「もしトランプが返り咲いたら」が世界は激変ー米国がNATOから撤退、ウクライナの敗戦で戦争終結など

「もしトランプが返り咲いたら(もしトラ)」が世界中の話題になっている。民主党は現職のバイデン大統領が民主党候補、共和党はトランプ前大統領が共和党候補に確定し、事実上の大統領選挙戦が始まっているが、バイデン候補は高齢のため国際情勢の分析能力・判断能力・決断能力にかけることが既定事実となり、最大の弱点になっている。このため、2020年大統領選挙のような本人確認をしない郵便投票を主とした不正選挙を大規模に行わない限り、ロバート・ケネディ・ジュニア(RFKJ)の出馬がバイデン票を食うとされていることもあって、トランプ候補が返り咲く公算が大きくなってきた。もしトラになれば、トランプ氏は米国ファーストを掲げ、自国は自国で防衛するべきだとの持論のため、①米国はNATOから脱退(注:防衛費が不十分なNATO加盟国が存在するため。事実上、NATOは解体)し、ウクライナの敗北と言う形でロシアとウクライナの戦争は終結②トランプ氏は強烈なイスラエル支持派であるため、イスラエルによるガザ難民の大量虐殺に対してはエジプトに対し、ガザ難民のエジプトへの脱出を認めさせてパレスチナ国家構想の破綻をもたらし、中東情勢の大変動が起こるーなど、世界は激変する。

もしトラが実現すれば、事実上のNATO解体も

トランプ氏が2016年大統領選挙で共和党候補になり、ヒラリー民主党候補に勝って大統領になるまで、米国は民主党と共和党の二大政党制と言われたが、実態は軍産複合体(現在はディープ・ステート=DS=と呼ばれ、複雑になってきた)が両党を支配し、ベトナム戦争を始めとして世界のいたるところで紛争を起こし、同国を一国覇権国家、経済大国にさせてきた。民主党、共和党もさして変わりのない状況だった。

共和党にはブッシュ家のような古参の共和党員がおり、民主党と結託してトランプ氏の勢力を追い出そうとしてきた。2020年秋の大統領選挙では、反トランプ勢力が結託して、本人確認をしない郵便投票を主とした不正選挙を大量に見逃し、バイデン候補を勝たせた。そして、2015年2月のミンスク合意Ⅱ(注:2014年2月のマイダン暴力革命以降、大規模な迫害を受けていたロシア系住民の多いウクライナ東部ドンバス地方に高度な自治権を付与する内容)の履行をかかげて大統領に立候補し、当選していたゼレンスキー大統領に対し、ディープ・ステート=DS=がバイデン政権を使って圧力をかけ、ミンスク合意Ⅱの履行を止めさせて、ロシアを「特別軍事作戦」に誘い込み、ロシアとウクライナの戦争を引き起こした。

しかし、ウクライナ戦争はロシアに東部から南部、事実上のドニエストル国家に到る「ノボロシア構想」を実現させた。これに対して、ウクライナの現状は目を覆うばかりだ。兵器や弾薬の不足は目を覆うばかりで、女性も軍務・兵役に駆り出されている。日本はこれをウクライナ国民の勇姿の表れとして好意的に伝えている。ウクライナへの同情と支援を求めるためだろうが、これは、たいへん誤った「報道」だ。ウクライナ国民をさらなる不幸に追い込むだけだ。

2014年2月のマイダン暴力革命ほ直接の起点としたウクライナ開戦の理由を正しく報道しないから、こうなる。それに、ウクライナでは賄賂を使って国外に脱出する国民が800万人、自身の故郷を離れて他のウクライナ地域に避難している国民が500万人、合計で少くとも1300万人が故郷を追われている(外務省国際情報局長、イラン大使を努めた孫崎享氏による=https://www.youtube.com/watch?v=8n7iyKCFxHE&t=34s=)。

ウクライナでは、ゼレンスキー大統領の任期は今年の5月末に終わるが、戒厳令を敷いているうえに軍務・兵役可能な国民の国外脱出を禁止していることを言い訳に、大統領選挙は行わないが、ロシアでは3月15日から17日まで、一部のノボロシア地域を含めた期日前投票を含めた大統領選挙を行う。ロシアの余裕の現れだ。表向きNATOがかつてない大規模な軍事演習を行うにしても、ウクライナの挽回は不可能であり事実上、ウクライナの敗戦が確定している。大統領選挙を行わないのも、ゼレンスキー大統領が敗退を恐れてのことだろう。

