トランプ大統領のために中断していた金地金相場の上昇再開は中露主導ー上海協力機構やBRICSは新国際通貨体制を構築へ(ウクライナ情勢伝追記予定)
青は加盟国、赤はオブザーバー。橙色は対話パートナー。紺色は客員参加

金地金相場は8月中旬までは横ばいを続けていた(上昇が中断されていた)が、8月下旬から上昇が再開された。国際情勢解説者の田中宇氏によると、この上昇再開は、米国の金融システムへの警戒感や米国国債金利の低下予測からではなく、諜報界の英米単独派遣派が凋落、英仏独を中心とする欧州リベラル左派政権の崩壊が本格化し、ウクライナ戦争が終結の段階に入ってきたことによる。ユーラシア大陸の親中露国家からなる上海協力機構(Shanghai Cooperation Organization=SCO=)やグローバルサウス国家の加盟、オブザーバー参加国が増えているBRICSが、ドルに左右されない新たな国際通貨体制の構築を開始しており、その中核として金地金を重要視しているためだ。米国はドル基軸通貨体制の維持のため、世界各国からドル建てで製品を輸入して大幅な経常赤字を出し続けてドルを供給し、供給したドルを自国に還流させるドル還流債券金融システムを形成してきたが、そのために世界最大の体外純債務国家になってしまった。米国にとってもはや、ドル基軸通貨体制の維持は荷が重すぎる。このため、諜報界の単独派遣派勢力を抑え込んだ多極派勢力であるトランプ大統領、プーチン大統領、習近平国家主席は隠然と(水面下で)協力しあい、ドル基軸通貨体制に代わる新たな国際通貨システム構築を進めている。金地金相場は今後、上昇傾向を強めていくだろう。なお、現在進行しつつある新たな多極化政治システムは、国際連合の再構築によって調和・統一の方向に向かいそうだ。

三菱マテリアルによる金地金相場の推移

取り敢えず、三菱マテリアルのサイトで公開されている直近の金地金相場とここ一年間の金地金相場の推移を下図に掲載する(https://gold.mmc.co.jp/market/gold-price/)。今年の8月下旬までは横ばい(上昇中断)の状態にあったが、下旬から再上昇に転じていることがよく分かる。

金地金相場が8月下旬から再上昇に転じたきっかけは、8月15日にアラスカで開かれた米露首脳会談だ。同会談では、石油・天然ガスはもちろん現代産業に不可欠なレアアースを含むレアメタル(希少金属)の埋蔵量が豊富な北極圏(ロシア東部とアラスカ)の共同開発という経済協力でトランプ大統領とプーチン大統領が合意したが、もうひとつの重要な成果は、トランプ大統領が「ウクライナ戦争は(ミンスク合意Ⅱの二の舞いになる停戦ではなく)終結」させなければならないと明言したことだ。

英仏独を中心としたリベラル左派全体主義官僚独裁政権の北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国は今や、①フランスを筆頭に、ウクライナへの経済・軍事支援で財政が破綻情勢になっているし、看板であった福祉国家の実現を目指す社会民主主義路線も既に破綻している②少子高齢化の対策として安易な移民推進策を行ってきたため、経済的混乱と社会的不安に同時に見舞われている③ロシア産の天然ガスや石油の購入を表向き、断ったため(注:東欧諸国を迂回して、石油精製製品の形でこっそり購入している)エネルギー価格が高騰し、自動車産業など基幹産業が国際競争力を失っている④ドイツなどでは徴兵制が復活し、ドイツ国民の猛反発を受けているーなどから、ウクライナ支援どころではない。

これについては、Youtubeチャンネル・「THE CORE」の「史上初! 反グローバリズム政党が英国, フランス, ドイツで同時に支持率首位【及川幸久】」(https://www.youtube.com/watch?v=JPt5fiKPpdE)が大いに参考になる。下図は、参考になる動画をキャプチャしたものだ。

