イランは現在、憲法違反の「軍事評議会」が掌握-トランプ政権は現実派支援のため軍事評議会の解体狙う
イランの国旗=ARAB NEWS

AIシステムのGeminiによると、米中央軍がトランプ大統領に説明したとされるイランに対する軍事作戦は、現在のところイランを掌握している憲法違反の組織である「軍事評議会」の「指揮通信のハブ(注:イラン権力の実質的な中枢)」の壊滅であるという。ここで、「軍事評議会」とはイラン憲法の第176条に基づき、国家首脳に当たる最高指導者に国策を上奏する国家最高安全保障会議(SNSC、大統領が議長)の下部組織として設置された「国防評議会」が前身である。しかし、今回の米国とイスラエルの核兵器開発阻止のために行われたイラン攻撃を利用して、参謀総長の職務を吸収し、かつ、SNSCを傘下に置いてしまった憲法違反の合議組織である。この軍事評議会の構成メンバーは明らかにされていないが、革命防衛隊(IRGC)の軍事部門の司令官クラスからなると言われている。バヒディ前内務相やサラミ総司令官(注:死亡節もある)らがメンバーになり、実質的にイランの最高権力組織とされている。しかし、イランは現在、トランプ政権によって港湾を封鎖され、外貨獲得の主要ルートを断たれた。イランは本サイトでもしばしば述べているように、通貨・リヤルの大暴落に加えてハイパーインフレーションと高失業によるスタグフレーションに見舞われており、昨年末に発生した国民の大暴動に象徴されるように経済破綻の状態に陥っているが、港湾の封鎖で軍事評議会は強硬路線を続けることが出来なくなった。今後のイラン情勢について、GeminiやCopilotと議論したが、サイト管理者(筆者)の責任において一部を公開する。

軍事評議会はイラン憲法を破壊する事実上のクーデターによって設置された

NHKは2026年5月1日16時22分に更新した「米大統領“海上封鎖の威力大きい” イラン“核開発 放棄せず”」と題する報道記事で、トランプ大統領の発言を次のように伝えた(https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015112321000)。

トランプ大統領 イラン船舶封鎖措置“威力非常に大きい”

アメリカのトランプ大統領は30日、ホワイトハウスで記者団に対し、イラン情勢について、「ベネズエラでは驚くべき成果を上げたが、いまわれわれは本質的には同じことをさらに大きな規模でやっている。イランに核兵器を持たせるわけにはいかない」と述べました。その上で、イランの港を出入りする船舶に対する封鎖措置について、「彼らの経済は崩壊しつつある。この封鎖の威力は非常に大きい。彼らは石油からまったく収入を得られていない。ごく近いうちにうまくいくことを期待している」と述べ、経済的な締めつけを背景にイランに合意を迫る考えを改めて示しました。

また、記者団からイランの対応を受け、停戦を破棄することはありうるのか問われたのに対し、トランプ大統領は、「彼らは合意を強く望んでいる。問題は誰が指導者たちなのか、誰にもはっきりと分からないことだ。これは少しやっかいな問題だ」などと述べました。

トランプ大統領は再三再四、イラン(の現実派)は米国との合意を望んでいるとしているが、問題は誰が指導者たちなのか、誰にもはっきりと分からないことだ。これは少しやっかいな問題だ」と述べ、終戦に向けた停戦合意書に必要になるイラン側の国家最高首脳が不明であることを指摘している。これについて、Geminiに次のように尋ねてみた。

ペゼシュキアン大統領やガリバフ議会(国会)議長らは、軍事評議会の言うことを聞いているようだが、最後は外交的解決が必要みたいなことを言っている。だから、イラン憲法に則る形で最高指導者を選んで、憲法を破壊する事実上のクーデターで参謀総長の職務を代行するために組織化された軍事評議会を終わらせることで、憲法に回帰する道は残されていると思うし、そういうことで、イラン国内では熾烈な権力闘争が展開されているんじゃないかな。

おっしゃる通り、現在のイラン国内で起きているのは、単なる「後継者選び」ではなく、**イスラム共和国という国家の形をめぐる「究極の内戦(政治的闘争)」**と見て間違いありません。ペゼシュキアン大統領やガリバフ議長が、軍事評議会(実質的にはIRGC強硬派のヴァヒディ氏ら)に従順に見えながらも「外交的解決」を口にし続けるのは、彼らが**「憲法の息の根を止めさせないための最後の砦」**として動いているからでしょう。現在の熾烈な内部闘争の核心を整理します。

1. 「軍事評議会」によるSNSCの乗っ取りと憲法の空洞化

ご指摘の「軍事評議会」の正体は、2025年8月に組織された**「国防評議会(Defence Council)」**です。

  • 建前: 憲法第176条に基づき、SNSCの下部組織として設置された。

  • 実態: IRGC強硬派が、大統領(SNSC議長)を通さずに直接意思決定を行うための「バイパス」として機能しています。 これによって、本来は大統領が主導すべき安全保障政策が、軍部という「ブラックボックス」の中に引きずり込まれてしまいました。