さて、米国の大統領選挙だが、資金力がり、多数の裁判沙汰になりながらも立候補した肝っ玉の太いトランプ氏が登場してからは、共和党が激変するようになった。しかも、トランプ氏が共和党内に深く根を張り巡らせてきたことから、共和党内トランプ派の勢力と能力が高まり、郵便投票などによる不正選挙を見破る能力も高まったと言われる。加えて、立候補は極めて難しいが、民主党から離党した異端児・RFKJの存在は、同氏が民主党員および米国民の15〜20%の支持を得ているとの情報もあり、民主党に不利に働くと見られる。

こうした状況だから、「米国ファースト」を掲げるトランプ候補はウクライナに軍事支援は行わないと米国民に訴えている(「トランプ2.0はアメリカのウクライナ支援停止を意味する…「トランプ返り咲き」でゼレンスキーが窮地に陥るワケ」https://news.yahoo.co.jp/articles/04ee90084cd840166b2a870b96657fc42c91024a)。

予備選での相次ぐ勝利で、共和党の大統領候補に指名されることがほぼ確実視されているトランプ元米大統領。国際政治学者の篠田英朗さんは「ウクライナは圧倒的な額のアメリカからの軍事支援に大きく依存して、戦争を遂行している。だがトランプ第2次政権の発足は、ほぼ間違いなく、ウクライナ向けのアメリカの軍事支援の停止を意味するだろう」という――。共和党予備選の推移から、ドナルド・トランプ氏が共和党の大統領候補になることがほぼ確実視されている。加えて、現職ジョー・バイデン大統領の低支持率を考えると、トランプ第2期政権の成立の可能性が、非常に高くなっている。

NATO加盟国だが、プーチン大統領とも親しいハンガリーのオルバン首相も、トランプ氏はウクライナに軍事資金の援助はしないと言明したと語っている。

トランプ2.0が実現した場合は、取り敢えず、北大西洋条約機構=NATO=と中東情勢に大きな影響が及ぶ。国際情勢解説者の田中宇氏は3月13日公開の「トランプがウクライナ戦争を終わらせる?、https://tanakanews.com/240313trump.php=有料記事、https://tanakanews.com/intro.htm=」の中で、米国はNATOから離脱すると分析する。事実上のNATOの解体である。

トランプは当選したら、米国のNATO撤退と、ウクライナ戦争の停戦和解を並行して開始しそうだ。欧州諸国、とくにドイツや北欧は、米国がNATOを率いてロシアに必勝すると言いながらウクライナを戦争に陥れ、勝っていると言いながら大負けしていることに大変迷惑し、困窮している。ドイツは開戦前、ロシアと仲が良くてガスなど資源類を大量輸入して全面依存してきたのに、開戦後はロシア敵視を強要され、独経済を支えてきたロシアからの資源類の輸入も止まり、露独をつなぐノルドストリームのガスパイプラインも米国に壊されてしまった。ドイツなど欧州の多くは、もうロシアに勝たなくて良いから早く和解して戦争をやめたいと思っている。そうしないと経済がどんどん破綻してしまう。だが、米国がバイデン続投で永久に戦うぞと言っている限り、欧州の方から和解停戦を切り出せない。France and Poland don’t speak for NATO, says Italy

トランプが返り咲くと、これらの全てが大転換しうる。トランプは、ゼレンスキーとプーチンを仲裁して停戦させる。ゼレンスキーには、対露和解停戦しても貴殿が政権から追い出されたり殺されたりしないよう守ってあげると約束する。ゼレンスキーはもう勝てないと昨年からわかっていたので、トランプが自分の政治生命を守ってくれるなら対露和解に賛成する。バイデン続投だと、ゼレンスキーを追放してもっと有能な戦略家と交代させて戦争継続しようという話になりかねない。Peaceful times are over – EU state’s PM

トランプはプーチンに対して、米国がNATOから撤退してNATOを無力化し、欧州を反露から親露に戻るよう誘導するから、俺の仲裁を受けてゼレンスキーと和解停戦してくれと提案する。プーチンは、すでに述べたように、ウクライナで米欧と決定的に対立する現状が続く方が、世界を非米化できるので好都合だと思っている。だが、NATOを潰して欧州を親露に戻してやるからウクライナ戦争を終わらせてくれとトランプから言われると、それも良いなと思うに違いない。まだまだ続くウクライナ戦争

