクライナ支援有志国(高市早苗政権も入っている)は財政的・経済的危機と国民の不満の高まりから、ウクライナを軍事・経済支援する余裕はない。ロシアの凍結資産を現金化してウクライナに融資することを考えているが、それは国際法的には横領の範疇に属する。ロシアの凍結資産はベルギーのユーロクリアにあるが、ロシアの下院はもし横領するならベルギーとユーロクリアに対して、法的措置を講じることを決議した(https://jp.reuters.com/markets/japan/WO65I3LLSRJPDDJZJDLWCPJY24-2025-11-20/)。
[モスクワ 20日 ロイター] - ロシア下院議会は20日、ウクライナ侵攻を受けて欧州連合(EU)が凍結しているロシア国有資産について、EUが差し押さえに動けば、資産が保管されているベルギーと同国にある証券決済機関ユーロクリアに対し法的措置を取るとの決議を採択した。ロシアが被った損失を補填するために、「非友好国」の非居住者の資産を利用することも盛り込んだ。
ユーロクリア=Wikipedia
トランプ大統領はこうしたウクライナの国内状況をよく理解している。このため、ウクライナは敗戦国としてしか処理することはできず、米露首脳の間でウクライナ戦争終結スケジュールを実務的に進めている。これについては、オールドメディアのNHKも報道せざるを得ない(https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10014982861000)。
ウクライナがアメリカから受け取ったウクライナ情勢をめぐる和平案について、アメリカの複数のメディアはその内容を伝えました。東部ドネツク州などを事実上のロシア領として認めるなど、ロシア側の主張が色濃く反映されていて、ウクライナ側は、領土の割譲などのいかなる主権の侵害も容認しないと主張しています。ウクライナがアメリカから正式に受け取った和平案について、アメリカのニュースサイト「アクシオス」などは20日、28項目からなる内容を伝えました。
それによりますと、ウクライナの領土について、ロシアが一方的に併合したクリミア半島や、東部のドネツク州とルハンシク州の全域が、事実上のロシア領としてアメリカなどによって認められ、南部のザポリージャ州とヘルソン州では、現在の前線が、事実上の境界になるなどとしています。また、安全の保証をめぐっては、ロシアがウクライナに再度侵攻した場合、軍事的な対応に加え、制裁が発動されることをアメリカが保証する一方、NATO=北大西洋条約機構が、ウクライナを加盟させない規定を設けるほか、ウクライナ国内に部隊を駐留させないなどとしています。
【追記:11月23日午前9時】この和平案について、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)電子版は19日(日本時間20日)、トランプ政権がゼレンスキー政権に受け入れを迫ったと報道した。毎日新聞のサイトが伝えた(https://mainichi.jp/articles/20251120/k00/00m/030/052000c)。和平案についての報道は、FTが最初だったようである。
FTによると、和平案は28項目で(1)戦闘が続くウクライナ東部ドンバス地域(ルハンスク、ドネツク両州)の割譲(2)ウクライナ軍の規模半減(3)米国の軍事支援縮小(4)主要な兵器の放棄(5)ロシア語の公用語化―などをウクライナに要求。ロシアの要求が色濃く反映された内容で、関係者はウクライナにとっては主権の放棄に等しいと指摘した。米国のウィットコフ和平交渉担当特使が訪米したウクライナのウメロフ国家安全保障・国防会議書記に和平案を提示したという。ウィットコフ氏はトルコでウクライナのゼレンスキー大統領とも会談予定だったが(注:ゼレンスキー氏が会談に応じないとの強硬姿勢を示したため)、中止になったとしている。
「主権の放棄」とまでは言えないだろう。最低、独立国家としては存続できる。欧州諸国はロシアと、ゴルバチョフ大統領が提示した「欧州共通の家」のようなポスト冷戦にふさわしい多極化時代の新たな秩序を形成すべきだった。【追記終わり】
