実質不況下の物価高は高市内閣で解決せず-多極化時代に相応しい経済安保戦略が不可欠、中道改革連合が最も近い位置
衆議院事務局より

読売、日経、毎日全国紙各紙の序盤選挙情勢調査では、2月8日投開票の総選挙=衆議院選では自民と維新の連立与党合わせて、絶対安定多数(連立与党が衆院各委員会の委員長を独占したうえで委員会の過半数を確保できる議席)の261議席を確保できる勢いとの予測だが、毎日によると50%前後の有権者がまだ投票先を決めかねている。現時点でこの予測はあくまでも参考値として位置付けておいた方が良い。そもそも、この解散・総選挙の大義名分、争点が明確になっていないから、高市首相人気だけが突出するムード先行の異常な状況での調査になっている。しかし、高市首相側の解散・総選挙の狙いはどうやら中国に対抗するための防衛三文書(2012年12月に閣議決定された日本の外交・安全保障政策の基本方針となる「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の総称)の見直しや安保法制の強化(拡大解釈)のようだ。しかし、有権者が最も願っているのは賃金が目立って上昇しない中での物価高(スタグフレーション)の是正で、これはウクライナ戦争をきっかけとしたエネルギー価格や反中路線を強化する高市首相の「安全保障強化策」に反発する中国のレアメタルなど希少金属価格の輸出規制など供給ショック(コストプッシュ・インフレ)によるもので、「責任ある経済政策」などの財政・金融政策では解消不可能であることは経済専門家の間では既に知られている。根本的な解決策は、日本国憲法の制約と世界が多極化時代に突入している今日、世界のどの国とも戦略的互恵関係を強化する共存共栄の経済安全保障政策の強化以外にない。この点で最も先行しているのは、衆院の旧立憲と旧公明で結党した中道改革連合だ。今はまだ新党の名前が浸透していないために、選挙情勢調査では芳しくないが、冒頭解散・総選挙の大義名分についての論議や有権者の真の願いに基づく政策論争が活発化してくれば、今後の選挙情勢が大きく変わってくる可能性がある。

組織票が大量に流れ込む選挙は任意抽出によるアンケート調査はあまり有効ではない

本論に入る前に、昨年2025年7月に実施された参議院選挙(https://www.nikkei.com/archive/special/election/2025-sanin)では、総定数は248人となり(2018年の公職選挙法改正)、過半数125人のところ、自民党議員101人、日本維新議員19人の120人。首班指名では「参議院では、高市氏が自民党と日本維新の会などの支持を得たものの、過半数(124票)にわずかに届きませんでした」(https://www.asahi.com/articles/ASTBP1F13TBPDIFI00BM.html?iref=pc_extlink)ということで、自民、維新両党だけでは自民系無派閥を入れても、安定的な過半数は確保できていない。

衆参で議決が異なった場合、法案の成立では衆議院の出席人数の三分の二以上の可決が必要になる。防衛三文書などの重要法案では与党、野党の全議員が出席するというのが本来の在り方だから、310人の賛成が必要になる。自民、維新の連立与党で絶対安定多数の議席を獲得したとしても、261人の賛成議決しか得られず、多少の与党系無派閥議員が賛成議決に参加したとしても到底、再可決はできない。つまり、今回の総選挙=衆院選で連立与党が絶対安定多数を確保したとしても、法案を成立させる力を持った連立与党にはなり得ない。次の参議院選挙は2028年夏だから、今回の総選挙=衆議院選で連立与党が「大勝」したとしても、安定的な政権運営が保証されるわけでは全くない。このことを指摘しておきたい。

日本経済新聞社による投開票時点でのまとめ

さて、中道改革連合の今後の選挙運動について巻き返しの余地があることに関して、選挙情勢報道に一石を投じているのが、ロイター通信の「マクロスコープ:衆院選、序盤は自民リードとの報道 中道『激戦区多い』」と題する報道だ(https://jp.reuters.com/world/japan/2GIT3PQCFNPERLBWMHYXFZG6GY-2026-01-29/)。この報道では、次のように伝えている。なお、中道改革連合は創価学会票や日本労働組合総連合会(連合)の労組票の組織票が、東京都23区、全国政令指定都市、中核市などで中道改革連合に流れ込む公算が大きい(後述)。この場合は、一人ひとりに対する有権者アンケートは実際の投票を反映しなくなる。

