左派マスメディアのカマラ・ハリス氏初当選の予想が全く外れ、単なるフェイクニュースであることが明確になった。次期トランプ政権の最重要課題とそのための基幹的政策は、メディアからは陰謀論として頭ごなしに批判される単独覇権主義のディープステートの解体と真の民主主義の基盤である①世界諸侯党宗教を中心とした信教の自由の保障である②言論の自由の確保ーである。
トランプ次期政権の最重要政策課題はディープステート(単独覇権派)の解体と民主主義の再建
トランプ次期米国大統領が解体を宣言しているディープステート(深奥国家)について、米国を中心とした米側陣営の諸国から左派メディアは「陰謀論」としてその存在さえ、否定し続けて来た。しかし、ディープステートは最初は軍産複合体と呼ばれ、アイゼンハワー大統領が1961年1月17日の離任式で、米国社会ならびに世界諸国にとって極めて脅威を与える存在になると警告した(https://www.foreignaffairsj.co.jp/articles/201102_gelb/)存在である。
国際情勢解説者の田中宇氏によると、ディープステートは現在、①「死の商人」である軍産複合体②その軍産複合体と結託して、ベトナム戦争(ケネディ大統領暗殺事件の後、ジョンソン大統領政権がトンキン湾事件を捏造してエスカレートした)はもちろん、中東など世界中に紛争・戦争を広げてきた好戦的なネオコン勢力(本来はネオ・コンサーティブ=新保守主義=の意味であった)③米英両国に操られる不利をして米英を操るディアスポラのユダヤ人によって勢力を拡大してきたシオニスト④ロックフェラー家(特に、第3代のデイヴィッド・ロックフェラー=1915年6月12日 – 2017年3月20日=が重要。国連の設立に協力し、拒否権を持つ5カ国の常任理事会を有する安全保障理事会体制=P5体制=の創設に寄与)などの大資本家層ーからなる。
ディープステートの主流はこれまで軍産系であり、民主党と共和党の双方を支配し、傘下においてきた。だから、米国では大統領選で民主党が勝っても、共和党が勝っても、世界の至るところで紛争や戦争を起こすことには変わりはなかった。傾向的には、民主党政権が戦争を起こし、共和党政権が火消し役に回る(ニクソン大統領など)が、共和党の大統領もメーン州に居を構えるブッシュ家がアフガニスタンやイラクに対して、大規模侵攻した。
ただし、2001年9月11日に米国多発同時テロ(子ブッシュ大統領の時だったが、ディープステートの自作自演説説も根強い)が起こって以降、ディープステートは内部で、米英単独覇権主義者たちと、米国単独支配体制の限界を知る大資本家層が隠れ多極主義を推し進めて対立を始め、田中氏によると今や隠れ多極主義派が勝利したという。隠れ多極派は、ネオコンと軍産複合体を使って、地球温暖化説や有害無益な新型コロナ対策(新型ワクチンの接種や都市封鎖)、国境を事実上なくして犯罪者を含む大量の不法移民を入国させ保護することやタックス・ヘイブン=租税回避地=への逃避などのグローバリズムを打ち出して国力を弱体化することなど、過激で稚拙な政策を実行させ、米側陣営諸国を弱体化させてきた(注:米国単独覇権体制を崩壊させるためには、米英アングロ・サクソン国家の弱体化が不可欠)。
この辺りの事情に詳しい田中宇氏が大統領選直前の11月1日に投稿・公開した「トランプが勝ちそう」(https://tanakanews.com/241101trump.htm、無料記事)は、次のように指摘している。
米諜報界は一枚岩でない。米単独覇権派と、隠れ多極派の暗闘体制になっている。多極派は、911後のテロ戦争で諜報界の支配力が肥大化した時に諜報界で急拡大した。ネオコンなど、米覇権派のふりをして覇権運営を稚拙に過激にやって失敗し、米覇権を自滅させて世界を多極型に転換する策が多極派の得意技だ。米単独覇権体制だと、米英欧が途上諸国からこっそりピンハネし続けて豊かさを維持し、途上諸国は永久に発展できず、世界全体としての経済発展が阻害され続ける。これはロックフェラーなど世界資本家にとって望ましくない。世界帝国から多極化へ)