米国のNATO撤退は事実上のNATO解体を意味する。なお、日米安全保障条約にも転機が訪れる可能性もある。米国は冷戦勝利後の戦後処理を誤った。当時のゴルバチョフ大統領やベーカー国務長官がゴルバチョフ大統領やシェワルナゼ外相に対して、「NATOの東方拡大はしない」と約束したのに、東欧諸国をどんどんNATOに加盟させていき、残るは(ロシア製の)核大国のウクライナだけになってしまった。これは、紛争地域がなくなると軍産複合体の利益に合致しなくなるからだろう。本来は、NATOをゴルバチョフ大統領が提案したように「欧州共通の家」構想(軍事同盟・経済同盟によって対立が続いていた東西ヨーロッパの分断状況を克服し、ヨーロッパに統一された一つの共同体=共通の家をつくる=)に従って転換すべきであった。

もしトラが実現してトランプ2.0になれば、トランプ氏は「欧州共通の家」構想を再考するかも知れない。ただし、「欧州共通の家」構想は「共同体」構想である。共同体はひとつの共通の理念(とりわけ宗教理念)を必要とする。欧州連合もアタナシウス派系だが、キリスト教という宗教理念が土台になっている。別件だが、北朝鮮がロシアに労働力や武器を提供する見返りに、ミサイルや核技術などの軍事支援を得ており、中朝露の結束が強まっている。米国の軍産複合体はこれまで、世界各地に紛争の火種を作っておくという戦略に従って、朝鮮半島を分断状態にしておくという国策を有していた。トランプ氏が大統領の時代に米朝国交回復を目指したが、軍産複合体に妨害されて断念した。トランプ2.0では、中朝露の再結束を考慮すると、日韓米中朝露の6カ国が参加する東アジア共同体の実現が必要になるが、ここにも東アジア共同体の理念が必要になる。

欧州共通の家や東アジア共同体実現の必要性を考慮すると、人類共同体の概念に行き着く。そうなると、儒教(注:厳密には宗教ではない)、仏教、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の世界宗教が受け入れることができる宗教の必要性にまで行き着く。サイト管理者(筆者)は、その宗教について世界平和統一家庭連合だと思っているが、科学特に社会科学に難がある面を否めない。この面で内部から、補強策が展開されることを期待したい。

なお、トランプ氏は「台湾有事」などは想定していないと思われるが、米国民の雇用を守るため、中国製品に対する関税を最大60%まで引き上げると述べている。そうした場合は、BRICSを中心とした非米側陣営が共通通貨による貿易決済システム創造を加速する可能性がある。ロシアゲート事件は全くのでっち上げだったが、プーチン大統領が米中の仲介をする必要があるだろう。トランプ氏のアキレス腱は、対中経済政策である。

中東情勢、パレスチナ国家構想が消滅しムスリム同胞団国家連合が実現する公算も

次に、中東情勢である。ハマスによるイスラエルの電撃的攻撃と人質を取ったことで、イスラエルのネタニヤフ首相は戦時内閣を結成、ハマスの拠点になっているガザ地区を大規模攻撃している。北部ガザは廃墟になり、南部のガザはエジプトとの国境地帯のラファに百万人を超える難民がたどり着いている。ラファ検問所から人道物資を運び、移動してきたガザ難民に支給するという方法で対処するには、ガザ難民が多過ぎて限界があることは明らかだ。

やはり、エジプトがガザ難民を受け入れるというのが原因だろう。そのエジプトは3月6日、国際通貨基金(IMF)の融資の実行のためと称して、為替相場の切り下げを強要したため、国民の生活を守るためのそれまでの為替相場(エジプト・ポンド)維持策を放棄し、35%切り下げた(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-06/S9X2FKT0AFB400#:~:text=%E3%82%A8%E3%82%B8%E3%83%97%E3%83%88%E3%81%AF%EF%BC%96%E6%97%A5%E3%80%81%E8%87%AA%E5%9B%BD,%E9%81%8E%E5%8E%BB%E6%9C%80%E5%AE%89%E5%80%A4%E3%82%92%E6%9B%B4%E6%96%B0%E3%80%82)。

