「イスラム国」の人質になり、ヨルダンの死刑囚との交換が解放の条件になっている後藤健二さん。今後のシナリオについて考察してみたが、いずれの場合も安倍晋三政権が「有志国連合」の実質的に参加。日本国内では「断固たる対テロ戦争」の推進を口実に、自衛隊の海外派遣、秘密保護法による国内の共生共栄平和主義の弾圧、戦時籐製政治経済体制の構築に突き進んでいく公算が大きい。その結果として、「(宗主国・米国とともに地獄に行くのは)(テロとの闘いのための)集団的自衛権の法整備、戦時体制構築というこの道しかない」ということになる。
考えられるシナリオは、
- 米国がヨルダンの死刑囚との交換を許さず、後藤さんが殺害される場合
この場合、安倍政権は「言語道断の暴挙」と言う声をダマスゴミ、ネトウヨに盛り上げさせることなどで、「対テロ戦争」の口実とさせる。国民もやむなしと容認するほか、野党も真実を語る勇気がないため表立って反論できない。このため、安倍政権は集団的自衛権の法整備を進め、戦闘行為に当たる「個法支援」を「人道的支援」にする変えることや自衛隊海外派遣の恒久法の制定など、集団的自衛権(実態は米国の傭兵国家、財布国家化)の行使に向けた法整備に努め、戦時統制体制への強化に驀進する。 - 「イスラム国」によって後藤さんが解放される場合
これは、戦争を欲する米英イスラエルの軍産複合体の指令で、シリアの反政府スンニ派イスラム教徒を「イスラム国」を育てた米国が、ヨルダン政府による後藤さんとヨルダンの死刑囚との交換を認めた場合に実現する。
この場合、安倍政権の大手柄となり(それが軍産複合体の狙い)、安倍晋三「首相」の権勢が増すため、やはり1と同じ展開になる。米国がイスラム国を育てたことについては、動画サイトのYoutubeにいくらでも動画がアップされている。「イスラム国」の最高指導者とされるアブ・バクル・アル・バグダディとジョン・マケイン米上院軍事委員長は仲良く、頻繁に連絡を取り合っている。「イスラム国側」がハードルの低い2億ドルの要求を取り下げたのは、日本を「有志国連合」の仲間入りをさせ、国民の血税を戦争に注ぎこむためであると見られる。
米国とイスラム国が裏で手に握っていることを、国民の生命と財産に責任を持つ野党が国会で暴露しない限り、軍産複合体のシナリオ=悪魔のシナリオがどんどん進んでいくことになる。ただし、これは「地獄への道」でしかない。「(地獄への道は)この道しかない」のである。米国は世界最大の(純)債務国であり、対米債権国が米国に対する包囲網を築きつつあるからだ。
参考までに副島隆彦氏の「官製相場の暴落が始まる」から、以下に引用させていただく。
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このISの正体は、セラフィーと呼ばれるイスラム教世界に出現した、新興の若者の集団生活運動として生まれた団体だ。彼らセラフィーの資金源と武器の供給源は、サウジアラビア(とりわけワッハーブ派という暴力的な宗派)とイスラエルである。(中略)
ヒラリーたちはアメリカが世界覇権国として今のまま生き残るためには、世界戦争を始めるしかないと、今も頑張っている。だから、ISISを北イラクに出現させて、残虐な首切りの映像などを世界中に流すことで、それに対して「対テロ戦争」として彼らを潰すと言う「有志国連合」がイラク北部とシリアに爆撃をして、ふたたびアラブ世界が戦乱になることを期待している。
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付言すると、イラクの混乱は、「イラクに大量破壊兵器がある」と叫んでイラク侵略を行った米国政権(ブッシュ政権)にある。テロが多発しているのは紛れもない事実であるが、3.11を始めその真相を正確に把握するとともに、「文明の衝突」として捉え、文明論の観点から、その解決策を見出す必要がある。もちろん、欧米文明によるイスラム諸国の帝国主義的侵略も真正面に目を向けなければならない。
なお、米国が戦争を欲しているのは、どさくさに紛れて世界最大の借金をチャラにするためと考えられる。そのためなら、CIAやモサドとに何でもやらせる。まさに、「悪魔」は存在しているのである。日本国民にはこの「悪魔」の正体を見破る正眼が求められる。