ロシア大統領選挙、現職のプーチン大統領が圧勝―意味を持つノボロシアでのプーチンに対する大きな支持(追記:金融相場)

ロシアで期日前投票も含めれば3月15日から17日まで行われた大統領選挙で、現職のプーチン大統領が圧勝した。米国を中心とする米側メディアはウクライナ東部や南西部でも行われたいわゆるノボロシアでの選挙は認められないと激しく反発しているが、ノボロシアはロシア系ウクライナ人が多数を占めており、いわゆるノボロシア構想が実現可能であることを示すものだ。

意義あるウクライナはノボロシア地域でのロシア大統領選挙

NHKは今回のロシア大統領選挙について次のように報道している(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240318/k10014393961000.html)。

ロシアの大統領選挙は開票がほぼ終わり、プーチン大統領は得票率が90%に迫り、圧勝しました。国営メディアは過去最高の得票率だと伝えていますが、欧米からは公正な選挙ではないという批判が相次いでいます。今月15日から17日にかけて投票が行われたロシアの大統領選挙は、中央選挙管理委員会によりますと、開票率98%の時点で、プーチン氏は得票率が87.34%で、ほかの候補を圧倒して勝利しました。(中略)

ロシアのプーチン政権は、軍事侵攻によって一方的に併合を宣言したウクライナ東部や南部の4つの州でもロシアの大統領選挙だとする活動を強行し、中央選挙管理委員会は開票の結果、プーチン大統領がそれぞれ9割前後を得票したと発表しました。これを受けて、ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派の代表プシリン氏はロシア国営メディアに対し「プーチン大統領は、この地域の住民にとって、真の祖国の擁護者で、責任を恐れない人だ。その行動によってロシア全土を結束させた」などと述べ、地域の住民からも支持された結果だと主張しています。ロシアがウクライナ東部や南部で大統領選挙だとする活動を行ったことについて、日本やアメリカなど55か国以上は共同声明で「国際法上、何の効力も持たない」としてロシアを非難しています。

ウクライナの東部から南西部はノボロシアと呼ばれ、ノボロシア地域のウクライナ国民はロシア正教を信奉するロシア系住民が多い。米国が冷戦勝利後の戦後処理を誤り、ゴルバチョフ大統領が提示した「欧州共通の家」構想を省みることなくNATOの東方拡大を続けた中で、バイデン氏が2021年1月21日に大統領に就任してからは、ゼレンスキー大統領がウクライナでの大統領選挙で公約していていた2015年2月に合意のミンスク合意Ⅱ履行約束を反故にさせられ、ロシア系ウクライナ人を大弾圧することになった。このことから、ロシアの「特別軍事作戦」を誘発することになってしまった。ロシアとウクライナとの戦争は、バイデン政権が仕組んだものだ。

このノボロシア地域の一部での大統領選挙への参加と大量のプーチン現職大統領への投票は、普通に考えれば国際的な常軌を逸したものだが、ウクライナはカトリックを信じる西欧系の住民とロシア正教を信じるロシア系の住民からなるいわば多民族系国家であることを考えると、政治的な意味合いは小さくない。ノボロシア構想の実現に現実味があることを示したものと言えるだろう。また、プーチン大統領なお、カトリックの最高指導者であるローマ教皇は、「(ゼレンスキー大統領は)国民を守るため白旗をあげて交渉する勇気が必要だ」と語っている。

ネオコン系のディープステートに支配された米側陣営のマス・メディアがなんと叫ぼうとも、ウクライナ戦争はウクライナが敗北し、ロシアの勝利が確定している。同戦争は米側陣営がNATOの東方拡大を行い、ウクライナに暴力革命を起こさせた米国が仕組んだものであり、責任は米国とウクライナが取らなければならない。

ゼレンスキ―大統領はロシアの選挙を批判するが、ウクライナでは選挙をしないではないか。選挙をすると、世論調査からすると落選する可能性もある(https://www.youtube.com/watch?v=stg8L1QDtl8)。同大統領のホンネはクーデターで打倒され、大統領の座を追われることである。本来はウクライナでも選挙を行い、妊娠した女性を含む女性までもが軍務・兵役に駆り出されるなどウクライナ国民を救うことができるようにしなければならない。

なお、バイデン大統領がプーチン大統領はロシアのナワリヌイ氏を殺したから、その責任を取らなければならないと言っていたが、ウクライナ国防省情報部門のトップでは、ナワリヌイ氏は血栓で死亡したとの分析をしている(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240226/k10014370681000.html)。孫崎享氏はロシアの極度の寒さから、自らの体験をもとに、ロシアはたいへん寒いから、殺害以外の死因もあることを伝えておられた(https://www.youtube.com/watch?v=8n7iyKCFxHE&t=50s)。ウクライナ国防省の情報部門のトップ、ブダノフ情報総局長の発言で、「ナワリヌイ殺害説」は急速にしぼんでいる。

ウクライナ国防省の情報部門のトップは、ロシアの刑務所で死亡した反体制派の指導者、ナワリヌイ氏の死因について、血栓と呼ばれる血の塊によるものだとする見方を示しました。殺害されたことが直接の原因だとする見方を否定したものですが、欧米側は、(注:今なお)プーチン大統領に責任があるとして非難を強めています。

ウクライナ国防省の情報部門のトップ、ブダノフ情報総局長は25日、記者団に対し、ロシアの刑務所で今月、死亡した反体制派の指導者、ナワリヌイ氏の死因について「がっかりさせるかもしれないが、われわれが知っていることは彼が血栓で死亡したということだ。確認されている」と述べました。

ウクライナ軍の内部で、ウクライナ戦争がウクライナにとって極めて不利になってきたという認識が広まっているのではないか。

1オンス=2000ドル突破が確実になってきた金価格

これまで国際決済銀行などの先物売りなどの操作によって1オンス=2000ドル以下に抑えられてきた金価格がこのところ2000ドルを突破する底堅さを見せている(https://gold.mmc.co.jp/market/gold-price/)。金そのものは利子を生むものではないから一般的には金利の上昇期には価格が下がり、金利の低下が予想されるようになると上昇するとされてきたが、ウクライナ戦争勃発以降は金利の上下に関係なく金価格は基調的に上昇を続けており、1オンス=2000ドル台突破が定着してきたようだ。

3月18日、19日、20日の金相場は1トロイオンス=2,158.15ドル、 2,154.90ドル、2,157.45ドルだった。米国の連邦準備制度理事会が20日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利(フェデラルファンド・レート=FF金利)を5.25%から5.50%の間に据え置くことを決め、20日公表された声明では「経済活動は堅調なペースで拡大している。インフレ率はこの1年で和らいでいるが依然として高い水準だ」と現状を捉えた上で、「インフレ率が持続的に物価目標の2%に向かっていると確信が深まるまで利下げは適切ではない」とした。今年3回の利下げが行われるとの見通しは変更しなかったが、やはり、インフレ率は高い水準にある。

国際情勢解説者の田中宇氏は3月9日に公開された「ガザ虐殺からエジプト転覆へ(https://tanakanews.com/240309egypt.htm)、無料記事」で「ここ数日、金相場が高騰しているが、これは3月10日以降にイスラエルがラファを攻撃してガザ市民をエジプトに追い出し始め、中東が今まで以上の動乱期に入り、その中で米覇権の衰退が進むことを予測しての動きかもしれない。金相場が中東有事と連動しているなら、これからさらに高騰する」とされている。金価格は国際金融情勢だけに左右されるものではない。

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