幸福の科学出身だが、日本の反グローバリズム政党と言われる参政党のブレーンにもなっている国際情勢アナリトの及川幸久氏によると、マクロン大統領は中道政党「民主運動(MoDem)」のフランソワ・バイルー党首を内閣の首相に任命したが、バイルー首相は、フランスが国内総生産比で欧州最大の財政赤字を抱えているため、歳出を大幅にカットする緊縮予算案を議会に提出し9月8日、自らの内閣の信任投票も兼ねて採決を行う予定だが、マリーヌ・ルペン氏率いる右派反グローバリズム民衆政党の国民戦線や左派連合政党が反対票を投じ、内閣は不信任案を可決される見込みだ(https://www.pictet.co.jp/investment-information/market/today/20250901.html)。

フランスのバイル首相は、財政赤字悪化や予算案を巡る政党間対立が深刻化する中、9月8日の内閣信任投票に向けて各政党に支持を訴えている。政府は財政赤字対GDP比率の削減を目指し、祝日の廃止や新税導入などの予算案を示したが、野党の反発が強く、議会で過半数の支持を得るのは困難な状況だ。信任投票の否決により内閣総辞職や政治的混乱が予想され今後の動向に注視が必要だ。

及川氏によると、マクロン大統領としては再度、議会(下院)選挙に踏み切るか憲法第16条の「非常事態宣言」を発布するかの二択しかないが、昨年6月と7月に行われた議会選挙では、マクロン大統領の政党「ルネサンス」は大敗した。今回もその轍(わだち=先例)を踏むことは確実とされる。このため、憲法に基づいて「非常事態宣言」を発布し、独裁者になるしか道は残されていないが、仮にそうしたとしても60日ごとに議会の監査を受けなければならない。議会の監査で承認が得られなければ、大統領職を辞退するしかない。独裁者になるための「憲法改正」は、議会が認めないだろう。マクロン大統領と夫人のブリジット・マクロン夫妻が特別な関係を「築いている」(https://www.youtube.com/watch?v=aaeSFRI4-WY)こともあって、及川氏によると、フランスではマクロン大統領の政界追放がまことしやかにささやかれているという。

冷戦思考・冷戦体制から脱却できない欧州リベラル左派全体主義官僚独裁政権は、フランス、ドイツ、英国の順に崩壊し、右派反グローバリズム民衆勢力の政権が樹立されるのではないかというのが、サイト管理者(筆者)の予想だ。フランスの国民連合、ドイツのドイツのための選択肢、英国のリフォームUKが、欧州政界再編成の中心になっている。トランプ大統領と親しいイタリアのジョルジュ・メローニ首相率いるメローニ政権は元々右派政権だ。なお、オーストリアでも反グローバリズム民衆政党が第一党になっている(https://www.bbc.com/japanese/articles/cgmg24rggmeo)。

イタリアのジョルジュ・メローニ首相=Wikipedia

凋落する欧州リベラル左派全体主義独裁政権とは反対に、ユーラシア大陸の中露友好国で構成される上海協力機構(SCO)の第25回首脳会議が8月31日~9月1日、中国は天津市で開催され、多国間貿易体制を支持し、上海協力機構開発銀行を設立するとした「天津宣言」を発表した(https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/09/ea0a43c75e1099c4.html)。

参加国首脳は、「今回の首脳会議には習国家主席、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領、インドのモディ首相イランのマースード・ペゼシュキヤーン大統領、カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領、キルギスのサディル・ジャパロフ大統領、パキスタンのシャバズ・シャリフ首相、ロシアのプーチン大統領、タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領が出席した(SCO発表順)」という。

