
今月12日に行われたロシアのプーチン大統領との電話会談をきっかけに、トランプ大統領は世界の多極化を加速し始めた。世界の多極化とは、世界の各地域における高等文明の自立化と言い換えても良いが、各文明は孤立して存在するわけではない。いずれ、各文明の調和と高度な次元での統一の方向に動き出すだろう。
トランプ大統領、ウクライナの終戦と中東平和への道筋をつけることから革命を展開
ロシアのプーチン大統領は昨年2024年の6月15日、ウクライナ戦争終結の条件を明確にした(https://www.cnn.co.jp/world/35220183.html)。第一に、ロシアが併合したと主張しているウクライナ東南部4州(ドネツク州、ルガンスク州、ザポリージャ州、ヘルソン州)をロシアの領土として認めること。第二に、ウクライナが永久に北大西洋条約機構(NATO)に加盟しないことである。
ロシアのプーチン大統領は14日、ロシアがウクライナでの戦争を終結する唯一の条件として、ロシアが自国領と主張する4州からのウクライナ軍の撤退と北大西洋条約機構(NATO)加盟申請の即時取り下げを挙げた。
一方、ウクライナ政府はこの条件を即座に切り捨て、「完全な茶番」「良識への攻撃」だと反発した。プーチン氏はこの日、スイスで開かれる平和サミットを前に演説し、戦争の「最終終結」に向けた条件を2年以上前のウクライナ全面侵攻以降で最も詳しく示した。プーチン氏は平和サミットに招かれていない。
冷戦終結後、東西両ドイツの統合に際して、米国のブッシュ大統領とベーカー国務長官は、ソ連のゴルバチョフ大統領、シェワルナゼ外相に対して、「NATOの東方拡大はしない」と言明、約束したことが明らかになっている。しかし、米国を盟主とするNATO諸国は、ソ連との約束を破り、NATOの東方拡大を積極的に行ってきた。それは、ウクライナのNATO加盟で完了する。このため、米側陣営諸国は2014年2月に、オバマ政権とバイデン副大統領の指示のもと、ビクトリア・ヌーランド国務次官補を司令官として、アゾフ大隊などのネオ・ナチ勢力を使ってマイダン暴力革命を起こし、合法的に選出されたヤヌコーヴィッチ大統領をロシアに追放し、ウクライナ政権を親米ネオ・ナチ政権にレジーム・チェンジした。
ウクライナの非合法的なネオ・ナチ政権は、ロシア系住民の多い東部ドンバス地方に対して弾圧を行い、これに対して東部ドンバス地方のロシア系住民は新露派抵抗部隊を組織化し、親米ネオ・ナチ政権に徹底的に抵抗して、ウクライナで内戦が勃発した。なお、マイダン棒力革命の直後、これまたロシア系住民の多いクリミア半島はロシアに併合された。なお、クリミア半島はソ連時代の1954年、フルシチョフ第一書記の時に、ロシアからソ連を構成する一共和国であるウクライナ共和国に移管された。もともとは、クリミア半島はソ連の領土を構成していたと言っても過言ではない。
その後、ウクライナでの内戦を集結するため、2015年2月、ドイツやフランスが後見国となって、東部ドンバス地方のドネツク、ルガンスクの二州に高度な自治権を与えるための、国際条約とも言えるミンスク合意Ⅱが結ばれた。しかし、ミンスク合意Ⅱの締結を見守ったドイツのメルケル首相が告白したように、ミンスク合意Ⅱはウクライナのネオ・ナチ政権が東部ドンバス力を制圧できるように軍事力を強化するための時間稼ぎのための偽装的な条約に過ぎなかった。その後も、ウクライナのネオ・ナチ政権による東部ドンバス地方のロシア系ウクライナ人に対する大弾圧は止まらなかった。
ウクライナでは俳優だったゼレンスキー氏が、人気テレビ番組と同じ名前の政党「国民の下僕(しもべ)」を結成、ミンスク合意Ⅱの履行を政権公約のひとつに掲げて2019年4月の大統領選挙に立候補し当選、5月20日、第6代ウクライナ大統領に就任した。大統領としての任期は憲法で5年間と定められており、2019年5月20日から2024年5月19日までである。ウクライナの憲法では、大統領の任期が切れた場合に、大統領選挙が行われていない場合には、大統領の代行を行うのは最高会議(民主主義国家の議会に相当)の議長である。しかし、ゼレンスキー氏は、戒厳令の施行を理由に大統領の座に居座り続けている。
