バイデン大統領最後のあがきで終わるかロシアとNATOの戦争に暗転するかーウクライナを使った対ロ長距離ミサイル攻撃(追記:ゼレンスキー氏、敗戦は認める方向)
ウクライナの2度めのATACMS攻撃対するロシアの報復

バイデン大統領の米国を盟主とする北大西洋条約機構(NATO)諸国が、ウクライナにウクライナ軍部では操作できない長距離ミサイルによる攻撃を許可したことから、事実上、NATO諸国の軍部がウクライナで23日と25日、改めてATACMSによる長距離ミサイル攻撃を行った。これに対して、ロシア軍はウクライナに対して報復を行い、ウクライナ各地のエネルギー関連施設を標的に、ミサイルやドローンを改造した無人攻撃機による大規模な攻撃を行い、西部のリビウ州などで合わせて100万世帯が停電した。プーチン大統領は報復攻撃をさらに続け、「国防省とロシア軍参謀本部は現在、ウクライナ領内での攻撃目標を選定している。軍事施設や首都キエフにある意思決定の中枢などが考えられる」と警告している。ウクライナを利用した、実質的にはNATO軍の操作によるウクライナからの長距離ミサイルによる対ロ攻撃は、レームダックに陥ったバイデン大統領の最後のあがきと思われるが、来年2025年1月20日のトランプ次期大統領の大統領就任前に報復の応酬が続けば、NATO諸国とロシアとの戦争に暗転する可能性を否定できない。このため、トランプ次期大統領は選挙中の公約を守るために、水面下でのプーチン大統領との交渉を展開している模様だ。

レームダックのバイデン大統領がウクライナ戦争を核戦争へ暗転の最後のあがき

NHKの報道(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241127/k10014650481000.html)によると、NATO軍は23日、25日の両日、米国の衛星システムから長距離ミサイルの飛行情報を取得して、ATACMSによるロシア本土を攻撃した。なお、ロシアの認識としては、クリミア半島はウクライナ戦争が始まる前にロシアの領土になっており、東南部4州はこれらの州の州民の了解のもと、ロシアに併合されているが、これらの地域では既にATACMSが使用されている。駐屯するロシア軍はほとんどのATACMSを迎撃しているが、一基は迎撃ができず、地域の住民が犠牲になったようだ。ウクライナのATACMSの使用で、ウクライナにとってはウクライナ国民が、ロシアにとってはロシア国民が死傷した。

ロシア国防省は26日、ウクライナ軍が23日、ロシア西部クルスク州にアメリカが供与した射程の長いミサイルATACMSで攻撃を行い、ロシア軍の地対空ミサイルシステムに被害が出たと発表しました。使われたATACMSは5発で、このうち3発は迎撃し、2発は目標に命中したとしています。また、25日にもクルスク州内にある飛行場がATACMSで攻撃され、8発のうち7発を迎撃したものの、1発は命中したということで、軍人2人が軽いけがをしたほか、インフラ施設が損傷したと明らかにしました。

ロシア在住の日本人・ニキータ氏による

これに対して、ロシアは29日にミサイルとドローンを使った無人攻撃機でウクライナを大規模攻撃した(https://jp.reuters.com/world/ukraine/6374OKEYQ5PH3IWUJHVNVU657U-2024-11-28/)。

ロシアは28日、ウクライナのエネルギーインフラに対して今月2回目となる大規模な攻撃を行った。現地の当局者によると、全土で100万人以上が停電の影響を受けている。

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナが米国供与の長射程ミサイル「ATACMS」でロシア領土を攻撃したことへの報復だとし、今後はキーウの中枢部を攻撃目標にする可能性があると述べた。また最新式中距離弾道ミサイル「オレシニク」を再び使用することもあり得るとしている。ウクライナの気温は零度前後。冬季の長期停電への懸念が強まっている。エネルギーなど重要インフラへの被害が報告されたのは、西部のリビウ州、ボルイニ州、リブネ州、フメリニツキー州、南部のミコライウ州、ヘルソン州、中部のジトーミル州。

ウクライナは既に冬に入っている。記事中では100万人のウクライナ国民が停電の影響を受けているとしているが、他のメディでは「停電」と伝えている(https://news.yahoo.co.jp/articles/5841feb5fca64c313d30b0102b85357d92f34cb1)。ロシアはウクライナ側がATACMSで攻撃する以前にも、久しぶりにウクライナ全土に対する大規模攻撃を行っており、発電所などの施設をピンポイント攻撃をしている。このため、停電や計画停電を強いられている地域も多い。こうしたことから、今冬は猛烈な寒さを防ぐことは出来ず、凍死者や餓死者が多数発生する可能性を考慮しておかなければならない。

