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今年4−6月期の日本経済、またマイナス成長に転落

昨日2015年8月18日午前9時に発表された今年4-6月期の日本の経済成長率は実質で前期比0.4%減(年率換算1.6%減)、名目では同0.0%減(同0.1%増)になった。GDP成長率のうち、どの需要がGDPをどれだけ増加させたかを示す寄与度でみると、実質は国内需要(内需)が▲0.1%、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)が▲0.3%となった。また、名目は国内需要(内需)が0.0%、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)が▲0.0%となった。結局、鳴り物入りの「アベノミクス」も効果なしである。

18日の株式市場では2014年、2015年3月期の決算が輸出大企業を中心に好収益、あるいは好収益が期待されるとの見通しから、マイナス成長への転落はあまり響かなかった。しかし、好収益もその原因はドル高・円安により、円建て輸出額が水ぶくれしたことが大きい。しかし、これだけ円安(近隣窮乏化政策)にしているのに、外需の寄与度はマイナス0.3%とひどいものである。

もはや、成熟債権大国になった日本の経済としては、民間最終消費支出と民間設備投資が経済成長の二大エンジンにならないといけない。しかし、民間最終消費支出は、実質▲0.8%(1~3月期は0.3%)、名目▲0.5%(1~3月期は▲0.1%)となった。そのうち、最も重要な家計最終消費支出は実質▲0.8%(1~3月期は0.4%)、名目▲0.5%(1~3月期は▲0.2%)と大幅なマイナス成長になった。家計最終消費支出(除く持ち家の帰属家賃)は、実質▲1.0%(1~3月期は0.4%)、名目▲0.6%(1~3月期は▲0.2%)になった。

また、民間企業設備は、実質▲0.1%(1~3月期は2.8%)、名目0.2%(1~3月期は2.9%)になった。これらはすべて前期比での数値であるので、ほぼ4倍してみると年率換算値が出る【実際は(1+r)^4-1)×100)】。はっきり言って、冴えない。大幅悪化を免れたのは、①原油・天然ガス価格の大幅下落により、円安にもかかわらず、巨大な所得移転がもたらされた②中国の元高による「爆買い」で貿易収支の大幅悪化が免れている③公的固定資本形成(公共投資)が実質2.6%(年率換算で10.8%増、1~3月期は前期比▲1.2%)、名目2.8%(1~3月期は▲1.1%)となり、景気を下支えしたーことなどによる。

なお、日中の貿易量(対中輸出額+対中輸入額)は日米の貿易量より大きくなっている。中国とは外交努力により友好関係の維持・発展を図るべきなのに、参議院の安全保障関連法案特別委員会では自民党の参院議員が中国脅威論をしゃべりまくり、戦争法案を可決・成立させよと息巻いている。何を見ているのか。このように、現実の政治・経済情勢を直視する能力がなくなると、「日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった。こうして、日本は、世界の大勢を見失っていきました」(8月18日夕刻閣議決定の安倍首相談話)ということになる。

マイナス成長の原因は、家計の消費支出が6月に再び落ち込んだことによる。企業が儲かれば、勤労者はそのおこぼれを頂戴できるという新自由主義の「トリクルダウン説」は全く間違っている。
−−転載開始−−
(ブルームバーグ):6月の国内経済指標は家計消費支出 が予想外のマイナスになった上、全国消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI )の前年比が低い伸びになり低調だった。4-6月期の国内総生産(GDP)のマイナス成長は確定的との見方が出ている。

総務省が31日発表した家計調査によると、2人以上世帯の実質消費支出は前年同月比2.0%減の26万8652円。ブルームバーグによる予想中央値は1.9%増だった。消費税が上がった2014年4月以降マイナスが続いた消費支出は5月にプラスに転じたが、再び落ち込んだ。気温が低く被服や履物がマイナスになり、住居も落ち込んだ。

消費が減少に転じたことで4-6月期GDPはマイナスに転じるとの見方が強まっている。6月の鉱工業生産も前の月の落ち込みに比べて反発力は鈍かった。8月17日に発表される4-6月期GDPのブルームバーグがまとめた予想は現時点で前期比年率0.8%増。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストはリポートで、軽自動車税増税に伴う駆け込み需要の反動や天候要因が影響しているだろうとしながら「消費がかなり弱く、4-6月期マイナス成長は確定的だろう」との見方を示した。三井住友銀行の西岡純子チーフエコノミストは電話取材で、消費が低迷している原因について「物の値段が上昇するピッチが非常に速いのが消費者マインドを圧迫しているというのが結論だと思う。食品などの生活必需品関連の値上がりの幅が非常に広がっている」と指摘した。
−−転載終わり−−

原油・天然ガスの価格が下げ止まりから反騰してくれば、超円安との相乗効果でスタグフレーション入りが確実になる。

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