• 新自由主義と共産主義を超克しよう!

消費税減税から廃止の財源は豊富にある

  • 2019年11月17日

11月15日に衆院議員第二会館多目的ホールで政策連合・オールジャパン平和と共生主催の緊急集会「いま、消費税を問う」が開かれ、税理士や経済学者などの専門家から代替財源が豊富にあることが示された。

冒頭、税理士で元大学教授の湖東京至氏より、マレーシアの消費税廃止の成功事例と消費税の根本的欠陥について説明があった。

根本的欠陥というのは第一に、消費税は売上高から仕入れ額を差し引いた付加価値に課税する付加価値税が母体になっており、企業にとっては費用となる人件費が控除されないため、法人税基準では赤字で納税の義務が発生しない企業も納税しなければならないという大問題があることである。

このため第一に、納税義務者、つまり、中小企業も含めた企業においては、特別扱いの輸出企業は(主な特権企業は輸出大企業)は輸出品に国内勢である消費税を上乗せすることはできないため、一時的に納税した消費税はすべて還付を受けることができることになっている。消費税はまず、輸出大企業優遇税制という不公平税制の最たるものになっているということである。第二は、法人税基準では納税の義務が発生しない赤字企業からも税金を収奪する仕組みになっているということである。このため、消費税納税を理由とした消費税(増税)倒産が多発している現状がある。第三に、国民は便乗値上げを我慢するだけの立場であるに過ぎない。

これは、日本国憲法14条の法の下の平等、第5条生存権の保証、第9条財産権の保護に大きく抵触する。日本国憲法では、最高裁判所長官が行政府の首長である内閣総理大臣(首相)が任命することになっており、三権分立がまだ完全には徹底されていないため現状、「消費税は憲法違反」との訴訟を起こしても勝訴はあり得ないが、間違いなく憲法違反の税制である。

むしろ、➀輸出大企業の優遇②赤字法人企業からの税金の収奪(外形標準課税と同じ狙い)-を狙いに大蔵省(現財務省)が政治家を操って導入した疑いが濃厚である。ただし、消費税による税収は今や、最大の税収項目になっているから、消費税率の引き下げから制度そのものの廃止については、十分な代替の財源を確保しておかなければならない。

財源は3つある。第一は、近代税制の基本原則である応能原則(担税力のある法人・個人がより多く納税し、社会的責任を果たし、社会貢献をするという原則)に立ち返ることである。第二は、高所得者優遇税制の最たる税制である金融(利子・配当・株式譲渡益)所得の分離課税制度の廃止ないし分離税率(国税・住民税併せて20%の極めて低い税率)の引き上げ(例えば、20%から40%)である。第三は、政治屋と政商、悪徳企業で分け合う利権支出の全面的カットだ。

まず、近代以降の課税原則である応能原則を実現するために、累進課税制度というものがある。これは所得を複数の段階に分け、低い段階の所得から次の段階の所得に移った段階で、その超過所得分に次の段階の高い税率を適用するというものだ。この累進課税の説明を意図的に誤って行い、所得が高くなればすべての所得に高い段階の税率を適用し、「勤労意欲」を喪失させるといった説明がなされる。

ミルトン・フリードマンを元祖とする新自由主義=新しい自由放任主義の影響を受け、ロナルド・レーガン大統領が採用し、それ以降、世界的に広がった。累進税制のフラット化である。当初は、税率を下げれば勤労意欲が増して税収は増えるということで、その様相はラッファーカーブで示されたが、当初はラッファブル・カーブ(笑止千万の曲線)と揶揄されたものの、この笑止千万な理屈がその後の税制の主流になってしまった。政策連合の緊急集会で説明された不公平税制を正す会の事務局長で、税理士の荒川俊之氏によると、所得税の累進税率構造は1974年の最低10%から最高75%までの19段階から、1999年には4段階にまで「簡素化」された。ただし、少し修正されたが、それでも2015年で最低5%、最高45%の7段階にまで「簡素化」されている。

これによって同会の調べでは、2018年度までの所得税・住民税額の累計の税収減就額は累計で291兆円。また、法人税(国税)・法人事業税(地方税)・法人住民税(地方税)の法人主要三税は累進課税が適用されていないが、「国際競争力強化」の美名のものとに法人税率の引き下げが行われてきたため、同じ期間で累計291兆円の税収減少が生じている。しかし、日本の国際競争力は低下の一途である。特許件数や学術論文の引用件数は大幅に低下している。

その一方で、輸出大企業優遇と中小企業からの収奪、マーガレット・サッチャー首相の退任の最大の理由になった人頭税にも等しい大衆増税が本質の消費税の累計増収額は372兆円にも及んでいる。

近代税制から古代の税制に暗転したようなものだ。累進税制の強化と言えば古い税制への後戻りなどの間違った批判を受ける。しかし、応能原則は近代税制の根幹であり、その制度化が累進課税制度である。人類史が歴史の試行錯誤の中で生み出したきちんとした累進課税制に戻ることこそが、税制の抜本改革を行ううえでの最も基本的な道である。

不公平な税制を正す会では、1974年の所得税の累進構造に戻し、大企業優遇税制の廃止と法人所得への累進課税制の導入で、2019年度の税収は所得税・住民税の増収額は10兆933億円、法人三税の増収額は28兆8094億円になると試算。合計で28兆8054億円である。これは、2019年度一般会計予算のうちの消費税収分19兆3920億円をはるかに上回る。

