
イスラエルが13日、イランの軍事大国化を抑えるため、「核開発計画」のための「軍事施設」に対して、200機以上の戦闘機で攻撃した。これに対して、イランはすぐさま「数十の標的」に対して、反撃した。NHKによると、「イランの最高指導者ハメネイ師は国営テレビで声明を出し『イスラエルが戦争を始めた。彼らはその犯罪の結果から無傷でいることはできない。われわれの対応は中途半端なものにはならない』などと述べ」たという。しかし、イランは傘下のレバノン・ヒズボラやイエメンのフーシー派の壊滅工作を容認している。イランにはイスラエルの防空システム「アイアンドーム」を突破できる能力はないから、ヒズボラやフーシー派の壊滅を阻止できなかったように、イランの反撃は尻しぼみになる。イランと親しいロシアのプーチン大統領の仲介を受けた形で、イランが適当なところで、反撃を止めれば、米国諜報界(ディープ・ステート=DS=))の多極化勢力を構成するイスラエル右派のネタニヤフ大統領と親しいトランプ大統領は、対イラン制裁をストップさせ、イスラエル、サウジアラビア、イランなど中東の大国主導での中東和平が実現に努力する流れになる。
核開発は最新の軍事技術の開発につながらない
取り敢えず、コトの経過についてNHKの報道を紹介しておく(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250614/k10014835031000.html)。
イスラエル軍は13日、「イランの核開発計画への先制攻撃を行った」とし、200機の戦闘機でイラン各地の核関連施設や軍事施設など100以上の標的に対して、攻撃を行ったと明らかにしました。(中略)
トランプ大統領“イスラエル支持に変わりはない”
アメリカのトランプ大統領はイスラエル軍が、イラン各地にある核関連施設などへの攻撃を行ったことを受けてアメリカメディアなどの電話取材に応じ、イスラエルを支持する立場に変わりはないと強調するとともに、イランとの核開発をめぐる協議が進展することに期待を示しました。アメリカのトランプ大統領は13日、アメリカメディアなどの電話取材に相次いで応じ、このうちCNNテレビの取材には「イスラエルを支持する」と述べて、アメリカの立場に変わりはないと強調したということです。ニュースサイトのアクシオスの取材では、イスラエルの攻撃には「すぐれたアメリカ製の装備」が使用されたと明らかにしました。そして、今回の攻撃がイランとの核開発をめぐる協議に悪影響を及ぼす可能性を問われ「そうは思わない。むしろ逆かもしれない。これで彼らは真剣に交渉するかもしれない」と述べ、協議の進展に期待を示しました。(中略)
イランの国営テレビは日本時間の午前3時すぎ、イランがイスラエルに対する攻撃を開始したと伝えました。イスラエル軍はイランからミサイルが発射されたとしていて、最大の商業都市テルアビブの近郊などで被害があり、けが人が出ていると伝えられています。イスラエルが13日、イランに対して行った攻撃への報復とみられます。イランの国営テレビは日本時間の(14日)午前3時すぎ、イランがイスラエルに対する攻撃を開始したと伝えました。
ロイター通信は、イランの軍事精鋭部隊である革命防衛隊の話として、イランがイスラエルの数十の標的に対して攻撃を実施したと伝えました。また、イランのメディアを引用し「イランからイスラエルに向けて弾道ミサイル数百発が発射された」と伝える一方、イスラエル軍の話として「発射されたミサイルは100発未満でそのほとんどは迎撃されたか、目標に届かなかった」とも伝えています。
NHKの記事にもあるように、ネタニヤフ首相と米国諜報界(ディープ・ステート=DS=)の「隠れ多極派」を形成するトランプ大統領は、イスラエルのネタニヤフ首相、リクード右派政権支持で一貫している。こうした中で、トランプ大統領とウクライナ戦争を含む国際情勢の推移で水面下の協力を続けている、イスラエル・イランと友好関係を保っているロシアのプーチン大統領が、両国首脳に対して電話会談を行い、今回の紛争の調停の乗り出す意向を表明した(https://jp.reuters.com/markets/commodities/PJBDBNETGBIOTD5CQQL54QW5MY-2025-06-13/)。
