ウクライナ事変は米国を盟主とする北大西洋条約機構(NATO)とロシアとの戦いになっているが、米国自信が本気でウクライナと戦う積もりがなく、NATO側も「戦後史上最も強力な」経済制裁を続ける意思がなくなってきたようだ。このため、本サイトで述べてきたように勝利はロシア側に向いてきているようだ。
NYタイムズ社説やキッシンジャー氏も認め始めたロシア勝利説
米国バイデン副大統領の指示の下でビクトリア・ヌーランド国務次官補(当時)が指揮した2014年02月のバイダン暴力革命による非合法ウクライナ政権の樹立(米国によるウクライナの傀儡政権化)により、ウクライナのロシア系住民の弾圧が始まった。この弾圧はバイデン氏が2020年秋の大統領選挙で郵便投票を多用した選挙(不正選挙との見方が定着しつつある)で当選し、バイデン政権が成立した2021年01月21日以降、一段と強化された。これに対抗して2022年02月24日にロシアのプーチン大統領が起こしたのがウクライナ事変だ。
ウクライナ事変については、バイデン政権の背後にある米英ディープ・ステート(DS=闇の帝国:軍産複合体と弱肉強食の新自由主義を信奉する米系多国籍企業=)によってウクライナのゼレンスキー政権側に有利なように極度に誇張された報道がなされているが、ちらほらホンネも出てき始めた。まず、05月19日に米紙ニューヨークタイムスが社説で次のように述べたことが報道された(https://www.yomiuri.co.jp/world/20220521-OYT1T50237/)
ウクライナ国営通信によると、ゼレンスキー氏は「戦争は対話で終わる」とも語り、ロシアが2014年に併合した南部クリミアや、東部の親露派武装集団が実効支配している地域の地位については交渉で解決することに意欲を見せた(注:ただし、米国とゼレンスキー政権に都合の良い条件で交渉できるようにするため、NATOからの最新軍事兵器を導入し、戦闘を有利に展開しようとする姿勢は変わらないだろう)。「最も重要なのは、より多くの人命を守ることにある」とも語った。一方、ウクライナ国防省の情報機関「情報総局」トップのキリル・ブダノフ局長が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに応じ、南部クリミアも含め、「露軍を全ての領土から撤退させるまで戦い続ける」と語った。同紙(電子版)が20日に報じた(中略)。
ただ、クリミアも含めてウクライナが全ての領土の奪還を目標に掲げて戦い続けた場合、戦争の長期化は必至だ。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は19日の社説で、「バイデン大統領はウクライナ側に対し、米国としてロシアと全面衝突はできないことや、兵器や資金の提供にも限界があることを伝えるべきだ」と主張した。
また、ニクソン大統領(当時)と「忍者外交」を行い、対中国政策を封じ込め政策から関与政策(中国側から見れば鄧小平副首相=当時=による改革・開放路線の導入)に転換させた経験もある元大統領補佐官で、米政界の重鎮でもあるキッシンジャー氏も05月23日のダボス会議で次のように発言している(https://news.yahoo.co.jp/articles/94fac36da997e27c638e6407b9afcc148fafa22f)。
キッシンジャーは5月23日、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムで講演した際、ロシアとウクライナのあるべき戦争終結の姿を提案した。理想的なゴールは「戦争前の状態」に戻ることだと述べながらも、ウクライナとロシアに対し、今後2、3カ月のうちに戦争を終わらせるための交渉を始めるよう促した。各国の首脳に対して、ロシアとの長期的関係についても配慮するように呼びかけた。
「長く戦争を継続すれば、ウクライナの自由を求める戦いではなく、ロシアに対する新たな戦争になる」とキッシンジャーは言い、これがソーシャルメディアで激しい非難を浴びることになった。
また、時事通信も次のように解説付きで報道している(https://www.jiji.com/jc/article?k=2022052600977&g=int)。