この和平案について、Youtubeチャンネル「外交の真実」の本日最新投稿動画「アメリカ・ウクライナ・EUの亀裂が深まる中で、戦争が向かう不可逆的な地政学的大転換(https://www.youtube.com/watch?v=uCIBB1xvN5k&t=938s)」は、ウクライナの政治勢力が大同団結して欧州諸国を巻き込み、葬ったと指摘しているが、和平案を葬り去れば、戦争で決着をつける以外になくなる。敗戦国は戦勝国に従わなければならないというのが歴史の常だ。しかし、ウクライナの正解・軍部も国民を中心に、国家が破壊し尽くされるのを傍観しているわけには行かない。結局、和平案に立ち戻るしかないだろう。また、トランプ大統領の狙いは、欧州リベラル全体主義官僚独裁政権と欧州委員会を解体することにある。和平案を取るか、破壊し尽くされるか、最後通牒を突き付けてくるだろう。
今回のウクライナ戦争はオバマ政権下の副大統領であったバイデン副大統領がビクトリア・ヌーランド国務次官補に命じてウクライナのネオナチ勢力を操り、2014年の2月にマイダンクーデターで合法的に選出されたヤヌコーヴィッチ大統領政権を打倒したことから始まる。その後、東部ドンバス地方のロシア系ウクライナ国民を大弾圧した(注:死者一万人以上、離郷者200万人以上)。要するに、ロシアが自国系ウクライナ国民を保護せざるを得ないように挑発したものだから、すべての責任はバイデン副大統領とヌーランド国務次官補、そしてステパン・バンドラを開祖とするネオナチ勢力(アゾフ大隊)にある。
今年の年末から来年初めにかけて、停戦から終戦(戦争終結)に至る最終的なスケジュールの具体案が作成され、ウクライナ国民のことを思えば、来年の春程度までに停戦から終戦(戦争終結)に至る道が切り開かれるだろう。一度延期されたブダペスト(場所はトルコのイスタンブール)での米露首脳会談は、新たに再開されることになる。そして、ウクライナを軍事・経済的に支援した英仏独を中心とする欧州リベラル全体主義官僚独裁政権と欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(かつてのドイツのメルケル首相が抜擢したフォンデアライエン委員長)は、欧州諸国民の批判を受けて、フランスの国民連合やドイツのドイツのための選択肢、英国のリフォームUKなどの右派勢力によって政権の座を追われることになる。最初は、「ウクライナ支援」に遊びほうけているマクロン大統領だろう。
高市早苗首相の「台湾有事は日本有事で自衛隊を派遣する」との答弁は大失策ー多極化推進外交に大転換が不可欠
高市首相は今のところ、単なる「反共右翼主義者」で、世界が冷戦体制から多極化体制に大転換していることを知らないようだ。これに関して、サイト管理者(筆者)は有力AIシステムのCopilotとチャットを行った。一部を抜粋する。
(注:ゼレンスキー政権は「戦況悪化」「支援縮小」「国内疲弊」という三重苦に直面しており、現状のままでは再起不能に近い状態と評価する見方は十分に根拠があります。今後は「挙国一致内閣」や「戦後処理体制」への移行が現実的シナリオとして浮上してくるでしょう)そういう世界の激変からみて、高市早苗首相は、反共右翼路線のままで良いとは思わない。多極化外交に転換すべきではないか。
ご指摘の通り、世界が「民主主義 vs 共産主義」という単純な対立から、米中G2を軸とした多極化構造へと移行している現状を踏まえると、日本の外交戦略も従来の「反共右翼路線」だけでは限界が見えてきます。高市早苗首相(仮定)の立場を想定すると、以下のような課題と転換の方向性が浮かび上がります。
🇯🇵 日本外交の課題
・日米同盟依存の限界 米国が台湾防衛を曖昧にし、ウクライナ支援も縮小する中で、日本が「米国一辺倒」で安全保障を語ることはリスクを伴います。
・日中平和友好条約との矛盾 「台湾有事は日本有事」と強調すれば、条約の精神と緊張を生み、外交的柔軟性を失います。