[13日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は13日、イラン大統領およびイスラエル首相と個別に電話会談を行った。イラン大統領との電話では、ロシアはイスラエルの対イラン行動を非難すると伝えた。イスラエルに対しては、イランの核開発計画を巡る問題は外交によってのみ解決できるとした。ロシア大統領府(クレムリン)の声明によると、プーチン大統領はイランのペゼシュキアン大統領に対し、ロシアは「国連憲章に違反したイスラエルの行動を非難する」と述べ、犠牲者に対し哀悼の意を表した。またイスラエルのネタニヤフ首相との会談では「協議プロセスに復帰し、イランの核開発計画に関する全ての問題を厳密に政治的・外交的手段を通じて解決することの重要性を強調した」という。ロシアは、イランとイスラエルの双方と緊密な連絡を維持する方針を示した。
これに先立ちクレムリンのペスコフ報道官は、「ロシアはイスラエルとイランの間の緊張の急激な高まりを懸念し、非難する」と国営メディアに語っていた。
今回のイランのイスラエルに対する「報復攻撃」については、その効果に疑問がある。イスラエルは現在、世界最高性能の防空システム「アイアンドーム」を構築・実戦配備している。その発展形態ないし当面の完成形態が、トランプ大統領が1750億ドル(30兆円規模)の費用を使って構築する「ゴールデンドーム」だ。防空システムとしてのデータとしては少し古いが、アイアンドームについて、Wikipediaから引用する(https://x.gd/8rlmc)。
(アイアンドームは)ラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズとイスラエル国防軍により共同開発された。Counter-RAM として4キロメートル以上70キロメートル以内から発射される155mm砲弾、ロケット弾は元より、対空ミサイルとして10キロメートル以内のUAVや航空機、誘導爆弾に対する近接防空を担うことも考慮されている。全天候型のシステムとして構築され、重要性の低い目標へ向かう攻撃を対象から除外することで、ミサイルの消費を押さえる事も可能とされている。2008年の段階では、射程15キロメートルでロケット弾が飛来した場合、150平方キロメートルのエリアを防御可能であると考えられていた。
迎撃成功率は、2011年末で75 %、2012年3月には80 %、6月の段階で90 %とされている。これは、迎撃を試みた目標に対するものであり、迎撃対象外とされたものについては分母に含まれない。運用時には、同時に2発のミサイルが用いられている。
アイアン・ドームの模式図・写真
複数の対空ミサイルを使用した防空システムはこのアイアンドームが最新のものであるが、2025年6月の現在、さらに進化しているものと予想される。実際、アイアンドームは昨年4月、イランの最高司令官を殺害したイスラエルの空爆への報復として、イランがイスラエルに向けて約300発のミサイルとドローンを発射した際に、イスラエル防衛の成功に大きな役割を果たしたことで、一躍その名声を高めた(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/88455)。これを受けてトランプ大統領(政権)はアイアンドームの発展形であるゴールデンドームを構築する予定で、長距離核ミサイルを含むあらゆるミサイル・システムを撃墜できるよう設計されている。


国際情勢解説者の田中宇氏によると、米国のトランプ大統領とイスラエルのリクード党首のネタニヤフ首相は「隠れ多極派」を構成しているが、世界の多極化だけでなく、軍事技術でも同じ方向を目指している。これからは、攻撃用超高性能戦闘機や構成ミサイル、高性能ドローンの開発競争から、これらの軍事兵器から総体として自国を守る超高性能防空システムの開発が、競争の主流になるだろう。イランはイスラエルほどはIT・AI技術が発達していない(ただし、理工系の大学にはかなり女子学生が多いことにも象徴されるように、IT・AI技術の発展には力を入れている)から、本格的な報復攻撃はできないだろう。
イスラエルがイランを攻撃したのは、軍事超大国になることを阻止することが狙いと思われる。それから、田中氏が昨日13日に投稿・公開した「中東安定のためにイスラエルがイランを空爆(https://tanakanews.com/250613iran.htm、無料記事)」によると、イランは核兵器を開発しているわけではない(仮に開発していても、イスラエルに対してはアイアンドームによって無力化される)。本投稿記事のリード文では、イスラエルのイラン空爆の趣旨として次のように指摘している。
イスラエルは、昨年ヒズボラを壊滅させたが、今回イランを壊滅させるところまではやらない。トランプは、イランと核合意を結んで和解しようとしている。イスラエルは、トランプとイランの和解を邪魔するために空爆したのでない。イランがこれから米国から許され、制裁を解かれて強い国に戻っていく前に、イスラエルがイランの軍事資産を破壊して弱体化させ、イランが強くなってもイスラエルに立ち向かってこないようにする。それが空爆の趣旨だ。
