整い始めるか「野党共闘」、国民玉木代表のベーシックインカム論提唱は新自由主義への敗北(重要補強)

安全保障関連法撤廃などを訴える「市民連合」(実質的責任者は法政大学法学部の山口二郎教授)が25日、弱かった消費税減税など経済政策を含む共通政策要望書を立憲民主党、日本共産党、社会民主連合に提出。国民民主党とれいわ新選組にも提出する。消費税率の引き下げ如何によるが、12月にも実施が予想される総選挙で、政権奪取のための「野党共闘」体制が整い始めた。ただし、国民の玉木雄一郎代表は24日、「ベーシックインカム」論を選挙の目玉公約にすると発表しているが、ベーシック・インカム論は新自由主義にもとづくもので、社会保障制度を破壊する。繰り返しになるが、国民は将来、日本維新の会と連携すると見られ、隠れ自公補完勢力であることに注意が肝要だ。

◎追記:26日の新型コロナ感染者は、東京都で19日以来200人を超える270人で重症者は前日比1人減の29人。3日前の今月23日に都内で行われた検査は、22日のおよそ3倍の6400人程度(人口10万人当たり46人程度)。現在、新規感染者数はPCR検査人数に大きく依存している。検査人数の変動が激しい(どういう理由で検査を受けるかの詳細な)理由は不明だ。PCR検査、抗体検査を大規模に増やさない限り、感染の実態は分からない。本投稿記事の最後に、前日25日のデータを掲載。全国では643人、3人亡くなられた。24日には速報値で1日に1万7507件のPCR検査があったため、推測瞬間陽性率は3.7%。

市民連合(https://shiminrengo.com/)の実質的政策責任者はデモクラシータイムスのインタビュー番組に登場される法政大学法学部の山口二郎教授。同連合は集団的自衛権を認める日本国憲法破壊の「安保法制」に反対して組織されたものだが、その後、分立する野党の接着剤として野党側と協力している。

市民連合と日本共産党

市民連合と日本共産党

今回、時期総選挙に備えて提言した内容(https://shiminrengo.com/archives/3171)では、次の2点が注目される。

  • 5.己責任社会から責任ある政府のもとで支えあう社会への転換
    小さな政府路線と裏腹の自己責任の呪縛を解き、責任ある政府のもとで支えあう社会をめざす。新しい社会をつくりあげるために、財政と社会保障制度の再分配機能を強化する。消費税負担の軽減を含めた、所得、資産、法人、消費の各分野における総合的な税制の公平化を実現し、社会保険料負担と合わせた低所得層への負担軽減、富裕層と大企業に対する負担の強化を図る。貧困対策においては、現金・現物の給付の強化と負担の軽減を組み合わせた実効的対策を展開し、格差のない社会をめざす。
  • 11.原発のない社会と自然エネルギーによるグリーンリカバリー
    地球環境の危機を直視し、温暖化対策の先頭に立ち、脱炭素化を推進する。2050年までに再生可能エネルギー100%を実現する。福島第一原発事故の検証、実効性のある避難計画の策定をすすめる。地元合意なき原発再稼働は一切認めない。再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発のない分散型経済システムをつくりあげる。

特に、これまでの政策の弱点であった経済政策を提言内容に加え、「消費税負担の軽減」を盛り込んだことは評価できる。消費税率の8%程度への引き下げでは話にならないから、5%以下への引き下げが共通政策として野党共闘のひとつの柱になることが予想される。山本太郎代表率いるれいわ新選組にも提案するとのことだから、市民連合次第と言ってはばからなかった立憲の枝野代表もれいわと野党共闘を組まざるを得ないだろう。また、「原発のない分散型経済システムをつくりあげる」としたのも評価できる。将来は威信と合流する意向の国民を排除できるからだ。

山本代表は全国縦断ゲリラ街宣を行っているが、ジャーナリストの横田一氏によると、街宣終了後の記者会見で立憲との選挙協力、野党共闘に前向きな姿勢を示しているという。消費税率5%以下への引き下げで国民を除く野党がまとまれば、かなりのインパクトになる。れいわの小選挙区候補を人物評価した限りでは、野党共闘が実現すれば、元職、新人の立候補予定者を中心に小選挙区で勝ち抜けそうな立候補予定者が存在する。

