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日米首脳会談、完全なる対米隷属化で合意ー日米心中化への道、波乱呼ぶTPP「為替条項」

日米首脳会談が28日午前(日本時間で同日深夜から29日未明)に行われたが、①沖縄辺野古への基地建設確認②河野談話は見直さず、継承する③TPP(環太平洋連携協定)の早期妥結で一致ーが主なポイントだ。やはり、安倍晋三政権の「右傾化」なるものは単なる偽物でしかなく、米国が戦後レジームに日本が反した行動を展開することを許さないし、安倍首相も命ぜられたことに従うしかない実態が浮かび上がった。また、沖縄の翁長雄志県知事がオバマ政権に陳情に行っても無駄なことが明らかになった。即刻、「公有水面埋め立ての撤回・取り消し」を全面に立て、法廷闘争に持ち込むのでない限り「辺野古基地建設阻止」は失敗する。TPPに関しては、米国の命令で法律より上位の条約として妥結する公算がほとんど確実になったが、ここにきて議会から「為替操作禁止条項」を盛り込む動きが米国議会に強まっており、これが盛り込まれれば、TPP妥結は暗礁に乗り上げる可能性が高くなる。それに期待するだけの情けない状況になった。

日本のダマスゴミはどうしようもない体たらくだが、比較的頑張っているのはブロック紙であり、その東京版である東京新聞である。同紙の報道を引用する。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015042990070120.html

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 【ワシントン=中根政人】安倍晋三首相は二十八日午前(日本時間同日深夜)、オバマ米大統領とワシントンのホワイトハウスで会談した。安全保障や経済分野で日米同盟の強化を確認した。米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題では、首脳会談で、名護市辺野古(へのこ)への新基地建設が唯一の選択肢と再確認した。

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 会談後の共同記者会見で安倍首相は「在日米軍基地再編を着実に進める決意を確認した。普天間飛行場を辺野古に移設することで一日も早く危険性を除去する」と表明した。
 従軍慰安婦問題については「人身売買の犠牲となった筆舌に尽くし難い、つらい思いをされた方々を思い、非常に心が痛む。河野談話は継承し、見直す考えはない」と明言した。
 両首脳は日米共同ビジョン声明を発表した。声明では、新たな日米防衛協力指針(ガイドライン)について「この地域およびそれを越えた地域において、日米両国が海洋安全保障を含む事項についてより緊密な形で取り組む」と表明。日米両国が地球規模で軍事協力することを確認した。
 他国を武力で守る集団的自衛権の行使や、自衛隊が地球規模で米軍に協力することで、日本が危険に巻き込まれるとの懸念も出ている。安倍首相は共同会見で「戦争に巻き込まれるという議論が日本で行われていることは残念だ。日米が協力することで日本の安全は守られる。それがガイドラインの狙いだ。国民に丁寧に説明していきたい」と強調した。
 また、安倍首相が唱える積極的平和主義とオバマ大統領が進めるアジア太平洋リバランス戦略を通じ、「地域および世界の平和で繁栄した将来を確かなものにするために緊密に連携する」と表明した。
 環太平洋連携協定(TPP)では「日米両国は二国間交渉で大きな進展があったことを歓迎し、迅速かつ成功裏の妥結を達成する」と表明した。首脳会談でTPPの迅速な妥結を確認したことで、日本が米国に譲歩するようなことになれば、日本の国益を損なう可能性も否定できない。
 両首脳の会談は昨年十一月、訪問先のオーストラリアで開いて以来五カ月ぶり。
(東京新聞)
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要するに、オバマ大統領は日本の戦争責任を否定する「極右旋回」は認めないということで、安倍首相は分かりましたというだけ。オバマ大統領と背後に在る米国支配勢力のホンネは、日本で真の保守勢力が台頭、つまり、日米安保条約を破棄し、米国の植民地から脱却する「対米独立運動」が展開することを阻止することだ。そういう会談内容であるが、日本を世界規模の戦争ー要するに、パックス・アメリカーナを維持するための戦争ーを引きずり込もうとするのは、米国が多重債務国になり、最早、かつての軍事力を展開するだけの経済的余裕がなくなったことを反映している。

このため、「無条件降伏」させ、戦後一貫して自国の植民地国にしてきた日本を「財布国家」「傭兵国家」にして、「パックス・アメリカーナ」を維持するのが、米国の世界戦略の柱である。しかし、米国がケインズ理論を否定し、新自由主義に転換してきた結果は、同国の「多重債務国家」化でしかない。その新自由主義の延長に在るTPPは日本の経済社会を米国と同様の悲惨な社会に改悪するものでしかない。このまま行けば、日米心中に陥るだけである。

内々には妥結しているTPPについて、日本では、安倍晋三自民党が2012年12月の総選挙で、次の6項目の公約を明示した。 TPP交渉参加の判断基準、①政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。  ②自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。③ 国民皆保険制度を守る。④食の安全安心の基準を守る。⑤ 国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。  ⑥政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。 これが、安倍晋三自民党が明示した選挙公約である。

「ウソつかない」と大きなポスターをはったが、ウソをつきまくったのが実態であり、その最終段階に来ている。ただし、ここにきて米国の議会からTPPに「政策当局による為替操作を禁止する為替条項」を盛り込む動きが出て来ている。これは、海外からの良質で安価な製品の輸入が激増し、米国の製造業界が衰退してきたのを食い止めるための措置であるが、今日のドル高・円安、株高は米連邦準備制度連邦準備制度理事会(FRB)による量的金融緩和の終焉と、これを支えるための政府・日銀の「異次元金融緩和政策」の合体の所産だから、これが盛り込まれると、国債金融市場に大異変が起こる。

