消えた安倍元首相暗殺銃弾ー暗殺の背後に米国ディープ・ステート(DS)存在するとの説も(第二次自民党役員人事・内閣改造追記)

2022年8月8日に安倍晋三元首相を狙撃殺害した銃弾が行方不明になっている。殺害犯人を特定する決定的に最重要な証拠だ。このため、山上徹也容疑者が真の殺害犯人かどうかに疑問が出ている。暗殺の背後に米国ディープ・ステート(DS)存在するとの説も出てきた。

消えた安倍元首相殺害銃弾ー狙撃射殺犯の正確な特定は可能か

朝日デジタルは次のように伝えている(https://digital.asahi.com/articles/ASQ8762Q5Q86PTIL012.html)。

安倍氏は7月8日午前11時半過ぎ、近鉄大和(やまと)西大寺(さいだいじ)駅前で背後から撃たれた。県警は現場で長さ約40センチ、高さ約20センチの銃を押収した。捜査関係者によると、銃は山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=の手製で、銃身が2本あった。県警は、引き金を引くと一つの銃身から6個の弾丸が詰まった弾薬が発射される仕組みだったとみている。現場では直径1センチ弱の弾丸が見つかったという。

県警によると、安倍氏の左上腕と首に1カ所ずつ、弾が入ったとみられる傷があった。左上腕から入った弾が鎖骨下にある動脈を傷つけて失血死に至ったという。捜査関係者によると、県警が司法解剖をした際、体内から発見された弾丸は一つだけだったという。

この記事では、体内を狙撃した行方不明の弾丸が、致命傷になった左上腕から入った弾丸なのか首から入った弾丸なのかはっきりしない。ただし、奈良県警は遺体の状況や他の弾は確認できており、事実関係の立証に支障はないとしているようだ。しかし、自民党の青山繁晴参院議員(共同通信社出身、比例区)のYoutubeチャネル「ぼくらの国会」第371回「消えた銃弾 安倍元総理暗殺」(https://www.youtube.com/watch?v=KU8IoN6VAfE、令和04年07月20日に行われた自由民主党「治安・テロ対策調査会」をもとに録画)によると、左上腕に撃ち込まれた弾丸が致命傷になったようで、この弾丸が行方不明になっているようだ。これについて、青山氏は「(奈良県警を始めとする)警察庁も当惑している」としている。

これについて、国際情勢解説者の田中宇氏は昨日8月8日に発表した「安倍元首相殺害の深層 その2」と題する論考(https://tanakanews.com/220808abe.htm、無料記事)で次のように問題視している。

安倍殺害事件に関するもう一つの異常さは、安倍が撃たれた状況について、不可解な矛盾や不確定な曖昧さが解消されず、追加説明がないまま放置されていることだ。どのような銃弾が、どこから撃たれ、どの方向から安倍の体内に入り、どう致命傷になり、銃弾はどうなったか。たとえば警察庁は、撃ち込まれた銃弾が安倍の体内を貫通せず、銃撃時に体外に出ていないことを確認している。銃弾は安倍の体内にあり、延命措置や検死の際に取り出されたはずだが、取り出されたはずの銃弾は残っておらず、紛失した形になっている。日本の当局は、事件に関する最重要の証拠品である銃弾を紛失してしまった。これは過失というより、当局内の誰かかが故意に隠匿した可能性が高いと私には思える。 (【ぼくらの国会・第371回】ニュースの尻尾「消えた銃弾 安倍元総理暗殺」

安倍に向かって何発の銃弾が撃たれたのか。マスコミは当初3発と報じていたのがその後2発に訂正されたが、実際は3発撃たれたのでないかと根強く言われている。確定でないが、安倍を撃った実行犯は山上の他にもいた可能性がある。山上が至近距離から2発撃ち、それと同時に近くの建物の上階など離れた場所から別の狙撃犯が1発撃ったとか。安倍がどのように撃たれたかについて、当局が明確な追加説明をしないため、こういうネットに出回る説を無根拠な妄想として退けられない。

