北海道など全国でのコロナ感染受け「GoTo Travel」がやはり「Go To Trouble」になる可能性が濃厚に

北海道、東京都など全国でコロナ感染者が急増していることを受け、「GoTo Travel」が「Go To Truble(コロナ感染者の増加)」になる可能性が濃厚になってきた。「GoTo Travel」はコロナ感染拡大との関連と効果を考慮し廃止も含め、抜本的な見直しが必要だ。

10月10日火曜日コロナ感染状況

本日11月10日火曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では午後15時の速報値で新規感染確認者は1周間前の3日火曜日の209人より84人多い293人(https://www.fnn.jp/articles/-/61484)、東京都独自の基準に基づく重症者は前日比2人減って33人だった。火曜日としては8月4日火曜日の309人、11月7日土曜日の204人に次ぐ過去3番めの多さになった。本格的な冬入りによって過去最多を更新する可能性も否定できない。全国では午後23時59分の時点で1287人の新規確認者、9人の死亡者が確認されている。東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/では、7日移動平均での感染者数は223.7人、PCR検査人数は3978.7人だから、陽性率は5.62%。東京都独自の計算方式でも5.0%。感染経路不明率は56.59%だった。さすがの加藤勝信官房長官も10日午前中の記者会見で、最大限の警戒を呼びかけたが、新たな強化項目としては「遺伝子解析取組強化」を訴えただけで、世界各国ランキングで150位前後のPCR検査数を飛躍的に拡大することは頭の外にある。
米国のメガ・フィーマ(巨大製薬会社)のファイザー社がワクチン開発に成功したと報道され、世界から期待されているが、治験は第3相の第1段階で、コロナを防ぐワクチンであることを証明する論文も出されていないようだ。国債オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長の訪日が11月15日に決まったようだが、ファイザー社のワクチンについても取り上げる必要がある。なお、東京オリンピックの観戦チケットの払い戻しが本日10日から公式サイトで始まった。
東洋ONLINEhttps://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/では11月9日時点の実効再生産数は全国が前日比0.03人増加してと1.25人、東京都では前日比0.05人増加の1.18人だった。悪化傾向が続いている。

本日11月10日の閣議で、感染者が急増している北海道を「GoTo Travel」の対象から外さないことを正式に決定した(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201110/k10012703841000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_010)。

北海道札幌市

北海道札幌市

しかし、北海道は事実上冬に入っており、欧米諸国と同様に感染者が急拡大している。以下の図は北海道新聞のサイトhttps://www.hokkaido-np.co.jp/article/479850による)。10日の北海道でのコロナ感染者6日連続の100人超えの166人、札幌市でも122人、死亡者が2人確認されている。

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こうした北海道、東京都など全国レベルでの感染拡大状況を踏まえれば、「GoTo Travel」の廃止を含む抜本的見直しは避けられない。政府の新型コロナウィルス感染症防止対策分科会(尾身茂会長、従来は独立した専門家会議から格下げされ、政府=菅政権の意向・政策の追認組織になっている)でさえ、「北海道や大阪、愛知などで増加傾向が明らかになった。このままいくと急激な感染拡大に至る可能性が十分ある」https://digital.asahi.com/articles/ASNC96W6VNC9ULBJ00S.html?iref=pc_ss_date)と危機意識を示しているほどだ。もっとも、「GoTo Travel」政策の推進については、政府=菅政権の意向を踏まえているようだ。

政府=菅政権が「GoTo Travel」政策適用対象都道府県を除外するのは、政府が定めたコロナ感染状況のステージによるものと見られる。政府のコロナ感染症対策に掲載しているステージは次の通りである(https://corona.go.jp/news/pdf/jimurenraku_0811.pdf)。このステージを数値で分かりやすく示した図が、や不ー・ニュースに掲載されたその下の図だ(https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200813)。

