菅官房長官、「医師の判断でPCR検査実施」語るも信じられず

時事通信社やテレビ東京などによると菅義偉官房長官は2日の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大阻止のためには欠かせないPCR検査について、「1日当たり9000件を超える検査能力がある」「医師が必要だと判断した方には全て行っている」と語った。しかし、厚生労働省の公表数を基に東洋経済オンラインが作成した図表では、3月4日から4月2日までの累計検査数は32,002人、1日あたり1067人で極めて少ない。記者会見でウソをついているとしか判断できない。

日本国内の新型コロナウイルスの感染者の実態把握をはじめ感染拡大抑制の基本策の策定、院内感染の阻止に不可欠なPCR検査をめぐっては、外来患者が医師の診断で必要だと判断されても検査が行われなかった事例が相次ぎ、政府=安倍晋三政権に対して国内外から疑惑の目が集まっている。

厚労省は、「新型コロナウイルス感染症について」と題するサイトでPCR検査の実数を公開している。各地方自治体の検査数をまとめたものだが、1人に対して複数のPCR検査を行った場合の取扱について、検査した件数を報告してきた地方自治体と、同じ住民なら何件検査しても1件の検査として報告するなど、検査数の数え方に統一が取れていないかった。

例えば、付注に「2月18日~3月31日までの国内(国立感染症研究所、検疫所、地方衛生研究所・保健所等)におけるPCR検査の実施件数は、59,705件※。4月1日分は集計中」と記載されている。しかし、上の表では空港、チャーター帰国便での検査を除く国内検査数は4月2日12時時点で30,002人にとどまっている。東洋経済オンラインでは3月4日以降は検査数を同じ人に対する検査に絞ったとみて、空港、チャーター便、ダイヤモンド・プリンセス号を含まない国内での検査数を毎日カウントし、グラフにしている。下図が4月2日午前12時のものだ。

それによると、3月4日から4月2日までの累計検査数は32,002人、1日あたり1067人で極めて少ない。空港での検査数、チャーター便での帰国者に対する検査数を合計しても34,510人で、1日あたり1150人にしか過ぎない。記者会見での菅官房長官の「1日当たり9000件を超える検査能力がある」「医師が必要だと判断した方には全て行っている」発言にはまったく信憑性がない。各メディアの記者も、PCR検査の少なさについて追及する姿勢は皆無だ。政府の情報を垂れ流ししているに過ぎない。韓国では1日1万7000件から2万件実施してきたと公表しているから、検査能力1日9000件超としても、国民の生命・財産を守るという日本国憲法の理念からすれば、全く説得力がない。

こうしたPCR検査の少なさにもかかわらず、NHKが2020年4月2日 23時32分にサイトに公開した記事によると「2日は東京都で97人の感染が確認されるなど、これまでに全国で276人の感染が確認されました。1日当たりでは1日の266人を上回ってこれまでで最も多く、3日連続で200人を超えました」という状態。下図は当初からのPCR検査の手順だが、もうこの手順では医療崩壊を招くだけだ。それだけではなく、命がけで医療機関で本人や配偶者が働く家庭の子どもは、差別の対象になっている。今、一番新型ウイルスに感染しやすい場所として医療機関が挙げられているわけだ。

抜本的改変の必要があるPCR検査体制

新型コロナ感染症対策専門家会議では、「PCR検査を受ければ陽性と判定されるが、無症状または軽症のため自由に行動できる感染者が感染源になり、感染拡大に『貢献』している」旨のことを公表しているから、実際にPCR検査を行えるよう、従来の検査手順を完全に変更するよう提言するべきだが消極的でしかない。これまでは、新型コロナウイルス感染症を指定感染症(二類感染症相当)に指定していたから無症状・軽症の患者さんまで入院させる必要があった。このことが根本原因で、病床が足りなくなり、医療崩壊が静かに進行している。

医療崩壊が起こったイタリア。東京も二の舞いの恐れ。

➀PCR検査の実際の数の増加②新型コロナウイルス感染症の感染症法での位置づけの見直し③病院の防疫体制の強化④症状に応じた医療機関の役割の設定-などを行いながら、大規模な財政出動を行い、抜本的な新型コロナウイルス感染症対策と国民の生活・財産を守ることの双方を、迅速に実施していかなければならない。