公安調査庁「アゾフ大隊」の既述を削除(頁キャッシュ追加)ーウクライナ事変の本質はディープ・ステート(DS)陣営対露中非欧米陣営

本サイトで公安調査庁がアゾフ大隊がネオ・ナチ組織であることを認定していた既述が削除された。ウクライナ事変の本質がディープ・ステート(DS)陣営対露中非欧米陣営であることを隠蔽する試みであると見られる。

これまでは、次のように記載されていた。

日本の法務省の外局(破壊活動防止法、団体規制法などに基づいて、公共の安全の確保を図ることを目的として設置された法務省の外局)である公安調査庁もアゾフについて次のように記述している(https://www.moj.go.jp/psia/ITH/topics/column_03.html:注:このページのキャッシュを採取(魚拓)したURLは次の通りです。https://megalodon.jp/2022-0301-2214-28/https://www.moj.go.jp:443/psia/ITH/topics/column_03.html)。なお、サイトのあるページの魚拓サービスはhttp://megalodon.jp/ (公式サイト)が有名。

2014年,ウクライナの親ロシア派武装勢力(注:2014年2月の米国のバイデン副大統領とビクトリア・ヌーランド国務次官補らオバマ政権中枢がウクライナのネオ・ナチ勢力に指示して起こしたマイダン暴力革命に反発して決起した勢力)が,東部・ドンバスの占領を開始したことを受け,「ウクライナの愛国者」を自称するネオナチ組織が「アゾフ大隊」なる部隊を結成した。同部隊は,欧米出身者を中心に白人至上主義やネオナチ思想を有する外国人戦闘員を勧誘したとされ,同部隊を含めウクライナ紛争に参加した欧米出身者は約2,000人とされる。

しかし、https://www.moj.go.jp/psia/ITH/topics/column_03.htmlではこの既述は削除されている。公安調査庁のフロントページの新着情報に削除した旨の知らせが掲載されており、その知らせのリンクをたどると、削除した理由が記載されているページ(https://www.moj.go.jp/EN/psia/20220407_oshirase.html?fbclid=IwAR3hpBkXv5IjdOGcLwRZ7b3YRschN6Y2KUGynHwkzP1BHC07j6ZhW20y-no)が表示され、次のように記載されている。

近時、一部において、公安調査庁が「アゾフ連隊」をネオナチ組織と認めている旨の事実と異なる情報が拡散されている状況が見受けられますが、このような誤った情報が拡散されていることは誠に遺憾です。
これは「国際テロリズム要覧2021」の「ネオナチ組織がアゾフ大隊を結成した」等の記載を根拠にするようですが、そもそも、「国際テロリズム要覧」は、内外の各種報道、研究機関等が公表する報告書等から収集した公開情報を取りまとめたものであって、公安調査庁の独自の評価を加えたものではなく、当該記載についても、公安調査庁が「アゾフ大隊」をネオナチ組織と認めたものではありません。
ついては、上記のような事実と異なる情報が拡散されることを防ぐため、当庁HP上の「国際テロリズム要覧2021」から上記の記載を削除することとしたのでお知らせします。

これは、サイト管理者(筆者)が植草一秀氏のメールマガジン第3195号「西側が伝えぬウクライナ戦乱の真実」で知ったものだが、削除日は4月8日金曜日で、ウクライナのマルチメディア報道プラットフォームのUKRINFORMでは同日の4月8日に、この事実を伝えている(https://www.ukrinform.jp/rubric-ato/3451937-ri-benno-gong-an-diao-zha-tinguebusaito-shangkaraazofu-da-duini-guansuru-ji-zaiwo-xue-chu.html)。

日本の公安調査庁は(4月)8日、公式ウェブサイト上の「国際テロリズム要覧2021」からウクライナの「アゾフ大隊」(現国家警護隊特命分遣隊アゾフ連隊)の記載を削除した(中略上述の削除理由を掲載)。

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なお、3月28日、国家警護隊特命分遣隊アゾフ連隊は、ロシアが広めている「ネオナチ」プロパガンダを否定しつつ、現在のロシア・ウクライナ戦争において実際には誰がナチなのかを説明するメッセージを発表していた

また、アゾフ連隊のプロコペンコ連隊長は、同連隊の隊員たちはロシア軍に包囲されているマリウポリを明け渡すつもりはなく、町のために最後まで戦うつもりだと表明している

しかし、公安調査庁が削除した記事は、世界各地の各地の情報から取捨選択した結果、同庁の判断としてアゾフ大隊をネオ・ナチ組織として認定したことによるものと考えることが妥当だろう。また、岸田文雄政権下の公安調査庁がアゾフ大隊をネオ・ナチ組織として認定した記事を削除したことは、同政権も米国ディープ・ステート(DS)の傘下にあることの証左のひとつである。削除について、植草氏も次のように批判している。