安倍の体内から取り出された銃弾は、そのとき病院にいた警察によって隠匿されている。それは、警察の組織的な行為ではない。警察の組織としては「銃弾は貫通しておらず、安倍の体内から取り出されたはずだが(行方がわからない。事実確認中)」という、不可解さを認める姿勢になっている。警察の中に、他の組織とつながった筋・勢力があり、その勢力が警察の指揮系統を無視して動き、安倍の体内にあった銃弾を医師が取り出した際に受け取って隠匿したと考えられる。銃弾の隠匿が必要だということは、その銃弾が実行犯山上の手製の銃から発射されたものでなく、別の狙撃犯が撃ったものであると感じられる。山上を動かしていた黒幕がおらず、山上だけが安倍を撃った完全単独犯行だったのなら、警察の誰かが他の組織からの依頼で安倍の体内から取り出された銃弾を隠す必要などない。

この「他の組織」が、安倍殺害の黒幕であり、その黒幕が安倍の行動予定を把握した上で、山上ともう一人の狙撃犯を用意し、山上の発砲と同時に他の場所からも本格的な銃で安倍を撃って確実に安倍が死ぬように仕組み、その黒幕から頼まれた警察幹部が事件後の病院で安倍の体内から取り出された銃弾を医師から受け取って隠匿し、証拠隠滅を行ったと考えられる。警察の上層部は、誰が銃弾を隠匿したかわかっているはずだが、隠匿者を動かした他の勢力に配慮して真相究明せず、事態を不可解なまま放置している。警察に真相究明を遠慮させるほど大きな力を持った「他の組織」が、安倍殺害の黒幕としていたことはほぼ確実だ。

朝日デジタルの記事によると、奈良県警の分析によると山上徹也容疑者の手製の銃は1回の射撃で「引き金を引くと一つの銃身から6個の弾丸が詰まった弾薬が発射される仕組み」だったとあることから、安倍元首相に対して山上容疑者を含め何発の弾丸が発射されたか詳細な過程が明らかにされなければならない。ただし、青山氏によると左上腕入った弾丸が動脈に達するなどして大量出血を引き起こして致命傷になったようだから、田中氏の論考を荒唐無稽と言って片付けるわけには行かない。デジタル朝日の記事もこうした推測を打ち消すための警察庁側からのリークの可能性を否定できない。

なお、山上容疑者と「黒幕」との接点は今のところ、不明だ。ただし、故安倍氏が首相在任中にツイッターで殺意を抱いていたという記事を投稿したとの報道もある(https://www.yomiuri.co.jp/national/20220730-OYT1T50263/amp/)。もっとも、私怨だけによるものなのか、あるいは教唆した者がいたかどうかは不明だ。

そして、田中氏は次のようにも述べておられる。

私が見るところ、今回の安倍殺害以降の流れ(銃弾の隠匿など)は黒幕なしに起きないものだ。黒幕になりうるのは米国(米諜報界=注:軍産複合体=)だけで、他の勢力が黒幕である可能性はかなり低い。米国が安倍を殺すなら、その目的は日本に中露敵視を強化させることぐらいしかないが、実際のその後の岸田の日本政府は、中露敵視を強化せず、むしろ隠然と中露と協調していた安倍の路線を意識的に踏襲している。岸田は次の内閣改造で、安倍の路線について最も詳しい前首相の(注:安倍政権時代に官房長官を務めた)菅義偉を副首相として迎え入れるかもしれない(注:一部の日本のメディアでは菅氏は入閣を固辞していると伝えられる)が、この人事構想は岸田が安倍の路線を積極的に踏襲したがっていることを示している。

菅の登用は、安倍を殺した米国に対する岸田の隠然とした「抗議」「反抗」を示していると私には見える。岸田や、その周りの自民党の人々は、安倍を殺した米諜報界を許さない。米国は、安倍を殺して岸田を傀儡にしようとしたが、見事に失敗している。岸田の自民党は、日本の非米化を隠然と加速していく。米諜報界の傀儡である日本のマスコミは、日本を非米化していく自民党を敵視する傾向を開始している。安倍殺害前、マスコミは自民党を批判しなかった。マスコミと自民党は、対米従属の同志だった。安倍の隠然親中親露路線も、ほとんど無視されていた。だが、状況は安倍殺害で劇的に変化した。米諜報界の傀儡のままのマスコミは、非米化を強める自民党を猛然と非難し始め、マスコミと自民党は敵どうしになっている。マスコミはこれまでも国民に嫌われる傾向だったが、安倍の死を愚弄中傷するマスコミはますます嫌われて自滅していく。