さて、消費税の代替財源の第二は金融(利子・配当・株式譲渡益)所得の分離課税の税率の引き上げないし制度そのものの廃止だ。金融所得は20%の分離課税が適用されている。こちらの税金を収める国民は高所得層の国民である。所得税の累進課税の税率から比べると低すぎる。

分離課税の5%への引き上げで2.5兆円の税収が増加すると言われている。従って、分離課税は廃止して総合課税に移行するのが本筋だが、100歩譲って40%に引き上げれば、4倍の10兆円の増収が見込める。

第三の利権支出のカット。これは、昔の時代劇ドラマで言えば、代官と越後屋の関係、現代で言えば「さくらを見る会」に端的に表れている政治屋とその支持者、政治屋と癒着した官僚(国家・地方公務員)、「民で出来ることは民で」の「大義名分」のもとに「経済成長戦略」で決まって登場してくる悪徳政商で血税を分け合う利権支出の完全カットである。

無駄な歳出として、これに歴代の米国政権が押し付ける軍事兵器の言い値での大量買い付けが加わる。非常事態になったら真っ先に攻撃されて雲散霧消するファントムF35とか勝手に落ちるオスプレイ、効果も恐らくない地上ミサイル迎撃装備のオフショア・イージスとかを言い値=米国にとり良い根で、大量かつ驚くほどの高額で購入する「国防費」という名の軍事費がある。背後には世界的な戦争マフィア(アイゼンハワー大統領が退任時に警告した軍産複合体)が存在する。

現日本国憲法は戦後の冷戦に突入する前に策定されたため、平和主義を掲げ、国連中心に日本の平和を守る制度を措置するよう、暗に求めている。しかし、朝鮮動乱が勃発したため、米国(形式的には国連だが実質的には米国主役のGHQ)の占領政策に大転換が起こり、同国の支配構造に組み込まれ同国の従属国家になった。

大蔵省(現財務省)出身の財政の専門家によると、利権支出は10兆円ほどあると見積もられている。これをカットすれば10兆円削減できる。国防費については、明治政府が不平等条約の解消に相当の労力を割いたが、国際情勢の変化の中、国連(国際連合と異なり国連軍を有している)の再建を中心に、害交・国防政策を抜本改革すべきだ。

以上挙げた三つの改革を行えば、増収・歳出カット併せて40兆円程度浮く。加えて、得体の知れない特別会計がある。その公開と改革も必要だ。これらを、政策連合の基本政策である➀消費税廃止②最低保証賃金1500円③原発稼働即時停止-に充てれば良い。

さて、ネズミを取るネコなら、つまり、政権奪取に存在理由をかける野党の衆参国会議員なら、政策連合・平和と共生オールジャパンが提唱したこの政策に乗ってこないはずがない。ところが、主催者側によると会合に出席を予定していた立憲民主党の議員の参加はなかったと言う。枝野幸男-福山哲郎幹事長ら執行部がストップをかけたものと見られる。彼らは、馬淵澄夫元国土交通副大臣馬淵澄夫元国土交通大臣と山本太郎れいわ新選組代表が共同代表を務める「消費税減税を研究する会」に、立憲の国会議員が参加することに対して、事実上のストップをかけた。

これは、立憲や国民が原発再稼働賛成、消費税増税賛成の御用組合である日本労働組合総連合(連合)の支持(極論すれば、「だけ」がつく)を受けているからである。連合は、原発マネーを確保し、政府に守ってもらいたい電力総連、消費税の大規模な還付で利益を得る自動車総連、電機連合など大企業側の労組連合が母体になっている。立憲や国民から、議員特権の中ででぬくぬくと生きるのではなく、あくまでも「国民生活が第一」を信念にする議員が決死の覚悟で政策連合に参加できるかが問われている。

政策連合が急激に勢力を拡大することを極度に恐れているのだ。「さくらを見る会」疑獄徹底解明などと意気込んでいるが、立憲・国民・社民・社保の統一会派は、日本の医療・農業・社会を破壊する日米FTAを衆院外務委員会で通してしまった。詳細な内容も不明のままである。

「さくらを見る会」疑獄の徹底解明は重要だが、検察庁とくに東京地検特捜部が本腰を入れない限り、刑事事件として扱う措置を取り、内閣総辞職にいたらせることなどは夢のまた夢だ。特別委員会の設置のないまま、各種の委員会で安倍首相と政府参考人の連携でうやむやにされるだけと思われる。そうした中で、日米FTAを国会で批准された形(日米FTAなど条約は予算案同様、衆議院で可決されれば時間が経つだけで国会の議決になる)になれば、もう解散・総選挙である。

山本太郎は14日の山形市内での対話集会で、日米FTAの可決に徹底抗戦しなかった野党を批判している。最悪の場合は、野党側は政策連合側と自公の補完側に分裂して総選挙を戦うことになる。もっとも、国民は野党に国民の生活が第一の側と自公の補完勢力側が存在することに明瞭に気づくことになるから、無党派層とマスゴミが名付けた民主主義放棄しているか、放棄寸前の国民が再び立ち上がれば、総選挙の結果は分からない。


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