米国では(世界最大の)対外純負債(純債務)の(増加の)状態が続く

  • 米国では、1986年末以降、外国人保有の米国資産が米国人保有の外国資産を上回り、対外純負債(マイナス)の状態が続いている。
  • 2011年末の米国の対外純負債額は、10年末から1.56兆ドル増加し、4.03兆ドル(注:400兆円規模、世界最大の純債権国である日本は250兆円規模)と過去最高を記録。資産が8,340億ドル増加し21.1兆ドルとなった一方、負債は2.4兆ドルと大幅に増加し25.1兆ドルへ達した。
  • また、対外純負債額の対名目国内総生産(GDP)比率も26.7%と、これまでの最高水準(08年:22.8%)を上回った。

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三菱総研は今後の見通しとして、

  • このように、米国の対外資産・負債の構成上、世界経済減速による世界的な株安・債券高は同対外純負債額の拡大につながりやすい。
  • 一方で、仮に米経済政策に対する不透明感などをきっかけに海外からの米国債への資金フローが逆流し始めれば、歴史的低水準で推移している米国債金利が一気に上昇するリスクがある。その場合、米国の対外純負債額は目減りする一方で、米金利急騰が他国の金利上昇にも波及する可能性がある。安全資産として米国債へ世界の資金が集中してきただけに、リスク発生時のインパクトは大きなものとなろう。

と警告を発している。対外純債務を返済するには、正統的な手法では経常収支を黒字に転換させるしかないが、「ドル高」政策を続ける限りそれは不可能だ。「世界皇帝」の「直臣」とも言われるクリントン政権下のロバート・ルービン財務長官(当時)が始めた「強いドル政策」という名のドル資金還流政策は次第に破綻してきていてる。

なお、副島氏によると「世界皇帝」の左大臣はズグネフ・ブレジンスキー元国家安全保障問題担当大統領補佐官(カーター政権下)、右大臣はポール・ボルカー元連邦準備制度理事会議長(カーター、レーガン両政権下)であり、ブレイナード女史はボルカー元議長によって育てられたという。そのブレイナード女史がFRBの議長になりそこねたのである。終わりの始まりが加速し始めたと見て良いだろう。

【補論2】親米保守の欺瞞性

安倍晋三首相に代表される「親米保守」という言葉自体が矛盾している。日本国憲法は連合軍による占領統治下時代、米国から押し付けられたものだから、自主憲法を制定しなければならない、というのが常套文句だ。だったら、米国の言うことをいつも「ごもっともです」と同国に隷属するのはおかしい。米国から特に政治・軍事・外交面で独立して、対等の立場に立つというのが本当の「保守」の主張であるはずだ。日本は米国に少なくとも1兆ドル(100兆円)貸しているが、「親米」の彼らは返してくれとは言えない。ドル高の現在こそ、返済してもらうべきなのである。ただし、米国には返済する意思も能力もないと見て良い。なお、「月刊日本」の主張が正しい保守の在り方だ。

【補論3】天皇の由来について
YahooのQ&Aで、次の回答がベストアンサーになっている。
「どれも一長一短であくまでも「説」ですが、
朝鮮半島南部説、中国大陸南東部説、九州日向豪族説などがあります。どれも推論の域は出ませんが、朝鮮半島南部はやはり有力なようです。朝鮮半島南部は「天皇家にとってのノルマンディーである」ということを述べた学者もいます。

※英国王室はノルマンディー(現在のフランス北西部)の君主であるウィリアムズ(ギヨーム)がイングランドを征服し、紆余曲折があって、大陸の領土を失い、グレートブリテンの王となったものであり、日本の天皇家も半島から渡った有力者一族が九州から次第に列島を征服し、半島の領土は何かしらで失ったという考え。但し、朝鮮半島南部起源説には、列島に「征服」に来たのではなく、文化をもって渡来し、優れた文化をもって、指導者になっていったということにクローズアップしているものもあります。」

また、Wikipediaには、
「騎馬民族征服王朝説(きばみんぞくせいふくおうちょうせつ)とは、東北ユーラシア系の騎馬民族が、南朝鮮を支配し、やがて弁韓を基地[1]として日本列島に入り、4世紀後半から5世紀に、大和地方の在来の王朝を支配ないしそれと合作して大和朝廷を立てたという説。騎馬民族日本征服論(きばみんぞくにほんせいふくろん)ともいう。東洋史学者の江上波夫が考古学的発掘の成果と『古事記』『日本書紀』などに見られる神話や伝承、さらに東アジア史の大勢、この3つを総合的に検証した結果、提唱した考古学上の仮説である。

この学説は戦後の日本古代史学界に波紋を広げ、学会でも激しい論争となったが、細かい点について多くの疑問があり、定説には至っておらず、一般の人気や知名度に比べ、支持する専門家は少数派にとどまっているとされ、今日ではほとんど否定されていると言う者もある。社会的な変化を説明するのに、騎馬民族征服王朝説はある意味で便利であり、騎馬民族の征服を考えなくても、騎馬文化の受容や倭国の文明化の契機は十分に説明が可能であるとする者もいる。」と記されている。」

マックス・ウェーバーは「支配の社会学」、ローマカトリックの教皇(法王)と世俗の皇帝・君主の二極構造が専制君主体制の定着を防いだとし、それと似た関係が日本の天皇と将軍との関係であったとし、日本がアジアの中でも特異な発展(体制間移行)を遂げてきたと説明している。

 

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