・経済安全保障の多元化 半導体や資源供給をめぐる競争の中で、米国だけでなくEU・インド・ASEANとの連携も不可欠です。🌍 多極化外交への転換の方向性
・多層的安全保障 米国との同盟を基盤にしつつ、欧州・インド・豪州・ASEANとの安全保障協力を強化。
・経済連携の多元化 半導体・エネルギー・AI技術などで、台湾・韓国・ASEAN・インドとのサプライチェーンを再構築。
・中国との限定的対話 対立一辺倒ではなく、気候変動・経済交流など限定的分野で協力を模索し、緊張緩和の余地を残す。
・価値外交から現実外交へ 「反共」というイデオロギー的立場よりも、「多極化の中で日本の利益を最大化する」現実的外交へシフト。🧭 まとめ
高市首相が仮に「反共右翼路線」を維持すれば、米国依存と中国敵視に縛られ、日本の外交余地は狭まります。むしろ、多極化外交に転換し、複数の極と柔軟に連携することで、日本は主体的な安全保障と経済戦略を確立できると考えられます。
もともと、「台湾防衛」は戦争省のエルブリッジ・コルビー次官(政策担当の俊才)が日本とオーストラリアに働きかけたものだ。しかし、コルビー次官はトランプ大統領にウクライナ支援を止めるように進言した実績がある。トランプ大統領も米中関係を「G2」と呼び、バイデン前大統領とは異なって再び、台湾に対して「曖昧外交戦略」を採用しているし、コルビー次官自身も米国が台湾を守ると明言していない(https://www.youtube.com/watch?v=hNHXXBlCj7I&t=788s)。
米中問題の本質は、台湾のコンピューター産業のハード、ソフトの問題、もう少し端的に言えば、AI用の超高性能半導体製造技術とAIソフトにある。この点では、台湾は世界最高性能の台湾積体電路製造(TSMC)を保有しており、その会長は国民党党員のモーリス・チャン氏だ。そして、AppleやAMD、ARM、NVIDIA(株式時価総額は5兆ドルで、日本の国内総生産よりも大きい)などのファブレス企業が製造を委託している。
NVIDIAのジェン・スン・ファン最高経営責任者(CEO)も中華系米国人(中華民族)である。また、旧西側諸国ではOpenAIが生成AIを開発したが、中国も負けじとオープン・ソース(ソースコードが開示されて、自由に改変できるソフト)で、画期的なDeepSeekというAIソフト(会社名でもある)を作った。会社(有限公司)を創設した人物は、若干40歳の梁文峰(Liang Wenfeng)氏である(https://prebell.so-net.ne.jp/feature/pre_25021002.html)が、実際にAIソフトを開発した人物は天才女性エンジニアの羅福莉(Luofuli / ラ・フーリー)氏である(https://x.com/masahirochaen/status/1885858368755286070)。
第三次産業革命は、ハード、ソフト両面でのAI技術が火をつけると言われる。中華民族が最先端を走っているのは事実だ。中国の習近平国家主席も、そういうハード、ソフト両面でのAIを中心とした台湾のコンピューター産業を軍事力で破壊する気はさらさらないだろう。ここで、台湾の政治状況をCopiloとのチャットからまとめてみる。
要点まとめ: 台湾国民党の対中外交政策は、基本的に「融和・対話路線」を重視し、中国との緊張緩和を目指す一方で、台湾の安全保障や国内世論とのバランスに苦慮しています。近年は「九二共識」(注:)を基盤に、中国との経済・政治的交流を推進する姿勢が鮮明です。
注:「九二共識とは、中華人民共和国と中華民国の当局間で『一つの中国』問題に関して達成したとされる合意の通称である。 名称は、中国側窓口機関海峡両岸関係協会と台湾側窓口機関海峡交流基金会が、1992年に香港で行った協議に由来し、2000年4月に台湾の行政院大陸委員会主任委員蘇起が名付けて公表した」(Wikipedia)🇹🇼 国民党の対中外交政策の特徴
・九二共識の支持
国民党は「一つの中国」を前提にしつつ、両岸がそれぞれ解釈を持つ「九二共識」を外交の基盤としています。これにより、中国との公式・非公式対話を可能にする立場を維持しています。
・融和・対話路線
