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平野貞夫・「小沢一郎謀殺事件」を読んで―保守リベラル勢力の結集を

サイト管理者が尊敬する郷土(土佐の高知県)の大先輩・平野貞夫氏のベストセラー「小沢一郎謀殺事件」を読んでつくずく感じたことは、①参院選後に安倍晋三政権が国民に対して牙をむき出しにしてくる②衆参ダブル選挙が予想される2016年問題に備え、保守リベラル勢力の結集を急ぐ必要がある―であった。

資産価格のバブルによって実体経済が好転―具体的には、民間の設備投資が増加し、つれて、国民の所得が増加し、個人消費が増大する―ことはない。円安バブルと株価バブルによって、「景気が好転してきた」ように錯覚しているだけで、近い将来国民は、自公両党に投票した国民も含めて、「景気好転は幻想だった」と悟るようになる。

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参院選後、安倍政権は国民に対して牙をむき出しにしてくる。いわゆる、アベノリスクである。その結果、国民は誤った選択をしたこと、あるいは、投票を棄権したことを後悔するようになる。これについて本書は、

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これが「天命のポリティカル・パラドックス」というものだ。「天命」は安倍自民党に永遠の勝利を与えたものではない。総選挙の投票行動(注:低投票率など政治に対する諦め)を見ても、健全な形で国民の支持を得たものではない。「天命」の意思は「自民党よ、ニ〇世紀の政治や政策で日本がやっていけるのか」という宿題を負わせたたのである。自民党を崩壊させるための自民党の圧勝であったともいえる。
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と見通している。それでは、アベノリスクの顕在化に対抗し、阻止するためにはどうすれば良いのか。これについて著者は

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将来的には、時間はかかるかもしれないが、自民党のリベラル派とまともな野党のリベラルが、どう提携していくのかということが、これからの一つのかぎになるんじゃないか。
アベノミクスの結末は健全な資本主義を崩壊させることになり、大変なことになると思う。消費税も上がる、近隣外交もめちゃめちゃでアメリカがものすごく自民党政治を危惧しているらしい。
生活の党と民主党の良識派を中心に結束すれば、いわゆる小沢イズムというのは、生命の基である有精卵だから、また盛り返す。しかも、今度は今までと同じようには叩けない。経済や客観情勢が変わりますから、国民の生活をどういかしていくのか、という話になる。新しい運動が出てくると思います。
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と期待している。「天命」が存在する限り、期待の実現は必然的である。これに関連して、月刊日本8月号に掲載の、政治評論家・森田実氏に対する「日本の政治から野党が消えてしまった」と題するインタビュー記事の中で、森田氏は次のように述べている。

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かつての自民党内には反主流派、非主流派と呼ばれる人たちがいたため、均衡力が働いて上手くバランスがとれていた(注:派閥力学のメリットのことと思われる)。(中略)ところが、現在の自民党は安倍主流派一本に統一されてしまい、少数派が存在しなくなった。私は先日、名古屋のテレビ番組で自民党元幹事長の古賀誠氏(宏池会会長を歴任)とご一緒したが、古賀氏は、自分は保守として政治の道を歩んできたが、戦争で父親を失った経緯から憲法9条を守りたいと考えている。しかし現在の自民党の中にはそのような意見がなくなってしまった、述べていた
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と語り、組織原理での自民党の「共産党化」(民主集中制)が急ピッチで進んでいる現状に危惧を示している。時代は文明の大転換期に遭遇している。新自由主義政策は冷戦体制崩壊後の政治・経済の安定的な運営に失敗し続けてきた。その新自由主義政策を遮二無二進んでいる安倍政権も失敗し、崩壊するだろう。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者もついには滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ」である。

天命を自覚し、新たな文明創造の気概に燃えることが肝要である―ということを改めて気付かされた好著である。

 

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