記述の根拠が「内外の各種報道、研究機関等が公表する報告書等から収集した公開情報」にあることは相当だが、それらの公開情報から公安調査庁が取捨選択して公式サイトに掲載した記述であり、公安調査庁の公式サイトに掲載する以上、公安調査庁が事実であるとの認識で掲載したものと解釈されるのは当然のこと。米国に追従する日本政府の行動と整合性が取れなくなったから削除しただけのことに過ぎないと理解できる。これと平仄を合わせるように、テレビ朝日、NHKなどが懸命に「アゾフ大隊」はネオナチ組織でないとの説明を行っている。メディアが完全に政治権力広報機関に堕している。

アゾフ大隊は、ウクライナのオリガルヒでゼレンスキー政権の影の立役者であるイーホル・コロモイスキー氏が事実上の創設者。Wikipediaにも次のように記載されている。2014年4月、コロモイスキーはロシア側が支援する武装勢力の捕獲に懸賞金を掛け、武器の引き渡しに対しても報奨金を出した。またドニプロ大隊(Dnipro Battalion)の創設に1000万ドルを費やしたとみられており、この他にアイダール大隊、アゾフ大隊、ドニプロ1、ドニプロ2、ドンバス志願兵大隊の各部隊にも資金提供したとみられている

植草氏の指摘であるが、当時のIMF日本代表理事でキヤノングローバル研究所主幹を務められた小手川大介氏が、2014年2月に米国のバイデン副首相やビクトリア・ヌーランド国務次官補ら米国の指示=内政干渉によって、ネオ・ナチ勢力がウクライナ憲法を無視してマイダン暴力革命を起こし、新政権を樹立した時の様相を詳細に記述しておられる(https://cigs.canon/article/20140513_2563.html)。

1.ウクライナの議会の状況
(1)前にも書いたとおり、大統領選挙については2010年の選挙で、ヤヌコーヴィチが勝ったのであるが、2012年の議会選挙の結果、議会は親ロ派の東部、南部を地盤とする地域党と社会主義政党であるウクライナ共産党を与党とし、親欧米派であり西部と中部を基盤とする全ウクライナ連合「祖国」、ウダール、そして西部のガリツィア地方を基盤とする民族主義者の「自由」党、更に少数の「右派セクター」を野党としていた。
(注)筆者は2013年春にドイツで行われた国際会議に出席した際に、前年に行われたウクライナの選挙の結果、ネオナチが台頭したことが問題にされていたため、その後も事態を注視していたところである。

(2)この与野党の争いが激しくなったのが、2013年のヤヌコーヴィチ大統領による、EUとの提携協定調印の撤回後であり、野党側は「独立広場」に拠点を置くデモンストレーション活動に入った。当初デモは平和裏に行われていたが、11月30日以降暴力化し、その過程で、議会内の議席数とは関係なく、野党内でも少数派であった「自由」党とそれよりもさらに暴力的な「右派セクター」が反政府活動の中で大きな地位を占めるようになった。

(3)実際にユーチューブに掲載されている12月以降の反政府デモ隊の姿を見ると、マスクをかぶり、手にはチェーンをぶら下げ、そして2月の政権交代の直前には銃を携帯するなど、とても我々が日本でイメージするような「平和的なデモ隊」というものではなく、筆者が70年代に経験した全共闘の武装集団あるいはそれ以上というイメージの方が圧倒的に近いものである。

(4)そして、新政権の中で、これらの極右の政党のメンバーが要職についている。その一部は第1報に掲載したが、以下の通りである。
オレクサンドル・シチュ 副首相(Svoboda)。
アンドリ・パルビー 国家安全国防委員会事務局長(国家社会主義党の創始者でSvoboda党員)。国家安全保障担当。
ドミトロ・ヤロシュ 国家安全保障次官。右派セクターで、反対派のデモ隊の安全保障隊長。
ドミトロ・ブラトフ 青年スポーツ大臣。
テツヤナ・チェルノヴォ 反腐敗委員会議長。ジャーナリスト。
アンドリ・モフヌーク環境大臣。Svobodaの副党首。
ヨール・シュヴァイカ 農業大臣。Svoboda党員。
オレフ・マフニツキ 暫定検事総長。Svoboda党員。

2.「ネオナチ」の系譜
「ネオナチ」と呼ばれている党にはどのような歴史があるのだろうか。

(1)最大の党は「スボボダ」(ウクライナ語で「自由」の意味)であり、この党の旧名はナチスと同じ国家社会主義党であった。2012年の選挙でこの党は10%の得票を得て、450議席中36議席を獲得し、ウクライナ議会で4番目の党なった。

(2)このほかに、2013年に設立された「右派セクター」と呼ばれている政党がある。これは、極右の小さな政党の連合体となっているが、上記のスボボダよりもさらに暴力的である。

(3)これらの極右政党は、議会内の議席でいけば、昨年11月以来反対運動を起こした反対派の約3分の1の勢力に過ぎない。それなのに、新政権の中でこれだけの主要ポストを獲得したのは、今回の新政権成立に至るまでの活動の中で、日増しに極右勢力(=ネオ・ナチ勢力)の力が高まってきたことを意味している。
(注)ウクライナの国会議員オレフ・ツァリョフによれば、2014年1月には、シリアの反政府勢力のメンバーとして戦っていた350名のウクライナ人が帰国し、ネオナチの一員として暴力的なデモ活動に参加するようになった。