キッシンジャー氏は23日、スイス東部ダボスで開かれている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)にオンラインで参加。ウクライナ情勢について「今後2カ月以内に和平交渉を進めるべきだ」との見解を示すとともに、「理想的には、分割する線を戦争前の状態に戻すべきだ」と述べた。また「ロシアが中国との恒久的な同盟関係に追い込まれないようにすることが重要だ」と強調した。この「戦争前の状態」という言葉が、ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島や、親ロ派勢力が支配する東部ドンバス地方の割譲を意味するとの受け止めが広がった(注:ロシアは東部ドンバス地方からウクライナ南部を支配するノボロシアの建設を目指している)。
ウクライナ事変がコモディティ小国の米欧日諸国陣営とコモディティ大国の非米欧日諸国陣営との対立(複合大戦)であり、非米陣営側の勝利を一貫して主張してこられた国際情勢解説者の田中宇(さかい)氏は、ニューヨーク社説とキッシンジャー氏の発言について真意を次のように述べておられる(「複合大戦で露中非米側が米国側に勝つ(無料記事)」https://tanakanews.com/220525hybrid.htm)。
米中枢のエスタブ権威筋であるNYタイムスやキッシンジャー元国務長官も最近、ロシアが優勢なのでウクライナ政府はクリミアをあきらめるなど譲歩してロシアと和解して戦争を終わらせていくしかないと言い出している。NYタイムスは5月19日の社説で、米国側はもうウクライナでの戦争に勝てないので、限界を認めて現実主義に転じ、ウクライナはロシアと停戦交渉せねばならない、クリミア奪還は無理だと言い出した。キッシンジャーは5月23日にダボス会議で演説し「今後2か月以内にウクライナ戦争を終わらせないとウクライナでの露軍の勝利が確定し、覆すには米露の直接大戦しか手がなくなる。そうなる前にウクライナ政府がロシアに譲歩して停戦するしかない」という趣旨を述べた。軍事や経済など複合戦争の全面で、米国側が勝てる可能性が大幅に減った感じだ。 (New York Times Repudiates Drive for ‘Decisive Military Victory’ in Ukraine, Calls for Peace Negotiations) (Kissinger warns of deadline for Ukraine peace settlement)
サイト管理者(筆者)も田中氏の記事を購読し、内容を吟味して本サイトで紹介させていただいてきたが、日本では今回のウクライナ事変の本質を把握されておられるのは田中氏と国際情勢分析で定評があり、「政策連合」による日本政界一新を目指しておられる植草一秀氏、それに外務省出身の外交評論家の馬渕睦夫氏(https://www.it-ishin.com/2022/04/17/on-deep-stateds-in-usa-and-the-world/)の三氏(くらいの)ようだ。その田中氏は上述の「複合大戦で露中非米側が米国側に勝つ」の論考で、米欧日側の大本営発表の間違いを指摘し、ロシアが勝つ理由を改めて示されている。まず、論考のリード文は次の通りだ。
米国側は金融崩壊してドルの力が低下していく。人類が日々必要とする石油ガス穀物など資源類の多くは非米側が持っている。資源類のドル建て価格が上昇していく。インフレや食糧難が世界的にひどくなる。インフレ激化や穀物戦争も、ウクライナ複合戦争の一部である。金融も石油ガス穀物も、米露だけでなく全世界を巻き込んでいる。今起きているのは単なる複合戦争でなく「複合世界大戦」、世界が米国側と非米側に二分されて勝敗がついていく「複合大戦」である。
田中氏が改めて示した、非米側が勝つ理由は次の通りだ。
ウクライナ開戦で決定的になった米国側と非米側の対立において、世界の石油ガス鉱物や穀物など資源類の多くは非米側が持っている。米国側はカネだけ持っているが、このカネは大膨張した金融バブルであり、そのバブルはウクライナ戦争と並行して進んでいる米連銀のQE終了・QT(過剰造幣事業の収縮)によってバブル崩壊を引き起こすことが必至になっている。QE終了・QTによって、米国覇権の根幹にあったドルのバブルがこれから劇的に崩壊していくことが予測されたので、プーチンは勝てると気づいてウクライナに侵攻した。プーチンのウクライナ侵攻は最初から世界金融システムの大転換と連動しており、その意味で複合戦争だった。金融面のウクライナ複合戦争は、ロシアが勝つというより、米国側がQE終了・QTによって自滅的に金融崩壊して負けていく。 (来年までにドル崩壊) (Morgan Stanley: We Are About To Find Out The Cost Of Remodeling A Global Economy) (Five Warning Signs The End Of Dollar Hegemony Is Near)