08月04日のカンボジアでのASEAN外相会談で、岸田所掌の右腕である林芳正外相が中国の軍事演習を批判したところ、中国とロシアの外相が怒って退席し、中国は日中外相会談も土壇場でキャンセルした件については、田中氏の論考を参照して欲しい。なお、メディアは岸田首相が内閣改造の際に「世界平和統一家庭連合(旧世界基督教統一神霊協会=略称統一教会=)」との関係が深かった清和会(安倍派)所属議員を冷遇することで求心力が衰えるとの見方が強いが、これに反して田中氏の論考のリード文は次のようになっている。

今回の安倍殺害以降の流れは黒幕なしに起きないものだ。黒幕になりうるのは米国だけで、他の勢力が黒幕である可能性はかなり低い。米国が安倍を殺すなら、その目的は日本に中露敵視を強化させることぐらいしかないが、実際のその後の岸田の日本政府は、中露敵視を強化せず、むしろ隠然と中露と協調していた安倍の路線を意識的に踏襲している。私は、安倍殺害が日本を非米化の方向に動かしていく転機として米国側から用意されたのでないかと勘ぐっている。

なお、田中氏の論考は米国諜報界(軍産複合体=ディープ・ステート(DS)=)が一極世界覇権派から隠れ多極派に牛耳られるようになっているとの文脈から理解する必要がある。サイト管理者(筆者)の理解では、米国を主とする米英アングロサクソン陣営の力が衰退し最早、米国一極世界覇権体制の維持が不可能になっているとの諜報界の認識があるということだと思っている。

岸田首相が戦後一貫しての国策・国是であった対米隷属政策を転換するかどうかはまだ不明だが、その可能性はなくはない。明日08月10日に正式発表される内閣改造でどのような布陣が取られるのか、あるいは法的根拠のない故安倍元首相の国葬を強行する意味などを見極める必要があるのだろう。付け加えると、安倍元首相殺害の深層・真相が明らかにされることはないだろう。なお、本サイトでこれまで述べてきた通り、世界史は文明史的転換の時代に突入していることを強く認識すべきだ。

岸田自公連立政権第二次大幅改造内閣について

共同通信など(https://www.tokyo-np.co.jp/article/194632?rct=politicshttps://www.tokyo-np.co.jp/article/194969?rct=politics)によると高市早苗政調会長は退き、萩生田光一経済産業相(安倍派)が就任することになった。副総裁には麻生太郎氏(大宏池会構想を有しており、岸田派に近い)が留任、自民党総務会長には遠藤利明選対委員長(無派閥)、選対委員長に森山裕総務会長代行(森山派)を充てる。内閣改造についてはこちらを参照(https://www.tokyo-np.co.jp/article/194969?rct=politics)。制作決定の中心人物の政調会長に安倍派の萩生田氏を就けたことはそれなりに意味があるだろう。

重要閣僚としては官房長官に松野博一官房長官(安倍派)、財務大臣に鈴木俊一財務相(麻生派)、外務大臣に林芳正外相(岸田派)がそれぞれ留任。経済産業相には西村康稔前経済再生担当相(安倍派)、国家公安委員長兼防災相に谷公一氏(二階派、初入閣)が就任した。高市早苗前政調会長は経済安全保障担当相に就いた。今回の当役員・改造内閣人事で要職は岸田派と麻生派を併せた大宏池会が占めているが、党内最大派閥の安倍派は4人が入閣(高市氏を加えると5人)が入閣、安倍派にも配慮した。菅善首相は表向き、要職に就いていない。今回の第二次岸田党役員人事・改造内閣が安倍元首相が手掛けた米中両属、親露路線を水面下で継承できるかどうかが、世界平和統一家庭連合(旧世界基督教統一神霊協会=略称統一教会)との関係断絶問題より重要でかつ最大の焦点になる。


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