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自民、環太平洋連携協定(TPP)でも公約反故の公算大【訂正】

大手メディアで環太平洋連携協定(TPP)交渉なるものが加速してきたが、公約反故の公算が大きい。「寄り切り」で万事休すだが、何の反省もしないだろう。公約違反に苦しむのは国民だが、自公を大勝させたのは国民自身である。日本の「民主主義」は最早、崩壊と言って良い。

自民党のサイトから消されない内に、環太平洋連携協定(TPP)に関する公約を以下にコピー・ペーストする。下記のポスターの主語は「米国」である。米国に取り戻された日本国民の実感はいかばかりであろうか。

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国益にかなう経済連携の推進
163 自由貿易への取組み
自由貿易の推進は、わが国の対外通商政策の柱です。WTOドーハ・ラウンド交渉の早期妥結に向け、引き続き取り組んでいきます。その際、農業交渉等については、各国の持つ多様な農業の共存や林・水産資源の持続的利用が可能となるルールの確立を目指します。
また、EPA/FTA・地域協定等の経済連携に関しては、国益に即して、メリットの大きなものについては積極的に推進するとともに、これによって打撃を受ける分野については必要な国境措置を維持し、かつ万全な国内経済・地域対策を講じます。
TPPに関しては、安倍総理が日米首脳会談において、TPP交渉では、「聖域なき関税撤廃」が前提とされるものではないとの確認を行い、その後、交渉参加を表明しました。
我々は、交渉力を駆使し、わが国として、守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めることにより、国益にかなう最善の道を追求します。特に、自然的・地理的条件に制約される農林水産分野の重要5品目等やこれまで営々と築き上げてきた国民皆保険制度などの聖域(死活的利益)を最優先し、それが確保できない場合は、脱退も辞さないものとします。そのためにも、政府・与党が緊密に連携し、一体となって交渉を進めます。

【1】自然的・地理的条件に制約される農林水産分野の重要5品目(米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物)等の聖域を確保する。
【2】自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
【3】国民皆保険制度を守る。
【4】食の安全・安心の基準を守る。
【5】濫訴防止策等を含まない、国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。
【6】政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。

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説明の都合上、自民党が参院選挙時に死守すべきものとして挙げた6項目の頭には「【】」をつけた。

さてこのうち、【2】については、日米事前協議で「日本政府は、簡易許可手続き(PHP)すなわち日本に輸出される米国車に対してより簡単で時間のかからない認証方法での輸入台数を二倍以上にすることを一方的に決定して通告した」との米側の公式発表資料があり、不戦敗。「二倍以上」と書いてある。いずれ、「米国における日本車と同じシェアを持つまで」と言ってくる。トヨタ、ホンダはどうするのか。

【6】については、日本郵政の経営陣が変更されたと同時にかんぽ株式会社がアフラックに全国の郵便局ネットワークを貸してあげましょうということで、国民が明治の前島密以来営々として築いてきた資産(郵便局という建物のみならず、コンピューターシステムも含まれる)を米国に安く提供(最初は賃貸)することになった。日本の生命保険会社も不戦敗だ。あれほど、「イコール・フッティング」と言ってきた財界・マスコミはどこに行ったのか。

【3】では高額医療費助成制度高額療養費制度がなし崩し的に破壊されようとしている。この制度は、所得の水準に応じて月一定の医療費を超える医療費に対しては公的医療保険制度から助成する制度である。つまり、医療費の支払いが高額になったときに負担を軽減する制度である。現行制度では普通、月額8万円を超える医療費に対しては、公的医療保険制度が負担する仕組みになっている。入院治療が必要になった場合など、この制度に助けられている国民は多い。しかし、安倍政権下では、この個人負担の限度額を引き上げることが画策されているのである。

また、特定の難病に対して治療費が助成される制度もある。この制度にはサイト管理者もお世話になったが、白血病のような国が認定した高額の医療費がかかる難病には、公的医療保険制度からその治療費を支給してくれる、という有り難い制度である。残念ながら他界したが、それでも高額医療費助成制度この制度のお陰で、本人には苦しい治療だったけれども受けることが可能になり、他界する前まで約7年、最後は盲目になりながらも懸命に頑張ってくれた。普通は提供者を見つけることができないと実施すらできない骨髄移植も、双子だったお陰で受けさせていただくことができ、最後の1年間は家族皆で楽しい思い出を作ることができた。春が訪れる3月まで再発しなければ、白血病を乗り越えられるところだったが、その年の1月半ばに骨髄移植を行なって下さった主治医から緊急の電話がかかってきた。

