ロバート・ケネディ・ジュニア氏が選挙戦を撤退、バイデン氏の支持を表明したことでやはり「確トラ」

民主党を批判して離党し、無所属で出馬していたロバート・フランシス・ケネディ・ジュニア(RFKJ)が現地時間の23日午後、選挙戦からの撤退手続きを行ったうえで共和党のトランプ候補の支持に回った。同氏は無所属候補としては一定規模の民主党、共和党の党員から異例の支持を集めている(最大で、登録有権者の15%程度)。左派民主党よりのメディアからは、民主党大会で正式に民主党候補に決まったカマラ・ハリス氏の方が、僅差だが、支持率でドナルド・トランプ氏を上回ったとの報道が垂れ流されているが、RFKJのトランプ支持で「確トラ」がより強固になった。

ロバート・ケネディ・ジュニア氏のトランプ氏支持で大統領の資質のないハリス氏は敗退が決定

ロバート・フランシス・ケネディ・ジュニア(RFKJ)はアリゾナ州で23日午後、大統領選からの撤退とトランプ氏支持を公式に表明した。反トランプの傾向のあるブルームバーグは次のように伝えている(「無所属ケネディ氏、選挙運動を停止-共和党のトランプ候補を支持」、https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-08-23/SIOXC6T0AFB400)。

11月の米大統領選に無所属で立候補しているロバート・ケネディ・ジュニア氏は、選挙運動を停止し、共和党大統領候補のトランプ前大統領を支持すると23日に表明した。勝ち目はなくても、2大政党の候補者に代わる選択肢を有権者に提供するとしていた選挙運動は、23日にいったん終了した。ケネディ氏は政治システムが無所属の候補者を不利にしていると主張し、演説の長い時間を民主党への批判に費やした。

「この容赦ない組織的な検閲を受け、選挙で勝利する現実的な道筋はもはや見えなくなったというのが私の心中だ」と、激戦州の一つとされるアリゾナ州で演説した。 同氏は共和党の大統領候補であるトランプ氏を称賛。この数週間に2度直接会い、「トランプ政権」の役職をオファーされたと明らかにした。民主党候補のハリス副大統領はそうした交渉に応じなかったと、ケネディ氏は述べた。選挙戦から撤退し、ハリス氏ではなくトランプ氏を支持することで、ケネディ氏はワクチン懐疑論など自身のアジェンダを実現させる足場を固めたいと考えている。同時に選挙のスポイラー(妨害者)からキングメーカーに自身を変えようとしている。

英国の公共放送であるBBCは、「ケネディー氏は、自分が候補として残ることがトランプ候補にとって不利になる約10カ所の州で立候補を取り下げると述べた。ただし、ミシガン、ネヴァダ、ウィスコンシンといった激戦州の候補者名簿から名前を外すには、もはや遅すぎると各地の選管はAP通信に話している」(https://www.bbc.com/japanese/articles/cvge0gjge4jo)と報道している。しかし、ロバート・ケネディ・ジュニア氏の真の意図(トランプ次期政権の重要閣僚になって、ケネディ暗殺事件の真相・深層を解明することや、米国を衰退させてきたディープ・ステート=ここでは、米国単独覇権体制維持勢力のこと。国際情勢解説者の田中宇氏はこの勢力と対立している資本家グループの隠れ多極派が存在し、バイデン政権の内部をしめるネオコン勢力を利用して、米側陣営の自滅策を成功裏に展開しているという=の正体を明らかにすることなど)を知る登録有権者は、同氏に投票ぜず、ケネディ氏が支持するトランプ氏に投票すれば良いだけのこと。

その意味で、同氏は大統領選から撤退し、トランプ次期政権に入閣することの正しい意義について、登録有権者で自らの支持者に正しく啓蒙する必要がある。国際情勢解説者の田中宇氏は、第一次世界大戦まで世界の派遣国家であった英国は戦間から戦後にかけて、米国に単独覇権体制を教えてきた(もしくは、強要してきた)と説明しているが、BBCにもその名残があり、反トランプ陣営に傾いているのだろう。世界の諸国民は米側陣営のメディアを軽信・盲信しないようにする必要がある。