植草一秀氏による日米両国の為替操作のメカニズムは、次のようなものだ。「日銀が『量的金融緩和』によって、『銀行』から大量の日本国債を買い取る。 日銀に保有日本国債を買い取ってもらった銀行は、その資金で米国国債を大量に保有してきた。 つまり、日本政府が直接米国国債を買うのではなく、日銀が銀行から日本国債 を買い、銀行が米国国債を買う形で、円安=ドル高が進行してきたのである。」

要するに、政府・日銀の「異次元金融緩和政策」が見返りなしに、多重債務に苦しむ米国を支えてきたのだが、TPPはこうした「為替介入」を禁止する。つまり、TPPに為替条項が盛り込まれると、ドル高・円安、米国への資金の流入という国際的な資金の流れが大きく変化する。

これは、安倍政権登場以降の官製相場崩壊の序曲になり得る。今年以降、世界の政治・経済情勢には大きな変化が訪れるであろう。翁長雄志沖縄県知事が本当に辺野古への米軍基地建設阻止で腹を固めているのなら、今すぐ「埋め立て承認の撤回・取り消し」を表明、裁判闘争に持ち込み、時間稼ぎをすべきである。

※「周辺事態」という概念を削除した今回の日米首脳会談に対し、生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎共同代表の緊急声明が入ったので、掲載させていただきます。

【生活の党と山本太郎となかまたち・小沢一郎代表の緊急声明】
◎ 危険極まりない日米防衛協力ガイドライン改定(談話)
2015年4月28日

生活の党と山本太郎となかまたち
代表 小沢 一郎

日米両政府は18年ぶりに「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の改定で合意しました。これは内容においても手法においても非常に問題が多いものです。まず内容面ですが、「切れ目のない日米共同対応」ということで、従来のガイドラインにあった「周辺事態」の項目が削除されています。それは、世界中で日米が共同で軍事行動を行うことを意味しており、極めて重大な変更であります。

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もちろん、日本の防衛・安全のために日米の共同軍事行動は必要です。私は、そのこと自体を否定するつもりはありません。しかし、「周辺事態」の概念を削除すれば、世界のどこまでも自衛隊を派遣することができるようになりこれは明らかに憲法違反です。

1999年に「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」(周辺事態法)が成立しました。しかしその政府原案では、「周辺事態」に対して何の制約もなく、日本の周りで何かあった時はすべからく日米共同で軍事行動をとるという内容になっていました。恐らく政府、特に外務省は、そういう内容にするようアメリカから強く言われていたのだと思います。

当時、私は自由党でたまたま自民党と連立を組んでいましたが、「この内容では日本国憲法の基本理念に反する」と主張し、原案に強く反対しました。その結果、周辺事態の定義を「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」と変更し、そういう事態になって初めて日米は共同軍事行動をとることができるという内容に、半ば強引に修正し
た経緯があります。

しかし、今回の改定ではその「周辺事態」という概念がなくなっており、無制限に日米が共同軍事作業を行うという内容です。これは安倍内閣が昨年7月1日の閣議決定で集団的自衛権の行使を可能としたことと符号していますが、いずれも憲法の理念、条項で言えば第9条に反するものであり、明確な憲法違反です。

安倍内閣がどうしても集団的自衛権の行使を容認し、ガイドラインから「周辺事態」を削除したいのなら、まず憲法の改正を国民に訴え、国会で審議し、国民にその賛否を問うべきです。その点、今回の改定は政治手法としても問題があり手順が全く逆なのです。もし国民が支持するのならば憲法を改正し、その後に集団的自衛権の行使容認やガイドラインからの「周辺事態」削除をするというのが順序のはずです。

しかし、安倍首相のやり方は、まず日米間でガイドラインについて合意し、その既成事実のもとに日本の法律を変えようというものです。アメリカからの圧力をいいことに既成事実を積み重ねていき、自分たちが思う方向に進めていこうという手法です。しかしそれは、立憲主義を謳う自立した主権国家としてあるまじき行為です。

戦前の戦争に至った経緯をみても、国民は「そこまで行っちゃったのだからもうしようがない。仕方がない」と軍部の独走を黙認し続け、結局日米戦争に至ってしまいました。そのように、なし崩し的な「まあ、仕方がないか」という雰囲気をつくって物事を進めていくのは、日本人独特のやり方です。しかし、過去の反省を踏まえて、再びそういう手法で物事を進めていくのは絶対にやめなくてはいけません。今回のガイドライン改定の手法はその意味で、非常に危険で最も姑息なやり方だと思います。

私は、日米同盟は最も大事な二国間関係であると常々言っています。しかし、同盟というのは対等な立場で意見を交換し、お互いが納得して結論を出し、協力していくのが本来の姿です。「アメリカがそう言うのだから仕方がない」というのでは、対等な同盟ではなく単なる従属関係でしかありません。

アメリカの言いなりになるということについては、安倍首相も、本当は腹の中でそれほど積極的ではないのだと思います。しかし、日本が軍事的に憲法に縛られず、世界に国威を発揚できるようにしたいという自らの信条を実現できるのなら、アメリカの圧力を上手く利用しながらやっていこう、というのが安倍首相の腹の内ではないでしょうか。

そうした手法は本当に危うく、安倍政権の歩む道は日本の将来にとって非常に危険な方向だと思います。国民の皆さんにはぜひ、このことをきちんと理解していただきたいと思います。

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