このため、ロシアのプーチン大統領はゼレンスキー氏の「大統領」としての資格に疑問を表明している。また、ゼレンスキー氏が大統領の時代の2021年、米国では1月20日に民主党リベラル左派全体主義に基づく政策を有するバイデン氏が正式に米国の大統領に就任、ゼレンスキー大統領と一体になって(事実上は、バイデン大統領の指令によって)東部ドンバス地方への大弾圧を強化するようになる。これには、ウクライナのNATO加盟という目標があったと考えられる。
プーチン大統領としては、①東部ドンバス地方のロシア系住民は、ロシア本国のロシア人と同等の存在であり、ネオ・ナチ政権の弾圧から保護し、同胞として守る必要がある②NATOはソ連とその後継国を潰す目的で結成されているーことなどを理由に、本格的な対応を取らざるを得ず、2022年2月24日の「特別軍事作戦」の実施となった。サイト管理者としては、ロシアの「特別軍事作戦」に始まるウクライナ戦争は、米国とウクライナが誘引したもので結局のところ、ウクライナが引き起こしたものであると考えている。
今月12日のトランプ大統領とプーチン大統領は第一に、上記の経緯についてプーチン大統領から改めて確認し、プーチン政権が「特別軍事作戦」を展開せざるを得なかった事情について理解を深めたものと思われる。実は、米国のFOXテレビの有名な記者であったが解雇されたタッカー・カールソンは、2022年の初夏までにロシアとウクライナの間で停戦を協議する段取りが進んでいたという。しかし、この段取りは妨害され、日の目を見ることはなかった。妨害したのは、英国のジョンソン首相であったという。英国は大英帝国時代のノウハウを米国に伝授し、米国のディープステート=諜報界の英米単独覇権派の勢力を築くことに成功していた。歴代の米国大統領とその政権は、英国に押し付けられた単独覇権派の傘下にあったと考えられる。
ただし、国際情勢解説者の田中宇氏によると、米国のディープステート=諜報界内には、国連の建設に協力したロックフェラー家などの国際経済情勢の分かる資本家層とイスラエルの右派・リクードなどからなる「隠れ多極派」が存在し、単独覇権派に好戦的なネオコン派を絡ませることによって、温室効果ガス(石油・天然ガスが排出する二酸化炭素)による地球温暖化説の世界的な流布やコロナワクチンの強制接種、LGBTQの世界的な公認運動、ロシアのウクライナ侵略による最強力なロシア制裁政策の実施などの稚拙な政策を展開させ、世界各国の経済社会状況を悪化させた。特に、ウクライナ戦争によって、世界は単独覇権派の米側陣営諸国(米英EU、NATO、G7、豪NZ、ウクライナなど)とBRICSなどの非米側陣営諸国(ロシア、中国、イラン、インドなどBRICS、中東諸国、ASEAN、トルコ、中南米、アフリカ諸国などグローバルサウス諸国)に分断されることになった。
トランプ大統領がプーチン大統領の電話会談後、「ウクライナ戦争はウクライナが初めた」、「ゼレンスキー『大統領』は選挙を経ないで大統領の座に居座り続けている独裁者」などと発言したのは、ひとつにはこうした事情がある。トランプ大統領の発言に驚いたというオールド・メディアやオールド・ジャーナリストがいるが、トランプ大統領の発言は正しい。最近では、そうしたジャーナリストも表れてきた(https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/541433646aefa821f1ab462a7a2c13c4d220d2cb)。
トランプ米大統領は19日、ウクライナ戦争を巡り「ゼレンスキー大統領が勝てるはずのない戦争に突入させた」とSNSに書き込み、「プーチンの侵略戦争」と断定してきた日米欧社会に衝撃を与えた。これまでとは真逆の考えが最強国家の大統領から示されたのである。
しかし、フーテン(注意:執筆者のジャーナリストのこと)は3年前のロシア軍の侵攻時からトランプと同じ考えをブログに書いてきた。この戦争を「プーチンの侵略」と言うのは、03年のイラク戦争で「大量破壊兵器保有」という嘘を流し、サダム・フセイン大統領を抹殺した米国の戦争犯罪を是認するに等しいと考えてきた。