米国のATACMS使用許可や英仏の搭載型巡航ミサイルであるストームシャドー(英)/スカルプ(仏)の使用許可の前提として、これらの長距離ミサイルを供与する以上に、NATO諸国はウクライナ国民の越冬のための経済支援を行うべきであろう。ロイター通信の動画で、プーチン大統領が語っているように、大量の高精度長距離大量ミサイルによるロシアの主要都市や軍事施設などへの攻撃などNATO軍の出方によっては、最大の核大国ロシアがウクライナに核攻撃を行う可能性も否定できない。核抑止力は使わなければ、「オオカミ少年」になってしまう。

ただし、当面は、NATO軍が防御できないオレーシュニク(アレーシュニク)の使用によるピンポイント攻撃で、ゼレンスキー政権の機能を停止させる段階を経ることになると思われる。プーチン政権がウクライナ政府の機能停止などの目標を探っていることは、まだ、核搭載ミサイルの使用の段階ではないと判断しているからだろう。

ウクライナは事実上、バイデン民主党大統領政府の傀儡政権で、国内では野党を禁止するとともに、メディアは与党の「国民の下僕」の広報メディアしかない言論弾圧の独裁国家である。これは、次期トランプ政権で次期国家情報長官に指名されたトゥルシー・ギャバード氏が見抜いている事実だ。実際は、独裁体制でしかない。ウクライナの世論調査機関が行ったゼレンスキー大統領の再選支持率は22%程度しかなく、なお、「英BBC放送によると、ゼレンスキー氏の留任は『戒厳令で選挙は不可』とうたう憲法が根拠。しかし、大統領選ではなく最高会議(国連加盟諸国では議会)選に関する規定であり、その『拡大解釈』は国内でも」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2024052100660&g=int#goog_rewarded)問題視されている。米国の世論調査会社が行った調査では、停戦もしくは終戦交渉を行うべきだとする国民の割合は2024年は前年から急増し、52%と半数以上に上っている(https://www.youtube.com/watch?v=oO1fq7mvZ2w)。

いわゆる「議会制民主主義国家」からなるはずのNATO諸国は、こうした国民の支持を得ていないウクライナの独裁政権であるゼレンスキー政権を擁護し、ウクライナ戦争の継続に躍起になっているのである。その筆頭が、米英両国であり、とりわけバイデン大統領と英国労働党政権のスナク首相である。英国はかつて「世界の大英帝国」が凋落した時代に、(米国)一極覇権体制のノウハウを米国に伝授している。

レームダックに陥ったバイデン大統領がATACMSの使用を認めるとともに、事実上、米軍の手でロシアの重要施設を攻撃したのは、ウクライナへの軍事援助を止めて戦争を終わらせようとしているトランプ次期大統領のウクライナ対策(停戦もしくは終戦外交工作)を妨害するための、最後の悪あがきと言うしかない。厳冬に直面したウクライナにはもう既に、戦争を継続する能力は軍人、弾薬、軍事兵器、軍事兵器製造施設、電力施設などあらゆる面でないのである。以下にロシア在住27年のニキータ氏(注:日本で言えば「太郎」のような名前)による戦況のキャプチャを掲載します。図の中央はロンドン大学キングス・カレッジの軍事専門家であるマリナ・ミロン氏が予測している「ウクライナの東部戦線崩壊」のキャプチャ図です(https://www.youtube.com/watch?v=IaHAZb6vbZ8https://www.youtube.com/watch?v=xWZLFIJFM0o&t=4s)。