日本のメディアの外信部は、米国・英国・仏の通信社や新聞社の翻訳部門でしかないが、ニュースサイトに掲載された時点で代表例としてNHKの報道記事を挙げる。24日午前8時45分の段階で次のような記事が掲載された(「米大統領選 ケネディ氏が選挙活動中止 トランプ氏支持を表明」、https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240824/k10014557601000.html)。

11月のアメリカ大統領選挙に無所属で立候補を表明していたロバート・ケネディ・ジュニア氏が23日、選挙活動を中止し、共和党のトランプ前大統領を支持すると表明しました。ケネディ氏は民主・共和両党から一部の支持層を取り込むとみられていただけに選挙戦への影響が注目されます。ロバート・ケネディ・ジュニア氏はケネディ元大統領のおいで、去年10月、アメリカ大統領選挙に無所属で立候補を表明し、各地で活動を続けてきました。

ケネディ氏は23日、西部アリゾナ州で演説を行い、選挙活動を中止して、共和党のトランプ前大統領を支持すると表明しました。ただ、選挙戦から完全に撤退はせず、一部の州では投票用紙に名前が載るようにするとしています。(中略)

政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、3人の戦いを想定した世論調査の支持率の平均値は、今月(8月)22日の時点で▼民主党のハリス副大統領が46.4%
▼トランプ前大統領が44.4%▼ケネディ氏が5.0%ーとなっています。

ケネディ氏は民主・共和両党から一部の支持層を取り込むとみられていただけに選挙戦への影響が注目されています

ロバート・ケネディ・ジュニア氏がトランプ氏支持を表明した後の、トランプ氏とハリス氏の支持率が発表になるのはこれからだ。なお、時事通信社のほか、読売新聞のサイトなどでも報道されている。読売新聞のサイトでは、米大統領選「第3の候補 ケネディ氏が撤退表明…支持層の動向、激戦州の情勢に影響可能性」と大統領選に与える影響は述べている。読売新聞のサイトは比較的、ハリス氏一点張りではない。

【ワシントン=田島大志】米大統領選に無所属で出馬を表明していたロバート・ケネディ・ジュニア氏は23日、アリゾナ州で記者会見し、大統領選から撤退することを表明した。共和党のトランプ前大統領を支持する考えも明らかにした。

「第3の候補」として最有力だったケネディ氏の支持層の動向は、激戦州の情勢に影響を与える可能性がある。ケネディ氏は会見で、トランプ氏との関係について、「我々の政策には違いがあるが、他の重要な点では一致している」と述べた。トランプ氏はケネディ氏が撤退した場合、要職で処遇することを検討する考えを示していた。ケネディ氏は、ジョン・F・ケネディ元大統領(民主党)のおいにあたる。

ロバート・ケネディ・ジュニア氏は、国民的大統領として支持されたが、在任中の1963年11月22日にテキサス州ダラスで暗殺されたジョン・フランシス・ケネディ大統領を伯父に持つ。また、1965年1月にニューヨーク州の連邦上院議員となったが、1968年6月に民主党の大統領候補指名選挙のキャンペーン中に暗殺されたロバート・フランシス・ケネディを父に持つ。そしてケネディ大統領暗殺の真相はまだ、闇に包まれている。

ケネディ暗殺事件は、元海兵隊員リー・オズワルドの単独犯行として処理されようとしており、「黒幕」がいたなどと言うと、「陰謀論」扱いされる(「ケネディ暗殺に関する文書は99%が公開され、陰謀を裏付ける証拠は未発見…それでも陰謀説がすたれない事情」、https://www.tokyo-np.co.jp/article/291229)。しかし、元海兵隊員の単独犯行と片付けても、誰も納得しないだろう。よく指摘されるのは、ベトナム戦争からの撤退を考えていたケネディ大統領が、軍産複合体(当時は、ディープ・ステートも単純だった)からの巻き返しに会って、暗殺されたという内容だ。