これを乗り越えるには、世界の覇権体制を米単独から多極型に転換するのが良い。米英欧には、自分たちだけ豊かならそれで良いと考える人が多く、正攻法だと妨害されて多極化を推進できない。だから大資本家は、ネオコンなど配下の要員たちに隠れ多極派の策をやらせたり、中露の上層部に入れ知恵してBRICS(多極型の非米勢力)を作らせたりして、隠然と多極化を推進してきた。大資本家は、米国側(米欧日)のマスコミや権威筋に、多極化やBRICSの優勢を無視させている。BRICSや上海機構を調査分析し始めた米シンクタンク(ニクソンセンター)の分科会は解散させられた。多くの人は、米覇権は永久に強いと軽信させられている。私の独自分析も、無根拠な妄想とみなされている。(多極化の進展と中国)
米国側の人々が気づかぬうちに、BRICSが多極型世界を構築して新たな世界の中心となり、これから米欧が金融崩壊して縮小して極の一つに成り下がると、多極化が完成する。先日のBRICSサミットで多極型世界の誕生が宣言された。覇権の一部は、すでに米英諜報界から中露(中国共産党と、ロシアのシロビキ=治安・国防関係省庁の職員とその出身者を指す=)に移っている。(BRICSが多極型世界の準備完了)
こうした流れの中に、今回の米大統領選挙もある。民主党側が選挙不正でどのくらいニセ票を増やせるか、分析は困難だ。だが、隠れ多極派にとってトランプとハリスのどちらが勝つのが良いか、という分析は可能・有意義だ。大資本家は、配下の要員を使って米諜報界や司法省を動かせる。民主党がどのくらいの選挙不正をやれるかという調整もできる。財界人だったトランプの2016年の出馬自体が、大資本家の支援のもとに行われたとも考えられる。トランプはさんざん誹謗的な提訴を受けたがほとんど敗訴せず、裁判を乗り越えたトランプはむしろ人気が増した。このシナリオも資本家さんですか??。大資本家は、どのようなシナリオを描いているのか。それを分析すると、今回の大統領選でどちらが勝つかを予測できる。(トランプの有罪)(トランプと今後の世界)(中略)
トランプがロシアのスパイであることを示すと喧伝された「スティール報告書」も出てきた。トランプは大統領だった4年間、ずっとロシアゲートに悩まされた。実は、この話も隠れ多極主義的だ。スティール報告書は、ヒラリー陣営が英国MI6にカネを出して作らせた文書で、うわさ話をつなげただけの無価値な内容だ。トランプ就任前に、何者かがこの文書をネットで公開し、無内容なことが暴露したが、マスコミはその後もずっと、トランプがロシアのスパイであるとスティール報告書が論証したかのように報道し続けた。民主党が、私的サーバーに機密文書を置く違法行為をやり、セスリッチを殺し、稚拙な文書でトランプをスパイの濡れ衣をかける不正の連発をやったことは、共和党支持者ならみんな知っていることだが、マスコミは無視した。マスコミの信用低下が自滅的に加速した。(大統領の冤罪)
ロシアゲートだけでなく、民主党側が推進した、無根拠な人為説に基づく地球温暖化対策、有害無益なワクチン強要や都市閉鎖などのコロナ対策、濡れ衣なロシア敵視に依拠するウクライナ戦争は、いずれも米欧の自滅と非米側の優勢、マスコミ権威筋と民主党の信用低下を引き起こしている。米民主党やEU上層部、マスコミや学術界などの米欧支配層のリベラル派は、自分たちの信用失墜と弱体化を食い止めるため、ウソを暴露する指摘に対して「危険な偽ニュース」のレッテルを貼って攻撃・禁止し、犯罪とみなして潰している。彼らは、トランプの米共和党や独AfD(注:国民のための選択肢)、ハンガリーのオルバン政権など、米欧支配層を批判して対抗してくる右派勢力に、極右やファシストの濡れ衣レッテルを貼って攻撃し、選挙不正など汚い政治で食い止めている。ファシストは、右派でなくリベラル派の方であり、リベラル派は「リベラル全体主義」になっている。(リベラル全体主義・リベ全の強まり)
リベラルの全体主義化は、米欧支配層を自滅させている。彼らは以前、寛容なリベラル政策をうまく演出できていたので、世界中から称賛され、隆々とした覇権を維持していた。それが昨今は、覇権を自滅させる策にはまり込んでいるのに方向転換を拒否し、横暴な全体主義化によって挽回しようとして、逆に弱体化を加速している。その分、中露BRICSが台頭して多極型の覇権を強めている。こんな事態を招いた米欧上層部は全く間抜けだが、これが単なる間抜けでなく、米諜報界の隠れ多極派が20年がかりで仕込んだ流れだとしたら、どうだろう。(隠れ多極主義の歴史)
ただし、大統領選の結果を見ると、民主党単独覇権派が選挙不正を行っても意味がないほどに、トランプ前大統領が圧勝した。
