アベノミクス(アベクロノミクス)の破綻(その09)ースタグフレーションの可視化は間近

東証一部上場企業の2015年3月期業績予想はリーマン・ショック前に迫る見通しとの楽観論がメディアによってばら撒かれているが、ドル高・円安の名残りでドルで販売した輸出企業の円建て収入が膨らんでいるだけであり、輸出数量が増えているわけではない。単に一過性のものであり、かつまた、単に「予想」に過ぎない。円安・ドル高は既に頭打ちである。 むしろ、円安・ドル高にもかかわらず再三指摘しているように、貿易収支は22カ月連続赤字であり、世界最大の純再建大国のため所得収支(海外からの純投資収益が太宗を占める)が伸びているのに、貿易収支の悪化が響いて年度間の経常収支も既に赤字転落寸前だ。 20140512j-01-w280

マクロ経済的には輸出大企業の売上高が最高になっても、「円安・ドル高」による景気浮揚効果は働かず、むしろマイナスにしかならなかったということだ。 日銀が景気回復の根拠にした今年1ー3月期の設備投資の「持ち直し」なるものも、マイクロソフトがWindows XPのサポートを辞めたため、企業がコンピューター・ウィルスに対する耐性の弱いWindows XP搭載パソコンを大量に廃棄して、Windows7/8/8.1搭載のパソコンをこれまた大量に買ってしまった特殊事情が大きい。なぜ、Linux系に変更しなかったのか、理解に苦しむが、米国の日本のIT産業解体の狙いが的中してきていると言わざるを得ない。設備投資に持ち直しなど、あり得ない。

その一方で、消費税大増税前の駆け込み需要の反動で、百貨店の4月の全国売上高は前年同月比12%減。コンビニは生活必需品を高値で売っているが、それでも同2.2%減である。日銀の「緩やかに回復している」との金融政策決定会合での判断は子供だましでしかない。

問題の庶民のフトコロ具合だが、全国勤労者の所定内給与は最新データの3月分で24万1040円と前年同月比0.3%減(残業手当、ボーナスを含む現金給与総額は同0.7%増。ただし、政府が公然と解雇の自由化やサービス残業のための「政策」を強行する中、残業・休日出勤手当やボーナスがない企業もどんどん増えていると推察される)と22カ月連続。円安・ドル高に基づく輸入インフレを主因に、消費者物価指数の前年同月比上昇率は1.6%(3月分)。これに、4月からは3%の消費税率上昇が加わる。庶民の感覚は「不況下の物価高」つまりスタグフレーションだ。

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政府系金融機関が国民の預貯金や生命保険料、年金保険料を使ってPKO(Price Keeping Operation)を行っている日経平均も1万4000円割れ寸前のところだが、22日は300円近く反発したとは言え、中国要因とされる経済外要因。それなら、25日には混迷➤内戦が加速されると見られるウクライナでの大統領選挙が行われる。また、日銀が追加金融緩和=日経平均のバブル化操作を見送ったことで、商いが細っている東証で海外勢が手仕舞う可能性も低くない。日経平均は思い出したように反発する局面を現出しながら、漸減傾向をたどり、スタグフレーションの本格化に連れて急落ないし暴落しよう。

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