10月23日か26日に開かれる臨時国会で、日英包括的経済連携協定(EPA)を通過させた後、解散・総選挙になれば、野党共闘の中、れいわとしては「少なくとも5%には引き下げるが、将来的には必ず廃止する」と言って有権者に強く訴えれば良い。なお、単年度の財政資金のやりくりのために、「国庫短期証券」という割引国債を日銀に直接引受させることができる。そうすれば、富裕層の減税と法人税の減税に用いられてきた消費税は制度として廃止することができると思われる。次に、そのための図を示してみる。いずれも財務省のサイト(https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a03.htm)に掲載されていてる。

主要税項目の推移

主要税項目の推移

主要税収の税収全体に占める割合

主要税収の税収全体に占める割合

上図はいつも示しているが、下図は金融資産課税(20%の低率分離課税)の税収の大きさを示したものだ。消費税の強行増税を繰り返し行ってきたため、その他の税収の割合は低くなっているが、資産課税が税収のかなりの部分を占めていることは間違いない。

低率の分離課税を少なくとも40%〜50%に引き上げ、所得税の累進課税制度の強化、法人税への累進制度の導入、一般歳出の2割を占める利権支出を社会保障費に回せば、消費税を制度として廃止することは可能だろう。ただし、新型コロナウイルス拡大のために、2020年度の日本の経済は大不況に陥っているから、所得税収、法人税収は相当減ることが予想される。その場合は、取り敢えず5%にとどめておけばよい。消費者の可処分所得の引き上げと納税業者の納税義務を軽減できるし、赤字企業は納税義務を免除すれば良い。一種の所得移転である。

さて、こうした中で政商であるパソナの竹中平蔵会長は、社会保障支出や年金をなくすためベーシックインカム制度の導入を非情な菅義偉首相に吹き込み、日本の経済社会を破壊しようとしている(https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200925-00200043/)。論外の話だが、国民の玉木代表も24日に「ベーシックインカム」を次期総選挙の目玉にすることを表明した。

ベーシックインカム制度は、①国民の勤労意欲を失くしてしまう②年金・医療・介護制度・権利としての生活保護(生活保障)という社会保障制度の根幹を破壊するーという根本的欠陥がある。次のサイト(https://econ101.jp/%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%80%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%BC%8Fqa-part-3%E3%80%8D%EF%BC%882019%E5%B9%B411%E6%9C%886%E6%97%A5%EF%BC%89/)に説明されているように、MMTerでオーストラリアのニューカッスル大学のビル・ミッチェル教授が私がこれまで幾度も説明してきたように、ベーシックインカムは、『政府が雇用を増やすためにできることは何もない』という新自由主義の神話に屈するものだ」

その結果、国民経済の二大エンジンである企業の設備投資もなされなくなる。このため、れいわが参考にしている現代貨幣理論(MMT)では、ベーシックインカムを新自由主義に屈服する悪制度として排斥し、その対抗策として雇用保証プログラム(JGP)を提唱している。財政再建を錦の御旗にした緊縮財政、小さな政府路線で日本の経済社会は20年デフレ不況の崩壊をまっしぐらに進んできた。今は、日本型社会民主主義をかかげ、社会保障制度を充実させ、国内総生産(GDP)の6割以上を占める「家計最終消費支出」を底上げすべき時だ。

玉木代表のベーシックインカムがどんなものか定かではないが、間違いなく日本の経済社会を破綻させる。また、MMTを(正確に)知らないから、通貨発行権を持っている日本のような国が財政破綻することは有り得ないということを理解できず、最終的には政府の借金は税金で返さなければならないというのが、基本的な考え方だ。以下に、https://www.youtube.com/watch?v=AklzR64BlDcからキャプチャした図を示す。

※なお、国民の山尾志桜里(しおり)衆院議員(東京都武蔵野市在住)は離婚後、親権を確保した子どもとともに東京都武蔵野市の実家(菅野家)に里帰りしているが、この事実を建前に次期総選挙では東京比例ブロック(単独)から出馬する。しかし、昨夏の参院選での旧国民新党の比例区の東京地方の投票率の少なさ(5%弱)と連合傘下の旧同盟系の労働組合しか基礎票がないことに加えて、市民連合の要望政策に「原発ゼロ社会」の実現を盛り込まれていることから、新国民が野党共闘に加わるのは難しい。