本文の主要な部分を掲載させていただくと、次のようになる。
イスラエルは、昨年ヒズボラを壊滅させたが、今回イランを壊滅させるところまではやらないだろう。トランプの米国は、イランと核合意を結んで和解しようとしている。イスラエルは、トランプとイランの和解を邪魔するために空爆したのでない。イランがこれから米国から許され、制裁を解かれて強い国に戻っていく前に、イスラエルがイランの軍事資産を空爆で破壊して弱体化させ、イランが強くなってもイスラエルに立ち向かってこないようにする。それが今回の空爆の趣旨だ。(Trump Will Allow Iran To Enrich Uranium In 'Acceptable' Nuke Deal Proposal)
イランは数日内にイスラエルを報復攻撃しそうだ。イランとイスラエルが相互に報復攻撃を繰り返し、中東が大戦争になっていく・・・。そのようなシナリオが語られがちだが、それは多分違う。イランとイスラエルは昨年から何度も相互に報復攻撃し合ってきたが、毎回、相互の攻撃は、大戦争とか潰し合いとは逆方向の、尻すぼみになっている。(イランとイスラエルの冷たい和平)
イスラエルは、トランプの再選が事実上内定した2023年夏以来、米国の諜報力を自由に借用して中東での覇権と軍事力を急速に強めた。イスラエルは、そのちからを使ってパレスチナ抹消のガザ戦争や、イランとその傘下勢力(レバノンのヒズボラ、シリアのアサド)の破壊へと動き出した。(シリア新政権はイスラエルの傀儡)
イスラエルはイランを何度も空爆したが、イランはある程度やられるがままになっている。イスラエルの台頭は多極化(米覇権解体)の一環であり、ロシアも中国も米国もサウジも、それを認めている。イランだけが拒否・抵抗してもうまくいかない。だからイランは昨年来、イスラエルに攻撃されても、最低限の国家の尊厳・面子を維持するための反撃をするだけで、イスラエルの横暴をかなり黙認している。(ヒズボラやイランの負け)(中略)
イランが本気でイスラエルに対抗するなら、傘下のヒズボラやアサドが潰される前にテコ入れし、中東大戦争になったはずだ(そしてイランの政体は潰れていた)。イランは、その道を選ばず、イスラエルの覇権が拡大し、その代わり米欧の覇権が低下する新しい中東体制の中で生きていくことにした。(The Taliban Is Back In The International Spotlight)
イランがイスラエルの中東覇権拡大を認めて「いい子」にしていると、トランプがイラン制裁を解除してくれる。イランは国際社会での自由行動を認められ、多極化した世界の中で再台頭していける。イスラエルとの関係も、冷たい和平で安定していく。最近、アフガニスタンのタリバン政権が中露印との親密度を増しているが、その動きにはイランも入っている。これはイランの台頭を象徴している。イランは、イスラエル、トルコ、サウジと並ぶ、中東の地域覇権国の一つになりつつある。その前段階として、イスラエルがイランを空爆してイスラエルにとって「強すぎない」ように弱め、トランプがイラン制裁を解除していく。(Another one bites the dust: Iran hawks disappearing from admin)
実際、「昨年末、イランの傘下にいたシリアのアサド政権が、イスラエル傀儡のアルカイダ系勢力HTS(シャラア=シャーム開放機構、新憲法制定のための暫定的な立法機関)によって政権転覆されたが、イランはイスラエルに復讐するどころか、イスラエル傀儡のHTSのシリア新政権にヘラヘラ接近している。イランは、イスラエルの中東覇権拡大を黙認している」。なお、イランが核兵器を開発していると一般的に理解されているが、田中氏によると、「イランの核施設は医療用アイソトープ(同じ元素でありながら原子核の中性子数が異なる原子のこと。放射性同位体とも呼ばれる。特に、放射線を放出する性質を持つものをラジオアイソトープ(RI)と呼び、医療分野では診断や治療に利用されている)製造など民生用だ。だから核施設でなく原子力施設。イスラエルの空爆の主な標的はイランの軍事資産であり、原子力施設への空爆は象徴だけの濡れ衣劇の一環だ。(歪曲続くイラン核問題)」ということである。

ただし、今回のイスラエルによるイランの原子力施設への攻撃は、ロシア在住の日本人実業家で国際情勢アナリストのにキータ氏によると、6月1日にウクライナがウクライナとロシアとの国境からはるかかなたのロシア東部奥深くで行った「蜘蛛の巣作戦」と似ているところがあり、①イスラエルの諜報機関モサドによるイラン国内での原子力科学者の殺害②イスラエル軍の戦闘機によるイランの原子力施設の攻撃ーのイラン国内内部での撹乱とイラン国外からのイラン国内の攻撃の二点があるという。ニキータ氏によると、イランとしては想定外の攻撃に驚きを隠せなかったのではないか、との見方だ(https://www.youtube.com/watch?v=nFNVUIQtEcc&t=609s)。