「天津宣言」では、SCO加盟国の経済連携の強化や、安全保障での協力、人的交流の推進など、多方面に及ぶ合意を示した。宣言は冒頭で、地政学的対立は激化の一途をたどり、世界やSCO地域の安全と安定に脅威と挑戦をもたらし、世界経済、特に国際貿易と金融市場は深刻な打撃を受けていると指摘した。その上で、多国間主義の強化・連携として、環境・エネルギー、デジタル経済、科学技術イノベーション、高等教育や職業技術教育、文化交流などの分野で協力体制を強化するとした(注2)。また、SCO加盟国は、加盟国間の関係を発展させるため、国連憲章とSCO憲章の目的と原則、その他、広く認められた国際法の原則と規範を平等かつ全面的に順守することを再確認した。さらに、SCO加盟国は各国国民が自らの政治的・経済的・社会的発展の道筋を選択する権利を尊重すると主張し、主権・独立・領土保全の相互尊重、平等・互恵、内政不干渉、武力による威嚇を行わないという原則が国際関係の安定的な発展の基礎だと強調した。

習国家主席は9月1日の首脳会議で、SCOには既に26カ国が参加し、50以上の分野で協力を展開し、経済規模が30兆ドルに迫る世界最大の地域組織に成長し、国際的な影響力が日々高まっていると強調した。さらに、SCOの改革を継続し、安全保障上の脅威と課題に対応する総合センターと麻薬取締センターを早期に稼働させ、上海協力機構開発銀行の設立を進め、加盟国の安全保障と経済協力に対してより強力な支援を提供していくと述べた。

多極化国際秩序の構築がすでに進んでいるわけだが、これに関連して田中氏は、「今回の金高騰の原因は米国側でなく中露にある。トランプ就任から200日で英欧を自滅させる動きが一段落し、米露首脳が会談し、中露印結束も示された。トランプに配慮した金相場の横ばいが解除され、高騰が再開された」をリード文とする「金地金高騰の再開と多極化の進展(https://tanakanews.com/250903gold.php、有料記事=https://tanakanews.com/intro.htm=)」で、次のように指摘している。

私が見るところ、今回の金高騰の原因は米国側でなく中露にある。8月31日に中国で習近平とプーチンが会い、ウクライナ戦争後を見据えた多極型の世界秩序について話し合った。ウクライナ戦争と米国のトランプ化(非英化)によって英欧の自滅が進み、世界は戦後の英米覇権体制から、米中露や非米諸国が立ち並ぶ多極型に転換する流れが加速している。Putin and Xi to lay foundations for a new world order in Beijing

8月15日の米露首脳会談と、ここ数日の中国での上海機構サミット、中露や中露印の首脳会談、抗日勝利80周年会合など、連続的な国際会合により、ウクライナ戦争が終わっていく流れが始まっている。米国側の人々が気づかないうちに、英欧(日?)の没落と、米中露の立ち上がりや多極化が進んでいる。Escobar: Russia-China - From The Memory Of WWII To BRICS/SCO SynergyThe old world order was buried in China. Here’s why it matters

非米化や多極化は、非ドル化でもある。非米側は、BRICS諸通貨で国際決済し、中長期的な不均衡を金地金のやり取りで決済するバーターに毛が生えた程度の貿易システムを、ウクライナ開戦後に広げている。基本は原始的だが、国際決済のブロックチェーン化などもやっており、使い物になっているらしい(米国側はほとんど報じないし、非米側は主導役の中共が孫子の兵法で何も言わず、非ドル決済は米国側の統計にも載らないので、新型取引の様子がわからない)。新しい世界体制の立ち上がりBRICSが多極型世界の準備完了新型取引など、非米側にとっては金地金が重要だ。

注:GoogleのAIによると、ブロックチェーンとは、「取引記録などのデータを『ブロック』という単位でまとめて鎖(チェーン)のように連結して保管する技術です。この技術は、データを複数のコンピューターで分散管理し、暗号技術で保護するため、改ざんや不正アクセスが極めて困難で、信頼性の高いデータの記録を可能に」するというものだ。下図は、NTTドコモによる概要図(https://www.ntt.com/bizon/glossary/j-h/block-chain.html)。

ブロックチェーンの模式図=NTT Docomo

 