トランプ氏は第一次政権の際には、誰が単独覇権派のディープステートに属するかを見抜けなかったので、政府高官人事面で失敗し、本来のディープステート解体は果たすことができなかった。今回は、側近中の側近とも言える大統領主席補佐官に。戦対本部長を勤めたスーザン・ワイルズ氏を女性として初めて起用するなど、人事に万全を尽くしている(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241108/k10014632441000.html)。
アメリカ大統領選挙で勝利したトランプ氏は、政権の要となる大統領首席補佐官に、みずからの陣営で選挙対策本部長を務めた女性を起用すると発表しました。首席補佐官に女性が起用されるのは初めてで、トランプ氏は来年1月の政権発足に向けて早速、人事に着手しました。
首席補佐官は、ホワイトハウスで政府内の調整や議会への対応、それに大統領のスケジュール管理などを担う政権の要で、女性が起用されるのは初めてです。トランプ氏は声明で「アメリカの歴史上、最も偉大な政治的勝利の1つを得るために助けてくれた」として選挙戦でのワイルズ氏の貢献をたたえました。そのうえで「ワイルズ氏はタフで、頭がよく、革新的な人物で、広く尊敬されている。アメリカを再び偉大にするために働いてくれるだろう」としています。
トランプ次期大統領の最重要課題は第一に次のようなものだ。
対照的に、トランプが大統領に返り咲くと、欧州各国の右派諸政党と連携を強め、米国の諜報界やエリートによる支配、欧州の対米従属体制を壊していく。トランプが勝つと、欧州は対米自立していく。各国のナショナリズムが復活し、超国家組織であるEUの権限を削いでいく。トランプが勝つと、米覇権を運営してきた諜報界と傘下のエスタブ群を潰し、米国は覇権放棄していく。欧州の右傾化や対米自立と合わせ、米欧の覇権勢力が無力化される。そうなると、もし中国共産党やロシアが上層部の権力闘争などで自滅して弱体化し、非米側の多極型国際社会が崩壊しても、代わりに米覇権が復活しない。米欧では各国ごとの右派が権力を持つようになり、旧来の米覇権を復活させようとする国際主義のリベラル派・左派・リベ全の再台頭を防止する。(言論統制強まる欧米)(中略)
日本にとっても、ハリスでなくトランプが勝つのが良い。ハリスが勝つと、日本は欧州とともに対米従属を強要され続け、崩壊していく米覇権の監獄から出られないまま、無理心中的に衰退させられていく。米覇権崩壊後、日本は、中国よりもずっと弱い存在になり、その状態で非米世界に入れてもらわざるを得なくなる。1945年の無条件降伏が繰り返される。大馬鹿だ。トランプが勝つと、日本は、石破茂が「安倍晋三方式」でトランプから対米自立を容認される展開がありうる。無理心中を避けられる(野党やマスコミ・外務省が邪魔しなければ)。日本の官僚機構(外務省)やマスコミは、米諜報界の傀儡なのでハリス勝利を望むが、日本全体としては、米国との無理心中を避けられるのでトランプの方が良い。
韓国も、ハリスでなくトランプが勝つ方が良い。北朝鮮は、すでにロシアと安保協定を結んでおり、もう国家崩壊しない。ロシアは北が負けないよう軍事支援するだけでなく、経済崩壊しないよう石油ガス石炭や食糧を安く売ってくれる。食糧とエネルギーが足りている限り、北の人民は反逆せず、金正恩に付き従う。(非米側の防人になった北朝鮮)
ロシアに助けてもらう見返りに、北はウクライナと戦うロシア軍を助ける1万人の軍隊を出しているようだ(否定されているが、大状況から見て十分有り得る事態)。米国(のバイデン・ハリス民主党政権)は、北が派兵しているなら、対抗してもっとウクライナを軍事支援すると息巻いている。これはウクライナ戦争・露敵視の長期化につながる。米国に敵視されるほどロシアは非米側の雄として発展台頭する。隠れ多極主義的な状況。プーチンが含み笑いしている。(Pentagon Warns No Limits On Ukraine Support If North Korea Joins War)
露経済は非米化した後、順調に成長しており、ロシア国内は人手不足だ。北朝鮮は、ロシアの極東やシベリアに労働力を派遣して人手不足の解消を手伝っている。これらの人材派遣が、ロシアからの軍事経済支援の見返りになっている。露朝関係は長期安定の体制が構築された。北は崩壊しなくなったので、とても強気で好戦的に韓国を敵視・挑発してくる。(Are North and South Korea escalating toward war?)
