東京都、「まん延防止」要請は東京オリンピック/パラリンピック最優先の「とがめ」(追記変異株)

東京都は4月8日、「緊急事態宣言」解除後2週間も経たないうちに「まん延防止等特別措置(まんぼう)」の要請(東京23区と八王子、立川、武蔵野、府中、調布、町田の多摩地区6市)に踏み切った。政府は4月12日から適用する。新規感染者が再拡大(リバウンド)していた中での解除であり、感染力と致死力、ワクチン耐性力の強い変異株の市中感染が、関西圏のみならず東京都など首都圏でも確認されていたから当然の結果だ。これもすべて、「オリンピック」利権獲得のため、安全性を無視して東京オリンピック/パラリンピック開催を最優先したためだ。全国紙(東京新聞社はブロック紙中日新聞社の系列で東京都の地方新聞社)はオリ/パラのスポンサーになっているから、正しい報道をしない。オリンピック憲章にもも盛り込まれている「基本的人権の尊重・国民主権・平和主義」(日本国憲法の理念)の立場で、オリ/パラ強硬開催は中止しなければならない。そうして、コロナ禍対策を抜本的に転換する必要がある。

4月9日コロナ感染状況
複数のメディアによると本日4月9日金曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では新規感染確認者は1週間前の4月2日金曜日の440人から97人増加して、3日連続の500人超えの555人になった。東京都基準の重症者は43人になった。7日移動平均では440.9人になり、前週金曜日比115.6%になった。
全国では午後23時59分時点で新規感染者が3454人、死亡者が27人、重症者483人になっている。東京都の死亡者数は4人、大阪府は2人。
【参考】東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、4月8日時点の実効再生産数は全国が前日比変わらずの1.241.21人、東京都は同じく4月8日時点で前日比0.01人減少の1.10人だった。このところ、増加・減少傾向なのか識別できない状況が続いているが、新規感染の幾何級数的増加につながる1.0人は超えている。
※グラフにマウスのカーソルを当てると、当日の実行再生産数が表示されます。

東京都のコロナ感染者数の推移

四捨五入等の関係で小数点第1桁が、いくつかのマスコミ発表とプラス・マイナス1違う場合があります。日ごとの実数はPCR検査などの数でブレるので、7日移動平均で状況を把握するのが良い。東京都は2回目の限定的な「緊急事態宣言」が発出された際、7日移動平均を100人程度以下に抑えることを目標にしていたが、不可能になったので目標事態を放棄した。現在、4月7日以降、400人を突破し増加のピッチがやや速くなっている。

東京都のコロナ感染者数の推移

東京都のコロナ感染者数の推移

なお、朝日デジタルによると新規感染者の3割超が感染力(場合によっては症状悪化力、ワクチン耐性力も強い)N501Y型変異株(英国型)に感染し、前週の5倍超に増えていたことが明らかったという(https://digital.asahi.com/articles/ASP486WG3P48UTIL01K.html?iref=comtop_7_02)。英国型もより問題なE484K型に変異することが知られている。本サイトでも指摘させていたが、変異株は全世代に感染し、本日の新規感染者のうち20歳代が173人と圧倒的に多い。20歳未満の子どもや生徒、大学生も感染していると見られ、家庭内感染が拡大する恐れが出ている。自主休校体制を取っている保育園や幼稚園、学校もかなり出て来ている。遺伝子工学に詳しい医学博士の東大先端研所属で東大名誉教授によると、変異株は自壊する場合があるが、最終段階で最も「狂暴な変異株」が出現すると注意を促している(https://www.youtube.com/watch?v=fRhdKsB2pkM&list=PLtvuS8Y1umY9sfiqMlek4Bg2D_e2naby3)。

変異株の市中感染を許したのは菅首相の水際対策の失敗による。2020年12月に英国で変異株が確認された際、日本政府は直ちに外国人の入国規制を厳格にすべきだった。しかし、菅首相は遅れて12月28日に、全世界からの外国人新規入国一時停止の措置措置を発表したが、外国人入国者の太宗を占めるビジネストラック(日本での業務計画を提出することによって、入国後の14日間の自宅等待機期間中もビジネス活動を限定的に可能にする制度)、レジデンストラック(駐在員の派遣・交代等、長期滞在者用向けに14日間の自宅等待機を命じる制度)を入国停止の規制対象から外した。そして、変異株の国内感染が確認されたら、該当国からの入国を規制するという驚くべき対応を行い、今年2021年1月13日まで外国人の入国規制を緩和する「ザル対策」を続けた。この間に、変異株が大量に日本国内に流れ込んだと思われる。政府=菅政権には責任を取ってもらわなければならない。

