金地金相場の急反発、中国が相場決定権を掌握かー今後は独裁者による有事の金買いも、中国が相場でロシア支援の可能性(追記:ウクライナ戦争)

大統領選後に金地金の相場が1トロイオンス当たり200ドルほど急落したが、今週に入ってから180ドルほど戻って急上昇の傾向にある。その理由は、「ドルの天敵は暗号資産(仮想通貨)」ではなく、金」との持論を持つ国際情勢解説者の田中宇氏によると、すでに中国が、金地金相場の決定権を欧米諸国(具体的には、ロンドンに拠点を置くロンドン地金市場協会、LBMA=London Bullion Market Association=)から奪ったことにあるようだ。今後は、最近の米国によるウクライナからの米国製のATACMSや英国製の巡航のストームシャドーといった高精度長距離長距離ミサイルによるロシア領土内への軍事施設・主要都市への攻撃と、これに対するロシア側の新型の超高速中距離弾道ミサイル「オレシュニク」による報復の応酬といった緊急事態による有事のドル買いも加わりそうだ。

田中氏は11月21日投稿・公開した「金相場の主導権も中共に移っている?」(https://tanakanews.com/241121gold.php、有料記事=https://tanakanews.com/intro.htm=)で金地金相場の急反発について考察している。基本的な分析結果は、リード文(公開文章)「米大統領選挙前から2週間急落した金相場は、今週に入って急反発している。中国勢が中共の指示のもとで買いを入れ、2週間の下落傾向を反転させた観がある」の示すとおりだ。三菱マテリアルによる金相場の推移を以下に示す(https://gold.mmc.co.jp/market/gold-price/)。

1年物チャート図を見ると、大統領選後に金地金相場が急落したことが分かる。一方で、5年間のチャート図の最後の部分を見ると、金地金相場が急反発していることが分かる。キリスト教アタナシウス派を基盤としたキリスト教文明に基づいた欧米諸国は、もう色が相当にあせて来ており、トランプ次期大統領も選挙期間中に、ドルの弱体化を指摘して「基軸通貨ドル」の信認を強めるための方策に頭を痛めている。これまでは、欧米諸国の中央銀行あたりが金の先物売りをして、金地金相場を安くし、相対的に「基軸通貨ドル」の価値を維持してきた。手元の金地金や金地金の現物を借りるなどして金を大量に売却、金地金相場が下がったところで売り値よりも安い価格で金を購入して現物を返却するとともに、買い値は売り値よりも安くなっているので、その差額が利益になった。一見、賢いと思われる信用取引だが、金地金の市場原理による相場形成に不当に介入するものだ。

今回の大統領選後にも、この手口を使ったものと見られる。「米金融界は、ドル防衛策(ライバルの地金を潰す策)として、信用取引を使って金相場の上昇を抑止してきた。だがウクライナ開戦後、金地金を信奉する非米側が結束を強め、米国側による抑止力を超えて金相場が上昇する傾向になった。エルサレム・ポストの記事は、金相場が1オンス2600ドル以上になると、米金融界が立てた売り玉が含み損を抱えると書いている。10月末にかけて金相場は1オンス2800ドルまで上がり、金融界は含み損が肥大化した」。そこで、欧米諸国の「金融界は、11月に入ってトランプ当選の可能性が強まったことを受け、(注:権威あるもののように見せかけているLBMAを使って)ドル防衛策としての金抑止策を強化し、金相場を暴落させた」。

しかし、中国政府は金地金取引会社をLBMAから撤退させており、かつ、人民(国民)に対しては、このところ、価値の下落が続いている土地などの不動産や有価証券などの金融資産よりも、金地金の保有を勧めている。このため相場の急反発の理由は第一に、「相場を引き上げたい中国側(非米側)が、2週間の様子見姿勢(注:金地金の相場下落を容認してやった可能性がある)から脱して、買い攻勢の威力を強化し、米国側の売り攻勢を乗り越えた」ことが考えられる(裁定取引=欧米市場から金を安く手に入れて、中国市場で高く売れば、儲けが出る=による)。