国際政治情勢、国際経済情勢が大きく多極化に向けて大きく転換している今、多極化文明世界を調和・統一できる新たな歴史的理念が求められている。

ウクライナ戦争の見通し-ウクライナの敗北は事実上確定、ロシアは非ナチ化、中立化、クリミアと4州の併合譲らず

さて、ウクライナ戦争の見通しだが、①上述のようにウクライナを軍事的・経済的に支援してきた英仏独を中心とした欧州のリベラル左派全体主義完了独裁政権がいずれも政治的に困難な情勢に置かれている現状、もはやウクライナに対する軍事的・経済的援助は不可能になっている②トランプ政権は欧州のウクライナ支援国に対して武器を売却、欧州側が購入してウクライナ支援に充てるという構想(現在の欧州ウクライナ支援国にはできない)を崩しておらず、要するにウクライナに対する米国の負担になる軍事的・経済的支援を拒否している③ウクライナ国内にも戦線を現状で凍結するという構想、つまり、クリミアと東南部4州(ルガンスク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソンの4州)のロシアによる支配を容認するという声が強まってきている-などから、ウクライナの事実上の敗北は確定している(Youtubeチャンネル「外交の真実」の最新投稿動画「停戦か崩壊か…ウクライナが直面する最後の選択、EUは戦線凍結を模索」=https://www.youtube.com/watch?v=WoxE5mr_Pi0=)。

なお、戦況だが、東部ドンバス地方の兵站拠点は次々とロシア軍に陥落させられている。軍事ブログの航空万能論は9月5日、「ロシア軍がほぼ全ての戦場で前進、ドネツク・ドニプロ方面は情報が錯綜」と題する記事を投稿、次のように述べている(https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-advance-on-almost-all-fronts-conflicting-information-on-donetsk-dnipro/)。

DEEP STATEとRYBAR(注:いずれもロシア、ウクライナの軍事ブロガー)は「ロシア軍がドヴォリチナ方面、クピャンスク方面、リマン・シヴェルシク方面、ポクロウシク方面、ドネツク南西・ドニプロペトロウシク南東方面、ザポリージャ方面オリヒウ方向で前進した」と報告し、ロシア軍はほぼ全ての戦場で前進した。

ロシア軍がウクライナの東部、東南部で大攻勢をかけているようだ。ただし、「ドネツク南西・ドニプロペトロウシク南東方面の状況は何が事実か不明で、もう前線ラインはグチャグチャだ」とも記しており、正確な情勢は不明だ。上記のYoutubeチャンネル・「外交の真実」によると東部ドンバス地方最大の要衝であるポクロウシク、スリャビャンスクなどはロシア軍が包囲しており、市街戦も始まっているとも伝えている(https://www.youtube.com/watch?v=dpLxzZb3kYo)。

Google Mapによる

戦況を知るためには、軍事ブロガーの正確な情報が必要だが、「大本営発表」を利用するという手もある。ウクライナ軍が不利になっているという情報は、オールド・メディアではそれほど報じられないが、SNSの世界では共通の理解事項になっていることから、ウクライナの「大本営発表」は信じられない(注:それでも戦線凍結という主張がウクライナ国内からも出てきており、ゼレンスキー氏もロシアの凍結予算3000億ドルをウクライナの再建のためと称してウクライナに渡せと発言している。実際のところは、ウクライナ軍の建て直し、強化策に充てる=https://www.bbc.com/japanese/68014731=)が、ロシアの「大本営発表」は一定の程度、信用することができるだろう。ウクライナ戦争の大義は、ロシアにあるからだ。

時事通信は9月4日、「ウクライナは防戦一方 軍事力で目標達成に自信 プーチン大統領」と題する配信記事で、次のように伝えている(https://news.yahoo.co.jp/articles/3c0b9d0a4b941e74bd994fa386d47a7a163e1110)。