4月解散、5月総選挙のシナリオは「まんぼう」を12日から発出することで、ほとんど崩れた。7月4日の東京都議選とのダブル総選挙は公明党が拒否する可能性が濃厚だ。真正野党は4月25日の北海道2区、長野県参院選選挙区、広島県選挙区での3連勝を勝ち取って、秋までの総選挙で自公連立与党から政権を奪取しなければならない。

変異株と人の移動、コロナ第4波について

飲食店を狙い撃ちにした2回目の「緊急事態宣言」が2021年1月3日発出された発出(発令、以後発出に統一します)された後、新規感染者数が減少したのは、本サイトでもしばしば述べているように、新型コロナウイルスが最も活性期になる冬場を過ぎ、春に向かったからだ。新型コロナウイルスの属するコロナウイルスは、「風邪コロナ」でも経験しているように、冬場に最活性期を迎え、夏場に一定の活性期を迎える。また、新型コロナウイルスはたびたび変異し、変異株による感染もコロナ新規拡大の波を形成する。この波の振幅と持続性を決めるのが人の移動指数だ。

「緊急事態宣言」は国民、特に対象になった11都府県の住民に「警戒感」を強める「アナウンスメント効果」しかない。大阪府や兵庫県で新規感染者数が第3波を上回ってきたのは、明らかに変異株と人の移動の増加のためだ(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210408/k10012962761000.html?utm_int=word_contents_list-items_062&word_result=%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9

第3波を超えた大阪府

第3波を超えた大阪府

最初に大阪府などの関西圏で新型コロナ感染者が第3波をしのぐ第4波が襲来したのは、変異株要因と春の季節的な人の移動要因からだ。NHKWebは「大阪 変異ウイルス 30代以下約6割 来週には確保病床超の試算も」と題した記事を4月9日8時23分に投稿・公開している(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210408/k10012963761000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001)。

感染急拡大の要因の一つとみられている、変異ウイルス。大阪府が4月5日までの変異ウイルスの感染者の年代を調べたところ、30代以下が全体の6割近くを占めています。

 

 

大阪府が行った今後のシミュレーションでは、1日の新たな感染者数が来週14日の時点で1400人を超えると推計されているほか、患者数も来週までに、現在確保している病床数を超えると試算され、医療体制のひっ迫が懸念されています(以下、略)。

新型コロナに感染するのは、主に「無症状感染者」の「飛沫感染」によるものだから、密集した場所で無症状感染者が大声を出せば、感染が拡大する。場合によっては、集団感染(クラスター)が発生する。飛沫感染は、密集した場所では時間を問わず発生する。カラオケや野球・相撲など各種スポーツ競技大会での声援でも起こる。また、汗など体液によっても感染する。野球や相撲などの選手や力士に感染者が出てくるのはこのためだと考えられる。逆に、飲食店でも換気を良くしたうえで、「個食」や「黙食」に徹すれば、夜でも感染は起きない。

「緊急事態宣言」でも「アナウンスメント効果」しかないから、「まんぼう」ではさらに新規感染者の拡大を防ぐ力は弱くなる。政府は12日から東京23区と多摩地区の一部(八王子、立川、武蔵野、府中、調布、町田)、それに京都府と沖縄県でも実施する。なお、在日米軍の軍人と家族・日本人以外の軍属(日本人軍属は日米地位協定や防衛省が許可しないことなどのために、接種は受けることができない)は米国ファイザー社製のmRNAワクチンを接種しているはずなのに、新規陽性者が相変わらず確認されており(在日米軍の「沖縄県」への「公式発表」)、ワクチンせ接種前も含むが累計感染者が多い(https://www.pref.okinawa.jp/site/hoken/chiikihoken/kekkaku/documents/0408kichiichiran.pdf)。この点は日々、確認と注意を要するところだ。

東京新聞が4月9日号朝刊一面トップに掲載した記事の内容を抜粋させていただきたい(https://www.tokyo-np.co.jp/article/96644https://www.tokyo-np.co.jp/article/96714)。

都は3月21日を期限とする緊急事態宣言が解除されて以降、飲食店などへの営業時間短縮要請を、午後8時までから午後9時までに緩和していた。措置の適用によって、再び午後8時までに早め、応じない店舗には法に基づく命令などができるようになる。