そしてトランプ大統領の発言によって、両者の溝は決定的に深まり、トランプ大統領は、自身が大統領になっている米国を、米側陣営諸国から離脱させ始めている。なお、ロシア国防相の発表によると、ウクライナ戦争はロシア側の圧倒的に有利な状況になっている(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250221/k10014728691000.html)。
ロシア軍参謀本部のルツコイ作戦総局長は、20日に公開された国防省の機関誌「赤い星」のインタビューで、2024年8月からウクライナ軍が越境攻撃を続けているロシア西部のクルスク州や、ロシアが一方的に併合したウクライナの4つ州での戦況について明らかにしました。
このうちクルスク州について、ルツコイ総局長は、当初、ウクライナ軍が掌握していたおよそ1300平方メートルのうち、64%にあたる800平方メートル余りを奪還したと述べ、クルスク州ではロシア軍が完全に主導権を握っていると強調しています。また、▽ウクライナ東部ドネツク州や、南部のザポリージャ州とヘルソン州については、それぞれ75%▽東部ルハンシク州では、99%以上ーの地域を掌握したと主張しました。そのうえで、ウクライナは、必要な武器や装備の生産能力をほぼ失い、甚大な死傷者を動員によって補充することはできていないとし、「ウクライナは、もはや戦況を大きく変えることはできない」と述べ、ロシア側の優勢を強調しました。
なお、時事通信は、オールド・メディアらしい書き方だが、ロシア軍が、クルスク州を侵攻したウクライナ軍を国境を越えるまで追い返したの報道を行っている(https://news.yahoo.co.jp/articles/7960353e23a5af01ab1e17de6ab47c08070e4a33)。ゼレンスキー「大統領」が、クルスク州と引き換えにウクライナの領土を返すように求めていることから、ロシア軍が本来の力を発揮してクルスク州を取り戻しただけのことだろう。ウクライナに対する領土的野心はないと思われる。
ロシアのプーチン大統領は19日、自軍が西部クルスク州でウクライナ軍による越境作戦を押し返し、国境を越えたという報告を受けたと述べた。
事実なら、2022年の侵攻後しばらくして撤退したウクライナ北東部スムイ州に「再侵攻」したことになる。 ウクライナ側は情報を確認していない。プーチン氏は「われわれは前線すべてで進軍している」とも豪語した。侵攻開始から3年の節目を控え、サンクトペテルブルク(旧レニングラード)で記者団に語った。
最近は、NHKで「ウクライナ優位」の戦況分析を行ってきたネオコン系の戦争シンクタンク「戦争研究所」の引用は見られなくなった。実業家であるイーロン・マスク氏率いる政府効率化省(DOGE)の調査で、オールド・メディアやオールド・シンクタンク、オールド・ジャーナリストへのUSAIDからの資金供給が断ち切られたことが影響しているのかも知れない。ロシア政府のウクライナ戦況認識であることから、プーチン大統領のウクライナ戦争終結の二つの条件はもはや、揺るぎのないものになり、トランプ大統領も承知しているはずだ。
トランプ発言に続いて14日行われたミュンヘン安全保障会議でのバンス副大統領の「悪いのはロシアや中国ではなく、欧州連合(EU)や欧州諸国のエスタブリッシュメント政権(注:いずれもリベラル左派全体主義官僚独裁政権)にある」旨の指摘や、18日にサウジアラビアの首都であるリヤドで開かれた米露高官会談の成功(https://jp.reuters.com/world/ukraine/MVQEE3G5KBJJHH35UG42CSPFNI-2025-02-18/)などで、ウクライナのゼレンスキー政権は深刻な危機に陥っている。
米国とロシアは18日、サウジアラビアの首都リヤドでウクライナ紛争の停戦などを協議する初の高官会合を開いた。米政府は会合後、紛争終結への道筋を模索し、さらなる協議を重ねる方向で合意したと発表した。会合は4時間半にわたり行われ、米国からはルビオ国務長官、ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)、ウィトコフ中東特使、ロシアからはラブロフ外相、ウシャコフ大統領府外交政策顧問らが出席した。