欧州の不安定性、ウクライナ戦争や中東紛争もこうした方向で解決が図られよう。第二に重要な課題は、共和党はリンカーン大統領を輩出し、奴隷開放を始めた。こうした真の基本的人権の擁護・民主主義を破壊から守ることーも、トランプ次期政権の最重要の課題政策である。これについては、すでに世界的な大富豪で、トランプ陣営の選挙応援団の団長を買って出たイーロン・マスクがハリス氏が勝てば、不法移民を激戦州に配置、有権登録者として登録させて、リベラル独裁主義が実現してしまうため、「最後の大統領選挙」になると警告していた。
民主主義の基盤は、信教・良心の自由と言論の自由である。トランプ次期大統領も一期目の政権の際、毎日新聞が2019年9月24日に報道した「『米国は信教の自由とともに』トランプ氏が国連の信教自由会合で強調」と題した報道の中で、次のように述べている(https://mainichi.jp/premier/business/articles/20190723/biz/00m/020/021000c)。
トランプ米大統領は23日、国連本部で信教の自由擁護に関する国際会合を主催した。基調講演で「世界の80%にあたる人口が、信教の自由が脅かされたり、制限・禁止されたりする国に暮らしている」と指摘。「米国は信教の自由を求めるすべての人々と共にある」と述べ、宗教施設保全などの目的で2500万ドル(約26億8000万円)の追加支援の実施を表明した。
毎日は、トランプ氏は演説で世界で発生するキリスト教徒迫害の事例に言及したが、その一方で、これまで米政府が批判を強めてきた中国による新疆ウイグル自治区のイスラム教徒ウイグル族やチベット仏教徒への弾圧には触れなかったことの問題点を指摘している。しかし、第一に新疆ウイグル自治区は、イスラム過激派の拠点になっていたことがある(https://tanakanews.com/150924syria.htm)。
CSTO(ロシア中心の集団安全保障条約=軍事同盟)の兄弟組織として、CSTOに中国を加えたような構成になっているSCO(上海協力機構)がある。中国の新疆ウイグル自治区からは、数百人のウイグル人が、タイやトルコを経由してシリアに入り、イスラム戦士(テロリスト)としてISIS(注:イスラミック・ステート)に参加している。トルコ国境近くのシリア国内で、ISISが占領して村人を追い出した村(Jisr-al Shagour)に、ウイグル人を集めて住まわせる計画をISISが進めていると報じられている。この計画が進展すると、中国の新疆ウイグル自治区で、イスラム戦士をこっそり募集する動きが強まる。中国政府は、シリア政府が望むなら、この計画を潰すためにロシア主導のISIS退治に軍事的に参加することを検討すると表明している。 (If Assad asks, China can deploy troops to Syria)
第二に、現在チベット自治区になっている旧チベットへの人民解放軍の侵攻は1950年ころと、中国での「共産主義革命」が成立した直後のことで、かなり古い。また、現在は、完全にチベット仏教を完全に弾圧しているというわけではないようだ。GoogleのAIによれば、チベット仏教は、7世紀から14世紀にかけてインドから伝来した仏教で、密教の要素が強い。ニンマ派、カギュ派、サキャ派、ゲルク派の4つの宗派があり、顕教と密教の併修が柱となっている。また、チベット自治区はもちろん、青海省、四川省、雲南省などの周辺の省にも、チベット仏教は見られる。
中国国外でも、インドのラダック地方、ネパールの山岳部、ブータン、モンゴルなどで古くから信仰されており、近年では欧米でもその信者を増やしているという。チベット仏教の最高責任者であるダライ・ラマを迎え入れたチベットを支援するインドと中国の関係も、10月に行われたロシアのモスクワ東部にあるカザンでのBRICSプラス首脳会議で改善されつつある(https://www.jiji.com/jc/article?k=2024102300712&g=int)。チベット自治区で、チベット仏教の完全な信教の自由が保証されているとは言えないだろうが、中印の関係改善によって、状況も次第に改善されていく可能性は否定できない。