その証拠として、副大統領から大統領に昇格したジョンソン大統領政権が、トンキン湾事件を起こして北爆を開始し、ベトナム戦争を拡大させた挙句の果に、同戦争が泥沼化し、ジョンソン大統領は大統領でありながら、1968年の大統領選挙で民主党代表候補を降りざるを得なくなった。バイデン大統領は大統領候補を降りざるを得なかった点で、ジョンソン大統領と似ている。ちなみに、この年の民主党大会は今回と同じく、ミシガン州シカゴで開かれた。

なお、ウイキペディアによるとトンキン湾事件とは、1964年8月、北ベトナム沖のトンキン湾で北ベトナム軍の哨戒艇が米海軍の駆逐艦に2発の魚雷を発射したとされる事件だが、これをきっかけに、米国政府は北爆を開始、本格的にベトナム戦争に介入することになった。しかし、ベトナム戦争で米国の若者の非常に多数が死亡して、国内にベトナム反戦運動が激化したことから、ジョンソン大統領は1968年の大統領選挙で民主党の大統領候補の指名を受けることが危ぶまれる状況となり、同大統領は民主党候補者として出馬していたものの、同年3月31日、全米に向けたテレビ演説でそれまでのベトナム政策の劇的な転換を発表すると同時に大統領選挙に再出馬をしないことを表明、自らの政治生命に幕を引かされた。

トドメを刺したのが1971年6月、「ニューヨーク・タイムズ」が、いわゆる「ペンタゴン・ペーパーズ」(注:恐らく、軍産複合体からのリーク)を入手、事件の一部はアメリカ合衆国が仕組んだものだったことを暴露したことである。ベトナム戦争に敗北して、大統領は共和党のリチャード・ニクソン大統領になり、中華人民共和国を西側陣営(注:当時は米側陣営とまでは行っていなかった)に引き込む関与政策(中国では鄧小平が改革・解放路線で「赤い資本主義」の創設に取り組んだ。副首相の時代に日本を訪問し=東海道新幹線に乗車するなど=、その経済発展に驚いたこともある)を抱き込んだ。

こうした米国政権の政策の歴史的大転換を見れば、ケネディ大統領暗殺をオズワルドの単独犯行として片付けるのは無理がある。東京新聞としては、メディアとしての権威(注:ただし、権威は既に失っている)を守るために、「黒幕存在説」を「陰謀論」に仕立て上げているだけのことだろう。さて、ロバート・ケネディ・ジュニアは伯父の暗殺の黒幕として、CIAを挙げている。CIAは、当時のディープ・ステートである軍産複合体の一機関・一部門だったから、説得力はある。トランプ氏も、米国単独覇権体制を運営するディープ・ステートを解体すると公言してきたから、トランプ氏とケネディ氏が手を組む大きな理由がある。トランプ氏が次期大統領に選出され、ディープ・ステートの実態を明らかにする必要がある。

さて、カマラ・ハリス氏は民主党大会の最終日に登壇し、言いたいことを言っただけだったが、その演説には問題がある。第一に、人工妊娠中絶の合法化をすると発言したことだ。言い換えれば、米国を中絶天国にさせ、従来から多民族国家である米国統合の象徴になってきたキリスト教の精神を解体させようとしているのである。中絶天国の理論的背景は、マルクスが草稿し、エンゲルスが完成させた「家族・私有財産・国家の期限」と想定するが、キリスト教では、有名なパウロ書簡の第一章(25節以下)で、初代キリスト教の基礎を作ったパウロが次のように述べている。要するに、ハリス氏は反キリストなのである。「多様性」と称して、「善」も「悪」も同等に扱うというのでは、平和な社会は実現できない。

25 彼らは神の真理を変えて虚偽とし、創造者の代かわりに被造物を拝おがみ、これに仕えたのである。創造者こそ永遠にほむべきものである、アァメン。

26 それゆえ、神は彼らを恥はずべき情欲に任せられた。すなわち、彼らの中の女は、その自然の関係を不自然なものに代かえ、

27 男もまた同じように女との自然の関係を捨てて、互いにその情欲の炎を燃もやし、男は男に対して恥ずべきことをなし、そしてその乱行の当然の報いを、身に受けたのである。

