「大阪都構想」住民票否決で貢献したれいわ、次の焦点は「スーパーシティ構想」の廃案と中小企業つぶしの阻止

今月初めに行われた「大阪都構想」の可否を問う住民投票で反対派が勝利したが、山本太郎代表率いるれいわ新選組のソーシャル・ディスタンス街宣が若年層の投票行動に影響を及ぼし、一定の貢献を行ったのは複数のメデイアでも報道されている。れいわが次に目標にしているのは、菅義偉政権が未来投資会議を廃止して成長戦略会議を創設して行おうとしている「スーバーシティ構想」とコロナ禍を利用して行おうとしている中小企業の整理・淘汰などの「構造改革」だ。安倍晋三制限と菅政権が行ってきた「構造改革」は基本的に、日本国民が営々として義空いてきた貴重な資産を売り飛ばす危険な政策であり、日本学術会議の任命拒否の撤回とともに、安倍・菅流の構造改革「政策」を阻止する必要がある。

11月9日月曜日コロナ感染状況

本日11月9日欠曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では新規感染者は1周間前の2日月曜日の87人より70人多い157人、死亡者は1人。東京都基準の重症者数は前日比1人減少の35人だった(https://www.fnn.jp/articles/-/61484)。検査数の影響で感染者数が少なくなる傾向にある月曜日としては、8月17日(161人)以来の高水準の新規感染者数で、東京都としては警戒レベルを3から再興段階の4に引き上げる備えをしておくべきだ。全国では午後23時59分の時点で、782人の新規感染者と12人の死亡者が確認されている。北海道では東京都より多い200人が感染し、少なくとも1人死亡した。北海道は感染段階をステージ2から3に引き上げた。東京都のモニタリングhttps://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/では、7日移動平均での感染者数211.7人、PCR検査人数は4007.7人だから、陽性率は5.28%。東京都独自の計算方式では、11月7日時点の実式でも4.8%。感染経路不明率は55.74%だった。東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)のサイトでは実効再生産数は全国が前日比0.02人増加してと1.22人、東京都では前日比0.04人増加の1.13人だった。

政府の新型コロナ感染症対策分科会(尾身茂会長)は踏み込んだクラスター対策や、水際対策の一層の強化、やさしい日本語での情報発信、感染防止対策の強化、遺伝子解析の推進などを行うよう提言した。第3波襲来との認識については不明。しかし、三大都市圏や北海道では感染経路不明者が増加しつつあり、クラスター対策では限界だろう。

11月19日東京都コロナ新規感染者数の推移

11月19日東京都コロナ新規感染者数の推移

第一級の政令指定都市・大阪市を廃止して4つの特別区と膨大な作業を行う「一部事務組合」に解体する「大阪都構想」は無謀な計画だったが、僅差ながら反対派の投票が多く否決された。この住民投票の出口調査で若者世代の反対票が前回よりも5〜10ポインとほど多かったが、これにソーシャル・ディスタンス街宣を頻繁に行い、その不当性を分かりすく大阪市民に伝えてきた山本太郎代表率いるれいわ新選組の貢献は、勝敗が僅差だっただけに見逃せない(https://digital.asahi.com/articles/ASNC66HTNNC6UTFK01B.html?iref=pc_ss_dateなど参考)。

日本学術会議会員6人の任命拒否で窮地に立たされている政府=菅政権住民投票」だが、取り敢えず構造改革路線を新たな次元で遂行する構えだ。成長戦略会議のメンバーには、慶応大名誉教授の竹中平蔵パソナ会長や、国際政治学者の三浦瑠麗氏、中小企業合理化論(正確には整理・淘汰論)で知られる小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長ら8人が選ばれた。会議の目玉は、国家戦略特区政策を一段と推し進めた「スーパーシティ構想」と「地方銀行の再編を含む中小企業の整理淘汰論」である(以下、https://www.youtube.com/watch?v=eqmEQSIFl2Eによる)。後者については本サイトで述べてみたので、参照されたい。

維新と菅自民党との怪しいつながり

維新と菅自民党との怪しいつながり

国家像のない菅首相とゴールドマン・サックス出身のデービッド・アトキンソン氏

国家像のない菅首相とゴールドマン・サックス出身のデービッド・アトキンソン氏

さて、大阪市民の分断を修復させるため、大阪府疑団が提示している「大阪市発展策」にスーパー・シティ構想が取り入れられている。

大阪府ギタンが大阪市の成長戦略に取り入れたスーパーシティ構想

大阪府ギタンが大阪市の成長戦略に取り入れたスーパーシティ構想

スーパーシティ構想の本質は住民の支持のない「ミニ独立監視国家」を全国各地に築き、今や石油資源などより膨大な価値がある個人情報(ビッグデータ)を外資に売り渡すものだ。個人情報が外資に利用されるほか、地方自治体はアクセスができないことになっており、重大な問題を抱えている。スーパーシテイの表向きの内容は。➀AIやビックデータを活用し、未来のAI暮らしを先行実現する「まるごと未来都市」②キャッシュレス化、行政手続きワンスオンリー化(スマートフォンなどで区市町村の基礎地方自治体に行かなくても各種手続きが行える)、遠隔教育・医療、自動走行など複数分野にわたる取り組みを同時に暮らしに採り入れる生活実装実験ーなどを行い、「未来都市」の雛形を実現するというものだ。