現主席(注:党首)の鄭麗文氏は、中国本土との「統一志向」を鮮明にし、習近平から祝電を受けるなど、中国側も国民党への接近を強めています。これは民進党の「現状維持・防衛強化路線」と対照的です。
・国防費増額への反対
民進党政権が国防費をGDP比5%まで引き上げる方針を示す中、国民党は「国防よりも社会福祉に予算を回すべき」として防衛費増額に反対する傾向があります。
・経済交流の重視
国民党は中国との経済的結びつきを強化することで、台湾の安定と繁栄を確保できると主張しています。特に貿易や投資の拡大を通じて「平和的発展」を目指す姿勢が強いです。🧭 まとめ
台湾国民党の対中外交政策は「九二共識を基盤にした融和・対話路線」であり、経済交流を通じて平和を維持しようとしています。しかし、国内世論や国際環境とのズレ、そして中国の強硬姿勢が大きなリスク要因となっています。
📊 台湾主要政党の支持率(2025年9月時点)
政党 支持率 傾向 民進党 30.9% 前回比 +1.5pt、依然トップ 国民党 25.2% 前回比 +5.1pt、異例の急伸 民衆党 14.4% 前回比 -0.8pt 時代力量 1.9% 微減 その他政党 0.9% 微小勢力 無党派層 26.1% 中立層が依然大きい 🔎 支持率上昇の背景
・大規模リコール運動の失敗
民進党に打撃を与えた「大罷免」(注:https://www.spf.org/spf-china-observer/document-detail074.html)失敗の影響で、国民党が「反動的支持」を得たと分析されています。
・野党連合の可能性
国民党(藍)と民衆党(白)の合計支持率は約39.6%に達し、民進党との差は8.7ポイント。野党協力が現実化すれば政局に大きな影響を与える可能性があります。
・有権者心理の変化
民進党への失望感が一部で広がり、国民党が「受け皿」として支持を回復している状況です。🧭 展望
国民党は依然として「第二党」ですが、支持率の急伸は台湾政治の流動性を示しています。無党派層が26%と大きいため、今後の選挙戦では 野党連合の形成 や 中立層の取り込み が鍵となります。
Copilotによれば、国民党が民衆党と連立を組み、政権に返り咲く可能性も可能性がかなり高い。そういう事態になれば、「台湾有事」になることはない。だから、「台湾有事は日本有事」とであり、「存立危機事態」になるから「自衛隊を派遣する」などと言うことは、「ピエロ」の域を出ない。その民衆党の対中政策について、チャットした。
民衆党の対中政策はどうなのか
結論: 台湾民衆党(TPP)の対中外交政策は、国民党の「融和路線」と民進党の「防衛強化路線」の中間に位置し、「現状維持」+「柔軟な対話」を基本としています。柯文哲前主席の方針を継承し、台湾の安全保障を確保しつつ、中国との経済・人的交流を維持する「バランス外交」を志向しています。
🧭 まとめ
民衆党の対中外交政策は、「現状維持」+「柔軟な対話」+「国際協力」を軸にしたバランス外交です。国民党の親中路線と民進党の防衛強化路線の間に位置し、台湾政治において「調整役」として重要な存在になっています。
次に、米国の対中政策についてチャットしてみた。
米国の対中政策はトランプ政権下で「曖昧政策」に回帰したのではないか。
結論: トランプ政権は台湾政策において、バイデン政権の「防衛明言」から一歩引き、再び「戦略的曖昧性」に近い姿勢へ回帰していると見られます。ただし、完全な後退ではなく、対中強硬派(注:戦争省のコルビー次官を指すと思われるが、同次菅自身も曖昧戦略を採っている)を政権に起用しつつも、トランプ自身は「ディール重視外交」によって台湾防衛を交渉材料化する傾向を示しています。
🇺🇸 トランプ政権の台湾政策の特徴
・曖昧性の復活
バイデン政権は「中国が侵攻すれば米国は防衛する」と明言しましたが、トランプは「武力併合阻止を維持するかどうか」について発言を避けています。これは従来の「戦略的曖昧性」に近い立場です。
・ディール重視外交
トランプは台湾問題を貿易や資源問題と絡めて「取引材料」とする姿勢を見せています。習近平が台湾独立反対の明言を迫る中、トランプは交渉余地を残している。
