2019年政治決戦に対処しなければならない
衆参同日選挙はないとの朝日のトップ記事があったが、過去に死んだふり解散があったことなどから、現状では信用できない。真性野党の結集が必要だ。なお、7月21日の日曜日にも予定されてる参議院選挙の実施は確実だから、少なくともこちらは野党側が大勝し過半数を確保、安倍晋三内閣を退陣に追い込まなければならない。 今後の政治日程では6月19日に党首討論開催の予定があり、28日と29日に大阪でG20が開催されることから、26日で通常国会閉幕、7月4日参院選公示・21日投開票という段取りが取り沙汰されている。 ただし、国会会期末には野党が内閣不信任案を衆議院に提出する慣例だから、安倍自公政権はこれを逆手に取る可能性がある。どう考えても、景気が確実に後退局面に入った10月からの消費税の強行増税は与党の大敗を招く可能性が強いからだ。これに、超高齢会社会で65才以降の高齢者世帯で2000万円の収入が不足するという「金融庁リポート」問題が加わる。 日本の名目国内総生産(GDP)はバブル崩壊から脱出し、景気回復基調にあった1997年が既往ピークだったが、自民党政府の逆噴射政策によって景気が急激に後退し、失われた20年からは脱していない。
1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989
日本 250,636.20 268,830.70 282,582.00 295,303.90 313,145.30 333,686.10 350,344.80 366,339.10 393,641.40 421,469.40
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999
日本 453,608.40 482,845.30 495,055.70 495,290.90 501,537.70 512,541.70 525,806.90 534,142.50 527,877.00 519,651.80
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
日本 526,706.00 523,004.90 515,986.20 515,400.70 520,965.50 524,132.90 526,879.70 531,688.20 520,715.70 489,501.00
2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
日本 500,354.00 491,408.40 494,957.10 503,175.50 513,876.00 531,319.80 535,986.50 545,122.00 549,016.20 557,821.98
 
2017年と2018年にやっと1997年の水準を超えたが2019年は都合の良い予測である。10月から消費税増税を強行すれば、元の木阿弥に戻る。なお、税収はルーブル合意に従って財政出動否定・超金融緩和の新古典派新自由主義の実践に基づいて発生した1980年代後半のバブルが崩壊する直前の19902000年の60.1兆円の既往最高を更新できていない。 なお、平均株価(日経平均)は1989年の大納会に最高値をつけた後、1990年の大発会以降下がり続け、株価バブルが生じた後、地価バブルの崩壊が現出、平成大不況に陥った。この1990年からほぼ30年間、中国を始め世界各国の名目国内総生産が増加を続ける中、日本は減少ないし横ばいで「失われた30年」になっている。この時期以来、日本の経済社会は「就職氷河期」に陥り、非正規雇用が爆発的に増加した。超少子化社会の現出も、ここにある。その延長上に、金融庁リポート「高齢社会における資産形成・管理」がある。 何度も繰り返すが、消費税増税分は単に法人税の減税と担税力のある高所得者層に税負担の割合を高めるための累進課税という応能原則を否定するための累進所得税制の「緩和」(高所得者層の減税)に使われてきた。資産を多く持つ高所得者層のための分離課税(金融資産の利子所得に25%しか課税しない)は厳然として残されたままだ。消費税は、逆累進性を持つ悪税の最たるものである。極論すれば赤ちゃんにも課税するもので、英国のマーガレット・サッチャー首相が新古典派自由主義政策で失敗し、退陣の直接の引き金になった人頭税に次ぐ悪税である。 米中貿易戦争と「自由貿易協定(FTA)」の世界的な拡大による保護主義の高まりの中、世界の経済の景気後退が確実される中、こうした悪税を強行すればその結果は日を見るよりも明らかである。

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