高額療養費助成制度は本人負担分から引き上げられるだろう。また、特定の難病に対して治療費が助成される制度も存続は疑わしい。その場合、認定された病気にかかった患者さんを持つ家族は大変なことになることが予想される。いずれも、その間隙をぬって外資系の生保が参入してくるのは明白である。その結果、国民は高額治療を受けられる高額所得者と受けられない低額所得者に二極分解されるだろう。公的医療保険制度は、公的保険の効く医療(手術、医薬品など)が固定化され、医学・医療の進歩の観点からは実質的に骨抜きになる。ここも、外資系生保の活躍の場になる。

これに加えて、公的年金の運用の場でも、外資系が参入してくるだろう。すでに、野口悠紀雄氏らは、「年金については『民営化』は可能である。現在の日本で民営化の必要性が最も高いのは、年金制度である」(「円安バブル崩壊」ダイヤモンド社)と述べている。行き着くところは、米国の国債を始めとした有価証券の購入である。単なる「紙くず」になるだけだ。米国での業務経験のある投資調査会社の社長はサイト管理者に対し、「米国債はもはやジャンク・ボンドだ」と語ったことがある。

新自由主義の結果生じた財政・経常・対外純債権の「三つ子の赤字」は解消が不可能で、価値のないドル紙幣が世界中にばら撒かれるからである。実際、ニクソンショックの前までは、1トロイオンス(31グラム)=35ドル(406円/1グラム)だったが、今や1トロイオンス=1400ドル(4470円/1グラム)である。金に対して円は10分の1程度にしかなっていないが、ドルは金に対して40分の1下がっている。現在の円安はアベクロノミクス(アベノミクス)のせいではないが、アベコベノミクスなどをやらず、まともに経済運営していれば、ドル価値の下落ぶりはもっと際立ったものになっただろう。なお、金価格はまた上昇し始めている(田中貴金属)。

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【5】についてだが、米国は北米自由貿易協定(NAFTA)でISD条項(簡単に言えば、米国の企業が日本の政府を相手取って、訴訟を起こし、関税・非関税障壁による「損害」を賠償させられる権利。政府や与党は全く痛まない。賠償金は税金から拠出するからである。その逆は不可能である。裁判所のような訴訟関係の委員会を、米国が牛耳っているからだ)をふんだんに使って、カナダやメキシコの富を略奪してきた前科がある。米国がISD条項を取り下げるはずはない。

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【4】については、ロックフェラー財閥の庇護を受け、圧倒的なロビー力を持つ米国はミズーリ州に本社を置くモンサント社(ベトナム戦争での枯れ葉剤を製造)などのバイオメーカーが大規模な需要が見込める日本を狙っており、国民が自然のものにない遺伝子組み換え作物の購入を迫られる。どんな事態に陥るか分からない。

【1】については、安倍晋三首相は「感触を得た」と言っているだけで、何の保証もない。「感触」だけで、国家と国家の利害の衝突を双方納得のいく形で解決する外交ができるのか。

以上要するに、自民党が夏の参院選で打ち出した環太平洋連携協定(TPP)に対する公約はすべて反故にされる公算が大きい。というか、明白だろう。国民が事態の異常さに気づいたときは遅い。その頃は「憲法改悪」による「新型治安維持法」が制定されていると見られるからだ。最大の問題は、マスコミ、特に視聴料を徴収しているNHKである。戦前の軍部の暴走時と同様に、国民に対して情報統制しているからだ。

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安倍首相に良心があるなら、TPPへの参加をやめることだ。もっとも、それは「象が針の穴を通るより難しい」ことだ。「自立と共生」を理念とした国民主権の民主主義を創造すべきときである。

※サイト管理者がある浄土宗の寺を通りかかった時、「子孫には財産を残すのではなく、徳を残せ」との講話が書いてあった。その通りだと思う。

 

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