当事者であるウクライナは参加しなかった。
日経のサイトは、「ゼレンスキー氏、深まる苦境 米ロ圧力で退陣シナリオも」と題する報道記事を公開した(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR196Q50Z10C25A2000000/)。
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領が政治的な窮地に陥っている。ロシアがウクライナの早期の大統領選実施を求めており、トランプ米大統領も同調したためだ。ロシアはゼレンスキー氏の退陣による親ロシア政権の樹立を目指している。公職者の汚職などを背景に、ゼレンスキー氏の支持率は低下している。現状では大統領選を実施した場合に同氏が敗北するとの見方が広がって(いるようだ)
ゼレンスキー氏自身を含め、ウクライナ政権高官の汚職による腐敗ぶりはオールド・メディア以外では常識に属している。トランプ大統領がゼレンスキー氏を公に批判しているのは、汚職問題も政府効率化省(DOGE)からの報告を受けているからだと思われる。
なお、サウジアラビアの首都・リヤドでウクライナ戦争の終結についてのベイろ高官階段が開かれた理由のひとつとして、国際情勢解説者の田中宇氏は20日に投稿・公開した「米国と世界を非米化するトランプ」(https://tanakanews.com/250220trump.php、有料記事=https://tanakanews.com/intro.htm=)で会談内容が秘密にできることを指摘している。ただし、もう一つの理由は、ウクライナ戦争終結とともに、中東和平を確立することである。つまり、2020年のトランプ第一期政権の際に、イスラエルとサウジアラビアの傘下にあるアラブ首長国連邦が「アブラハム合意」で国交正常化を果たしたように、今度はイスラエルとイスラム教を信奉するアラブ諸国の盟主であるサウジアラビアとの国交正常化による国交正常化の実現、つまり、「拡大アブラハム合意」の締結に向けての確実な道筋を確立することである。
田中氏の記事は、「非米側と対立する米国側(米覇権)の本質は諜報界だ。トランプはDOGE捜査で諜報界を抑止し、米国側全体が停止した。この状態を作った上で、トランプは対露和解を進め、露敵視が前提だったNATOを瓦解させた。米国は米国側(諜報界の傀儡)から離脱し、米国側(米覇権、諜報界)全体が崩れている。大統領就任から1か月ですごいことになっている」との前置きから始まる。
イスラエルはアラブとの中東戦争(独立戦争)で圧勝したのに、英国系がイスラエルの台頭を恐れ、アラブを扇動してパレスチナ問題を長引かせてきた。諜報界の英国系が無力化されたので、実のところ、ガザや西岸の抹消は自然な流れだ。パレスチナ人がエジプトやヨルダンやソマリランドで幸せに暮らせるなら、それで良いはず。ダメだと言っている人の多くが(うっかり)英傀儡だ。傀儡たちがダメだと言っても話は進む。(パレスチナ抹消に協力するトランプ)
米露対話がサウジで行われた理由の一つは、サウジだと秘密が漏洩せず、トランプとプーチンが敵方の英国系(諜報界)への情報漏洩を気にせず話せるからだ。もう一つの理由は、米露がサウジ王政を巻き込んでパレスチナ抹消を話し合う適地ということ。そして3つ目の理由は、米露対話を仲介することでサウジ王政(MbS皇太子)の国際地位が上がることだ。今後の多極型世界で、中東はサウジの他、イスラエル、イラン、トルコが立ち並ぶ多極型の中の多極型になるが、その中で米露はサウジを押し上げようとしている観がある。これまでサウジは対米従属で、他の貧乏なアラブ諸国にカネをせびられるだけで、権威や地域覇権が低かった。今後は違う。米露は中東を安定させるために、サウジの覇権を高めたい(イスラエルと均衡させたい?)のかもしれない。(Can Saudi Arabia help mediate a new Iran deal?)