中国の習近平国家主席とインドのモディ首相が23日、ロシア中部カザンで開催中の新興国グループ「BRICS」首脳会議に合わせて会談した。両首脳の正式会談は2019年以来で5年ぶり。インド外務省によれば、両首脳は国境地帯の平和と安寧のため、相互に受け入れ可能な解決策を模索することで合意した。
中国国営中央テレビによると、習氏は会談で、中印の関係発展が「両国にとって利益になる」と強調。「中印は意思疎通と協力を強化し、相違点に適切に対処すべきだ」と述べ、インドと共に「世界の多極化」を推進したい考えを示した。モディ氏は「互いの尊重と思いやりが関係の基盤となるべきだ」と述べた。中印関係は20年、国境地帯で両軍が衝突し20人以上の死者が出たことをきっかけに急速に悪化。問題解決へ向けた協議を重ねてきたが、目立った進展は見られなかった。習政権が米印の接近を警戒する一方、インドは同国の伝統的な勢力圏であるモルディブやスリランカで中国が影響力を高める事態に危機感を抱いてきた経緯もある。
第二次トランプ政権が、民主主義の崩壊を防ぐため、その基盤である信教の自由と良心の自由、言論の自由の確保に改めて取り組むことは当然のことであろう。これに関して日本では世界平和統一連合(旧世界基督教統一神霊協会、略称統一教会)に対する岸田文雄政権(当時)の宗教法人剥奪請求が問題になる公算が大きい。これについては、ジャーナリストの長谷川洋一氏が「『トランプ氏の再選』と旧統一教会問題」と題して、次のような論説を示している(https://agora-web.jp/archives/241107203145.html)。
問題はそれだけではない。日米間でもう一つの問題がトランプ氏の再選の結果、浮上してくるのだ。それは旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の解散請求問題だ。同問題は安倍晋三元首相の暗殺事件を契機に共産党系弁護士、左派メディアが実行犯の供述をもとに旧統一教会叩きを始め、メディアの圧力を受けた当時の岸田文雄首相が法の解釈を変えて旧統一教会の解散請求を持ち出した経緯がある。そして忘れてはならない点は、暗殺された安倍元首相は現職時代、トランプ氏とはゴルフ友達であり、両者は信頼関係があった。そのトランプ氏が大統領府の主人として戻ってきたのだ。
トランプ氏は旧統一教会関係の国際会議に祝電やビデオ挨拶などをしたことがある。それに対して、日本のメディア、政府関係者は「反社会的グループの旧統一教会と関係を断つべきだ」とトランプ氏に助言できるだろうか。そのような要求を海外の国家元首にすれば、日本政府、外務省は逆に「信教の自由を蹂躙する非民主国家」と厳しい批判を受けることは必至だ。
岸田政権の解散請求に疑問を持つ識者も少なくない(https://www.youtube.com/watch?v=ymqjsj0IS7s&t=9s)。
また、岸田文雄政権(当時)から宗教法人格剥奪の動きを起こされている世界平和統一家庭連合の関連メディアである世界日報が、「トランプ氏再選で日本に提起 禍根残す家庭連合解散請求 前米国際宗教自由大使 サム・ブラウンバック氏(カンザス大学で法学士号を取得。同州農務長官や連邦下院議員を経て、連邦上院議員を3期務めた。その後、2011年から同州知事を2期務め、大型減税など保守的な政策を実施。トランプ前政権で国際宗教自由大使として世界各地の宗教弾圧問題に取り組んだ。現在、世界における信教の自由を促進する「国際宗教自由(IRF)サミット」の共同議長を務める)」と題するインタビュー記事で報じている(https://www.worldtimes.co.jp/global/north-america/20240217-179077/)。
トランプ前米政権で国際宗教自由大使を務めたサム・ブラウンバック氏はこのほど、世界日報の単独インタビューに応じ、日本政府が昨年10月に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令請求を出したことについて、「今後の日本に禍根を残す」として、こうした動きが他の宗教団体にも及ぶ可能性があると指摘した。また、11月の米大統領選でトランプ前大統領が勝利すれば、この問題について米政府が「重要な懸念事項」として日本政府に提起するなど、対応に乗り出すとの見通しを語った。(聞き手=ワシントン・山崎洋介)