[東京 29日 ロイター] - 衆院選(2月8日投開票)は序盤の舌戦を迎えている。報道各社の情勢調査では、高市早苗総裁(首相)の人気を背景に自民党がリードする構図だ。一方、伸びを欠くと言われる中道改革連合も、「終盤盛り返せる」と悲観していない。専門家は高市氏の人気を認めつつ、波乱要素も指摘する。(中略)

<中道も悲観せず>
一方、中道も悲観はしていない。党の立ち上げが衆院解散直前になったことからそもそも党名の浸透に時間がかかると認識していることに加え、伝統的に学会員は情勢調査に回答しない傾向があるためだ。選挙戦略に携わる中道幹部は情勢調査について「学会は本気でこちらを支援している。実際はもっと僅差だろう」と話す。同幹部によると、有権者の間には自民が勝つことで政策がより右傾化してしまうことへの懸念があるという。「この時期に解散したこと自体への不満もある。激戦の選挙区が多く終盤にかけて盛り返せるはずだ。結果は投票箱を開けるまでわからない」と語った。

と報道している。なお、創価学会が中道を本気で応援しているのは、創価学会の次の公式サイトの「総本部で中央社会協議会 衆院選で「中道」の支持を決定」(https://www.sokagakkai.jp/news/3148055.html)で明確に確認できる。

創価学会の「中央社会協議会」(議長=萩本主任副会長)が2026年1月22日、東京・新宿区の学会本部第2別館で開催された。(中略)

①「生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義」の理念を掲げ、国民一人一人が自分らしく生き、その活力が社会の発展を支える政治、そして、人間の尊厳を守り抜く政治を国の中心に据えようとしている。
②極端な言説で分断をあおる政治が台頭する中、イデオロギーや対立を優先することなく、対話で合意形成を積み重ね、現実的な最適解を導き出す「中道主義」の政治を重視している。
③責任ある国民政党として、「一人ひとりの幸福を実現する、持続可能な経済成長への政策転換」「現役世代も安心できる新たな社会保障モデルの構築」「選択肢と可能性を広げる包摂社会の実現」「現実的な外交・防衛政策と憲法改正論議の深化」「不断の政治改革と選挙制度改革」の五つの柱からなる基本政策を掲げ、生活者ファーストの視点で、全世代が安心と希望を享受できる社会の構築を目指している。

こうした点が、公明党が結党以来、一貫して堅持してきた中道政治の理念や、同党が昨年11月に示した中道改革の政策5本柱の内容と方向性を同じくしていることを評価した。また、公明党が、今月15日の党中央幹事会で「来る衆院選において、新党を全面的に支援していく」との方針を決定したことも考慮し、学会として①長年にわたって支持してきた公明党が「中道改革連合」の全面的な支援を決定したこと②「中道改革連合」には、公明党出身の衆議院議員が参画し、主要な役割を担っていること③「中道改革連合」が、中道政治の理念に基づき、生活者ファーストの改革に取り組む姿勢を示していること――などを評価して、次期衆院選における「中道改革連合」の支持を決定した。

また、連合の吉野友子会長は、次のように語っている(https://www.nagoyatv.com/news/seiji.html?id=000480630)。

立憲民主党と国民民主党の支援組織「連合」が「衆議院選挙の方針」を発表しました。立憲が公明党と新党「中道改革連合」を結成したことについては「決断を尊重する」と評価しました。 連合 芳野会長 「立憲民主党の決断というものを連合としては尊重したい。新党の綱領ですとか基本政策に関し、詳細について相互に理解を求めることは時間的制約から困難ではあると思いますけれども、方向性はおおむね共感できると」

そのうえで、芳野会長は中道改革連合が基本政策で安全保障関連法について「存立危機事態での自衛権行使は合憲」と明記したことや地元合意などの条件付きで原発の再稼働を認めたことなどを念頭に「今回、立憲民主党はかなり現実路線にかじを切った」と述べました。

吉野会長はじめ歴代の連合会長は、「半自民」と言われることがよくあるが、これは歴代の連合の要求を政治の現場で実現させることが最終的な狙いであることによる。中道改革連合が政権の主役になることができる可能性が出てくれば、キャスティングボートを握る国民新党とともに、選挙区調整などを行い、中道改革連合をかなりの程度、支援していくだろう。さて、サイト管理者(筆者)は、マイクロソフト社の有力AIシステムCopilotと会話しながら、国内外の情勢について私見を述べるという試みを行っている。今回は、Copilotに全国に600万票程度の表を持つ創価学会票がどの程度、中道改革連合に流れるか、あくまでサイト管理者(筆者)による三通りのシナリオについて計算してもらった。

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