2. ペゼシュキアンとガリバフの「静かなる抵抗」

あなたが分析された通り、彼らが軍に従っているように見えるのは、現在の軍事緊張下で軍に逆らえば「反逆罪」や「非常事態宣言」による完全な文民追放を招くからです。

  • 彼らの戦略: 「最高指導者の選出」という憲法上の手続きを完遂させることで、軍の「超法規的な支配」を終わらせ、再び「宗教的権威(最高指導者)の下での文民政治」に回帰しようとしています。

  • モジュタバ・ハメイニ師の立場: 2026年3月に選出されたモジュタバ師ですが、軍事評議会が彼の周囲に「警備」という名の隔離壁を築いているという情報もあります。ペゼシュキアンらは、この隔離壁を壊し、新指導者との直接ラインを回復しようと必死になっています。

3. トランプ大統領の「交渉不能」発言の真意

トランプ大統領が「最高首脳が存在しない」と繰り返すのは、まさに**「誰が最終決定権(シャットダウン・パワー)を持っているのか、誰も責任を取れない状態」**を指しています。

  • 大統領(ペゼシュキアン)と約束しても、軍事評議会(ヴァヒディ=バヒディ=ら)がミサイルを撃てば合意は破綻する。

  • 最高指導者(モジュタバ)と話そうにも、軍部が情報を遮断している。

この「無責任の連鎖」こそが、トランプ氏が言う「異常な状態」の正体です。

結論:憲法への回帰か、軍事独裁の完成か

イラン内部では現在、以下の二つのシナリオが激突しています。

  1. 文民・現実派シナリオ: 最高指導者の権威を確立し、軍事評議会をSNSCの「一局」に戻す(憲法への回帰)。

  2. IRGC強硬派シナリオ: 最高指導者を象徴化し、軍事評議会が国家の全機能を管理し続ける。

バザール(商人層)や地方の自給自足層が「経済の崩壊」を理由に文民派(注:現実派)を支持し始めている今、この闘争は数ヶ月以内に決着がつく可能性があります。

Copilotも次のように、軍事評議会の憲法上の問題を指摘している。

結論:現在の公開情報では「イランの参謀総長職は“空席”ではなく、むしろ“機能停止・軍事評議会による代替”に近い状態」で、バヒディが防衛相を兼務しているという事実は確認されていません。バヒディは“IRGC司令官”であり、国防相・内相を歴任した人物です。 (以下、すべて公開情報に基づく構造整理)

■ 1. 参謀総長は「いない」のではなく、機能していない/軍事評議会に吸収されている

検索結果によると、イランでは現在、 IRGC上級将校で構成される「軍事評議会」が意思決定を掌握している と報じられています。

これはつまり:

  • 参謀総長という“形式上のポスト”は存在しても
  • 戦時下でその権限が軍事評議会に吸収されている
  • 文民政府(大統領)への報告ルートも遮断されている

という状態。あなたが以前言っていた 「参謀総長が距離を置いている/現実派に傾いている」 という構造と矛盾しない。 むしろ、参謀総長ラインが強硬派に従わないため、 強硬派が“軍事評議会”という代替構造を作った と読む方が自然。

■ 2. バヒディは「防衛相兼務」ではなく、IRGC司令官(総司令官)

検索結果では、バヒディ(ヴァヒーディー)は:

  • 2026年3月にIRGC司令官に就任(前任者戦死後)
  • 過去に 国防相(2009–2013) を務めた
  • 過去に 内相(2021–2024) を務めた

と明確に記載されている。

つまり:

  • 今は防衛相ではない
  • 今は内相でもない
  • 現在の役職は IRGC司令官(軍事トップ)

ということになる。あなたが感じていた「バヒディは内務相か情報部門の統括だった」という記憶は、 2024年まで内相だった経歴 と一致している。

■ 3. なぜ「参謀総長がいないように見える」のか

これは構造的に説明できる。

● ① IRGCが国家機能を掌握したため

報道では、IRGCが 「重要かつ機密性の高い指導的地位はすべてIRGCが直接選任・管理する」 と主張している。

→ 参謀総長の権限が吸収される。

● ② 軍事評議会が意思決定を代行

軍事評議会が “中核的な意思決定機構を完全に掌握” しているとされる。

→ 参謀総長の役割が事実上消滅。

● ③ 強硬派が参謀総長ラインを信用していない

あなたが以前から指摘していた通り、 参謀総長ラインは 現実派寄り

→ 強硬派(バヒディ、サラミ系)が排除した可能性が高い。

■ 4. 結論:

あなたの理解はこう整理すると正確になる。

  • 参謀総長職は“空席”というより“機能停止”
  • 軍事評議会が代替している
  • バヒディは防衛相兼務ではなく、IRGC司令官
  • 強硬派が参謀総長ラインを外し、意思決定を独占している

つまり、 「参謀総長がいない」ように見えるのは、強硬派が参謀総長ラインを排除した結果としての“構造的空白” ということ。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Xでフォローしよう