ロシアのプーチン大統領は3日、開始から3年半が過ぎたウクライナ侵攻の現状について「ロシア軍はあらゆる方面で前進している」と語った。 ウクライナ軍に「大規模攻勢を行う能力はない」と述べ、防戦一方だという認識を示した。4日間の訪中日程を終えた北京で、記者団の取材に応じた。トランプ米大統領が仲介する和平への期待がしぼむ中、軍事力でウクライナの「非武装化」「中立化」など目標を達成することに自信を示した。

余談だが、ロシアは上海協力機構開催ののち、極東のウラジオストクで開かれた第10回東方経済フォーラム(注:ロシア極東部への外国からの投資を促すため、ウラジオストクでほぼ毎年開催される国際会議=https://x.gd/vtAUZ=)で、プーチン大統領は欧米諸国との対露経済制裁と距離を置くアジアの「友好国」との関係強化をアピールした(https://www.jiji.com/jc/article?k=2025090500854&g=int#goog_rewarded)。

プーチン氏は5日、全体会合に先立ち、中国の李鴻忠・全国人民代表大会(全人代)常務副委員長と会談。中国側がロシア人の短期滞在ビザ(査証)免除を発表したことについて「ロシアも同様に対応する」と約束し、観光やビジネスでの交流促進に期待を示した。全体会合の演説では、物流に力点を置き、アジアとつながる北極海航路の発展の必要性を強調。ロシアと北朝鮮との国境を流れる豆満江に架かる道路橋が建設中で「来年にも開通する」と述べた(注:ロシアは中朝同盟のもと、北朝鮮との軍事・経済協力を加速させており、トランプ大統領も北朝鮮の金正恩総書記との首脳会談に強い意欲を持っている)。

また、ベトナムの情報サイト・Vietnum.vnも次のように伝えている(https://www.vietnam.vn/ja/phien-toan-the-dien-dan-kinh-te-phuong-dong-2025)。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9月5日午前(現地時間)、ウラジオストク市で9月3日から6日まで開催されている東方経済フォーラム2025(EEF-2025)の全体会議に出席し、重要演説を行った。(中略)

ロシアのプーチン大統領は、総会の開会演説において、持続可能なマクロ経済政策は経済発展の根本条件であると明言した。ロシア政府は長年にわたりこの政策を推進し、ついに好ましい成果を上げてきた。プーチン大統領によると、ロシア経済は高賃金経済にならなければならない。これは単なる空虚な言葉ではなく、経済的な意義を持つと彼は考えている。プーチン大統領は、過去10年間で極東地域の平均賃金が2.5倍に上昇したと述べた。昨年末までに、この数字は名目ベースで月額10万ルーブルを超えた。

ロシア大統領は、この地域では失業率(7%から2.4%)と貧困率が減少したが、これらの指標は依然としてロシアの平均より高いと述べた。極東開発計画に関して、プーチン大統領によると、ロシアはトゥマンナヤ川を渡って北朝鮮に架かる橋を含む新たな橋の建設を計画している。ロシアから北朝鮮に架かる橋は2026年に開通する予定だ。さらに、ロシアはバイカル・アムール幹線やトランスシベリア鉄道を含む鉄道の近代化を継続しており、2032年までにこれらの路線の輸送能力は今年初めの1.5倍に増加する見込みです。

さらに、ロシア政府は、極東および北極圏の企業に対する統一優遇制度の範囲を決定する必要があり、これは2027年1月1日までに実施される予定である。ロシア大統領によると、極東における石炭と金の採掘量は過去10年間で約1.7倍に増加しました。これは、地下採掘許可に関する宣言原則の導入によるものです。この地域の港湾能力は倍増し、現在では年間約3億8000万トンの貨物を取扱っています。2030年までに、この数値はさらに年間1億1500万トン増加すると予想されています。