(中略・結論)

32 彼らは、こうした事を行う者ものどもが死に価するという神の定めをよく知りながら、自らそれを行うばかりではなく、それを行う者どもを是認さえしている。

第二に、メキシコからの不法移民の急増の原因を、トランプ氏が不法移民規制法案を破壊した結果だと断定したことである。しかし、バイデン大統領は「(注:2023年10月)5日、メキシコと接するテキサス州南部の国境で、不法移民の流入を阻止するための壁の建設を再開する方針を明らかにした。予算はドナルド・トランプ前大統領の任期中にすでに計上されており、建設を『止めることはできない』とした(注:最後は言い訳)」(https://www.bbc.com/japanese/67025780)のであって、ハリス副大統領が何らの成果も出すことができいほど無能だったから、トランプ前大統領の正しさを結果として認めることになったというのが真相である。

ハリス氏が大統領としての資質に欠け、大統領に選出することの危うさについては、不法移民対策を何ら行わず、国境地帯に行きさえしなかったことにも表れている。そのことを、メディアから追求されると「(当時は)欧州にも行かなかった。アハハハ」と笑ってごまかした。より深刻なことは、メキシコから大量の不法侵入者を招いたうえ、副大統領候補になったティム・ワルツ・ミネソタ州知事とともに、これらの不法侵入者を保護・育成し、本来の米国民の雇用を奪い、社会不安を助長してきたことが挙げられる。

これに加えて、ハリス氏は、節度のないケインズ政策(異常な内需拡大策、例えば、初めて家を持つ国民や不法移民に巨額の頭金を支給する)と反市場経済政策(値上げをする企業を懲罰する)、物価高に国民が苦しんでいるから生産品が売れなくて困っている企業に対して、無理な法人税増税を行うなど、市場経済を統制経済に変えるつもりでいる。このため、「ハリスノミクス」なるものは、米国の企業と雇用を失いたくない従業員(労働者)を敵に回す結果になっている。要するに、ハリス・ワルツコンビは「文化的共産主義者」であり、「極左主義者」でもる。

第三は、イスラエルのネタニヤフ首相をガザ市民を虐殺したことで、表向きはイスラエル支持をうたいながら、「イスラエルにも言わなければならないことがある」として、実質的には反イスラエルの立場を取ったことである。ハリス氏は本来ならバランスを取るため、ユダヤ系のペンシルベニア州・ジョシュ・シャピロ州知事を副大統領候補に選ぶべきだったが、ハリス氏はそうしたバランスを取る政治的手腕もない。イスラエルの米国政界に対するロビー活動は極めて強固である。イスラエルのうらみを買う政治家はいずれ、抹殺される。

これは、今回の民主党大会でのハリス氏の講演内容を一部批判したものだが、お祭り騒ぎの民主党大会が終わった後は、カマラ・ハリス氏の「化けの皮」が次第に剥がれていくだろう。こうした中で、ロバート・ケネディ・ジュニア氏がトランプ氏と手を組むことはハリス陣営に大きな打撃を与えることになる。両者ともメディアから陰謀論者、大嘘つきと呼ばれるが、悪が支配するこの世の中では、批判される者が実は正しいことが常である。ロバート・ケネディ・ジュニア氏は無所属の候補としては異例に多数の登録有権者の支持(15%程度と言われる)を得ていたことから、民主党は結果的に分裂選挙になり、票を奪われて共和党に敗北するだろう。

なお、カマラ・ハリス氏には30才前後の時に不倫問題が発覚している。FLASHは「米国大統領選でカマラ・ハリス旋風…『30歳年上政治家と不倫』の“ジジ殺しぶり”と“BRAT”な素顔とは」と題する報道で、次のように述べている(https://news.yahoo.co.jp/articles/a01385d53208c8d606d03ea4cf9ac11b297dccbc)。