第二の可能性はもっと単純な理由で、「米国側はすでに金融覇権の低下とともに金相場の上昇抑止をあきらめ、株や債券(金利)を防衛することに専念している。投資の神様ウォーレン・バフェットが逃げ出すぐらいの崩壊寸前な状態だから、それだけで手一杯(Warren Buffett’s BofA ‘Dump-A-Thon’ Nears $7 Billion As Questions Swirl As To Why)」ということだ。ただし、米側陣営の株式や債券の価格を金融面から決めるのは、10年物国債の金利である。その10年物国債金利が趨勢的に上昇傾向(価格は下落傾向)にある(https://jp.investing.com/rates-bonds/u.s.-10-year-bond-yield)。なお余談だが、企業が新基軸で革新的な製品を開発・販売し、高収益を上げると言うなら、株式市場でその企業の株価は上昇する。

田中氏の今後の見通しによると、「今回の2週間の急落は、金相場を2600ドル以下に引き下げ、金融界が金取引の含み損を解消した状態で反対売買して損を出さずに手仕舞うためのものだった。事前に中共に連絡し、2週間の下落を黙認してもらった。とか。トランプの目標は金融バブル延命・ドル崩壊の隠蔽であり、金相場が上がっても株や債券の暴落につながらなければかまわない。再来週ぐらいになると、どちらのシナリオに近いか見えてくる金地金高騰の背景」。

ただし、トランプ次期大統領が金融バブル延命・ドル崩壊の隠蔽を狙っているかどうかは今のところ、分からない。トランプ氏は政府効率委員会を新設し、共同責任委員長に実業家のイーロン・マスク氏と企業家のヴィヴェック・ラマスワミ氏を指名しており、2人はウォール・ストリート・ジャーナルに同委員会のなすべき業務について寄稿している(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241121/k10014645241000.html)。

この中で2人は、連邦政府を適正な規模に縮小するため、新たに設立する“政府効率化省”を率いるよう、トランプ氏から要請されたとしたうえで、これまでとは異なるやり方で物事を進め、「連邦政府の職員としてではなく、外部のボランティアとして働く」ということです。そのうえで、規制の撤廃、行政の縮小、コスト削減という3つの改革の柱を掲げ、連邦政府によるさまざまな規制を減らすことで、その分、規制の実施にかかわる職員など、官僚機構全体における大規模な人員の削減が可能になるとしています。また、支出の具体的な見直しについては、国際組織への助成金やアメリカの公共放送への支出など、連邦議会で認められていない年間5000億ドル以上が対象になるとしています。そして、建国250周年にあたる2026年の7月4日までに目標を達成したいという意向を示しました。

なお、トランプ次期政権は暗号資産(仮想通貨)の普及に力を入れているが、「仮想通貨を信奉する共和党議員らは、米連銀(FRB)が資産として持っている金地金の一部を売却して、その資金でビットコインを買って国家的な準備金に組み込むべきだと言っている。これが実現すると金相場の下落要因になる。だが、ビットコインの大半は民間人が持っており、準備金に組み入れると、国家がごく一部の民間人に振り回されることになり、国家の安全保障上よろしくない。政治腐敗の臭いがする。大半を中銀群など国家が所有している金地金の方が安全だTrump’s ally Lummis pushes to sell some of the Federal Reserve’s gold to buy Bitcoin」との分析である。

日銀によると、暗号資産(仮想通貨)とは、①不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる②電子的に記録され、移転できる③法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではないーもの。「暗号資産は、銀行等の第三者を介することなく、財産的価値をやり取りすることが可能な仕組みとして、高い注目を集めました。一般に、暗号資産は、『交換所』や『取引所』と呼ばれる事業者(暗号資産交換業者)から入手・換金することができます。暗号資産交換業は、金融庁・財務局の登録を受けた事業者のみが行うことができ」るが、「暗号資産は、国家やその中央銀行によって発行された、法定通貨ではありません。また、裏付け資産を持っていないことなどから、利用者の需給関係などのさまざまな要因によって、暗号資産の価格が大きく変動する傾向にある点には注意が必要」(https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/money/c27.htm)とのことだ。

