立憲党大会、枝野代表は選挙戦術に終始するだけ

立憲民主党(枝野幸男代表)が16日、結党以来三回目の党大会を開いた。しかし、安倍晋三自公連立政権の新自由放任主義政策に対する政策面からの財源の裏付けをもった明確な対抗政策の提示はなく、予想される年内解散・総選挙に向けて自党の衆院議員数を増やすための選挙戦術の強化に取り組む姿勢だけしか強調されなかった。

枝野代表は野党が連携すれば着実に政治を変えられるとの姿勢に終止し、連合政権の要になる基本政策については論じなかった。1989年(平成元年)4月1日に3%で初めて導入され、「税制と社会保障の一体的改革」の大義名分、実は詭弁の下に一方的に税率が引き上げられてきた(この点については改めて記事を投稿します)。このため、経済政策専門家や税理士の間では、昭和時代に形成された中間層の没落と大格差社会の出現を招き、大企業を中心とした企業と庶民層の甚大な利益の相反(2018年の国別比較で一人あたり国内総生産=GDP=が26位と劇的な低下をした=安倍政権が敵視する韓国は28位=一方で金融業・保険業を除く全産業ベースでの企業の内部留保は2018年度で前年度と比べて3.7%増の総額463兆1308億円)を生み出してきたが、このことはもはや定説になっている。ところが、立憲サイトの政策紹介によると、経済政策ではこの点について一言も触れていない。

第三回党大会で挨拶する立憲民主党の枝野幸男代表

大会では消費税の減税どころが、「私が首相をやっている間に消費税を上げることはしないし、上げる議論はしない」と、要するに消費税増税に固執していることを暗に示した。また、2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震とともに起こったフクシマ第一事故がまだ全く終息しておらず、事故発生から9年にもなるのに「原子力緊急事態宣言」ももちろん解除されていない。しかし、「原発ゼロを一日も早く実現するため、原発ゼロ基本法を制定しますとか、原発の新増設(建設中、計画中を含む)は中止します、原発の40年廃炉原則を徹底し、急迫かつ真の必要性が認められず、国の責任ある避難計画が策定されないままの原発再稼働は認めません」など危機意識のない「提言」に終始している。

原発は雇用の確保とともに即時稼働停止が鉄則であって、そのうえで、原子力発電所の安全な廃炉技術の確立など完全な廃絶に向けての「原子力発電所廃止基本法」の策定が必要である。しかし、国民民主よりは連合の呪縛が小さいが、立憲も電力総連を大きな勢力とする連合の支援を受けているから、原発即時稼働停止も明瞭な形で訴えることはできない。

さらにひどいことには、新型コロナウィルス感染への政府=安倍政権の対応が失敗しており、政権奪取の好機(終息に向けての与党・「野党」の協力は必要。本来は、終息した段階で疑惑のデパートの安倍政権には総辞職してもらうのが筋)なのに、政権奪取の目標である政策転換のための準備を怠ってきたため、今回の第3回答大会では、「次の衆院総選挙を見据え、政権構想の本格的な準備を急ぎスタートさせる。そのため、代表自身がイニシアチブをとった直属チームを設置」するとしただけである。

結党から今日まで、安倍政権の自由放任主義政策に財源の裏付けをもって対置・提案できる理念と政策を準備していれば、政権構想など時間をかけずに出来るはずである。それを、枝野代表の考えを反映しやすい直属機関で検討するというのだから、遅ずぎるし党内民主主義はどうなっているのかと誰しも疑問に思うところだ。これに関して、「『(党規約では任期が3年になっており、遅くとも今秋10月にも枝野代表の任期が切れる)代表選挙規則』については、既に決定されていなければまともな民主主義政党としておかしい。しかし、今回の党大会では『代表選挙規則検討委員会』を中心に検討作業を加速していく」との約束にとどまっていることから、枝野代表が続投する布石を打っていると勘ぐられても仕方がないところだ。

なお、自民党でも安倍総裁4選の声が次第に強まっている。あの米国でさえ、大統領の任期は2期4年だ。長期間権力の座に居座り続けると、権力は腐るというのが歴史の鉄則だ。この鉄則が今、世界的に崩れかかっており、実現するために多大な血を流し、莫大な費用を費やして第二次世界大戦後に勝ち取った民主主義の時代が終わろうとしていると見る専門家も多数、出てきている。

こういう立憲の状況だから、朝日新聞の世論調査では2017年10月の結党時に17%あった政党支持率は現在わずか7%であり、昨年の参院選の比例得票数は2017年10月の衆院選より300万票も減らした。また、投票率も相変わらず低迷し続けている。国民の期待を裏切るばかりか、国民に政治への幻滅を植え付けてしまったのである。

立憲は、日本共産党の党員など野党他党を自身の党勢拡大のために利用しようとしているのではないか。立憲の生き残る道は、選挙戦術を考えることではなく、政治に期待を持てなくなった無党派層と呼ばれる無関心層が国民主権を取り戻すため、消費税減税・最低賃金の1500円へのアップ・財政・税制の一体的抜本改革・原発稼働即停止などの、国民の生活の安全と向上を約束する政策を打ち出すことだ。恐れているれいわ新選組の政策を真剣に学ぶ必要がある。

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