そのためには、従来の「国家特区戦略法」を改正する必要があり、改正案では次の大きな2つの改正条項が含まれる。

  1. 「スーパーシティー」構想の実現に向けた制度の整備
    「スーパーシティー」とは第4時産業革命における最先端の技術を活用し、未来の暮らしを専攻実現する「まるごと未来都市」。規制改革を伴う複数分野のスマート化の取り組みを同時に暮らしに実装し、社会的課題の解決を図る生活実装実験を行う。
  2. 地域限定型既成のサンドボックス制度の創設
    自動車の自動運転、無人航空機(ドローン)、これらに関連する電波利用など、高度で核心的な金未来技術に関連する過去に類例のない実証実験を行えるような特区内での規制緩和を実施する。

過去に類例のない規制緩和という表現が目立つが、規制(例えば、独占禁止法、消費者保護法)は元来、国民生活や経済社会の発展に支障をもたらさないようにするために設けられているのだ、政府が「規制緩和」を言い出すのには裏があると見てかかるのは当然だ。その観点からこの「スーパーシティ構想」を見てみると、「地方自治体での住民自治」の徹底という日本国憲法の根本理念がスッポリ抜け落ちていることに気づく。

スーパーシティの国家戦略特別区域会議の構成要因

スーパーシティの国家戦略特別区域会議の構成要因

スーパーシティには、特区ごとに「国家戦略特別会議」(通称:国家戦略特区統合推進本部)が設けられるが、その構成員は、➀国家戦略特区担当大臣②関係地方公共団体の長③内閣総理大臣が選定した民間事業者④特例として、必要に応じ、関係行政機関の長や区域計画等に関し密接な関係を有する物を加えることが出来るーとなっている。地方自治体の本来の主人である住民を代表する区市町村議会の関与は認められていない。要するに、行政権力側による「ミニ独裁監視国家」が形成されてしまうのである。

たてまえとしては、地方自治体の議会の同意や住民などの意向が十分に踏まえられるように適切な意向確認の方法を選択することになっている。しかし、重要案件でも実際には現実性を考えるとインターネット・サイト(ホームページ)に2週間掲載するだけで重要案件が承認され、重要事案についての基礎自治体の議会での審議・議決や住民投票は想定されていない。要するに、重要案件も「国家戦略特別会議」が勝手に決めてしまうことになるのである。また、これまでの国家戦略特別区に反対意見を持つものが参加したことはない。

これでは、日本国健忘に保障されている地方自治の理念は完全に損なわれてしまう。しかも、スーパーシティの住民は関連民間事業者がGAFAなどの大規模ハイテク企業によって逐次情報を監視され、「いつ、どこで、何を、どうしたか」の記録が全て記録されてしまう。その結果、各特区ごとにビッグデータが蓄積されることになるが、このビッグデータの取扱主体は民間事業者に委ねられる。民間事業者は別会社に情報を売ることも出来るし、該当の地方自治体ではビッグデータにアクセするためには、民間事業者から購入しなければならない。

こうしたスーパーシティと同様の構想としては、カナダのトロントにハイテク地区のSide Walk Labsを建設するという計画が持ち上がったことがある。民間事業者としてはグーグル(Google)の姉妹会社が参入する形で行われた経緯がある。 ところが、2018年10月5日の記事に、サイドウォークの顧問委員会メンバー(顧問)のサアディア・ムザファル氏が、プロジェクトとその背後にいる人々への「深い失望」と「深刻な懸念」を挙げて、顧問を辞任した。具体的には、一連のメンバー会議で「住民のプライバシー」と「知的財産」に関する質問が退けられたためだ。また、Google側と住民の生活に関するビッグデータを得ることになるが、トロント市との共有を拒んだことを挙げた。

このためカナダの自由人権協会が2019年4月16日、カナダとトロント沿岸部再開発事業をめぐり、カナダ政府などを相手取って訴訟を提起した。こうした経緯から、2020年5月7日にグークル側は撤退を表明せざるを得なくなった。

Google側がスマと指定計画から撤退を表明

Google側がスマと指定計画から撤退を表明

日本の個人情報保護法は、IT技術の技術革新が激しく、はるかに立ち後れている。欧州では2018年3月7日の朝日新聞が報道したように、世界一厳しい個人情報保護ルールであるGPDR(一般データ保護規則)が確立された。GPDRでは個人は「データの主体」と位置づけている。つまり、データ本来の持ち主であり、企業は個人の同意なくデータを集めることはできないし、集めたデータも、持ち主が「返して欲しい」と連絡した場合は返すべきだ、といった考え方が根底にある。GPDRと日本の個人情報保護法との違いを、れいわ新選組が分かりやすく示している。

GPDRと日本の個人情報保護法との違い

GPDRと日本の個人情報保護法との違い

機会に判断させてはいけない

機会に判断させてはいけない

ただし、わが国でもスマートフォンが極度に普及しており、アプリ使用の規約(ほとんどは英語で記載)を読むこともない。IT教育の充実と、欧州でのGDPRを日本に適用した新たな個人情報保護法を制定する必要がある。その前提なしに、スーパーシティ構想に突入すれば、必ず「ミニ独裁管理国家」が誕生してしまう。今や、精油や天然ガス、太陽光・風力よりも、GAFAが独占的にビッグデータとして蓄積した情報が、世界最大の資源になつている。

日本国民は、安易にスーパー・シティ構想に騙されるべきではない。日本の国民としては、日本国憲法や日本学術法に完全に違反している日本学樹会議任命拒否問題さえ、まともに答弁ず、論理的に支離滅裂で破綻した政府=菅政権は、厳しく監視しなければならない。