また、ニクソン・ショック(ニクソン大統領が1971年8月15日、一方的に金とドルとの交換停止を宣言したこと)を批判して金本位制に戻り、民間が設立した米国の中央銀行システムはバブルを引き起こしては潰して米国民に大きな犠牲をしいて生きたから廃止せよと長年、主張し続けているロン・ポール元下院議員が、政府効率化委員会に関与しそうだ(https://www.youtube.com/watch?v=LgInqgbiwZk)。

ロン・ポール元下院議員(共和党)。ケンタッキー選出のランド・ポール上院議員(同)の父。

政府効率化委員会が想定通りの機能を果たせば、ドルに対する信認が回復し、ドル基軸通貨体制の崩壊という事態も免れる可能性はある。ただし、その猶予はあまりない。米国の経済情勢は余談を許さないからだ。米国の10年物国債はここ半年の間に再び上昇してきており、趨勢的にも上昇傾向にある。米国の経済情勢は毎月発表される経済統計によってインフレが解消してきているのか、粘着性が続いているのか、また、景気が過熱しそうなのか不況が続いているのか、メディアや市場の見方はころころ変わる。

本サイトでは、バイデン政権下の悪政のため、米国民は長期不況の中、物価高に苦しんでいる、つまり、スタグフレーション(不況下のインフレ)に陥っているとの見方だ。スタグフレーションの状態下での金利上昇は、米国経済に重大な打撃を与える。

米国経済悪化の中で、長い間、株高や債券高が続いてきたのは要するに、米国金融市場がバブルに陥っていることの証左と考える。ただし、米国では、大企業が仕事を失い、倒産するという下請け企業の苦しみを無視して米国から脱出する(バイオテクノロジーや医薬品産業などの先端産業から海外に直接投資する米国型多国籍企業化)中で、ベトナム戦争以降、世界の至るところで「米国型民主主義」を強要し、戦争を行ってきた。軍産複合体の利益の極大化のためである。しかし、膨大な予算で支援して製造的する軍事兵器は、経済的には投資財、生産財、消費財を破壊するたんなる消費財に過ぎない。経済学的には無価値である。

軍産複合体と好戦的なネオコン派の指令の下、その傘下にある米国政府はこれまで、経済的には無価値な消費財の生産のために「高性能の軍事兵器」などを大量に生産してきた。このため、膨大な財政赤字を抱えるとともに、国内産業の空洞化から大幅な経常赤字を積み上げてきた。経常赤字に対処するためには、海外諸国から借金して穴埋めしなければならない。その累積は巨額の対外純債務になる。こうした悪経済情勢のもとで、米国自身の再生産を行うためには、海外からの輸入代金をドル建てで支払ってもらい、支払ったドルを10年物国債を中心とした自国の長期物国債に再投資させ、ドルを還流することによって、ドルが暴落する過剰流動性の顕在化を防がなければならない。そのためには、米国の金融・資本市場でバブルを引き起こすのが手っ取り早い。

米国は冷戦後、「平和の配当」を受けることを自ら止め、バブル大国に成り上がった。しかし、ドル紙幣や有価証券は要するに、ただの紙切れに過ぎない。資源・エネルギーを豊富に持つ中露を中心とした非米側陣営諸国はそこに気付いている。だから、中国は米国の国債を購入するのを止め、金地金を中心とする貴金属や資源・エネルギーの購入・蓄積に力を注いでいる。中露同盟を結んだ中国は、ロシアのシベリアから豊富な天然ガスを輸入する「シベリアの力」を敷設する大工事を行ってきたが、このほど工事が完成した(https://news.yahoo.co.jp/articles/28cdffb239ac3a0d4b3150daf1907a19baf37d01)。