本サイトでしばしば述べているように「パレスチナ国家構想」は大英帝国の三枚舌外交の末に、英国が苦肉の策として作り上げたものであり、歴史的な正当性はない。むしろ、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の共通の信仰の父である「アブラハム合意」の方に、歴史的正当性と現実性、未来志向性がある。


ウクライナ戦争の終結を実現し、中東で完全な和平を実現することから、トランプ2.0はスターとした。取り敢えずは、米州主義、欧州主義、ユーラシア主義(ロシア連邦主義)、中東主義、中華主義のように世界が多極化していくのだろうが、多極化の背後には宗教がある。米州、欧州にはプロテスタント、カトリックがあり、ロシアにはロシア正教、中東にはイスラム教がある。中国は毛沢東の文化大革命で毛沢東主義という共産主義の分派の煮え湯を飲まされた苦い経験があり、習近平総書記(国家主席を兼務)が率いる中国共産党が支配しているけれども、中国史を紐解いてみると儒教のもとに王朝交代(易姓革命)の歴史がある。マックス・ウェーバーが「儒教と道教」で、儒教の持つ宗教的革命性はユダヤ・キリスト教ほどではなかったと結論づけているが、王朝交代しかできなかったのはそのことによるものだろう。
しかし、トランプ2.0は「信教の自由」を価値観外交として世界に広めていく方向だ。もう少し別の表現をすれば、キリスト教で正統派とされたアタナシウス派キリスト教(聖母マリアの処女懐胎と父・子・聖霊は同一であるとする三位一体論が基本的教義)を高次元的に昇華させ、異端とされたアリウス派キリスト教(神と、神性は持つが人間であるイエス・キリストは異なるという理解が基本)を吸収する新たな宗教改革に着目するのではないか。
なお、日本の石破茂政権の岩屋外相はあくまでも、トランプ政権の意向に反してウクライナ支援を継続するつもりだ(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250221/k10014728671000.html)。
南アフリカでのG20外相会合に出席している岩屋外務大臣は、ウクライナ情勢をめぐり、外交努力で戦闘が終結し、困難な状況の打開につながることへの期待を示した上で、日本のウクライナ支援を継続していく決意を強調しました。
南アフリカで開幕したG20=主要20か国の外相会合では、日本時間のきょう未明にかけて、地域情勢をめぐる討議が行われました。この中で岩屋外務大臣は、中国やロシアなどを念頭に「国際社会が法の支配に対する大きな挑戦に直面している。東シナ海や南シナ海を含め、世界のどこであれ、力による一方的な現状変更の試みは決して認められない」と訴えました。
力による一方的な現状変更は、既に1999年、NATOがアライド・フォース作戦でコソボを軍事力で支援し、ユーゴスラビア(セルビア)から独立させた。日本の石破政権は、トランプ2.0とどう向き合っていくのか、根本の方針が見えない。
今月初めの日米首脳会談は、①関税問題への対処がまるで出来なかった②日本型付加価値税に相当する消費税を非関税障壁(実際は輸出補助金)として関税による報復の対象とされた③トランプ大統領に対して、対米直接投資の大幅増加を約束したが、日本に帰国すると、民間企業に責任を転嫁したーなど、石破首相の完全敗北であった。共同記者会見のあとでは通常、両首脳が握手して別れるものだが、トランプ大統領は握手しなかった。トランプ大統領に「シンゾー」と5回発言されたが、安倍晋三元首相狙撃殺害事件で、弱みを握られているのではないか。
なお、明日の2月23日の日曜日はドイツでショルツ連立政権の自己崩壊による総選挙が行われるが、「国民のための選択肢=AfD」がどこまで得票数を伸ばすかが注目される。DOGEのイーロン・マスク氏とバンス福大統領が、トランプ2.0と同様な政策を掲げていることもあり、強力な支援を表明しているからだ(イエアンドライフ・チャンネルから)。AfDの得票数によっては、ルーマニア大統領選で新ロシアで右派のカリン・ジョルジェスク氏が最多の得票数を獲得したが、リベラル左派全体主義の欧州連合(EU)などの謀略によって、「ロシア介入やSNS不正操作」という名目で、憲法裁判所が選挙を無効にした(https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/12/5539b706af134586.html)が、それと同様のことが起きる可能性が強く指摘されている。
しかし、そういうことになれば、エスタブリッシュメントのリベラル左派全体主義官僚独裁政権に対する国民の支持は一段と低下し、欧州諸国は大混乱に陥る。ウクライナの軍事支援どころではない。
安倍晋三狙撃暗殺事件は米国単独覇権派が黒幕