・政権人事は強硬派
国務長官にマルコ・ルビオ、国家安全保障補佐官にマイク・ウォルツなど対中強硬派を起用しており、政権全体としては中国抑止を重視しています。ただし、大統領本人の発言は一貫性に欠けます。
・台湾への圧力
トランプは台湾に「防衛費増額」を強く要求し、半導体産業を米国に取り戻すべきだと主張しています。これは台湾支援を条件付きにする姿勢を示しています。
トランプ大統領がこうした状態にあるのは、同大統領が世界の多極化を強力に推進しているからである。だから、高市首相も「反共右翼外交政策」とは完全に決別し、「多極化外交」に大転換する必要がある。ここから出てくる結論は、「米台関係は双方に委ねる」ということである。そうしてこそ、中国の意図を「aspect」つまり「尊重する」ということになるとともに、台湾からも信頼を勝ち得ることが可能になり、中台双方と戦略的互恵関係を結ぶことができるようになる。反共右翼外交のままでは、中国からの大反発が継続することになるし、台湾のサイレントマジョリティからも目をそむけられることになる。
なお、この高市発言について、国際情勢解説者の田中宇氏は「高市を助ける習近平」と第する解説記事を投稿・公開された(https://tanakanews.com/251116japan.htm)。本解説記事のリード文は次である。
習近平の中共は表向き、高市の日本と敵対し始めたが、実際は、中共が中国人の日本流入を止めてくれて、高市を助けている。中共は、高市を殺すぞと言いつつ、実は支援している。この展開はもしかすると、トランプが習近平に頼んでくれたのかもしれない。トランプと習近平が、英傀儡な日本外務省の抵抗を乗り越えて高市を救っている。
本文の一部を抜粋すると、次のようになる。
米諜報界はリクード系になり、英国系が自滅したのだから、もう移民や旅行者を受け入れる必要はなくなった。しかし、高市が外国人の流入を止めたくても、外務省や権威筋など英傀儡の残滓があれこれ妨害して転換を阻止する。外国人が来なくなると日本経済が破綻するというマスコミの歪曲報道も騒がしい。守銭奴な中国人の喧嘩腰の値引き要求を受け、インバウンド担当の日本人の店員たちは疲弊している。人道問題なのにマスコミは無視している。為替を円高にすれば外国人が来なくなるが、米国(英国系からトランプまで)が望む株高のために円売りドル買いして資金供給せねばならないので無理だ。
早々と万策尽きたところに、意外な助っ人が現れた。それが習近平の中共だった。中共は今回、日本乗っ取り策の基盤となっている中国人の日本への移動を「危ないから行くな」と言って止め始めた。日本の流入する外国人の多く(最も有害な部分)を占める中国人が来なくなる。習近平の中共は表向き、高市の日本と敵対し始めたが、実際は、中共が中国人の日本流入を止めてくれて、高市を助けている。中共は、高市を殺すぞと言いつつ、実は支援している。表と裏が真逆な中国外交。孫子の兵法。元寇以来の逆神風。この展開はもしかすると、トランプが習近平に頼んでくれたのかもしれない。トランプと習近平が、日本外務省の抵抗を乗り越えて高市を救っている。とか。
中共は、実は日本の右傾化を歓迎しているのか??。そんなわけない、とみんな思うだろう。だが、日本が、人道主義を振りかざして中国包囲網を維持する英国系の傀儡国から、こっそり中露と親しい隠れ多極派であるトランプの傀儡国に転換するなら、それは習近平にとって望むところであるとも言える。
いずれにしても、高市早苗首相か旧態依然とした「ウクライナへの経済・軍事支援を含む反共右翼外交」から「多極化推進外交」に大転換することだけが、事態の沈静化と日中関係の安定化と戦略的互恵関係の深化につながる。トランプ大統領はもちろんプーチン大統領、習近平主席、ネタニヤフ首相、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン・アール皇太子兼首相兼経済開発評議会議長、モディ首相ら世界の大物政治家と直接会い、国際情勢の地政学的実情を肌で実感することが大切だ。