「シベリアの力」は、中国では5年前から東北部の一部区間で供給が始まり、今回、上海まで結ぶルートの工事が終了し、試運転前の最終準備段階に入ったということです。中国国内での全長は5111キロに及ぶ「世界最長の天然ガスパイプライン」で、供給が始まると年間1億3000万世帯のガス需要を満たすことができるとしています。

ロシアはウクライナへの軍事侵攻で西側諸国からの制裁が続く中、去年は中国への天然ガスの輸出を前年比60%増と急速に拡大させていて、今後、このパイプラインの完成により、さらに輸出が増加する可能性があります。

ウイキペディアによると、「シベリアの力 (シベリアのちから、ロシア語: Сила Сибири=シーラ・シビーリ、英語: Power of Siberia、中国語: 中俄东线天然气管道)は、ロシアのガスプロムが運営する東シベリアのパイプラインであり、その目的は天然ガスをシベリアのヤクートから沿海地方と中国へ輸送する東部ガス・ルートの一部である。また提案中の中国への西部ガス・ルートは、「シベリアの力2」で、アルタイ・ガス・パイプライン(英語版)としても知られている」。

こうした豊富な資源・エネルギー、貴金属を保有し、人口大国である中露を中心とした非米側陣営諸国のほうが、米側陣営諸国よりも近い将来、より発展すると思われる。要するに欧米文明凋落という歴史的な大転換が起こっているのである。その中で、金地金相場の急上昇が再開しているのだが、これを加速しそうなのが、実質的には米国によるウクライナからの長距離ミサイルによるロシア領土の攻撃である。

ロシアの新型高性能中距離ミサイルの使用はバイデン政権の米国とウクライナに対する報復

ロシアのペスコフ報道官は、ウクライナ側がICBM=大陸間弾道弾と誤認した新開発の高性能中距離ミサイル「オレシュニク」の使用は、自国を長距離ミサイルで攻撃したバイデン政権の米国とウクライナに対する報復のためだと語り、退いていくバイデン民主党政権が事態を悪化させるだけの「置土産」を起き始めたと厳しく批判している(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241122/k10014647171000.html)。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は22日、記者団の取材に応じました。この中でペスコフ報道官は、ウクライナ東部への新型の中距離弾道ミサイルの発射は、ウクライナが欧米が供与した射程の長いミサイルでロシア領内を攻撃したことへの報復だと強調しました。そのうえで発射する前にアメリカに通報したとして「ロシアには核戦争の危険性を減らすためのセンターがあり、今回は大陸間弾道ミサイルとは違うので発射の30分前に自動的に警告を送った」と説明しました。

またペスコフ報道官は、ことし9月にプーチン大統領が欧米に対し、ウクライナに供与した射程の長い兵器の使用制限を撤廃しないよう強くけん制したことを踏まえ「率直に言って、われわれはこのメッセージが考慮されることを望んだ」と述べ、プーチン大統領の発言に耳を傾けるよう求めました。

また、プーチン大統領は、新型中距離弾道ミサイル・オレシュニクによる攻撃を続けると明言した(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241123/k10014647231000.html)。

プーチン大統領は22日、国防省や軍需産業の代表者らとクレムリンで会議を開きウクライナ東部ドニプロに向けて発射した新型の中距離弾道ミサイル「オレシュニク」について、「テストは成功した」と述べ、関係者をねぎらいました。ロシアはこの攻撃についてウクライナが欧米から供与された射程の長いミサイルでロシア領内を攻撃したことへの報復だとしています。

そのうえでプーチン大統領は「ロシアの安全保障上の脅威の状況に応じて、実戦の場も含めてテストを続ける。われわれにはミサイルの備蓄があり、準備は整っている」と述べ新型ミサイルによる攻撃を続ける方針を示しました。さらにプーチン大統領は「このような兵器を持つ国はまだ世界にはない。このようなミサイルを迎撃する手段はない」と述べ、ミサイル開発技術を誇示しました(注:核攻撃しなくてもウクライナやNATO加盟諸国を攻略できること)

