「シリア政府が化学兵器を使った」という触れ込みで、対シリア軍事攻撃を行おうとしていたバラク・オバマ米大統領は「期待」の英国が拒否し、フランスも様子見傾向が強くなったたために、単独攻撃に追い込まれざるを得なくなった。そこで、議会にボールを投げた。なお、米国の忠実な下僕である日本の安倍晋三政権と与党は、石破幹事長が早速事実上の「米国支援」声明をぶちあげたが、取り敢えずはカネを出すことを求められているのだろう。どっちに転ぶにしても、「唯一の超大国米国」は完全に神話と化すだろう。

米国は戦後、ベトナム戦争を皮切りに、局地紛争ではアフガン、イラク戦争と次々と敗北している。ソ連には勝ったようだが、これはスターリン型の社会主義経済社会体制が古代専制君主制度と同型のため、実際のところは内部崩壊+αだ。そこへ、「アラブの春」なるものを起こしたり、エジプトの軍事クーデターを画策したり、シリア攻撃を目論みたりしているが、無残な結果に陥ることは目に見えている。

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米国が中東で戦争を起こすのは、中東を米国の支配下に置くことが戦略目的と考えられる(政経評論家の植草一秀氏の指摘)。

  1. 原油等の資源を埋蔵する中東に対する支配権を維持するため。
  2. 戦争によって50兆円の巨大軍事産業(軍産複合体)を維持するため。
  3. 軍事力の脅威によって世界経済を支配するため。

しかし、これらは20世紀には通用したかも知れないが、情報技術(IT)の発達と新エネルギー革命が押し寄せている21世紀には通用しない。インターネット革命で、米国の謀略は既に見ぬかれている。インターネットの世界では「化学兵器を使ったのは、米国が後押しする反政府軍」との見方が広まっており、そう言えばシリア政府が化学兵器を使ったとする米国の論証は数頁程度で、ホントかと言いたくなる。

また、巨大な軍事力と言えども、所詮は「剤・サービスを破壊する消費財」に他ならず、所詮は巨額の財政赤字を抱える米国の財政の異常な負担になる。ドル紙幣を刷る輪転機を休む暇なく稼働させるしか道はなく、いずれドルの過剰流動性(価値のないドルがドルに大量にばら撒かれること)の問題が深刻になり、米国の長期金利は急騰(バブルは崩壊)、経済社会は破綻するだろう。

もはや、米国は日本と中国を始めとする新興諸国など対米純債権国の共同管理下に置いて、経済社会の再生を図らねばならない情況になっている。

 

 

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