古賀茂明氏は似非改革者ー「I am USA」が正体

テレビ朝日の報道ステーションで「I am not ABE」と掲げた元経済産業省官僚の古賀茂明氏が改革派の旗手とされているが、日本を米国の完全な植民地化する環太平洋連携協定(TPP)の推進にやっきになっていることを見ると、実際は「I am USA」であり、単に対米隷属者に過ぎない。米国による国内の改革勢力分断作戦の主要人物と言って良い。

サイト管理者は2010年晩秋に横浜で開かれた「APEC」を取材した経験がある。この前後に、当時の菅直人(=官直人)首相が突然、TPPへの参加を高らかに宣言、推進し始めた。TPPについては、当時の国民新党党首で自民党の政調会長を経験したこともある亀井静香氏が、「途中下車の出来ない地獄行きのバス」と酷評しており、その本質を見抜いていた。

しかし、米国の意向に従うことで国民の期待を裏切った菅直人首相はTPPに前のめりになる。横浜APECの最後の記者会見は、TPPの宣伝に終止した。これには、外国人記者クラブを含む記者も大いに協力した。サイト管理者が座ったすぐ前の席には、財務省、経済産業省の官僚たちが並んで座っていたが、何やら同じレジメを見ていた。

サイト管理者がよく見ると、質問する記者の名前と質問内容、およびこれに対する菅首相の回答がことこまかに記載されている。要するに、外国人を含む記者たちはTPPに対する国民の表面的な懸念を代表して質問、これに対して菅首相が「そういう心配には及びません」と「さわやか」応えるシナリオが記載されていたのである。そして、記者会見はそのシナリオ通りに進行し、菅首相は胸を張って記者会見の場を出た。

要するに、TPP推進のための「やらせ記者会見」だったのである。その後、TPPの本質的な問題である日本農業の多国籍企業による支配、国民皆保険制度の破壊、国民の金融財産(公的年金積立金、郵貯・簡保資金の米国への「朝貢」)、ISD条項(投資家と国家の間の紛争解決条項=これは、米国の傘下にある世界銀行の得体知れない部署【ICISD(国際投資紛争解決センター)】で審理が行われ、上訴不可。「調停」という名はついているが、実質的には米系多国籍企業を勝訴させる「裁判の場」=)による国民主権・国家主権の喪失などの懸念が明るみに出てきた。

TPPとは、日米円ドル委員会から明瞭に始まった日本の経済社会の植民地化を目指す対日「通商政策」の総仕上げに位置づけられるものだが、自民党はTPPの本質的な問題は十分に把握していた。そこで、同党は2012年の総選挙で、農家および農協を含む農業関連勢力の支持を取り付けるため、「ウソつかないTPP断固反対」とのポスターを掲げ、①関税撤廃の例外五品目、断固死守②対日輸出数量目標など数値目標は拒否③医療の混合診療の容認による医療格差の発生、国民皆保険制度の崩壊を断固阻止④食料安全保障の確立⑤主権を世界銀行を通して米国に譲り渡すISD条項拒絶⑥金融サービスの質的低下阻止(具体的には、公的年金積立金、郵貯・簡保資金の米国への提供阻止)ーと大宣伝した。

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ところが、2012年の総選挙で自公勢力が政権を奪還すると、この大々的な公約をいとも簡単に破棄し、安倍晋三政権は米国の命ずるままにTPP参加交渉に乗り出した。要するに、自公勢力はウソつきだったわけである。TPPは「核なき平和」を説きながら、イスラエルの核開発と保有を容認しているバラク・オバマ大統領が上下両院議員から通商交渉の一括推進権限(TPA)を取り付け、レーム・ダック化する前に交渉成立を期している。

もう、外堀はもちろん内堀も埋められた感がある。話を冒頭に戻して、こうした「地獄行き途中下車不可のバス」であるTPPに早く飛び乗れと言っているのが、古賀茂明氏である。現在問題になっている安全保障体系案=戦争法案とTPP参加、原発再稼働はすべて米国の要請であり、その意味で一体不可分、分解不能である。この分解不可能性を隠して、財務省の「手先」として財政危機を煽りつつ、TPPを推進しているのが、大阪系維新の党と連携しているのが、大阪府市統合本部特別顧問でもある古賀氏である。

古賀氏の出身は東京大学・法学部である。そして、財務官僚は東大・法学部OBに牛耳られている。この集団の致命的欠陥は、良く言って法律の専門家集団ではあっても、経済(政策)が理解でき(故館龍一郎東大名誉教授)ず、まともな経済政策を打ち出せないことである。かつ、権威と権力に弱い。東大法学部は別名、東大阿呆学部とやゆされることもある。サイト管理者の知人に東大法学部のOBがいるが、自嘲気味にそう言っていた。

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米国としては、自公が潰れても日本が自国からの独立革命を起こさないように、似非改革勢力を育て、また、改革勢力に潜り込ませて、日本国民を分断させることが自国保持のために必要である。そのお先棒をかついでいる一人と見られるのが、古賀茂明氏である。彼ら、似非改革派の特徴は、新自由主義=市場原理主義に染まっていることである。

 

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