朝日新聞社の報道によると、「森友学園との国有地取引をめぐり、財務省の決裁文書の内容が書き換えられた疑いが出ていることについて、同省の富山一成理財局次長は6日朝、参院予算委員会理事会で『すべての文書を直ちに確認できない状況となっている』などと報告した。同省は、問題となっている文書の有無を明らかにしなかった」ということで、財務省が決済した森友文書が書き換えられた疑惑は一層深まった。

要するに、財務省は「ゼロ回答」で時間稼ぎを行う戦術に出たわけだが、これには野党のみならず、白々しいが自民党内部でさえ、参院幹事長の吉田博美氏が6日、「(森友学園との国有地取引をめぐる決裁文書が書き換えられた疑いで財務省が捜査を理由に説明していないことについて)与党にも疑問点はある。与党もしっかりとした質疑を財務省に対してすべきじゃないかなと思います」などと、財務省を批判した。

ただし、問題の核心は安倍晋三首相夫妻の意向を忖度して財務省が書き換えた疑惑が濃厚であるということであり、疑惑の発端は安倍夫妻にある。自民党がこの肝心要の重要点を棚に上げて、「財務省批判」を行っても、全く説得力がない。

「森友文書偽造疑惑」て空転した参院予算委員会(朝日デジタルによる)

国民の財産である国有地が実質的にタダ(時価10億円の国有地を実質200万円で売却)で森友学園に渡ったことは既に周知の事実になっている。これは、現日本国憲法の基本原理である国民主権を踏みにじるものとしか言いようがない。真相の徹底究明が必要であり、野党側は国会での各委員会のストップさせるなどの強硬手段に訴え、言論の府としての国会の本来の姿を取り戻すべきである。

それにしても、東京地検特捜部は何をしているのか。安倍夫妻の取り調べを行うとともに、財務省を家宅捜査すべきではないか。

※追記(3月7日20時35分)
自民党と民進党の参院国対委員長が、8日の参院予算委員会で財務省が大阪地検に提出した決済文書の「コピーが残っていた」と言い訳を行い、参院予算委員会の理事会に提出することで合意した。ただし、大阪地検に出した決済文書が書き換えたとされた文書なら意味はない。自公両党は民進党と裏取引を行い。これで幕引きを図ろうとしているが、朝日は書き換えが事実なら、元の決済文書を公開すべきである。さもないと、「世紀の大誤報」と非難の合唱になる。

※追記(3月8日14時01分)
財務省が8日午前、参院予算委員会理事会に提出した文書はこれまで国会議員に開示された文書と同じ内容だったため、「学友決済文書の改ざん」疑惑は深まるどころか確実になった。このため、自公の別働隊の日本維新の会以外は同委員会も含め、「学友文書改ざん疑惑」解明のための委員会以外は全て欠席し、真相解明に徹することになった。朝日Comによると、

====文献引用開始====
財務省が参院予算委員会の理事会に提出したのは、2015年5月に貸し付け契約を結ぶための決裁文書と、16年6月に売買契約を結ぶための決裁文書。朝日新聞が確認した契約当時の文書には「特例的な内容となる」などの文言があったが、この日の提出文書にはなく、昨年2月の問題発覚後に国会議員らに開示されたものと同じ内容だった。

理事会で野党側は、今回提出した文書以外に残っていないのか追及した。財務省の富山一成理財局次長は「現在、近畿財務局にあるコピーはこれが全てだ」と強調したものの、他に文書が残っているかは明確にしなかった。このため民進、共産、立憲などは「書き換えられた後のコピーである可能性を否定できなかった。審議の前提が崩れる」(共産党の辰巳孝太郎氏)と判断。理事会後に始まった委員会への出席を拒否している。
====文献引用終わり====

植草一秀氏のメールマガジン第1986号によると、本事案は安倍政権が、2019年10月に予定されている消費税率の8%から10%への引き上げをまたもや(これで3度目)見送りする公算が大きく、これに反発した財務省が多国籍業の負担を軽くするため今後こそは大衆課税である消費税の増税は強行しなければならないとの「日本の支配者である国際巨大資本」=軍産複合多国籍企業連合体の意向を受けて、安倍内閣総辞職=安倍政権退陣に追い込むための陰謀としている。

今回の日銀人事で、安倍晋三首相が副総裁に消費税増税反対の論陣を張ってきた若田部昌澄氏を起用したに、財務省が危機感を募らせているという。なお、安倍政権が2014年5月に官邸直轄の内閣人事局を設置し、各省庁の幹部が安倍内閣(安倍首相)の意向を忖度せざるを得ないようにし事実上、日本の官僚組織を私物化してきたことへの反発も、官庁中の官庁である財務省が安倍内閣を許せなかったこともあろう。

やはり、現在のところは、軍産複合多国籍企業連合体と官僚組織の意向(その中を取り持つのは「日米安全保障条約」の第6条に盛り込まれた「日米地位協定」(旧安保条約では「日米行政協定」と露骨な表現だった)に由来する日米合同委員会)に、日本の首相(内閣)は逆らえないのである。

ただし、安倍晋三内閣はもちろんその表看板だった「アベノミクス」は完全に破綻し、双方ともに沈没状態だが、国民の基本的人権を踏みにじる財務省はじめ霞が関各官庁もひどい組織だ。基本的には東大法学部出身者の組織だが結局のところ「東大阿呆学部」(東大法学部OB)に過ぎない。エイブラハム・リンカーン米国大統領が150も前の1863年11月19日、ペンシルベニア州ゲティスバーグで行った演説(3分程度)をもじって言えば、いよいよ、日本国民の日本国民による日本国民のための(the Government of the Japanese people, for the Japanese people by the Japanese people )真の民主主義確立の時代の幕が開けた。

 

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