さらに、ニキータ氏はイスラエルがイラン国内の内部撹乱まで行ったことで、今回のイスラエルによるイラン攻撃は、ロシアが遺体交換でも誠意を見せないウクライナの腐敗した政界を撹乱(実際のところは、正常化)する機会を与えたのではないかと見ている。ただし、短期的にはイスラエルはイランによる早期の核開発を危険視しているだろうが、最先端の軍事技術は核ミサイルを含む防空システムの構築である(当時のレーガン大統領がぶち上げたスター・ウォーズの世界)。実際のところ、イスラエルには現実的にアイアンドームは設置されているし、米国にもその発展型のゴールデンドームが設置されることになる。軍事システムの開発競争は今後、核開発から防空システムの開発に移る。こうした中で、イランがあえて時間と資金を浪費して、核兵器の開発に注力する必要はないだろう。
さて、中東紛争の原因になっているパレスチナ国家構想は、第一次世界大戦の際に、当時の大英帝国が中心となって締結したサイクス・ピコ協定が原型を型作った。この協定は、第一次世界大戦の最中、イギリスとフランスが謀議して、オスマン帝国が崩壊した後にその領土・支配地、特に現在のイラクやシリアやイスラエル・パレスチナあたりの、アラブ人が多く住む土地を分割して支配しようと約束したものである。この約束は、交渉に当たった英仏の植民地行政官の名前をつなげてサイクス=ピコ協定と呼ばれるが、三国協商国(英国、フランス、ロシアのうちロシア革命が勃発したロシアは除いて、特に英国=大英帝国、フランス)側がうちわで、オスマン・トルコ帝国の解体とイスラエルの建国の支持、パレスチナ国家の樹立を約束したものだったことは間違いない(いわゆる三枚舌外交)。
大英帝国がこの三枚舌外交を展開したため、中東情勢が極めて複雑になった。このため、第二次世界大戦後、中東戦争が頻繁に起こったが、軍事力の強いイスラエルが圧勝しただけで、問題の解決にはならなかった。イスラエルで左派労働党のラビン党首が首相になり1993年9月のクリントン政権時代、パレスチナ国家との平和共存を図るオスロ合意が締結されたが、1995年11月、ラビン首相はイスラエルの右派青年に暗殺された。これ以降、イスラエルはリクードなど右派が政権を担うようになり、イスラエル国内ではパレスチナ国家構想自体を否定する動きが出てくる。
その動きが本格化したのが、2023年10月のハマスによるイスラエル侵攻に対するネタニヤフ政権のガザ侵攻という報復攻撃である。この紛争(戦争)の目的は、ガザやヨルダン川西岸からパレスチナ人を移住させることである。居住地について、田中氏は「表裏あるシリアとの和解(https://tanakanews.com/250518sharaa.htm)」で、次のように予想している。
トランプは、アルカイダとの対立を崩した。しかしイスラエルは、まだハマスを敵視してガザ市民を虐殺・餓死させている。これは、ガザから大半の市民が(エジプトなど他国もしくは天国に)出ていくまで続く。米イスラエルは当初、ソマリアから分離独立したいソマリランドにガザ(や西岸?)市民(パレスチナ人)を(強制)移住させ、移住を受け入れるソマリランドに国家承認と経済支援を与える(サウジUAEなどが金を出す)策を考えた。だが、ソマリランドがこの案を受け入れなかったようで、話が立ち消えている。(Witkoff Told Mediators That the US Won't Force Israel To End Gaza Slaughter)(進むイスラエルのガザ虐殺)
替わりに最近出てきたのがリビアだ。リビアは、イスラエル諜報界が誘発した「アラブの春」で2011年にカダフィ政権が潰れて以来ずっと内戦だったが、最近国内諸派が和解する動きになっている。ここでイスラエルがまた動き、ガザ市民を何十万人か受け入れたら、米欧が再統合したリビアを国家承認して(サウジUAEが)経済支援するという話になっている。
ソマリランドが断った話を、リビアが受け入れるのか。ハマスは、ガザ市民が移住してガザが空っぽになるパレスチナ抹消を容認するのか。わからない。今後の動きを見ていく。(進むイスラエルのガザ虐殺)(Libya and Trump administration discussed sharing billions of dollars in frozen funds, sources say)