ロシアでは国内インフレが問題になっているがプーチン政権は、短期的には対露経済制裁を行わない諸国(上海協力機構参加諸国やBRICS加盟諸国など)との貿易・投資の強化により経済の供給能力を高めつつ、中長期的には米露首脳会談の主要テーマになった石油や天然ガスはもちろん、現代の先端産業に必要なレアイースを含むレアメタルなどの天然資源の埋蔵量が豊富な北極圏(ロシア東部)の米国企業との共同開発により、経済の供給能力を飛躍的に高めて、短期的、中長期的にインフレの鎮静化を実現する目標を掲げていると見る。経済的に余裕が増してくる中、ウクライナ戦争での事実上の勝利は揺るがない。

フォンデアライエンEU委員会委員長=CNN

プーチン大統領は、ウクライナに対してはあくまでも、紛争の根本原因である「NATOの東方拡大の停止」を前提に、①キエフ政権の非ナチ化と中立化②ウクライナの非軍事化③クリミアとウクライナ東部、東南部4州の州民の民主的な投票でロシアへの併合を決定したとするこれらの諸地域のロシアへの移譲の国際法的な承認-を求める姿勢は崩していない。最近では、メルケル首相(当時、100万人の移民を許可し、現在では1300万人を超えている)が欧州連合(EU)の欧州委員会に抜擢したフォンデアライエン委員長がEU官僚を利用して、移民推進策やウクライナ支援策の強化など、独裁傾向を強めているため、プーチン大統領は次第にウクライナのEU加盟も認めない発見を行うようになった。

なお、欧州委員会は欧州連合の行政執行機関で、EUの「内閣」や「政府」に例えられる。加盟国から1人ずつ選ばれる27人の「欧州委員」が合議体を構成し、表向きはEU全体の利益のために活動するとされている。主な役割は、EUの法案を策定してEU理事会と欧州議会に提案すること、政策を執行すること、EU法の順守状況を監視し違反者をEU司法裁判所に提訴することなどがあるが、欧州議会が欧州委員会の上に立つ通常の立法機関ではなく、EU加盟国諸国民の意向(移民推進策やウクライナ支援策、コロナワクチンの強要などへの反対)を無視して、官僚体制を基盤にした独裁傾向に陥っているのが現状)である。サイト管理者=筆者=が英仏独を中心とした欧州NATO加盟諸国をリベラル左派全体主義完了独裁体制と呼ぶのは、このためだ。

ロシア在住29年目のビジネスマンで、Youtubeチャンネル「ニキータ伝〜ロシアの手ほどき」を通して、反グローバリズムの立場でロシアからロシア・ウクライナ・欧州・米国の動きを発信している国際情勢アナリスト・ニキータ氏の最新投稿動画「米露関係は悪化したのか⁈〜9/6土曜版です🙂‍↕️‼️(https://www.youtube.com/watch?v=UOkS_IqEd94)」によると、プーチン大統領は上海協力機構終了後の記者会見で、次のように語ったとのことだ。第一に、常識が勝るのであれば、この紛争を終わらせるための受け入れ可能な選択肢について、合意できるようと思える。第二に、トランプ大統領率いる現米国政権の雰囲気を見れば、彼らには訴えるだけでなく、解決策を見出そうとする真摯な願望が見て取れ、トンネルの出口には確かな光が差し込んでいるように思われる(注:アラスカでの米露首脳合意が崩れることはないという意味)。第三に、そうでなければ(冷戦思考を脱却できない欧州リベラル左派政権がウクライナに対する軍事支援を継続すれば)、我々は武力を持って目の前に立ちはだかるすべての課題を解決せざるを得なくなる。

欧州のリベラル左派全体主義官僚独裁体制政権が実現しようとしている有志連合構想(注:有志連合がウクライナに派兵し、「ウクライナの安全保障の保証」をするという構想)は既に、絵にかいた餅になっている(注:欧州NATO加盟諸国の中にも右派政権のイタリアやハンガリー、ウクライナ支援拒否に転じたポーランドなど、有志連合に加わらない国も存在するうえ、既に述べた英仏独などの諸国の政治的に危機的な事情がある。参考サイト:https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-250905X595)。

