れいわ新選組、「政治による生命の選別」発言の大西恒樹氏除名決着−大西氏が謝罪発言を撤回

れいわ新選組は17日、昨夏の参議院選比例区に出馬した同党構成員の大西常樹氏が7月3日のYoutubeで「政治で生命の選別をしなければならない」と発言、「誰もが生きて良かったと思える国に日本を再建する」という立党の理念・精神とは真逆の見解を示したため、中西発言と中西氏に対する等としての対応を決定する総会を開いた。結果は、同党の大西常樹氏は除籍処分になった。

れいわ新選組の綱領・規約では、国政選挙への立候補予定者を「党の構成員」とし、構成員が総会のメンバーになる。現在の綱領では、れいわ新選組の意思決定は総会で行うことになっているが、結党して間もない国政政党であり、資金力も弱いため、同党の綱領・規約に期していないことは同党の山本太郎代表が決定することになっている。

大西常樹氏の処分をめぐる総会後に記者会見するれいわ新選組の山本太郎代表(https://www.youtube.com/watch?v=e94gkQqnpXAより)

ただし、これはれいわ新選組を批判する側が使う「山本太郎はれいわ新選組の独裁者になっている」との攻撃材料が正しいことを意味しない。党綱領を今後さらに整備していかなければならないことは確かだが、山本代表が全てを決定するというのではなく、山本代表が問題(議題)を提起したうえで総会を召集し、最高意思決定機関である総会で党としての意思決定を決めるという仕組みであることが正しい理解だ。

れいわ新選組は、現在の政府=安倍晋三政権(または自公政権)に理念と政策の根本から立ち向かう政党なので、れいわ新選組支持者を装った既得権益勢力から、ネットや既成メディアから常に言れなき批判を受ける。もちろん、完全に正しい人間、政党というものは存在しないから、その姿に向けて良識ある国民が正しく支援、サポートすることが必要だ。

さて、問題になった中西常樹氏のYoutubeでの「生命の選別」発言の問題点は、IWJ(Independent Web Journal)が次のサイトhttps://iwj.co.jp/wj/open/archives/477830でまとめているので、引用させて頂く。長くなるが、
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山本太郎氏が代表を務めるれいわ新選組の公認候補である大西つねき氏が、YouTube上で自らの政策を語る動画で、ナチス顔負けの「高齢者の命を選別すべき」という発言をした。信じられない発言に、批判が巻き起こっている。

大西氏の動画は「#大西つねき #ツネキスト #私が総理大臣ならこうする」というシリーズの7月3日にライブ配信された「『正しさ依存症』とそれを生み出す教育について」という回で、下記URLで置かれ7日まで見ることができたが、すでに削除されている。

大西氏動画(削除済)https://www.youtube.com/watch?v=whuSV-Uq2_A
※Youtubeにあがっている該当箇所抜粋(monbranさん)の動画はこちらです。いつ削除されるかわかりません。ご了承ください(注:7月17日午前の段階で既に削除されている)。
https://www.youtube.com/watch?v=x7DsNJBX8XY

大西氏は動画で、「高齢者を長生きさせるのかっていうのは、我々真剣に考える必要があると思いますよ」と語った。その理由を「介護の分野でも医療の分野でも、これだけ人口の比率がおかしくなってる状況の中で、特に上の方の世代があまりに多くなってる状況で、高齢者を……死なせちゃいけないと、長生きさせなきゃいけないっていう、そういう政策を取ってると、これ多くのお金の話じゃなくて、もちろん医療費とか介護料って金はすごくかかるんでしょうけど、これは若者たちの時間の使い方の問題になってきます」と述べた。

さらに「こういう話、たぶん政治家怖くてできないと思いますよ。命の選別するのかとか言われるでしょ。生命選別しないと駄目だと思いますよ、はっきり言いますけど」と、生命の選別を肯定。そして「何でかっていうと、その選択が政治なんですよ。選択しないで、みんなにいいこと言っていても、たぶんそれ現実問題としてたぶん無理なんですよ」と、それが政治であると言い放った。

結論として、「だからそういったことも含めて、順番として、その選択するんであれば、もちろん、高齢の方から逝ってもらうしかないです」と、高齢者に先に死んでもらうしかないと明言したのである。

「逝ってもらう」とは、寿命が来る前に、まだ生きている人を「殺す」ということである。高齢者の組織的大量殺戮を堂々と宣言したようなものだ。こんなことを「政治」の仕事だと公言する人物が、一度は国会議員を目指して立候補したということ自体に、寒気を感じる(大西氏の該当発言全体は本記事の文末に掲載します)。
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東京都知事選の選挙期間最終日(7月4日)直前にYoutubeでこうした発言を行った動画を公開したのは、①選挙戦に悪影響を与えるため、意図的に公開した②中西氏本人としては釈明の余地がないほど当然のことと思っているので、都知事選に悪影響を与えることは思い浮かず、定例動画の一環として公開した−のいずれかだろう。