エジプトは6日、自国通貨ポンドを切り下げた。2022年初め以後で4回目の切り下げで、通貨は35%余り下落した。エジプト・ポンドはカイロ時間午後1時半に1ドル=50ポンドを割り込み、過去最安値を更新。その直前、エジプト中央銀行は臨時会合で政策金利の600ベーシスポイント(bp、1bp=0.01)引き上げを決め、為替レートの決定を市場の力に委ねる方針を示した。

この日の利上げで主要金利は27.25%となった。中銀は自国通貨の為替レート統一は「極めて重要」だとも指摘した。ポンドは過去1年間、1ドル=30.9ポンド程度で推移。だが、闇市場では大幅に安く取引されてきた。今回の切り下げでポンドは闇市場での相場水準に近づいた。ポンドは国内の闇市場では1ドル=45ポンド前後で売買されていた。国際通貨基金(IMF)はエジプトに対し、30%近いインフレ率に対処するため金融政策を強化し、より柔軟な公式為替レートを採用するよう促していた。

二重為替相場でエジプト国民の生活は厳しさを増してきたが、国際通貨基金(IMF)の司令による為替相場の大幅な切り下げと金利引き上げも国民の生活を苦しめる。田中氏はこの時期にIMFがエジプト政府にエジプト・ポンドの切り下げと金利引き上げを求めてきた狙いについて、エジプトに対してガザ難民の受け入れを求める狙いがあると分析している(「ガザ虐殺からエジプト転覆へ」https://tanakanews.com/240309egypt.htm、無料記事)

イスラエルの目的は、ラファを猛攻撃してエジプトが国境を開けてガザ市民を受け入れざるを得ないようにすることだ。ガザ市民を全員エジプトに強制移住させ、パレスチナの存在を消していくのがイスラエルの目標だ。ハマスが人質を解放して停戦が実現し、市民がガザに残ったまま戦争が終わることをイスラエルは望んでいない。だから欠席して交渉を潰した。もう時間切れでラマダンに入る。数日内にイスラエルがラファへの猛攻撃を開始しそうだ。Delegations Leave Cairo With No Gaza Ceasefire Progress, ‘No Solution’ In Sight

そのような状況下で、ラマダン入り4日前の3月6日にエジプトがIMFの加圧に屈して為替を自由化してポンドが暴落、金利も急騰し、エジプトは金融経済の危機が再燃し始めた。これはタイミング的に重要だ。ガザ市民の大半はハマスの支持者だ。ハマスはムスリム同胞団のパレスチナ支部であり、エジプトで軍事政権が倒れると同胞団の政権になる。2011年のアラブの春で、エジプトはムバラク(軍事)政権が倒れ、2012年の選挙で同胞団のモルシー政権ができた。モルシー政権はうまくいかず、混乱に乗じて2013年に軍がクーデターを起こし、今のシシ軍事政権になった。今後、イスラエルのラファ攻撃によって国境が開き、ハマス支持の百万人以上のガザ市民が大挙してエジプトに移住すると、エジプトの同胞団は大きく加勢される。すでにあるエジプト人の反政府感情は同胞団支持へと転化し、反政府運動が広がってアラブの春が再燃し、シシ政権が倒されて再び同胞団(ハマス)の政権になる。Why Egypt can’t and won’t open the floodgates from Gaza

こうした流れを引き起こすなら、今回の為替暴落・金利高騰によるインフレ激化が、エジプト人の反政府意識と同胞団支持を煽ることが重要だ。これは偶然のタイミングでなく、IMFなど国際金融行政界にたくさんいるイスラエル支持者(シオニスト、ユダヤ人)たちが意図的に起こしたことだと勘ぐれる。イスラエルはパレスチナを分裂させるため、1980年代からハマスをこっそり支援してきた。今のガザ戦争は、イスラエルがパレスチナ人をエジプトやヨルダンに追い出してナクバ(民族浄化)を完成する見返りに、ハマス(同胞団)がエジプトやヨルダンの政権を奪取し、イスラエルの一部でなくエジプトやヨルダンをパレスチナにするために起こされた。このシナリオの実現には、軍事力でガザと西岸の市民をエジプトやヨルダンに追い出すだけでなく、エジプトやヨルダンを経済難に追い込んで国民の反政府意識を激化させ、政権を同胞団の側に転覆させることが必要だ。イスラエルの虐殺戦略