まん延防止特別措置

まん延防止特別措置

 

小池百合子知事は会議後、報道陣の取材に、都県境を越えた外出自粛や、変異株感染が拡大している大阪圏との往来自粛を都民に求めることを併せて表明。地方から都内への進学者が多いことを踏まえ、各大学にPCR検査やオンライン授業の実施を促す考えも示した。

また「感染状況によって緊急事態宣言の発出など、さらなる対策についても国に検討してもらうよう、あわせて要請した」とも述べ、感染状況が改善しない場合には、緊急事態宣言の3度目の発令も必要になるとの認識を示した。

なお、首都圏では関西圏よりも「悪質な変異株」の市中感染が予想されている(https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/newvariant/#mokuji7https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000764153.pdf)。

政府も、東京オリンピック/パラリンピック強硬開催のために「まんぼう」のレベルに止めたい考えだ。また、小池百合子都知事が打ち出した➀都県境を越えた外出自粛②変異株感染が拡大している大阪圏との往来自粛を都民に求める③地方から都内への進学者が多いことを踏まえ、各大学にPCR検査やオンライン授業の実施を促すーなども考えているが、新味はない。この程度では第4波の大きな波を防ぐことは不可能だろう。日刊ゲンダイは「これで東京もGWはなくなった」と題して次のように報じている(4月8日発売の4月9日号、https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/287635/2、また、https://www.youtube.com/watch?v=ZNvrG26w_4wも参照願います)。

大阪より3週遅れで解除された東京は、7日時点で解除時の1.4倍。大阪と同様の経過をたどり、5週と3日後に8.2倍になるとすると、GW直前の今月28日には新規感染者が2468人にまで膨れ上がる。過去最多の2447人を超える数字である。

東京都も独自でこの先の新規感染者数を試算していて、前週比で1.5倍ずつ増えた場合、今月22日に1日当たり1000人超の水準となり、5月中旬にはナント4000人を超えるという。こうなると、「まん延防止」で効果が得られるのかどうか。日本医師会の中川会長は7日、変異株が主体になりつつあり「これまでで最大の危機だ」と強調していた(中略)。

 

この際、聖火リレーを全国一斉中止にするとか、プロ野球やイベントを再び無観客にするとかしないと、緩んだ人流は引き締まらないだろう。

東京オリンピック/パラリンピック強行開催の問題点

米国の「USA Today」に相当するとも言われる日刊ゲンダイが記しているように、政府=安倍晋三政権と菅政権の「無為無策、小出し、支離滅裂、右往左往」の対策とは呼べないコロナ対策無策によって、日本は被害が最も軽いとされる東アジア諸国の中では、「コロナ最後進国」に堕した。「聖火リレーを全国一斉中止にするとか、プロ野球やイベントを再び無観客にする」などしないと駄目だという指摘は正しい警告だ。ただし、これまでのコロナ対策なるものを捨てて、抜本転換を図る必要がある。それは、後述することにして、全国紙が聖火リレーや東京オリンピック/パラリンピックの中止について正確かつ正しい報道を全くしないのは、オリ/パラの「スポンサー企業」になっているとは言え、言論機関としての矜持にもとる。

まず、第一に、ナチス・ヒトラーの時代に初めて「Torch Relay(松明リレー)」が行われ、日本では「聖」なるもののように「聖火リレー」と訳されたが、今のリレーは、NTTやトヨタ自動車、日本生命、コカ・コーラなどのスポンサー企業が大型バスに匹敵する宣伝バスを展開して、自社の宣伝をする「商火リレー」に堕している。8割前後の国民は。コロナ禍の現状に直面しており、3兆5千億円程度以上もの費用がかかる東京オリンピック/パラリンピックの開催には事実上反対してい。リレーの沿道でも「オリンピック開催反対」の声をあげる国民が少なくない。こともあろうに、公営放送のNHKが「オリンピック反対」の声をかき消した。公共言論機関が日本国憲法の保障する「言論、思想の自由」を破壊したのである。

第二に、多くのマスコミは、北朝鮮は「日本では派遣選手団がコロナ感染の恐れがある」と政府=菅政権のコロナ対策を批判したが、世論を政治的思惑があるなどの脇道にそらし、政府のコロナ対策の問題点を封じ込める世論操作をした。