ハリス副大統領には、現地でよく知られる“スキャンダル”もある。「民主党の重鎮で、数々の不倫スキャンダルがあった元サンフランシスコ市長、ウィリー・ブラウン氏と不倫関係だったのは間違いない事実です。地元紙は約1年間不倫関係だったと報じており、ブラウン氏も認めています。ただ、ブラウン氏は当時奥さんと別居中だったので、いわゆる“ザ・不倫”ではありませんが、ブラウン氏はハリス副大統領の30歳年上。

いずれにせよブラウン氏は当時、一介の弁護士だったハリス副大統領を2つの市の要職に付け、合わせて15万ドルの報酬を支払いました。この件は、他のブラウン氏の“情実人事”と一緒に、FBIの汚職捜査の対象になっています。また、ハリス副大統領が地方検事に立候補した時も、司法長官に立候補した時も、ブラウン氏は物心、両面の援助をしています。極めつけは2016年の上院議員選挙です。ブラウン氏は、共和党のアントニオ・ビヤライゴサ氏(当時、ロサンゼルス市長)に立候補を辞退するように圧力をかけたことを、側近から暴露もされています。

FLASHだけではない。このニュースに関しては、早稲田大学法学部を卒業し現在、政治・経済評論家として活動している朝香豊氏の次のYoutubeの動画を参照していただきたい(https://youtu.be/cByNM21THWc?si=XRslGQqidIKwH_ty)。今年の夏、パリで開かれたオリンピックの開会式の反フランス、反キリスト教性を例に挙げて、規制左翼の「ひどさ」をカマラ・ハリス氏と結びつけて、「確トラ」を改めて確信させられたとする解説も面白いが、その後の解説は過激な左派でしかないハリス氏の深層・真相に迫っていて、興味深い。

なお、サイト管理者は、マックス・ウェーバー=大塚理論に学んだことから、マルクス主義から生まれた共産主義の背景には、キリスト教の「辺境革命論」が存在すると見ている(https://www.it-ishin.com/2020/08/16/historical-sociology-2/)。その意味では、いわゆる「右派」の皆様とは異なります。動画は20分ほどでそれほど長くないので、イライラしないとは思いますが、視聴しやすいようにリンクも貼ってありますので、本サイトから離れて視聴することもできます。

ハリス氏の反キリストという深層に迫ると、プロテスタントの福音派のキリスト教徒であるトランプ氏と、伯父が米国史上初めてのカトリック教徒の大統領だったケネディ氏は、多民族国家アメリカ合衆国の本来の統合の象徴であるキリスト教の再興に尽力することが必要だ。それが、米国の分断を回避し、米側陣営と非米側陣営の融合による統一文明圏の創造に繋がる。

そのためには、アタナシウス派のキリスト教で終わりとするのではなく、①マリアの処女懐胎の謎②イエス・キリストは十字架で処刑されるために降臨されたのか。そもそも、神は何故、イエス・キリストを使わしたのか③十字架の救いとは何か、そもそも、救いとは何なのか④イエス・キリストは何故、再臨されるのかーなどのキリスト教界にとっては難問中の難問を解くキリスト教である必要がある。それはまた、旧約聖書で「信仰の祖」と仰がれるアブラハムから出たユダヤ教、キリスト教、イスラム教が基本になっている現代の国際情勢の解決困難な諸問題を解決し、衰退を加速している米側陣営と興隆しつつはあるが、基本的人権に不安がある非米側陣営の和合と統一文明創造にもつながる。

米国経済の実態はスタグフレーションだろう

米国のパウエルFRB議長が、ワイオミング州のジャクソンホールで演説、「金融政策を調整する時が来た」、https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240823/k10014557541000.html)と述べ、インフレ再燃の懸念よりも雇用の悪化から9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切る考えを示し、ダウ平均が大幅上昇、円高が進行した。

しかし、本サイトでしばしば述べているように、バイデン政権時代のインフレはコストプッシュ・インフレによるものである。2022年2月24日からのウクライナ戦争でインフレ率が大幅に上がったが、米国のインフレ率そのものは2021年から上昇していた。

 