エジプトの人口は約1億人だが、同国には1928年に結成されたムスリム同胞団の政治・経済・社会基盤が強い。ムバラク政権は、ムスリム同胞団(コーランを憲法とし、王政でない国家の建設を主張)に倒された。ガザからムスリム同胞団に属するパレスチナ難民が大挙して入国すれば、現在のシン軍事政権の基盤は非常にもろくなる。田中氏が予想するシナリオは実現の可能性が高いと思う。11月5日の大統領選までは長いが、熱烈なイスラエル支持で知られるトランプ候補が選挙機関中に、選挙演説でエジプトに圧力をかけることはできる。ムスリム同胞団による国家がエジプトやヨルダンにできる可能性は高いだろう。

その他にも、ディープステート(DS)が関与している世界のあらゆる地域で大きな変化が起きるだろう。日米関係も例にもれず、日米安保条約も影響を受ける公算が大きい。米国の日本防衛義務を定めたと解釈されている第5条(実際は無条件の防衛義務を定めたものではない)よりも、米軍基地の設置と事実上の治外法権を無条件で許諾した日米地位協定を中核とする第6条が同条約の要(かなめ)でありこれまで、ディープステート(DS)による日本の対米隷属的な支配構造の法的根拠になってきた(3月16日午後19時追記)

ディープ・ステート(DS)とトランプ氏について

ディープ・ステート(DS)は昔は軍産複合体と呼ばれ、単純であったが最近、田中氏はディープ・ステート(DS)は「隠れ多極主義者」に乗っ取られ、その実態は「ネオコン」と予想・分析しておられる。一般に、ネオコンはユダヤ人系で好戦的なタカ派グループと理解されているが、トランプ候補は「ディープ・ステート(DS)」解体を主張している。トランプ氏もある意味で、多極主義者だ。合理的に考えると、多極主義者にはネオコン系の「隠れ派」とトランプ系の「表派」が存在するのかも知れない。

なお、ディープステート(DS)は米国のマス・メディアを支配下に置いており、米側陣営のマス・メディアは基本的に同国のメディアの報道を引用している(要するに、翻訳している)だけだから、報道内容が非常に偏向していることには注意が必要であり、日本を含む米側陣営の国民は気を付ける必要がある。3月14日にはロイター通信から、全米の成人のうちで、「(実際に投票する可能性が極めて高い)登録有権者の39%は、今日大統領選が行われれば、バイデン氏に投票すると回答。トランプ氏に投票するとの回答は38%だった。支持率の差は世論調査の誤差の範囲である1.8%ポイントを下回っている」(https://jp.reuters.com/world/us/NHTZCAUE2BM25CJXN57LM2AZLA-2024-03-14/)との報道がなされた。ただし、「激戦州7州では、トランプ氏の支持率が40%と、バイデン氏の37%をリード。全米調査は有権者の投票動向を予測する上で重要だが、大統領選の勝敗を決める選挙人の獲得数は一部の激戦州に左右されることが多い」と保険をとっている(3月16日午後19時追記)。

ネオコンは元来、「ネオ・コンサーバティブ」で「新保守主義」と言われていた。経済的に企業の利益を優先して民営化を推進し、ケインズ政策を否定して国家による経済介入(景気対策)を否定する「新自由主義」政策を採用し、政治的には政府の役割は国防に止める「夜景国家」を主張する。新自由主義はハンガリーから米国に移民したユダヤ系の人物であるミルトン・フリードマンのマネタリズムに始まる。サイト管理者(筆者)としては、政府による経済への介入(経済政策)を否定する新自由主義は間違っていると思うが、「夜景国家」を主張し、国防力の強化を訴える点で、軍産複合体と通じるところがある。

「ネオ・コンサーバティブ」の行き着く姿として現在のネオコンが存在するのだろうが、トランプ氏の「多極主義」はネオコンとは異なるものだろう。今後は、ネオコンの「隠れ多極主義者」たちとトランプ派の「多極主義」との選挙戦になるだろう。財政・形状赤字を抱え、世界最大の体外順債務を抱える米国に第二次世界大戦終戦直前の面影はもはやない。国連の改革が必要になってくるだろう。

 

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