ハマスはムスリム同胞団パレスチナ支部である。ムスリム同胞団は、1928年にエジプトで結成されたイスラム主義組織で、イスラム原理主義を根幹とするが、王政は認めない。英国の植民地支配からの独立と、イスラム法に基づく社会改革を掲げて社会運動が始まったが、その後、中東を中心に世界各地に支部を持つ、古参のイスラム主義組織に成長した。中東では、イスラエルのほかスンニ派のサウジアラビア、シーア派のイラン、ムスリム同胞団が鼎立(ていりつ)する。これらは、世界三大一神教のうち、キリスト教を除く二つの超越一神教である。第英帝国の三枚舌外交の苦肉の策として容認されてきた「パレスチナ国家構想」では、中東に和平と平和は訪れない。
トランプ大統領が一期目の2020年8月、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE、サウジアラビアの傘下にある)との国交正常化を仲介したアブラハム合意を中心としてしか、中東諸国の外交関係の正常化と中東和平は訪れないだろう。そして、水面下ではイスラエル、サウジ、イランそれぞれ「拡大アブラハム合意」に向けて加速しつつあるようだ。
トランプ大統領、金正恩総書記との再会談を期待ー在韓米軍の撤退視野に
トランプ大統領は再度、金正恩総書記との再会談を期待しているようだ。NHKは次のように伝えている(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250612/k10014832951000.html)。
アメリカ・ホワイトハウスのレビット報道官は11日、記者会見で質問を受け「トランプ大統領はキム総書記との書簡のやりとりに引き続き前向きだ。1期目の2018年にシンガポールで行った首脳会談での進展を大統領は確認したいと考えている」と述べました。
ただし、次のように「尾ひれ」のようなものがついている。
しかし、北朝鮮は核やミサイル開発を進めるとともに、ロシアにも接近していて、米朝の首脳会談の実現はより難しくなっているという見方も出ています。
これについて、サイト管理者(筆者)なりにコメントすると、中露同盟とともに中朝同盟があり、米露は水面下で良好な関係を保っている(ロシア人の対米好感度は劇的に上昇した)し、米中はレアアース対米輸出問題で一応、多少の関係改善は出来てきている。ロシアが米朝の関係改善の仲立ちをする可能性だってある。在韓米軍費用の負担は韓国側も拠出している(注:26年の負担額は25年比で8.3%引き上げ、1兆5192億ウォン(約1660億円)=https://www.asahi.com/articles/ASSB43TR5SB4UHBI031M.html=)が、米国にとっても軍事費などで負担が必要だ。トランプ大統領が、いわゆる「ならずもの国家」のイメージを払拭させることが出来るかどうか、手腕が問われる。
韓流時代劇ドラマでは今の北朝鮮が、朝鮮半島の主流として描かれている場合が少なくないし、古代には高句麗の優位性が伝えられ、高句麗が唐・新羅連合軍に破れた後は、高句麗の北・現在の満州やロシアの沿海州など広大な地域に渤海(注:バレ、698年〜926年)が突如として建国された。そして、朝鮮半島はもともと分裂国家ではなかった。なお、2022年で韓国の女性一人あたりの出生率は0.78人(ソウルは0.5人程度)だが、飢餓状態とされる北朝鮮の出生率は1.79人で、米国を上回っている。
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米政府の黄金株取得でUSスチールと新日鉄がパートナーシップ
米政府が、株主総会などでの重要議案を否決できる権利を持つ株式黄金株を取得することで、USスチールと新日鉄がパートナーシップが築かれた。一応、新日鉄はUSスチールを完全子会社化することになるが、重要案件についてはトランプ政権が拒否することになる(https://news.yahoo.co.jp/articles/b5e31102260baf5339c557a27c93c177288d3879)。
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画で、日鉄は14日、トランプ米大統領が両社の「パートナーシップ」を承認したと発表した。日鉄関係者によると、USスチールの普通株を日鉄が100%取得する完全子会社化を認める内容。一方で、経営の重要事項に拒否権を持つ「黄金株」を米政府に発行する。 買収費だけで141億ドル(約2兆円)を投じる日米の大型合併・買収(M&A)は、計画の発表から1年半を経て結実に向かう。(注:朝日新聞サイトの転載記事)
米国経済再建のためには、ITやAIなどを取り入れた高度な戦象業を中核とした産業国家として再生する以外にない。