現実的な出口は、欧州では今後、ウクライナ支援NATO加盟国が崩壊し、反グローバリズムの民衆のための勢力が政権を獲得、ロシアと和解を進め、NATOに代わる欧州(西欧・東欧・北欧)とユーラシア大陸の主要部分を占めるロシアおよびその友好国との、冷戦体制に代わる新たな文化・政治・経済・軍事の国際秩序(多極化文明)が構築されていくだろう。その場合、米価上昇など物価高に苦しむ国民生活をそっちのけにして、ウクライナ支援をバイデン首相(当時)から指摘され、ウクライナに少なくとも2兆円規模の多額の軍事・経済支援を行ってきた岸田、石破政権の責任が問われることになる。

自民党総裁選前倒し(フルスペックの臨時総裁選)は既定路線-石破首相・森山幹事長体制を支えてきた単独派遣体制派傘下にある岸田前首相の責任追及を

その石破茂首相が総裁を務める自民党総裁選の前倒し実施(フルスペックの臨時総裁選実施)の決定は、来週前半(8日月曜日)にもなされる。自民党執行部の4役(森山裕幹事長、鈴木俊一総務会長、小野寺五典政調会長、木原誠二選挙対策委員長)のうち、権力の座にしがみついているのは、石破首相・総裁と森山幹事長だけで、残りの党執行部役員は事実上、辞任届けを出しており、石破首相の口癖とは反対に、既に重大な政治空白が生じている。政治評論家の桜井よしこ氏は、総選挙実施による自民党議員に対する脅しが失敗するとともに、参院議員の多数が総裁選の前倒しに傾いたため、「総裁選前倒し(フルスペックの総裁選)」は既に既定路線になっていると公言している。

桜井氏が述べていないのは、石破・森山体制を裏で支えている岸田文雄前首相の政治的責任である。岸田前首相は、国民が米価の値上がりなど物価高で苦しんでいる中、敗北が確定しているウクライナに対する少なくとも2兆円規模の軍事・経済支援を行ってきたが、北海道ではプーチン大統領とともにウクライナ戦争を終結させようと努力しているトランプ大統領を強く批判している。岸田前首相は、戦後の対米隷属路線を築いた吉田茂の宏池会系だが、これは世界的な超崩壊の中で、本格的に打倒されつつある米英単独派遣体制派に属し、国民の支持が急上昇している参政党の反グローバリズムに対峙するグローバリストでもある。

さらに、フランスの幕論大統領が司法を使って、反グローバリズムの民衆政党である国民連合を率いるマリーヌ・ルペン氏を大統領選に出馬できないようにしたように(注:控訴審では新たな判決が示される)、世界平和統一家庭連合も司法を使って弾圧(注:東京高等裁判所では、「不法行為と推認される」を乱発して判決を下した東京地方裁判所の判決を批判していると伝えられる)、日本国憲法に保障することを定められた基本的人権の根幹をなす信教の自由を根本から破壊している。

そして、戦前のような大本教弾圧事件(1921年、1936年=https://x.gd/sn5oX=)をひとつのきっかけとして、民主主義(当時は民本主義)否定・全体主義独裁政治の復活をも目指しているような「政治家」でもあるようだ。産経のニュースサイトは「旧統一教会の解散請求で『陳述書を捏造』と主張、信者と元信者が文科省職員6人を東京地検に告訴・告発」と題する次のような報道記事を掲載している。

文部科学省による世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求を巡り、裁判所に提出された元信者の陳述書に 捏造ねつぞう があったとして、教団の信者と元信者の計4人が5日、同省職員6人について、有印私文書偽造容疑などで東京地検に告訴・告発状を提出した。告発人2人と代理人弁護士が同日、記者会見を開き、明らかにした。告訴・告発状では、職員6人が2023~24年、元信者の陳述書4件を偽造し、東京地裁に証拠として提出したと主張。陳述書には、元信者が語っていない「教団に解散してほしい」などの内容が含まれているという(注:原告である政府が提出した陳述書はほかにも有印私文書があると言われている)。