常識的に見れば、ステージ3の段階で「GoTo Travel」政策は見直し(少なくとも一部の都道府県の除外)をするべきだろう。また、「GoTo Travel」政策の対象になるのは1泊4万円以上の高級ホテルや旅館で、庶民用のビジネス・ホテルや旅館を含む宿泊施設には適用ができないので、観光需要を大幅に掘り起こすには無理があり、効果は限定的だ。また、コロナ第2波の襲来になると、効果はほとんど限定的になる。さて、北海道が公開している一番新しいコロナ感染状況は次のとおりだ(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/ssa/singatakoronahaien.htm)。

北海道のコロナ感染状況

北海道のコロナ感染状況

北海道の人口は2020年1月時点で530万4413人だから、北海道全体で100人が感染すると10万人当たり1.89人の感染者になる。1週間では13.23人だ。直近1週間の感染者数は平均して100人をかなり超えているから、本日の最終統計が公表されるころになると、15人を超えていることは確実だ。しかも、8日段階での陽性率は、瞬間値だが12.8%と政府ランクの第3、4ステージの10%を超えている。本日も同様である可能性は濃厚だ(公表は12日以降になる)。

新型コロナウイルスの感染状況を把握するすうえで、感染者数と陽性率、実効再生産数は最も重要な指標だ。実効再生産数はほとんどの地方自治体が公表できていないが、東洋経済ONLIN(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)が時間をかけて独自に全国と各都道府県の実効再生産数をサイトで公開している。北海道の感染状況を切り出したのが下の図だ。

北海道の実効再生産数の推移

北海道の実効再生産数の推移

このサイトによると、実効再生産数は一度低下したものの再び反転上昇している。しかも、おとといの8日時点では、1.66人と高い。この傾向が続けば、北海道の感染者数は指数関数的に増加する。これでは、ただでさえ疲弊している医療供給体制に重大な問題が出てくるのは必至だ。

実は、「GoTo Travel」を使った北海道への観光客ツアーがコロナに感染していることが報道されている(https://www.yomiuri.co.jp/national/20201023-OYT1T50260/)。政府の御用新聞と揶揄される読売新聞社系列の読売旅行ツアーが企画した北海道観光ツアー(https://www.yomiuri-ryokou.co.jp/notice/policy_corona/)だ。ツアーには添乗員を含めて41人が参加。PCR検査の結果、陽性者が14人、25人が陰性で、残る2人に関しては不明だ。上記のサイトでは、詳細は不明としか言いようがない。ニュースサイトのリテラの投稿記事(https://lite-ra.com/2020/11/post-5695.html?utm_source=onesignal&utm_medium=button&utm_campaign=push)によると、「感染の判明した参加者1人が体調不良を書面で申告していたのを添乗員が見落としていた」(北海道新聞10月22日付)とのことだ。しかし、自己申告をしたほど体調不良なら普通は、ツアーへの参加を取り止めるはずだから、この事案の全貌ははっきりしない。

加藤勝信内閣官房長官は「GoTo Travelが直接関連していたとは聞いていない」の一点張りだったとのことだ。大規模な検査もしないで、「ウィズコロナ」などと叫んでおれば、「感染拡大」と「経済・社会情勢」の悪化が起きてしまい、政府=菅政権も結局、ドナルド・トランプ米国大統領の二の舞になるだろう。さもなければ、日本学術会議会員任命拒否事案に象徴されるように、日本国民の前途には秘密警察を使った全体主義独裁国家の樹立が待ち受けていることになる。

【追記:11月10日午後16時10分:】日本時間の本日午後、米国製薬大手のファイザー社から人体被害がなく効果があるかを調べる第3相の治験の第1段階を通過したワクチンが開発されたとの発表があった。新型コロナウイルスに確実に効く、しかも安全なワクチンであれば良いが、感染症対策の専門家からは、コロナ系のワクチンの早期開発は困難だとの見方がある。世界保健機構(WHO)では、高齢者や持病のある人々への接種を優先するとの公式見解を発表しているが、これに対して朝日デジタル(https://digital.asahi.com/articles/ASNCB36J7NC9UHBI056.html)は、「ファイザーの治験は終了しておらず、結果は専門家の査読を受けた論文として発表されていない。製造や運搬などの課題もあり、(WHO上級顧問の)ブルース・エイルワード氏が「3月までに(ハイリスクの人々に摂取する)」とした根拠は明らかではない」と報道している。