立憲・国民の合流の真贋は-国会開会前の「合流は」困難に

立憲民主党と国民新党の合流の動きが活発化しているとの報道がなされているが、「勢力拡大」では意味がない。新古典派自由主義との完全な決別を中心とした政策の合流でなければ全く意味がない。朝日デジタルによると結局、通常国会開会前の合流は困難になったようである。

立憲民主党と国民民主党の枝野幸男代表と玉木雄一郎代表の第一回会談が行われ、その内容について来週の両党での国会議員会合で合流の内容について検討した上で、最終的な「合流」について両代表の最会談が行われ、合流しないことも含めて最終的な結論が下されるようだ。

※追記:朝日デジタルによると、立憲の福山哲郎幹事長と国民の平野博文幹事長が16日、国会近くで階段下が、立憲への国民の国会議員の吸収のみを求める立憲と国民という党そのものが存続しなくなる国民との溝は深く、会談は物別れに終わったようである。20日の通常国会前の「合流」はなくなる見通しである。ただし、合流話自身はなくなったわけではないことに留意が必要だ。

朝日デジタルによると、枝野代表は「何度も代表会談を行わない、国民を吸収する」旨の発言をしていたらしいが、実際には密会、公的会談など複数回の会談が行われているようだ。

しかし、重要なことは正しい理念と政策で合意することだ。代表の会談内容が、合流後の「合流党」の人事とか年内に予想される解散・総選挙に備えるための候補者調整とか言った低次元の内容に終止しては全く意味がなく、国民の失望を招くだけだ。

http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col58384006.htmから引用

そのための必要条件は第一に、御用組合であり安倍晋三政権のやりたいことを先取りする連合の圧力を断ち切ることである。第二に、日本の経済社会の低迷、景気の悪化、中間層の没落といった平成時代の負の遺産はすべて、冷戦終結後の米国軍産複合体・多国籍企業の採用した新古典派新自由主義から来ている。この新自由主義を完膚なきまでに批判し、代案を出せるかどうかがカギを握る。第三は、対米従属国家できた日本の戦後の現状を覆し、米国からの独立を打ち出せるか否かである。

ここで、改めて新自由主義について述べておきたい。ウィキペデアを参考にすると、米国で1970年代のスタグフレーションを契機に、ケネディ大統領(当時)が「ニューエコノミクス」を引っさげてポール・サミュエルソンらが打ち出したアメリカン・ケインジアン政策、特に財政政策に対する批判が沸き起こった。このため、反ケインズ政策の筆頭としてミルトン・フリードマンを創始者とする古典派が復活し、新古典派の時代を迎える。

その特徴は、財政政策を否定し、金融政策の有効性が説かれたが当時のスタグフレーション克服のため当時としては、物価上昇を抑える金融引き締め政策の重視が世界規模で起きた。この新古典派の主張を取り入れたのが、レーガン大統領(当時)が打ち出したレーガノミックスである。レーガノミクスは、市場原理主義(政府による経済への介入を拒否ないし否定する主張)への回帰が起きた。

ミルトン・フリードマン

ロバート・ルーカス

トーマス・サージェント

その基本は、➀自己責任を基本に累進課税制度の否定による小さな政府を推進し、財政の均衡を重視する②福祉・公共サービスなどの縮小(つまり、社会保障政策の縮小ないしは否定)③公営事業の民営化④TPPやFTAなどグローバル化を前提とした経済政策➄規制緩和による競争促進、労働者保護廃止(格差社会の惹起)-などの経済政策の体系である。新自由主義の創始者はミルトン・フリードマンで、その財政政策否定、金融緩和重視の政策を理論的に体系化し、いわゆる合理的期待仮設を精緻に展開したのが、ロバート・ルーカスとトーマス・サージェントである。また新自由主義に基づく諸政策を実行した主な政治家にはロナルド・レーガン、マーガレット・サッチャー、中曽根康弘、小泉純一郎などがいる。

国家による富の再分配を主張する社会民主主義(英:Democratic Socialism)、国家が資本主義経済を直接に管理する開発主義の経済政策などと対立する。計画経済で企業のすべてが、事実上、国家の管理下である国家社会主義とは対極にある経済思想である。

冷戦終演後、いわゆるグローバリズムの理論的支柱になり、世界の政治経済体制の理論的な要となったのが、この新古典派自由主義だ。しかし、この新自由主義は根本的に政府は経済に関与すべきではなく、自由放任にしておけば「予定調和」が実現するという古典派の焼き直しに過ぎず、所得の再配分を認めないから中間層の没落と格差拡大を引き起こす。また、「民でできることは民で」という公営企業の民営化論は結局のところ、政権に近い企業の優遇策(利権支出を生む)。また、金融緩和政策では経済成長が実現できないことも実証されている。弱肉強食の理論の権化であり、これを乗り越えることが現時点での経済政策の最大の課題だ。

話を元にもどすと、民主党崩壊の総括がなされていない現状、両党の代表の首脳会談でそこまでいくことは考えられないが、上記を政策として表現すれば、➀所得税の累進課税制度の強化と法人3税への累進税制の導入②消費税の税率5%への減税②原子力発電所稼働の即停止-が絶対的に必要な政策となる。特に、税制の抜本改革を打ち出せば、最低賃金の引き上げも財源が明確になり、可能になる。この最低賃金の引き上げも必要である。

両党合流の真贋は、上記の政策で合意できるかどうかにある。

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