アベクロノミクスの経緯(その25)―油断できない金融・資本市場

東京株式市場は今週後半に切り返してきたことから、市場に安心感が漂っているが、その主因は各国中銀関係者が、「量的金融緩和終了の時期を遅らせる」(米FRB関係者)、「緩和継続の方針を確認」(ドラギ欧州中銀総裁)、「金融市場の安定を守る」(周小川中国人民銀行総裁)などの発言による。しかし、これらの発言で一時的だろうが、市場が落ち着いたことは、際限なき「量的金融緩和競争」の出口が準備されていないことを物語る。

強気の日経も、「もっとも、市場参加者の間では米国の金融政策や中国の金融不安への警戒感はなお根強い。1ドル=100円は視野に入るが、もう一段円安が進むほどの力強さはない」(国内銀行)との声もあり、このまま円安・株高が進むかは不透明だ。28日の米株式市場では景気指標の悪化を受け、ダウ工業株30種平均が反落、下げ幅は一時120ドルを超えた。来週は米雇用統計など重要な経済指標の発表も相次ぐ。「当面は値動きの荒い展開が続く」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長)との見方が多い」と保険をかける。

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新自由主義=市場原理主義(実態は、市場統制主義)の経済政策の破綻が次第に表面化しつつ在ることを十二分に踏まえる必要があり、金融緩和・自国通貨安競争より、新たな国際経済体制を構築し、正しい政策協調を展開するのが筋だ。

 

 

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