なお、国際情報局長やイラン大使も勤めた外務省出身の孫崎享氏は、安倍晋三氏(当時)を殺害した胸の銃創であり、安倍氏の位置していた場所の後方にいた山上徹也被告からは狙撃できないとして、山上犯人説を否定している。山上被告が本当に狙撃犯人なのか、あいまいにされたままだ。
安倍晋三狙撃犯の黒幕が、安倍が展開してきた多極化外交(地球俯瞰外交)を嫌ったディープステートの単独覇権派だったということになると、大問題になる。トランプ次期大統領はディープステートのことを熟知しているから、第一次政権時代に安倍と数日間、英語で渡り合って信頼関係を築いたトランプ氏にとって、全く見過ごせない問題になる。
トランプ次期政権が政権以降チームの結成とともに着手している政策について
トランプ次期政権が政権以降チームの結成とともに着手している政策は次のようなものだ(参考:https://www.youtube.com/watch?v=SfUCFpR3Bnc)。まず、根本の軍産複合体と好戦的なネオコンで占められる単独覇権派のディープステート対策は次のキャプチャ図で示している。FISA(Foreign Intelligence Surveillance Act」)裁判所とは、元々は政府がスパイと思われる人物を監視することを、政府の捜査令状申請によって許可する裁判所)のことを指す。このFISA裁判所が、民主党が政敵(その筆頭は、トランプ氏)を失脚させるために乱用されてきた。
次に、諸政策を示す。
- 法人税率の引き下げ(最高35%→21%)と新しい視点での関税の創設(連邦政府歳入の減少と国内の物価上昇につながらないように検討・着手する必要がある)。関税引き上げには海外から米国内に企業を移す狙いもある。
- 全米でのシェールガス、シェールオイル(天然ガス、石油)の掘削(石油や天然ガスの供給不足によるコストプッシュインフレの抜本的解決のため)
- 無駄な歳出をカットするための政府効率委員会の設置(イーロン・マスク氏がその中心人物になる。利益相反の可能性があるため、政府の閣僚にはならず、トランプ次期大統領に対するアドバイザー役)
- ロバート・ケネディ・ジュニア(RFKJ)を保健福祉省の長官として抜擢。そして、FDA(Food and Drug Administration、食品医薬品局)の不正高官、職員を排除するとともに、新型コロナワクチンなどの大手薬品会社の利益獲得を最優先して、国民の健康を害することになる有害な薬品の使用を禁止する。
- 言論の自由を保障するための諸政策(大手左派メディアのフェイクニュースを含む偏向報道への罰則を伴う警告とSNSに対する規制の緩和など)
- 政府系ファンド(政府が資金を出資して運用する投資ファンドで、「ソブリン・ウェルス・ファンド(Sovereign Wealth Fund)」が正式名。国家予算とは別に、石油やガスなどの天然資源収入や貿易黒字で得られた外貨準備などの国家資産を財源とする)の創設
- 麻薬カルテルに対して宣戦布告する。麻薬は海から米国に搬出され、米国民の健康を蝕んでいるため、海軍を有効に使う。
- LGBTGの名目で行われる性転換手術を禁止する。
次に重要な問題の第一としては、ウクライナ戦争の終結がある。基本的には、①ロシアが併合したウクライナの東南部地域とウクライナの間に800マイル(約1200km)の緩衝地帯を設け、北大西洋条約機構(NATO)加盟の欧州諸国が国境管理を行う②ウクライナは最低20年間はNATOに加盟しないー方向。事実上、ウクライナをカトリックを信奉するスラブ系ウクライナ民族とロシア正教を信奉するスラブ系ロシア民族のそれぞれの国家に分割することになる。また、ゼレンスキー大統領は今年の5月末で任期が終了しているから、ウクライナの復興政策を争点に、大統領選挙を行うべきだろう。