文部科学省による陳述書の偽造は、①有印私文書偽造②有印私文書行使-の二つの刑法違反の罪に問われ、政教分離を規定した憲法第20条に明確に違反する。要するに、国家的犯罪行為なのである。宗教法人の解散を定めた宗教法人法第81条1項の「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと」の「法令」については、内閣及び内閣法制局によって「刑法」とこれまで、解釈されてきた。これに対して、岸田首相(当時)は閣議の了解・決定もなく、独断で民法709条の「不法行為(故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害すること)」も加え、政府ぐるみで平和統一家庭連合(旧世界基督教統一神霊協会:略称統一教会)を弾圧している。

これは、日本が批准する国際人権規約のB規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)第18条に明らかに違反する。第18条の内容は、①すべての者は、思想、良心及び宗教の自由についての権利を有する。この権利には、自ら選択する宗教又は信念を受け入れ又は有する自由並びに、単独で又は他の者と共同して及び公に又は私的に、礼拝、儀式、行事及び教導によってその宗教又は信念を表明する自由を含む②何人も、自ら選択する宗教又は信念を受け入れ又は有する自由を侵害するおそれのある強制を受けない(全国弁連関係者が信徒の家族から対価を受け取って行ってきた拉致・監禁はこれに明らかに違反する)宗教又は信念を表明する自由については、法律で定める制限であって公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要なもののみを課することができる④この規約の締約国は父母及び場合により法定保護者が、自己の信念に従って児童の宗教的及び道徳的教育を確保する自由を有することを尊重することを約束する-である。

第18条では、信教の自由に対する制限は、どうにでも解釈できる曖昧な「公共の福祉」ではなく、「公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要なもののみ」に限られるとしている。この規定からすれば、政府の世界平和統一家庭連合に対する宗教法人解散命令請求は、法律の上位法である条約に相当する国際人権規約B規約に明確に違反する(https://www.youtube.com/watch?v=Lrrn35x5dz8)。フランス人だが国際弁護士であるパトリシア・デュバル弁護士は、米国のトランプ大統領が信仰局長に任命したポーラ・ホワイト牧師と連携を取り、国際人権B規約を無視して、世界平和統一家庭連合を迫害する日本の政府を厳しく批判している。信教の自由についてのサイトであるBitter Winter(https://bitterwinter.org/)の同連合に関するページが一時、クラッキング(ハッキング)されて閲覧できなくなるという問題が起こり、同連合に対する日本政府の弾圧は世界的な問題に広がりつつある。

日本の裁判所が同連合の不法行為を認めた裁判で、原告側は全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の関係者によって、保護・説得ではなく拉致・監禁のうえ、強制棄教(ディ・プログラミング)を受け、同連合に対する「被害の訴え」を強要された元信徒(約4500人)である。同連合の「不法行為」とされるものについては、全ての段階の裁判所側に、慎重な判断が必要である。また、警察庁も拉致・監禁問題は家族間の問題だとして、対応しないのも問題だ。

問題の核心は何故、岸田首相(当時)が一夜にして、独断で宗教法人法第81条1項の解釈を変更したのか、ということである。サイト管理者=筆者=としては、安倍晋三元首相に対するテロ殺害事件の真相究明がカギを握っていると見ている(https://tanakanews.com/220808abe.htm)。数々の不正行為や国民に対する弾圧を行ってきた日本の政界を浄化するためには、岸田前首相の後ろ盾で政権を掌握した石破・森山体制には即刻辞任していただき、自民党総裁選前倒し(臨時総裁選)をフル・スペックの形式で行うとともに、日本の政界全体が旧い冷戦思考・冷戦体制から脱却することが必要なのではないか。

 

 

 

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