ウクライナの東部戦線崩壊か

にもかかわらず、米英仏がウクライナの「独裁制民主主義」を無視して、「民主主義擁護」の美名の下にウクライナ戦争継続を推進すれば、結局は、NATO諸国が名実ともに直接、ロシアと交戦することになる。ここで注目されるのが、ウクライナの西隣にあるルーマニアの大統領選挙だ。ロイター通信によると、「東欧ルーマニアで24日行われた大統領選挙は、北大西洋条約機構(NATO)懐疑派の極右(注:欧州ではこのところ右派の民衆擁護政党が勢いを増している。トランプ次期大統領は世界的レベルの右派大統領)カリン・ジョルジェスク氏(左)と中道右派のエレナ・ラスコニ氏(女優出身、右)による12月8日の決選投票に持ち越された。大統領は国防と外交に権限を持ち、結果によっては親ウクライナ的な政策に影響が出る可能性がある。選管当局によると、ジョルジェスク氏の得票率は22.94%、ラスコニ氏は19.18%。事前に優勢が伝えられていた中道左派のチョラク首相は3位に後退した」(https://jp.reuters.com/world/security/TOJNTQNJPJLXPBVXTBZTULPAQY-2024-11-25/)という。この結果、決選投票が12月8日に行われることになっていた。

ところが、この選挙結果にロシアの意図的な不正攻撃があるとして、「憲法裁判所は(28日の)声明で『11月24日の大統領選挙の投票用紙の再検証と再集計を全会一致で命じた』と明らかにした。一方、国内の最高安全保障機関である最高防衛会議は、選挙プロセスに影響を及ぼすことを目的としたサイバー攻撃の証拠があると発表した」(https://jp.reuters.com/world/europe/ICGFK3U7HFO6VF4QOVLMRHILYE-2024-11-29/)。この憲法裁判所の背後には、どのうような投票制度を採用しているのか不明だし、ウクライナ戦争の継続を臨むNATOからの圧力がありそうな気がするが、少なくとも、ルーマニアの国内の大混乱は避けられないだろう(https://news.yahoo.co.jp/articles/fe0e79cc0b74cd2260452a992daa60c129f8bf29)。

この様子だと、バイデン大統領の米国を盟主とするNATO諸国は最後の悪あがきとして、大変な被害を被っているウクライナ国民の苦しみを無視して、矛盾する言葉だが「独裁民主主義」と化した「ウクライナ民主主義」を大義名分に、何としてもウクライナ戦争を継続させるつもりだ。

なお、ゼレンスキー氏は29日、英民放スカイニューズ・テレビとのインタビューで「ロシアのウクライナ侵攻による戦闘を沈静化するには、南部クリミア半島や東部ドネツク州などロシアの実効支配地域を除いたウクライナの領土を『北大西洋条約機構(NATO)の傘の下に置く必要がある』との見方を示した」(https://news.yahoo.co.jp/articles/51282c0e1f27fba75c9dc6feffc47f27184c4ce0https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241130/k10014651381000.html)という。つまり、ウクライナをNATOに加盟させよと言うことである。ただし、「現在、占領されている地域については、外交的に取り戻せる。プーチンが再び戻ってこないようにする保証が必要だ」としている。

プーチン政権は、ウクライナ戦争終戦の譲れない条件として、①クリミア半島をロシアの領土として認めることと住民がロシアを頼りにしているウクライナ東南部をロシアの領土に編入すること②(少なくとも20年間は)ウクライナをNATOに加盟させないことーの最低二つの条件を挙げている。ただし、ウクライナ東南部の奪還は如何なる方法でも認めない。ゼレンスキー大統領が前者を容認したとすれば、ウクライナ政権がもはやロシアとの戦争に敗北したことを明確に認め、短期的にはウクライナ東南部の支配権を「取り戻すことは不可能」であるとの認識を有していることを示すものだ。

しかし、ウクライナのNATOへの即時加盟は、ロシアとNATOとの緩衝地帯がなくなることになり、これまで、NATO加盟国から強力な制裁を受けながら、事実上はNATO加盟国と戦争してきたロシアが危険に晒されることになるため、プーチン政権としては飲めない。また、プーチン政権としては、バイデン政権とその傘下のゼレンスキー政権が東部ドンバス地方のロシア系ウクライナ人を大弾圧することによって、ロシアを同胞救出のために「特別軍事作戦」に追い込んだ責任を問うだろう。加えて、併合したウクライナ東南部はロシアの領土であり、これを手放すなどのことは将来にわたって絶対に認められない。

NATOの盟主はバイデン大統領の米国だから、ゼレンスキー氏を操っている現在のワシントンは、米国の政権交代を直前に控え、気が狂ったとしか言いようがない状況に陥っている。プーチン政権も「堪忍袋の緒が切れる」ところまで来ており、国営タス通信は30日「ロシア外務省の高官(外務省のリャプコフ次官)は、ロシアは核実験を再開するかどうかの問題に直面していると述べ」たと伝えているhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20241201/k10014654881000.html)。