第三は、夏季オリンピックの花形である水泳関連の国際大会を管轄する水泳連盟が、日本での3つの競技の予選・テストを中止すると発表したが、扱いが極めて軽い。毎日新聞系のTBSは次のように伝えている(https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4239866.html)が、結論は「中止の理由は分かりません」というものだ。

国際水泳連盟は、日本で予定されていた東京オリンピックの予選の開催を中止すると明らかにしました。

国際水泳連盟は6日、東京オリンピックに向けた予選を兼ねて東京で今月18日から開催予定だった「飛び込み」のワールドカップのほか、5月1日から同じく東京で予定されていた「アーティスティックスイミング」、5月29日から福岡で予定されていた「マラソンスイミング」の予選の中止を発表しました。中止の理由や今後どのようにして予選が行われるかどうかなどは明らかにされていません。

博報堂出身でオリンピック商業化を批判している作家の本間龍氏は、「大会組織委がコロナ対策の費用を各国に求めたためだろう」と推測しているが、今回のような重大な局面では開催主催国の日本がコロナ対策を万全なものにする責任があるだろう。今後、各種の競技連盟などが日本の会場などでテストを行う。国際水泳連盟のように、最終予選やテストを中止する各種競技団体が続出してくるだろう。

第四は、ディープステート(闇の帝国:米国の軍産複合体と国際金融資本)の傘下にあるバイデン大統領が、来年の北京冬季オリンピックをボイコットする動きを極めて積極的に開始し、「同盟国」「友好国」と称する諸国に対して積極的な働きかけを行いだしたことである。中国は国際人権規約のうち、「市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約、B規約)」を批准しておらず、批准を求める外交交渉は積極的に行う必要がある。そして、オリンピック憲章は「オリンピックは世界平和実現を目的とする」ことを定めている。まずは、中国との積極的な対話が先ではないか。

ただし、ディープステート傘下にあるバイデン大統領はトランプ前政権よりも「対中強硬外交」を展開している。菅首相はバイデン大統領から来年に北京で開かれる冬季オリンピックへの参加拒否を迫られるだろう。そうなれば、日本は中国から報復を受けることになる。金メダル獲得数が米国に次いで多い中国が、自国の選手団の東京オリンピック/パラリンピック大会派遣を中止することも十分に有り得る。こうした状況から東京オリンピックは開催を強行したとしても、もはや「オリンピック」とは言えず、単なる「運動会」のレベルに留まるだことになるろう。国民の血税を大量に使い、3兆5千億円程度以上の莫大な資金を投下したオリンピックがこのような姿に陥るなら、国民の大規模な反発を招くだろう。

抜本的コロナ禍対策

真のコロナ禍対策は、次のようなものであると考えられる。中央政府(政府と日本銀行)の通貨発行券を使い、国債を財源として「異次元の財政政策」を行うこと(通貨発行権を持つ世界の主要国は今や、どの国でもそうしている)財源を確保する。そのうえで、差し当たり次のような対策が必要だろう。

  1. 国民の生活と生業、企業の存続の補償・補償を十二分に行う。
  2. 感染震源地(大まかに言えば首都圏と関西圏)での大規模検査と陽性判定者(感染者)の保護・隔離・治療をできる体制を確立する。
  3. 「誰でも、いつでも、どこでも、何回でも」検査できる体制を確立する(新型コロナウイルスをⅡ類相当指定感染症に指定した=積極的疫学調査しか出来なくなった=ことの見直しが必要になる)。そのためには、ホテルや旅館の借り上げ数の増加、簡易医療施設の設営が必要になる。
  4. 島津製作所などが開発した変異株を即座に発見できる検査キットを国費を使って基礎自治体を通して医療機関や民間検査機関などに大規模に提供する。
  5. 基礎自治体の財源を使うことなく、全額国庫負担で公立・私立病院の減収補填を行う。
  6. 国立病院や地域医療推進機構傘下の公的病院などでコロナ重症患者を受け入れる。
  7. 厚生労働省と文部科学省の縦割り行政を排除し、大学の研究機関でもコロナウイルスの研究やPCR検査ができるようにする。
  8. 安全性と有効性を確認し、コロナ用のワクチン入手の多様化を図る。
  9. 感染症学、遺伝子工学、情報工学の専門家を結集し、政府を忖度しない医学的・科学的知見のみに基づいてコロナ感染症対策を行う疾病予防センター(日本版CDC)を設立し、コロナ対策の司令塔にする。

コロナ対策の抜本転換を行わなければ、日本の未来に明日はないが、今の自公連立政権には期待できないことだ。


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