また、EU諸国もルーブル建てによる天然ガスの購入を認め、対ロシア経済制裁に大きな穴を開けた(後述)。なお、田中氏は本投稿解説記事で日米欧陣営が流している「プーチン悪人説」のプロパガンダのうち、主要な次の三論点について逐次反論を加えている。
- 世界的な穀倉地帯だったウクライナに侵攻した露軍は、畑を壊したり作付けを妨害した。露軍は穀物を輸出していたウクライナの黒海岸の港湾も封鎖し、世界への穀物輸出を止めた。だから世界は穀物不足で飢餓や食糧暴動になっていく。全部プーチンが悪い。
- 露軍がオデッサなどウクライナの港を封鎖したから穀物を輸出できない。
- 露軍は作戦失敗で負けている。
このうち、第三番目の論点については次のように反論されている。
今回の戦争のプロパガンダのもう一つは「露軍は作戦失敗で負けている」というやつだ。米国側の人々の多くがそれを信じている。先日は、米国でこれまで「露軍は負けてない。順調に勝っている」と言っていた筆頭の元海兵隊員の分析者スコット・リッターが「米国側がウクライナ軍に送った対戦車砲などが戦地に届き、ハルキウなどで露軍の戦車部隊が撃退されて退却している。露軍は負けるかも」と言い出し、やっぱり米軍(注:原文通りだが、「米軍」ではなく「露軍」と思われる)は負けてるんだ、という話になっている。しかし、戦争状態が長期化した方が米国側の自滅が加速するため、ロシアの政府や軍も、自分たちが負けているという偽情報を流したり放置したりしている。露軍不利説は簡単に信用できない。ウクライナ極右軍が立てこもっていたマリウポリ製鉄所の陥落などを見ると、民間の犠牲を減らすためにゆっくり(一進一退的に)戦争を進めていると言っている露軍の説明が正しい感じがする。 (Scott Ritter’s Switcheroo: “Why I Radically Changed My Overall Assessment”) (ウソだらけのウクライナ戦争)
ロシアのラブロフ外相は、ウクライナ事変で軍事・政治・外交・情報戦が錯綜し、世界が欧米日側と非欧米日側に分かれて「複合大戦」になっていることを熟知しており、かつ、複合大戦に勝利する自信を持っているようだ。
米国側がロシアをドル決済(SWIFT)から追放し、対抗してロシアは米国側にルーブルで石油ガス代金を払えと要求して対立し、結局ロシアが勝っている。EUは先日、加盟国がロシアにルーブルで払っても対露制裁違反でないと決めた。これまで、ルーブル払いがEUの対露制裁に違反しているのかどうか不透明だった。EU上層部が「違反です」と言った後、イタリアのドラギ首相が「違反じゃない(ようだ)」と宣言する展開もあった。結局EUは、違反でないと決めた。EUの対露制裁は無意味になり、ロシアはEUを打ち負かした。これは今回の複合戦争の一部だ。ロシアのラブロフ外相が5月14日に「米欧(米国側)がロシアに対し、経済制裁など全面的な複合戦争を仕掛けてきている。ロシアは中国やインドと協力してこれを乗り越える」と表明した。露政府は最近、複合戦争という言葉をよく使う。 (EU Gives OK To Pay For Russian Gas In Rubles) (Russia Forges New Partnerships in Face of West’s ‘Total Hybrid War’ – Lavrov)
なお、習近平国家主席率いる中国政府が「ゼロ・コロナ政策」として上海市を都市封鎖しているのは新型コロナ発生時の2020年末からの「ゼロ・コロナ政策」とは異なり、米英ディープ・ステート(DS)との関係がある上海市の政治家・経営者(上海閥)を封じ込めて、政権基盤をより強固にするため(田中氏の見立て)だろう。習政権自体が弱体化しているわけではない。中国の国内総生産(GDP)は購買力平価では既に米国を追い抜いており、5Gを始めとした科学・技術では同国を追い抜きつつある。政治・経済・軍事レベルで米国に追いつき、追い越しつつある国は中国だけという状態になっている。そして今や、世界の主導権はG7諸国ではなく、G20諸国が握っている。人口レベルで見ると、暗黙のうちにロシアを支持している諸国の国民の方が多い。
