新型コロナウイルス感染症を指定感染症2種に指定したことで医療現場に大混乱(訂正)

日本の中核大都市・東京都を中心に新型コロナウイルス感染者数が加速している。この過程で深刻になっているのは、台東区の中核病院・永寿総合病院で院内感染が続いていることに象徴されるように、医療機関で院内感染が多発し、加速していることだ。月刊日本4月号で医療ガバナンス研究所の上昌広理事長が示唆しているが、政府=安倍晋三政権が1月23日、同感染症を結核などが属する感染症法に定める指定感染症(2類感染症相当の指定感染症)に政令指定したことが大きいようだ。

本日4月1日に年度替わりして2021年度に入った。朝日デジタルによると、年度末31日午後11時30分の時点で大型豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号、チャーター便、空港などの検疫で新型コロナウイルスの国内感染者数は2949人、死亡者66人である。特に、日本の心臓部とも言える中核大都市・東京都での感染者は2020年度最後の3月31日に過去最大の78人増加し、521人に上った。特に、地域の医療の中核になっている大手医療機関で集団感染が生じているのが大きく懸念される。

東京・台東区にある永寿総合病院

東洋経済オンラインの調べによると、3月4日から3月31日12時までのPCR検査数は30,088人。1日当たりでは1072人と海外諸国に比べて極端に少い。政府=安倍政権によって感染拡大防止と治療には不可欠のPCR検査が抑制されていることは明らかであるが、それでも1日の感染者数の増加は加速してきている。

特に、感染源の分からない感染者数が49人も出現してきている。政府=安倍政権の下でPCR検査を抑制しているために、検査を行えば陽性と判定されるけれども、比較的症状の軽い人が公共交通機関等で自由に移動できるため、その過程で新たな感染源になっているのがその最大の理由だろう。現在では、全く症状が出ない人はしかたがないが、軽症といえども何らかの症状が表面化する場合も少くないから、新型コロナウイルス感染拡大の防止のためには、医療機関の防疫体制を整えつつ「疑わしきはPCR検査をする」という方針に抜本転換する必要がある。ただし、政府=安倍政権は抜本転換をするということはないだろう。

ただし、PCR検査をしなければ、感染者の爆発的増加(オーバーシュート)は防ぐことはできないから、日本国憲法に定められた国民の生命・財産を守ることより、東京オリンピックの開催(結局は1年間の延長を余儀なくされたが、この延長期間に防疫学・医学的根拠はなく、森喜郎大会組織委員会会長も認めるように神頼みにしか過ぎない)を守ることよりより権力の維持、政府=安倍政権は立ち行かなくなるだろう。

さて、PCR検査などの諸検査を封じ込めてきた大きな原因は、医療ガバナンス研究所の上昌広理事長が月刊「日本4月号」で述べているように、政府=安倍政権が新型コロナウイルス感染症を感染症法に基づく、結核などと同じ「指定感染症第2種」に定めたことである。長くなるが下記に引用させていただきたい。

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最大の問題は、政府が1月23日に新型コロナウイルスを結核などと同じ「指定感染症第2種(注意:感染症法に定める第二類感染症に相当するとの意味と思われる)」に指定したことです。そうすると、指定感染症の患者は隔離病棟など特殊な設備をもっている国の指定医療機関に隔離されることになります。第2種に対応できる指定医療機関は全国に348カ所あります。
つまり、第2種に指定したことで、新型コロナの患者は全国に348カ所しかない特殊な医療機関でしか対応できず、一般の病院では対応することができなくなったということです。
その結果、医療現場では大変な混乱が起きています。すでに一般の病院やクリニックでは感染の疑いがある患者を拒否したり、院内感染が発覚して病棟を閉鎖したり診療を休診したりする事態になっています。
しかし本来、新型コロナはインフルエンザのような病気です。それが結核などと同じ2種に指定されてしまったら、新型コロナの感染者が見つかる度に医療現場がストップしてしまうのです。現場の医師たちは「とにかく第2種指定を外して、インフルエンザと同じような扱いにしてくれ。これでは身動きが取れない。
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ただし、第2種指定感染症医療機関第2種感染症医療機関には、結核のほか今回の新型コロナウイルスの一種である重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)などが含まれる。Wikipediaによると、第二種指定感染症第二類感染症指定医療機関は計351医療機関(計1,758床)ある。このうち、結核病床(稼働病床)を有するのは184医療機関(計3,502床)だ。上理事長とWikipediaの医療機関数には若干の誤差はあるが、3医療機関程度だ。

しかし、PCR検査を受けることの出来る「帰国・接触外来」を持つ医療機関は860機関(未公表)程度とされ、第2種指定感染症医療機関の数と2倍も異なる。新型コロナウイルスの感染力、毒性の強さでさすがの厚労省も増やさざるを得なかったのだろうが、➀従来の第2種指定感染症医療機関と「帰国者・接触者外来を持つ医療機関」との相異についての明確な説明の必要性②「帰国者・接触者外来」を持つ医療機関をどのようにして定めたのか③既に、これまでの政府=安倍政権の下で動いている新型コロナウイルス感染確認から治療に至る過程の全面的な見直しを余儀なくされる段階に入っているが、その場合に「新型コロナウイルス感染症」を第2種指定感染症に定めた政令はどうなるのか-などについて、政府=安倍政権は明確な説明をしなければならないだろう。