田中宇氏の「米国と世界を非米化するトランプ」には、安倍晋三元首相の暗殺に対して次のような記述がある。
米国側の政府の多く(トランプ以外の米国自身を含む)は、米諜報界(英国系。DS)の傀儡だ。諜報界に逆らう政治家は、次の選挙で落とされたり、過去の不正行為がマスコミにリークされたりして無力化される。(安倍晋三はちょっと独自路線を行こうとして殺され、DS傀儡である日本のマスコミは統一教会の話にすり替えて安倍の自業自得だと報じた)(Paris Summit was theater, and much ado about nothing)
安倍元首相は「地球俯瞰外交」と称して、ロシアのプーチン大統領と20回以上、会談するとともに、二階幹事長に対中友好政策を採らせた。日本版多極化外交の先駆けである。しかし、先駆けでさえ、英国に押し付けられて成立し、ディープステート内を暗躍する英米単独覇権派に殺された、と田中氏は見ている。サイト管理者もこの見方に同意する。大学で英語の教授をすると同時に科学ジャーナリストでもある杉原光将氏が書かれた「安倍氏銃撃事件 徹底分析」では、「安倍氏の死因は、奈良県立医科大学福島医師の発表通り、首もとにあった2か所の傷が『射入口』で、一発が心臓に到達(して大量失血による致命傷になり)、一発は貫通」したとしている。狙撃人物は、サンワシティ西大寺ビルの5階で待ち伏せしていたスナイパーであると見ている。
福島医師は、安倍元首相が死亡した7月8日には自らの診断に確信を持って死亡診断書を発行している。死因に不審な点があると、死亡診断書は発行しない。しかし、警察庁は法的には不必要な遺体解剖をして、福島医師の結論を否定した。死因になった銃弾も見つかっていない。なお田中氏は、警察庁の誰かが、ディープステート=諜報界に渡したとしている(https://tanakanews.com/220808abe.htm)。杉原氏の著書によれば、結論として、安倍氏狙撃暗殺の目的は、「トランプ氏が大統領となり安倍氏と組めば、直ちにロシア・ウクライナ戦争を止めるでしょう。これは彼らDS(ディープステート)には絶対に許せないことなのです。安倍氏を阻止し、またトランプ氏再選を阻止する計画の一環だと思っています」とある。
外務省出身でイラン大使も勤めた孫崎享氏も、やはり、Xによる狙撃暗殺を否定している(https://www.youtube.com/watch?v=v9oOdK_xiLY&t=166s、https://www.youtube.com/watch?v=_jpZ1uW0QnY&t=80s)。サイト管理者の印象でしかないが、三人とも、フェイクニュースを飛ばすような人物には思えない。統一教会(正確には、世界平和統一家庭連合:旧世界基督教統一神霊協会、略称は旧統一教会)は濡れ衣を着せられて、憲法に保障された基本的人権の根幹である信教の自由を剥奪されようとしている。
このほど、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の顧問弁護士である福本修氏は、「文部科学省による虚偽証拠捏造行為」と題する警告文書を作成して、文科省が組織ぐるみで、東京地裁に証拠採用されてしまっている虚偽の陳述書を作成したことを明らかにした文書を作成した(https://ffwpu.jp/wp-content/uploads/2025/02/20250219-Lawyer-Report-False-fabrication-by-MEXT.pdf)。家庭連合側が、福本文書を公開した理由は次の通りである。
当法人に対して文部科学省が申し立てた解散命令請求に関し、同省が裁判所に証拠として提出した陳述書の中に意図的・組織的に虚偽事実を記載した捏造証拠が複数含まれているという事実が、当法人による反論・反証の過程で発覚しました。昨年末に行われた証人尋問の法廷の場においても同事実が完全に明らかにされました。文科省による上記虚偽陳述書捏造の問題については、本件裁判が日本社会、特に「信教の自由」に与える影響の重大さに鑑み、「国民の知る権利」にも応える必要があるとの考えから、その概要について当法人会員及び国民に広く知らせることとし、本件事件を担当する当法人顧問弁護士作成に係る報告書をここに公開します。
福本弁護士の警告文書は平易な文書で分かり易いが、同弁護士は最後の「総括」で次のように述べている。
以上,文科省が,意図的・組織的に虚偽事実を記載した陳述書を捏造したのは,それがなければ,家庭連合に対する解散命令申立てをすることができず,かつ,同裁判に勝てないと同省が判断したからにほかならない。嘘とインチキで証拠を捏造してまで宗教法人の解散命令を申し立てた文科省の罪は極めて重いと言わざるを得ない。本件解散命令申立事件の審理の過程で,解散命令の根拠となる陳述書が虚偽捏造であったという事実が明らかになった以上,本来であれば,かつて英国政府が統一教会の慈善団体資格剥奪を求める訴えを 1984 年に提起しながら,政府側証人(背教者やディプログラマー)の証言の虚偽性が明らかになったため 1988 年に訴えを取り下げたように,文科省も潔く本件申立てを取り下げるべきであった。