ロシアや中国は独裁国家のように言われるが、それでも本格的なベトナム戦争を起こし(結果は敗北)たり、東西ドイツの統一を認めさせるためにソ連のゴルバチョフ大統領・シェワルナゼ外相に対して「NATOの東方拡大はしない」と約束したが反故にし(嘘をつき)、2001年09月11日の米国同時多発テロ事件(米国の自作自演説も根強い)の後の対テロ戦争(アフガニスタン侵攻やイラク侵略)、アラブの春事件、シリア内戦など各種の侵略戦争を行い、これらの諸国民を大量虐殺してきた米英アングロサクソン陣営よりはましだ。「悪の権化はロシアではなく米国」(植草氏のメールマガジン第3229号)なのである。なお、弱肉強食の新自由主義を世界に流布させ、世界の諸国民(とりわけ、政権交代を阻止されている対米隷属国の筆頭である日本=日本のマスメディアは日米同盟などと言って対米隷属を礼賛している=)を経済的に不幸にさせたのも、米国だ。
ただし、サイト管理者(筆者)の観点で見ると、民主主義的価値観や科学・技術、市場経済体制など一定の普遍的な価値観、システムを創造した西欧文明の結実体であるアングロサクソン陣営(欧米文明)の腐敗ぶりは、創造の源になったアタナシウス派キリスト教にいまだ不完全なところがあるためと見ている。この点を解決しなければ、「複合大戦」の着地点は見にくいものになる恐れが強い。
バイデン大統領は台湾有事を起こすことに懸命で、東京での岸田首相との共同記者会見で『米国は1つの中国の原則を認めており、それに基づくなら、中国が台湾に軍事侵攻して併合しても米国は認めざるを得ない。だが、もっと根本的に考えるなら、独裁国である中国が民主主義の台湾を武力で併合することは決して許されない。その意味で、中国が台湾に侵攻するなら、米国は軍事力を使って台湾を守りたい』という趣旨と解読できる発言を行った
が、米国大統領府(ホワイトハウス)はバイデン発言を三度も否定している。要するに、バイデン氏は大統領としての重みが全くなくなっている。
バイデン政権の支持率も過去最低を更新する局面に移行しており、ウクライナ事変に対する対ロシア経済制裁の跳ね返りもあってインフレの高進、バブルの崩壊などで経済が苦境に陥れば、秋の中間選挙(上院三分の一改選、下院全議席改選)で大敗北を喫し、レームダック化するだろう。
ウクライナ事変で米英ディープ・ステート(DS)の凋落が本格化
サイト管理者(筆者)の言葉で言えば、戦後の米国で民主党、共和党の両党を支配下に置いてきた米英ディープ・ステート(DS:闇の帝国:軍産複合体と弱肉強食の新自由主義を信奉する米系多国籍企業)の凋落が本格化しているようだ。国際情勢解説者の田中宇(さかい)氏が最新投稿記事(2022年05月26日の「左派覇権主義と右派ポピュリズムが戦う米国」有料記事、https://tanakanews.com/220526elonMusk.php)で解説されている。
本解説記事は、世界的に著名で中国にも製造拠点を持つ電気自動車製造会社テスラなどを経営する米国の実業家・大富豪であるイーロン・マスク氏が、ネット大企業・SNSの一つであるツイッターを買収しようとしていることの背景について解説した記事だが、この記事でサイト管理者(筆者)はウクライナ事変で米英ディープ・ステート(DS)の凋落が本格化してきていると読み込んでいる。ひとつの文章だけ紹介させていただきたい。
2017年にトランプが米大統領になって共和党を席巻しつつ諜報界に喧嘩を売り潰しにかかったため、米諜報界は民主党と合体する傾向を加速した。それ以前から米国のマスコミとネット大企業は民主党の左派と結託しており、諜報界と民主党とマスコミSNSが「左派連合」を組んでトランプに反撃した。トランプは対抗して共和党をエリート支配に対抗する草の根風の右派ポピュリズム政党に変質させ、共和党にいたブッシュ系のエリート軍産勢力(米諜報界と結託していた)を一掃した。米国覇権を運営する諜報界が2大政党の両方を牛耳っていた戦後の体制は終わり、諜報界は左派・民主党だけと結託するようになった。諜報界の下にいたマスコミ権威筋やエリート軍産・深奥国家(DS=注:ディープ・ステート=)も、民主党の勢力になった。 (Elon Musk says he’s wading into politics to stop the ‘woke mind virus’ from destroying civilization) (Intellectualism is dying in the West)