こうしたバイデン民主党政権およびその傘下の欧州NATO諸国、ウクライナ政権の最後の悪あがきに対して、トランプ次期大統領は水面下でウクライナ戦争の停戦・終結に向けて、強力な行動を開始しているようである。ただし、トランプ次期大統領は、今のワシントンが本当に狂ってきた現状、行動を急ぐ必要があるとともに、ネオコン傘下のバイデン政権にウクライナへの軍事支援をやめさせるべきだ。

まず、トランプ氏を徹底的に嫌っているウォール・ストリート・ジャーナルだが、それでも同紙がトランプ次期大統領の側近がトランプ氏に推奨しているという内容から報道したウクライナ戦争の停戦案もしくは終戦案の骨格は、①ウクライナにおけるロシアの占領地域は現状のまま維持する(注:ロシアのウクライナ東南部の併合は容認する)②ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)への加盟に向けた動きを停止するーというもので、これにウクライナの安全保障の確立のため米国が武器を供与し続けることも検討されているという(https://mainichi.jp/articles/20241108/k00/00m/030/097000c)。

次に、幸福の科学出身の国際情勢アナリストの及川幸久が公開した動画(https://www.youtube.com/watch?v=rASYZH8QfgQ)で紹介されている米国のジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏がバイデン現政権の最終段階でのウクライナ外交政策の内容を取得した上で、トランプ氏の政権以降チームなどから掴んだという終戦案があるようだ。ただし、残念ながらこの動画では、トランプ次期大統領とプーチン大統領の「特使」が直接話し合ってある程度の合意を得ているという停戦案もしくは終戦案については、具体的に述べられていない。ただし、それが真実なら、上記の内容にトランプ次期大統領の手腕がプラスされたものになるだろう。

場合によっては、ウクライナがNATOに加盟できない期間を短縮するということもあり得るかも知れない。サイト管理者としては、①ウクライナに複数政党制の民主主義を確立し、複数の言論機関やSNSの設立、普及をする②ウクライナ東南部のロシアへの編入を認める(ウクライナの分割)③NATOを早期に解体し、ゴルバチョフ大統領が提唱した「欧州共通の家」構想の具体化を図り、創設する④米側陣営と非米側陣営のデ・カップリングを回避するため、「ドル基軸通貨体制(実際は、ドル・原油本位制)」を見直し、新たな国際通貨体制を創出するーことなどを終戦の条件とすれば良いと拝察する。

シーモア・ハーシュが掴んだというウクライナ終戦案のプーチン氏とトランプ氏の合意について

この内容によると、ゼレンスキー氏は直接終戦案内し停戦案に関わっていないようであるが、同氏は去りゆくバイデン大統領の傘下にあるから、実質的にはあまり意味がない。そんなことにこだわるよりも、取り敢えずは家族も含めた身の安全を確保することを最優先し、それが出来れば、ウクライナの戦後復興に尽力することが、戦争を国民に無理強いして継続してきたことの償いになる。

重要なことは、トランプ氏とプーチン氏との間で合意された停戦案ないし終戦案について、バイデン大統領に何らかのメッセージを送り、ウクライナ戦争を、ロシアとウクライナの戦争からウクライナとNATO諸国の戦闘に暗転させないように強く警告することであろう。大統領時代の政策行動は訴追されないが、弾劾裁判精度があるので、その変形応用が可能になるかも知れない。

金価格が再上昇の動きー関税による米国のインフレと懸念と産業再生の困難性の懸念から

金地金相場がこのところ、再上昇の動きを見せている(https://gold.mmc.co.jp/market/gold-price/)。メキシコとカナダからの輸入品に対して、大統領就任初日にバイデン次期大統領が関税を引き上げると明瞭に語ったことと、それによる世界経済の悪化懸念が予想されるようになったからだ。関税引き上げは貿易赤字の縮小と不法移民や麻薬の密輸を解決することが目的だが、①輸入価格の引き下げを求める②イーロン・マスク氏らが責任者となる政府効率化委員会が早期に設立され、業績を挙げて政府の無駄を省いて財政赤字を縮小する③海外の多国籍業を呼び戻して米国の実情(労働コスト=賃金が高いことなど)に見合った次世代の広範な産業基盤を築き、雇用を吸収することーなどが必要だと思われる。

 

 

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