しかしながら,文科省にそのような姿勢は微塵も窺えない。虚偽捏造による家庭連合陥れを画策し,その虚偽捏造の事実が裁判で明らかになったにもかかわらず,本件裁判をなおも続行する文科省の姿勢は極めて悪質であり,英国政府がかつてとった公正にして潔い対応との比較において,「国家の品格」を国際社会から問われることは必定である。いずれにせよ,文科省による犯罪の全貌が余すところなく記録された本件事件記録は永久保存に指定されることが確実に見込まれるところ,同省が厳しい「歴史の審判」を受ける日がやがて訪れることに疑いの余地はない。
しかし、単なる一省庁に過ぎない文部科学省・文化庁が、ウソとインチキで証拠を捏造してまで、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の宗教法人格を剥奪する(信教の自由を保障しない)理由は何なのか。サイト管理者としては、恐らく、文科省・文化庁を支配する何者かによって、「安倍晋三元首相狙撃暗殺事件の真相を隠し、日本の社会が、家庭連合(旧統一教会)を反社会的団体として抹殺するようにせよ」との指令を受けているからに他ならない、と考えざるを得ない。
ただし、本案件は、既に述べたように一宗教団体の次元にかかわるものではなく、ウクライナ戦争を始めとした国際情勢の複雑な問題が絡んでいる。同家庭連合(旧統一教会)もこの点に留意し、法理論のみで文科省と戦うのではなく、トランプ2.0による大変革期に突入した現在の国際情勢の中の重要事案であるとの認識を持ち、その認識に基づいた多面的な対策を取ることが必要である、とサイト管理者は考える。
トランプ2.0の関税対策についてー背景にドル基軸通貨体制を維持することの負担
オールド・メディアは、トランプ2.0の関税対策について、急激なインフレと金融・資本・株式市場の動揺をもたらすと懸念を煽る。しかし、サイト管理者の予想では、トランプ2.0が目指しているのは、米国を危険な「金融国家」ではなく、関税政策をダシにして、世界の諸国との相互直接投資を使って水平分業体制、できれば直接投資論で業績を挙げた小島清が提唱した「合意的国際分業論(サイト管理者なりの理解では、各国が得意とする商品の生産について互いに合意したうえで、工業製品を相互に輸出入し合う経済連携)」に基づく水平分業体制による「産業国家」への転換にあるのではないか。
合意的国際分業は、小島の師であり、「雁行形態論」で知られる赤松要(かなめ)が構築した、後進国が先進国にキャッチアップする経済発展のモデルであるが、キャッチアップが完了すれば、水平分業もしくは、生産する工業製品の特化で合意を得ることに困難が生じるが、合意的国際分業理論に基づく水平分業体制を築く必要が出てくる。そのための、合意的国際分業理論と経済政策について、議論を深めていく必要があると考える。
重要なことは、たとえ経済大国であったとしても、一国の通貨を基軸通貨(現在では、原油は基本的にドル通貨でしか買えないというドル・原油基軸通貨体制=ペトロ・ダラー制になっている。ただし、中国がMbS皇太子兼首相と交渉し、人民元でもサウジの原油を購入できるよう風穴を開けた)として採用すると、基軸通貨を持たない国は海外から輸入できなくなるため、基軸通貨国には世界諸国にドルをばらまくという大きな負担が出てくるということである。その結果は、DOGEによって、誇張されているとはされているが、米国のなお巨額の財政赤字・大幅な経常赤字・膨大な対外純債務残高を見れば分かる。本件に関しては、Youtubeのイエアンドライフ・チャンネルが参考サイトになる(https://www.youtube.com/watch?v=DwWKnuMCUi4)。
ドル・金本位性を定めた1944年のブレトンウッズ会議では、ドル・金本位性を主張したホワイト案とは別に、「一般理論」で知られる英国のケインズ卿が提案した超国家的な通貨である「バンコール案」(経常収支不均衡の是正(リバランス)よりも,信用供与による不均衡の「ファイナンス」に重点を置いていたといえる=「ブレトンウッズ体制の理念と現実」https://ynu.repo.nii.ac.jp/record/10614/files/70-1_2-3.pdf=)というものもあった。世界の各高度な文明の調和と統合のためには、基軸通貨体制に代わる新たな国際通貨体制の創設が必要になる。ロシアがBRICS諸国の交易拡大のために、中国との秘密裏の協力の下、新たな国際経済決済システムの構築に努力しているようだが、実務に使用できるよう国際的な叡智を結集して行かねばならない。