これは、バイデン政権がウクライナ戦争を準備(ウクライナにひそかにミサイルや軍事用ヘリコプターなどを供与)する傍ら、「二酸化炭素排出による地球温暖化説」の妄想に囚われ、国有地での石油・天然ガスの生産を全面的に禁止し、エネルギー価格が急激に上昇したからだ。これに、2022年2月24日に勃発したウクライナ戦争が加わり、コストプッシュ・インフレが本格化した。これに対応するために、FRBは需要抑制(デマンド・キル)政策を推し進めた。このため、米国の企業・国民は塗炭の苦しみを味わうようになった。

インフレ率が今年7月に3%を切ったとしても、2.9%でしかない。その間に、インフレ率の累積から米国のモノ・サービスの値段は非常に上昇している。米国の国民は物価の高騰に苦しんでいるはずだ。また、デマンド・キル政策を長期間続けてきたためか(田中宇氏によれば、金融・資本市場にはドルを刷って、こっそりと資金を流してきた)、米国企業とその従業員にとってはモノ・サービスが売れなくなって困っている。コストプッシュ・インフレは、不況下の物価高、つまり、スタグフレーションの勃発要因になる。1970年代の第一次、第二次石油ショックの際にも、そうなったことがある。米国経済の実態はスタグフレーションだろう。

加えて、ウクライナ戦争支援のため、軍産複合体に対して多額の買取資金を提供せざるを得ない(軍事兵器を買わざるを得ない)から、過剰流動性が発生する。分かりやすく言えば、ヘリコプター・マネーの様相も出てくる。米国が、「二酸化炭素排出による地球温暖化説」の妄想から抜け出し、ウクライナ戦争を終わらせない限り、米国経済はスタグフレーションを解決することができない。また、FRBは米国の民間企業が設立したものであり、通貨(ドル)の発行権など経済の根幹が国民ではなく、一部の民間企業に握られている。これも、米国経済の宿痾であり、トランプ氏が「(国民の代表である)大統領にも金融政策に関与させるべきだ」と語ったのは、経済の根幹を国民が握るためで、極めて正当な発言である。

連邦公開市場委員会(FOMC)に出席できる7人の理事(全体では、ニューヨーク連銀総裁、11の州に設置されている連銀のうち4連銀総裁の12人だが、現在は欠員が1名あり、11名で決定される)のうち、タカ派のミッチェル・ボウマンFRB理事は次のように述べている(https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/JGJD5ADZDNOENMGVIOCPIB3G5M-2024-08-20/)。ボウマン理事によると、インフレの再燃もあり得る。

米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事は20日、インフレ上昇リスクが継続しているとの見方を示し、政策変更には引き続き慎重な姿勢を示した。単一の経済指標に過剰反応すればこれまでの進展が水泡に帰す恐れがあると警告した。

アラスカ州での金融関係者らとの会合での発言。この発言は、ボウマン理事が引き続きFRB内のタカ派の一人であるという姿勢を反映している。
ボウマン理事は、必要であればさらなる利上げを行う用意があるとの従来の立場を再び明言することは控えたが、現在広く予想されているように9月17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを支持する用意があるという姿勢は示さなかった。

こうしたことが理解できないと思われるカマラ・ハリス氏では、米国経済の再建は不可能で、トランプ氏が「ハリス氏が大統領になれば、一年で米国は崩壊する」と発言したのは胡蝶ではない。「崩壊する」というのは、ドルの基軸通貨としての信認が失われるという意味だ。三菱マテリアルが発表している金価格の推移は次のようになっている(https://gold.mmc.co.jp/market/gold-price/)。

金価格は1トロイオンス=2530ドル近くまで上昇していたが、利下げ観測を受けて若干低下した。しかし、スタグフレーションに陥っているという米国経済の実態が分かってくれば、FRBが定める金利水準に関係なく、金地金相場は上昇していくだろう。つまり、「有事の金買い」が本格化し、基軸通貨ドルの信認は崩壊するだろう。カマラ氏が万一、次期大統領になれば、同政権の時代ににそうした金融・資本・通貨市場の大緊急事態を迎えることになる。

 

 

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