ロシアの国防省の発表によると、新型ミサイル・オレシュニクは「ロシア南部の発射地点から900キロ離れたウクライナ東部ドニプロまで15分で飛行し、速度は最大でマッハ11以上、時速にして1万3000キロ以上に達した」(同、参考:https://www.youtube.com/watch?v=7R-U-v8Ix6shttps://www.youtube.com/watch?v=tTNqbOuY8TY)という。これに対して、ウクライナのゼレンスキー大統領は、友好国(米国は好戦政権のバイデン政権の退場と戦争廃絶を志向するトランプ次期政権の誕生が二カ月後に迫っているから当てにならない。英国か)とともに防空システムの強化を図ると言っている。

ロシア在住の日本人・ニキータ氏による

しかし、このほど久しぶりにウクライナ全土がロシアからの攻撃を受けたから、地対空ミサイルは100基程度しか残っていない。「友好国」に継続的に寄こせと訴えるつもりなのだろうか。地対空ミサイルを増やしたとしても、オレシュニクを撃ち落とす防空システムは出来ないようだ。そのオレシュニクは、ロシア側の発表によると防空不可能な最新鋭の高性能ハイテクミサイルであるため取り敢えずは、防空システムを含む軍事関連の施設を攻撃し、また、軍事施設への送電を止めことを目的に、ウクライナの主要電力施設をすべて破壊することにも用いられるだろう。

余談だが、戒厳令下では選挙は不可能という憲法規定があるが、これは議会に関することであり、ゼレンスキー氏は拡大解釈を行って、今年の2024年5月末の大統領の任期終了後も大統領の座に居座っている。敗北が決定しているのに、戦争を無謀に行って、ウクライナ国民を塗炭の苦しみに追い込んでいるため、支持は急激に低下している。ウクライナのキエフ国際社会科学研究科が今年2024年9月に東部ドンバス地域を除くウクライナ全土で行った世論調査によると、9月に大統領選挙が行われた場合に、ゼレンスキー氏に投票すると答えた国民は、全体の22.2%に過ぎなかったという(https://www.youtube.com/watch?v=7wN5LFIAPPc&t=3s)。

腐敗した一党独裁制のゼレンスキー政権が、米軍によるウクライナでの長距離ミサイルによるロシア攻撃を止めさせないと、オレシュニクなど最新鋭のハイテク軍事兵器を使用した報復攻撃で、ウクライナは軍事力が相当弱体化するほか、国民は極寒の冬を迎えることになり、餓死者や凍死者が大量に発生する公算が大きい。ロシア在住の日本人の「ニキータ氏」によると、ロシアはオレシュニク以外にも複数の新型攻撃システムを開発し、テストしているとのことだ。下図はそのひとつで、剛鉄をも溶かすという高性能新型焼夷弾「OFZAB-500」である(https://www.youtube.com/watch?v=usj4pmmvmes)。

ウクライナ国民のことを考慮すれば、ゼレンスキー大統領(ゼレンスキー氏)はすぐさまロシアとの終戦交渉に応じるべきだ。可能性は非常に小さいが、それをせずに、バイデン政権下の米国を盟主とするNATO加盟諸国がウクライナ戦争に事実上参戦して、ロシアの重要施設や都市に大規模軍事攻撃を行えば、最悪の場合、ロシアが核をオレシュニクなどに搭載して、報復攻撃を行う可能性を否定できない。そうした緊迫した事態になれば、「有事の金買い」の流れが世界的に強まる。「ドル基軸通貨体制」の終焉が早まるだろう。なお、ロシアと同盟を結んでいる中国が、金地金の「爆買い」を行って、金地金相場をさらに急上昇させ、ロシアを間接的に支援することもあり得る。