なお、東武ドンバス地方のウクライナからの離脱はロシア側が画策したとの見解もある。しかし、ことの発端は、東西ドイツの統一の際に、当時のパパ・ブッシュ大統領とベーカー国務長官がゴルバチョフ大統領とシェワルナゼ外相に対して「NATOの東方拡大」はしないと約束したけれども、その後、米国がこの約束を反故にしたことである。中長期的に、西欧諸国、東欧諸国、ロシアは世界最大の大陸であるユーラシア大陸の構成要素であることを改めて認識しなければならない。
第二に重要な問題は、中東情勢である。イスラエルがアラブ民族との徹底的な戦闘を行っているが、大イスラエルを目指す右派リクードのネタニヤフ政権(ディープステートの一角であるシオニスト)は今回の米大統領選でもトランプ前大統領に協力し、トランプ氏を当選に導いた。ネタニヤフ首相は大統領選投票日前後に(大イスラエル政策に反対する)ギャラント国防相を解任するとともに、イラン傘下のハマス、ヒズボラを打倒するとともにイエメンのフーシー派にイランを通して停戦を要求した。中東はこれから、イスラエル、サウジアラビア、イラン、トルコ(旧オスマン帝国)の4極体制に移行していくだろうし、トランプ次期大統領も中東の4極体制への移行に協力していくだろう。
最後に重要な問題は、中国が不可分の領土と主張している台湾問題と、ロシアのプーチン政権と軍事・経済同盟を組んだ北朝鮮と韓国との韓半島(朝鮮半島)統一問題である。トランプ大統領が手腕を発揮しなければならない問題である。北朝鮮がロシアと経済・安保同盟を結んだことから、状況はより複雑になっているが、プーチン大統領がトランプ次期大統領らが提案しているウクライナ戦争終結案に賛成していることから、韓半島統一への道はある。台湾問題は、トランプ次期大統領と習近平主席、プーチン大統領の間で解決に向けての高度な交渉が繰り広げられるだろう。次のキャプチャビデオは2022年に韓国・ソウルで開かれた天誅平和連合(韓鶴子総裁)にビデオ出演したトランプ前大統領(当時)。
トランプ次期大統領は、中国とは不必要な敵対関係に至らないよう注意すべき
日本の右派勢力は、トランプ氏が大統領選で左派メディアの情報操作を乗り越えて大勝したことに自信を深めているが、ほとんど全て反中、滅中だ。日本の国内の新中国派はすぺて。同国のスパイとさえみなしている。その一方で、中国からの独立国家になることを志向している台湾の頼清徳(ライ・チントー)総統を高く評価している。しかし、ライ・チントー総統は今年1月の総統選挙で勝利したものの、議会選挙では傘下の民進党は過半数を確保できず、少数与党になっている。
野党の国民党や民衆党は議会の権限を拡大する法案(総統による行政の報告とそれに対する立法院=議会=による質疑応答の定例化の確保)を通過させたが、台湾の最高裁で違憲とされた(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241026/k10014619601000.html)。これは、最高裁判事がライ・チントー総統が選んだものだからだ。行政による司法の掌握は民主主義に反する。中国は、中距離核ミサイル全廃条約(INF)締結交渉には加わっていないから、高度な中長距離ミサイルを保有している。頼清徳(ライ・チントー)総統政権が、中国の台湾有事を招くような政治行動に出て、日本が、①中華人民共和国は中国の唯一の政党政府である②台湾は中国の不可分の領土であるーことをら認めた日中共同声明や日中友好条約を無視して、中国に対して反撃を行えば、日本にある在日米軍基地の滑走路は即座に攻撃され、基地は使用不要になる。
米国も「台湾関係法」(台湾の安全保障のための規定を含むアメリカ合衆国の法律である。 同法はジミー・カーター政権による台湾との米華相互防衛条約の終了に伴って1979年に制定された)に基づいて中国を攻撃すれば、北東アジアが重大な危機に陥る。トランプ次期政権は、台湾が無謀な独立運動を展開しないように警戒を続けることが最も重要である。そして、米側陣営と非米側陣営の対立を克服していく必要がある。
なお、上手のように中国は購買力平価ベースで米国を抜いて世界最大の経済大国になっており、科学・技術分野でも米国に追いつき、追い抜く勢いである。