また、東京都の小選挙区から立候補予定者(総支部長)も内心、比例復活の道が閉ざされる公算が大きいことなどを考慮すれば、抜群の知名度を生かして街頭演説やYoutube、SNSなどを使って、新国民に対する投票数を増やそうとしても、当選は疑問とする見方も出ている。国民としては維新に合流するしか道はないが、山尾氏は自民と維新の改憲案には反対のはずだ。今春にはれいわの山本代表と会い、構成員の「生命の選別問題発言」に対する事後策の後れなどから、一時的に困難に遭遇していたれいわを旧国民に吸収しようとしたようだが、逆にれいわに移籍した方が良い。

玉木雄一郎代表の国債についての理解

玉木雄一郎代表の国債についての理解

玉木雄一郎代表の国債についての理解

玉木雄一郎代表の国債についての理解

玉木雄一郎代表の国債についての理解

玉木雄一郎代表の国債についての理解

ただし、玉木代表は、これまで日銀が量的金融緩和政策と称して市中金融機関から国債を買いあさり、市中に貨幣を流し込んだ(量的金融緩和)けれども、日本経済が20年デフレ不況で家計の需要も、企業の需要(設備投資)もなかったから、今の時代は政府が新発国債を発行して得た資金で、家計や企業に直接、貨幣資金を渡す必要があるとは説いている。100兆円規模の財政出動や消費税ゼロ%を主張してきたのもこの意味からだ。そして、今度はベーシックインカム論に飛びつく。しかしながら、ベーシックインカム論とかつての定額給付金とは別物だ。

そして、新発国債を発行しすぎて、円の価値が暴落しそうになったら、国民は税金で借金を返さなければならないと説明する。要するに、政府が発行した国債の借金は税金で返済しなければならない、という財務省路線から抜け出せていない。

玉木雄一郎代表の国債についての理解

玉木雄一郎代表の国債についての理解

ところが、玉木氏が忘れている点が二つある。その第一は、20年の長期デフレ不況で日本経済が異常な超過供給状態に陥っていることだ。れいわの山本太郎代表は、参議院の調査情報室に依頼して、計量経済モデルを使い、大規模な財政出動を行った場合のインフレ率の動向について調査してもらっているが、円の暴落が起こるほどのインフレ率の暴騰(ハイパーインフレーション)は起こらないと試算結果になっている。

第二は、日本の外貨準備高はなお世界第二位の水準であることである(https://ecodb.net/country/JP/f_reserve.html)。仮に、インフレ率が予想外に上昇すれば、円の買い介入を行えば良い。もちろん、政府の根本的に間違っているコロナ禍対策(失敗)を抜本的に転換し、感染状況を把握して、大規模なPCR検査、抗体検査を行い、新型コロナウイルスの収束に全力を挙げることが前提だ。なお、政府は安全性の検証が不十分なワクチンを大規模購入し、国民に強制接種させるらしい。臨時国会で明らかになる。

世界経済のネタ帳による日本の外貨準備高の推移

世界経済のネタ帳による日本の外貨準備高の推移

外貨準備高は2019年末で1兆3222億ドルある。近年、横ばい傾向にあるが、これは政府の緊縮財政路線と利権支出によって、将来に向けた設備投資がなされず、産業が衰退しているからだ。日本の産業の国際競争力の回復・発展も「異次元財政出動」の大きな役割だ。玉木代表が何の経済的試算もなく、新発国債の大量発行や消費税凍結、ベーシックインカム論を並べ立てるのは、単なるバラマキでしかない。MMTには「機能的財政論」と言って、国債の発行高にインフレ率という重要な制限を設けている。MMTについてヘリコプターマネーと批判する自称「経済専門家」や大手マスメディアが跡を絶たない。これと完全に戦う必要がある。

なお、昨日9月25日の東京都の新型コロナウイルス感染状況を記しておきます。推測瞬間陽性率は10.2%とかなり高い。

(東京発表、速報値) 18日(金) 25日(金)
感染者数 220人 195人
検査件数 5291人 1914人
陽性率(1週間平均) 3.9%(17日) 4.0%(24日)
入院患者の病床使用率 44% 41%
重症者用病床使用率 17% 20%
感染経路不明率 51% 52%
週間感染者数/10万人 8.6人 7.3人




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