※参考情報ですが、トランプ次期大統領とJ.D.バンス副大統領、次期国務長官に指名されたマルコ・ルビオ氏(反ウクライナの急先鋒)の間ではすでに、ロシアのプーチン大統領と交渉するための終戦案が策定されているようだ。プーチン氏も、トランプ氏らと交渉する用意が出来ているとの情報が流れている。米国連邦政府の諜報組織であるCIAや公安・警察組織のFBAの最高責任者になる国家情報長官に指名されたトゥルシー・ギャバード氏は、ウクライナが実質的に野党の存在と言論の自由を認めない独裁国家であることを見抜いているから、ゼレンスキー政権の実態の詳細について、トランプ次期大統領らに報告しているはずだ。

トゥルシー・ギャバード氏

ゼレンスキー氏はミンスク合意Ⅱの実施を反故にしたうえ、ステパン・バンドラ系のネオ・ナチ勢力であるアゾフ親衛隊に指示して、東部ドンバス地方のロシア系ウクライナ国民を大弾圧して、ウクライナ戦争を誘引した。そのうえ、結果的に敗北したことになるだろう。これらの責任を取る代わりに、プーチン大統領に自らも含めて家族の安全を嘆願する見込みだ。ウクライナ戦争を誘引したディープステートの単独覇権派の主流である好戦派のネオコン派と軍産複合体は、指示したバイデン大統領らとともに、トランプ次期大統領が就任した来年2025年1月20日以降、徹底的にその責任を追及されるだろう。

米側陣営と非米側陣営との統合のため、新たな国際通貨体制の創造を

第二次世界大戦中の1944年7月1日から22日までアメリカニューハンプシャー州ブレトンウッズのマウントワシントンホテル(英語版)で、ブレトンウッズ会議が開かれ、戦後の国際通貨体制が定められた。英国のジョン・メイナード・ケインズ案と米国のハリー・ホワイト案が検討されたが結局、金とドルの兌換性(1トロイオンス=35ドル)を保証した固定為替相場制のホワイト案に決まり、国際通貨基金(IMF)と国際復興開発銀行(IBRD)を設立するブレトンウッズ協定が採択された。

しかし、このブレトンウッズ体制は、欧州(特に西独)と日本の経済復興による対米輸出の増加で米国の経常収支が恒常的に赤字になったことと、軍産複合体傘下の民主党が仕掛けたベトナム戦争などから財政赤字が急増したことで経済情勢が悪化、ニクソン・ショックであえなく崩壊し、変動相場制に移行した。当初、1トロイオンス=35ドルだったドルの価値は現在、1トロイオンス=2700ドル程度まで暴落している。金地金相場の上昇は今後も続き、逆にドルの価値はさらになくなるだろう。非米側陣営はロシアを中心に、ドルに頼らない国際決済システムを構築しているが、米側陣営と非米側陣営がデ・カップリングすることは、人類史の目標ではないだろう。新たな国際通貨体制の創造が必要な時代になっている。

旧約聖書に信仰の父として登場するアブラハムの庶子・イシマエルの血統からマホメット、嫡子・ヤコブの血統からイエス・キリストが誕生したとされている

そうした経済基盤と、本来は兄弟関係にあるユダヤ教・キリスト教・イスラム教の唯一神教を信奉する国民からなる諸国家間の対立・相克を解くことのできる現代版宗教改革が必要だと思われる。やはり、アリウス派キリスト教を高次元的に昇華して、LGBTQの問題を克服できないアタナシウス派キリスト教を吸収した新たな高等宗教が出現する時だろう。アタナシウス派キリスト教が克服できないために米国など米側陣営諸国でLGBTQが蔓延している象徴として、「米連邦下院のマイク・ジョンソン議長(共和党)は20日、トランスジェンダー女性の議員が連邦議会議事堂の女性用トイレを使用することを禁止する案を支持した」(https://www.bbc.com/japanese/articles/c9ql2grq3e9o)ことが挙げられる。豪放なトランプ次期大統領は、見掛けからは想像ももつかないが、米国のキリスト教福音派の支持と尊敬を受けており、人類の「信教の自由」と「言論の自由」を民主主義の根幹として最も大切にする「敬虔なクリスチャン」である。

 

 

 

 

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