(4)「スボボダ」は旧名が国家社会主義党であり、ステパン・バンデラを指導者とした第2次大戦中の組織である「ウクライナ国民機構(OUN-B)」が使っていた赤と黒の旗を掲げて行進している。スボボダ党のスローガンである「ウクライナ人のためのウクライナ」はナチスがソ連に侵入した後にヒトラーに協力したステパン・バンデラのOUN-Bのスローガンであった。これらの人々は旧オーストリアハンガリー帝国の支配下にあったガリツィアの出身であり、ソ連邦成立時に独立を試みたが成功しなかった人たちが中核となっていた。

(5)ウクライナ国民機構(OUN-B)は1929年に設立され、4年後にはバンデラが党首になった。1934年にバンデラや他の機構の指導者達はポーランド内務大臣の暗殺の嫌疑で逮捕された。彼は1938年に釈放され、直ちに独占領軍から資金援助を受けて800人もの戦闘員の訓練所を設立している。1943年にはベルリンにいた彼の指導の下で、民族浄化、大量殺戮のキャンペーンを行い、7万人のポーランド人とユダヤ人を殺害した。現場責任者はOUN-Bの秘密警察組織のトップであったミコラ・レべドである。1941年のOUN-Bの大会で「戦時の闘争活動」を採択し、その中で「モスクワっ子(ロシア人を指す)、ポーランド人、ユダヤ人は我々に敵対的であり、闘争の中で抹殺されるべきである」と言っている。

長文引用になりましたが、これらの状況はオリバー・ストーン監督の「ウクライナ・オン・ファイアー」に詳しく、本サイトで時系列的に説明させていただいた。

京都大学法学部在学中に国家公務員試験に合格して外務省に入省。その後、研修先の英国で同国ケンブリッジ大学経済学部卒業後、ウクライナ、モルドバ大使などを歴任して、防衛大学教授などを歴任され現在、ウクライナ情報について正確な情報を発信しておられる馬渕睦夫氏の次のYoutubeもご覧頂きたい(https://www.youtube.com/watch?v=kxgyYP3LP3Y)。

アゾフ大隊などウクライナのネオ・ナチ勢力は、自らがユダヤ人やロシア人、ポーランド人をジェノサイドしてきたことを隠し、「スターリニズム」に対する民族独立抵抗組織として全く事実に反するプロパガンダ工作を行っている。これは、国際解説ジャーナリストの田中宇(さかい)氏によると、英国の諜報機関が直接教育の役割を担っているという(「市民虐殺の濡れ衣をかけられるロシア」https://tanakanews.com/220408bucha.htm)。

ウクライナ内務省に戦争プロパガンダのやり方を教えてきたのは英国の諜報機関だ。ロシアの諜報機関は4月2日、英当局とウクライナ当局が戦争プロパガンダの手法について電話でやり取りしているのを傍受したという。昔からウクライナでは、極右を育てているのは英諜報界だと言われていた。極右民兵はならず者なので、捕虜になったロシア軍兵士を何人も拷問して殺し、その光景をいくつも動画にとってインターネットで公開したりしている。ロシア政府は開戦後、ウクライナ内務省傘下の正式部隊である極右民兵が捕虜虐待の戦争犯罪を犯していると国連などで問題にしてきたが、米国側は知らんぷりだ。しかし、これはまずいといって英当局がウクライナ当局と話し合った電話を、露当局が傍受したのだそうだ。軽信者たちは「露当局の話なんか信用できない」と言うだろうが、私から見ると「さもありなん」である。米国側マスコミより、RT(=Russia Today、ロシア連邦政府が所有する実質国営メディアでもある[3]。2100名の従業員と19カ国に支局を擁する)やタスやスプートニクといった露側メディアの方が、道理の通った話を流している。 (Danish Merc Confirms Ukrainian Forces are Killing Russian PoWs) (Russian Investigators’ Evidence on Azov Commanders’ Attempts on Lives of 8 Russian Troops

今回のウクライナ事変は、米国のディープ・ステート(闇の帝国:軍産複合体と弱肉強食の新自由主義を信奉する米系多国籍金融資本・企業)とその傀儡政権であるゼレンスキー政権とロシア・中国、中東諸国、イランなど資源大国(コモディティ大国)など非欧米諸国との対立によって起こっている。その犠牲になっているのはウクライナ国民(市民、特にロシア系ウクライナ人と中立立場のウクライナ人)である。このことを、日本人も含め全世界の人々が明確に知る必要がある。ディープ・ステート(DS)による欧米日諸国のマスメディアを使った洗脳工作に惑わされていると、例えば日本では平和憲法破壊(壊憲)による自公とその補完勢力による独裁体制の形成や敵基地攻撃能力の確保など「防衛費」の大幅な増額など、国民経済の危機に乗じて大変な事態に陥ることが想定されるなど、世界情勢が重大な局面に陥る。


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