ただし、田中氏はネオコン(ネオ・コンサーバティブ=新保守主義=)勢力を「隠れ多国主義者」と判断し、過激な政策を稚拙に行い米国を自滅に追い込んでいると指摘しているようだが、サイト管理者(筆者)にはなかなか理解できない面がある。これについては今後、田中氏の投稿記事を追っていきたい。ただし、ビクトリア・ヌーランド国務次官やその夫であるロバート・ケーガン氏(ネオコンの論客として知られる)らがネオコン勢力で、バイデン民主党政権で勢力を広げ、「バイデン政権にプーチン政権との外交交渉を行わせず、ロシアにウクライナ侵攻を誘発させる」などの米国を自滅に追いやる過激な政策を行わせていることは確かだ。
トランプ前大統領がディープ・ステート(DS)に属さない稀有の大統領だったことは本サイトでもしばしば紹介させていただいたが今や、ディープ・ステート(DS)に支配された従来の伝統的な「共和党」に代わり、「トランプ党」が出現したことで、ツイッターなどSNSで言論が統制・歪曲されている新型コロナ、地球温暖化、露中敵視、CRT(注:黒人系やヒスパニック系など白人以外の人種を不当に優遇する逆差別のこと)、米違法移民、似非ジェンダー問題は米国で、いずれも左派覇権主義・民主党が言論統制や歪曲・運動推進に積極的で、右派ポピュリズム・共和党は歪曲に気づいて反対している(露中敵視は共和党も反対してない)。左派は自分たちの歪曲された(似非)運動を『覚醒運動』と呼んでいるが、それが歪曲な似非・妄想だと気づいている右派の方が、実は覚醒している状況
になっているようだ。
トランプ氏が大きな影響力を持っている共和党もウクライナ事変で「ロシアによる侵攻」を非難しているが、これは中間選挙対策である可能性が強い。民主党からロシアゲート事件(結論的には問題になる点は無い)が持ち出されたほどトランプ氏はロシア(プーチン大統領)と関係が深い。米国ファースト(実は、米国一国による世界支配体制を維持することを断念すること)を掲げるトランプ前大統領は、中国、ロシアとコネクションを築いているとの情報もある。
なお、トランプ氏は大統領時代に北朝鮮との国交正常化を試みたが、最後の段階でディープ・ステート(DS)に属する軍産複合体に潰された。軍産複合体にとっては、国際的な紛争の火種が消えることは利益にならないからだ。軍産複合体(米国防総省・米軍と米国の軍事産業)はいつも国際的な紛争を欲している。
マスク氏もツイッターなどSNS系大企業がディープ・ステート(DS)の情報宣伝機関に化していることを批判してツイッターの買収に乗り出したと見られる。ただし、トランプ氏とマスク氏は今のところ、距離を保っているようだ。マスク氏のツイッター買収には欧州が反対しており、ツイッターでの自由な言論(注:実際のところはロシア軍は劣勢で敗北するなどの「大本営発表」をそれらしく擁護するなどのツイート)を封じ込めれば経済的な制裁を科すなどと言っている。
その米国版がバイデン政権が国土安全省に設けた「偽情報統制委員会」だが、この委員会は英国の作家ジョージ・オーエルが発表した小説「1984年(全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いた作品)」に登場する「真理省」と同じだと指摘している。バイデン政権下の米国には戦後のマッカーシズム(共産主義者狩り)以上の旋風(情報統制の嵐)が吹き荒れている。もはや、バイデン政権下の米国に民主主義国家で最大限尊重され、保障されなければならない「基本的人権=良心の自由・信仰の自由・思想の自由・報道の自由・結社の自由と生存権=」は存在しない(https://www.youtube.com/watch?v=l2OdcSad00A)。ただし、それでもトランプ共和党関係者らから少しは風穴が開き始めたようだ。
植草氏によると、2024年の大統領選挙はドナルド・トランプ氏とヒラリー・クリントン氏との一騎打ちになる可能性が高いという(「日本経済の黒い霧」)が、トランプ氏が新型コロナウイルス騒動(新型コロナ騒動は新型コロナウイルスが2020年末に中国で発見される前に既に米国で予想されていた。米国ディープ・ステートが中国の生物研究所に資金援助していたが、この生物研究所から新型コロナウイルスが市中に出回った可能性が強い)による郵便投票を多用した不正選挙のために大統領選挙で敗北したことを乗り越えるならば、2024年大統領選挙は世界にとって非常に重要な選挙になる。