サイト管理者としては恐らく②だと思うが、いずれにせよ、中西氏がれいわ新選組の結党理念を正しく理解していなかったことが原因だと思う。それが、コロナ禍で国民の生命の存亡、経済社会の大混乱の中で、さらに希薄化し、今回のYoutubeでの公開発言になったのだと推察する。高齢者と発言しているが、この種の発言は次第にエスカレートし、政治権力による選別対象は高齢者から障害者、高齢死者看護などで働くことが不可能な国民、国民の中の低所得層、人種などにまで拡大していくだろう。

山本代表が中西発言を知ったのは7月7日の先週火曜日。山本代表自身は知った瞬間、個人的には「除名処分」しかあり得ないと感じたそうだが、この問題を中西氏を除名処分にして早期に終結させるという安直な対応の仕方は避けねばならないと考えた。そこで、①中西氏の再起の可能性を考慮して、発言等の全面撤回と党の理念の原点に立ち返り、原点から再出発をする機会を提供する②党の総会を開き、除籍処分を含めて最終決着を図る−の2つの対応の仕方を考慮したとのことである。

そのため、迅速な対応が遅れる結果になったが、昨日17日にれいわ新選組の総会を開き、1時間ほど本人の説明を聞いた上で、中西氏には退出してもらい、残る構成員で採決する段取りにしていたところ、中西氏の説明は15分程度で終了し当初、7月3日の発言に対して山本代表と会った際には、謝罪を行ったものの、総会時には謝罪を撤回した。このため、採決を行ったところ14名は「除名(除籍)処分」、2名は「離党勧告」としたため、多数決で最終的に「除名(除籍)処分」が決まった。その後、総会の内容について予定より2時間ほど遅れたが、記者会見が行われ、決定内容が伝えられた。

なお、記者会見では重度障害者の木村英子参院議員、指定難病2の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後靖彦参議院議員も出席し、冒頭で政治権力による生命の選別勢力と闘い、生命の尊厳さを守るための参院議員活動を今後とも続けていく決意を表明した。

安倍政権を「支える」麻生太郎財務省が2016年6月の講演で「90歳になって老後が心配とか、わけのわからないことを言っている人がテレビに出ていたけど、いつまで生きているつもりだよと思いながら見ていた」と発言して話題になったが、その後、謝罪したとも聞かない。自民党政権よりもれいわ新選組の対応のほうがはるかにましだと思うが、最終決定までに時間がかかったことは否めない。早期に大西氏の弁明・釈明または正当化する内容を聞いた上で、処分を決定すべきだったと思う。なお、綱領・規約の充実化を図り、党執行部体制の確立など急ぐ必要はある。ただし、当運営のための財源が安定的にならないと対応が難しい問題である。

朝日デジタルは2020年7月16日23時18分に投稿した「れいわ山本代表「おわび」 命の選別発言のメンバー除籍」と題する投稿記事(https://digital.asahi.com/articles/ASN7J7R9ZN7JUTFK012.html)で、事実関係を報道している。コロナ禍が再拡大する中で、超少子・超高齢化対策の重要性が改めて浮かび上がった。

なお、記者会見で山本代表は立憲民主党の枝野幸男代表が立憲と国民民主党の回答・再合流発言を行ったことについて出席記者より聞かれ、賛意は表明しつつ、「積極財政」への政策の大転換で一致することが必要だとし、政策で合理流することの必要性を訴えた。

これについては後ほど記事を投稿したいが、第一に、単なる数合わせでは政権奪取は不可能だ。理念・政策での合意(プライマリー・バランス論を柱とした「緊縮財政路線」から大胆な「積極財政論」への転換)を何故、最優先させないのかという問題がある。第二の問題は、政府=安倍政権の支持勢力であり、日本経団連の御用組合とかしている日本労働組合総連合会(連合)と決別するか、勤労者の真の利益を守る真の労働組合への転換の促進についての言及がないことである。これらのことの問題点は後ほど、論じたい。

なお、16日の新型コロナ確認者は全国で622人に上った。「Go To トラベル」政策の強行は東京発着に限らず即座に中止すべきだが、前倒しが言われたことから既にキャンペーンを利用して、交通機関やホテルなどを予約している東京都民も少なからず存在すると思われる。その場合に、キャンセル料(2割から3割負担)が利用者にかかる。これらの問題も含め、複雑な問題が生じる。政府=安倍政権にはコロナ禍対策で支離滅裂な「対応」しか打ち出せず、「天災」を「人災」に転化させている。

野党側は理念と政策なき「数合わせ」より、今日の混乱を招いたプライマリーバランス政策(一般歳出を税収の範囲内に抑えること)を柱にした緊縮財政と利権支出を抜本的に改め、大胆な積極財政を政策の柱に据えた政策連合を結成することが喫緊の課題だ。基本となる経済理論は、ケインズ理論を正しく発展させようとしている「現代貨幣理論」だと思われるが、その妥当性まで含めて国民(とりわけ識者)の理解が得られるまでには時間がかかることに留意しておかなければならない。

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