「テロとの戦い」の強調は米軍産複合体とイスラエルの戦略ー国連強化への転換必要

「イスラム国」による日本人二人の人質事件の背後には、戦争がなければ自らを維持していけない米軍産複合体とイスラエル強硬派の謀略がある。これによって、「テロとの戦い」を強調し、戦争を引き起こすことを狙っている。副島隆彦氏の筆頭門下生である「アルルの男・ヒロシ」氏が分析されているので、引用する形で紹介したい。現在の米国、英国=アングロ・サクソン国家とイスラエルは、ユダヤ・キリスト教精神からあまりにも逸脱している。国際連合を強化し、国連による安全保障体制の構築が先決である。安倍晋三首相は、この米英イの世界戦略に深入りしすぎている。ますます、退陣させる必要が出てきた。

以下、「アルルの男・ヒロシ」氏の分析を引用させていただく。

http://blog.livedoor.jp/bilderberg54/archives/42997368.html

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アルルの男・ヒロシです。イスラム国が殺害予告した日本人二人の人質事件について簡潔に分析します。

結論から言えば、このことによって、日本は「イスラム原理主義とのテロとの戦い」という「十字軍」の一員に仕立てあげられるということです。このことが、今通常国会の「安保法制審議」に影響を与える。

私がこの可能性に気づいたのは安倍首相のイスラエル訪問の際になぜか、中東歴訪中の共和党ジョン・マケイン米上院軍事委員長とわざわざ面会しているということに気づいたからだ。マケインは米国でも有数のタカ派、反イスラム原理主義派であり、同時に反ロシア、プーチン派である。要するに軍需産業の代理人だ。

20150121-16【アングロサクソン+イスラエル国家の軍産複合体の頭目・ジョン・マケイン上院軍事委員長】

 (引用開始)

首相、米上院議員と会談…安保協力強化呼びかけ

読売新聞 2015年01月20日 10時38分

 【エルサレム=寺口亮一】安倍首相は19日夕(日本時間20日未明)、イスラエル・エルサレムで、同国を訪れているジョン・マケイン米上院軍事委員長(共和党)ら米上院議員7人の訪問を受けた。

 首相は「戦火を交えた日米両国が戦後、和解して強固な同盟国となった。今後も連携して、地域と世界の平和と繁栄に貢献していきたい」と述べ、日米の安全保障協力強化を呼びかけた。マケイン氏は、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題などの米軍再編を進めることが重要だと強調した。

 上院軍事委員長は、米軍再編予算の決定などに大きな権限を持っている。

(引用終わり) 

マケインのツイッターに面会の写真があった。
http://livedoor.blogimg.jp/bilderberg54/imgs/d/3/d37a72b7.png

 さらに、その前にイスラエルの首相のネタニヤフは安倍首相との会談で、「日本もテロの巻き込まれるおそれがある」と指摘していた。

(引用開始)

ネタニヤフ氏「日本もテロに巻き込まれる恐れ」

読売新聞 2015年01月19日 19時04分

【エルサレム=寺口亮一】安倍首相は18日午後(日本時間19日未明)、イスラエル・エルサレムで同国のネタニヤフ首相と会談した。

両首相は、ユダヤ人の犠牲者も出たフランスの連続銃撃テロ事件を厳しく非難した上で、テロ対策で連携を強化する方針で一致した。安倍首相は、イスラエルとパレスチナによる中東和平交渉の早期再開をネタニヤフ氏に呼びかけた。

安倍首相は「卑劣なテロは、いかなる理由でも許されない。国際社会と緊密に協力し、テロとの戦いに引き続き取り組む」と表明した。ネタニヤフ氏は「世界的にテロの動きに直面している。日本も巻き込まれる可能性があり、注意しなければいけない」と述べた。

(引用終わり)

そして、イスラエル首相の発言の二日後に日本がテロに巻き込まれていることがわかったわけである。偶然にしては出来過ぎである。安倍首相がこれまで発言していた「積極的平和主義」というものの責任をみずから取らされることになった。

イスラム国が人質殺害予告ビデオを公開したタイミングが重要である。この演説は明らかに安部晋三首相の中東歴訪開始後に作成されている。撮影場所がスタジオであるか、実際のシリアの砂漠であるかはどうでもよい。「2億ドルのイスラム国対策支援」をあげていることからも分かる。

実は人質の一人であるジャーナリストの後藤健二氏の家族には事前にイスラム国側からのコンタクトがあって、身代金が要求されていたようだ。次世代の党の田母神俊雄元航空幕僚長らと親しい湯川遥菜氏のところに来ていたかどうかはわからない。

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日本政府はこの身代金要求の情報を当然掴んでいたはずだ。しかし、何もしなかったのだろう。その一方で、中東歴訪のメインにイスラエルとの投資協定、軍事協力を据えた。これではイスラム原理主義者にケンカを売っているようなものである。「テロに屈するな」というバカバカしいお題目を唱える前に、菅義偉官房長官を始めとする安倍政権の閣僚たちは、「イスラエルのリクード政権と連携する」ということの意味をもっと深く考慮して、外交政策を立案すべきだった。むろん、確信犯だった可能性もあるし、私はそうじゃないかとも疑っている。

「イスラエルと連携しておけば、サイバーテロ対策やインテリジェンスの部分で日本に必要な情報が手に入る」と事情通の軍事アナリストなどは言うのだろうが、同時に日本がこれまで培ってきた、イスラエルにもアラブにも加担しない(ある意味ではアラブ寄り)の外交政策を放棄することに繋がるのである。こういう基本的なことを理解していないで、日本のNSCが外交政策を立案していたのであれば愚かであるし、知っていてイスラエルとの関係強化を図っていたのだとすれば、日本の政府内部に「イスラエル・ロビー」が深く浸透していると見なければならない。

私の分析を述べる。安部晋三がイスラエルと組んで日本を「テロとの戦い」に参加させようとしていたかは未だ分からない。安倍は騙されただけかもしれないが、日本をイスラエルの準同盟国にしようとする動きは水面下で進んでいた。

今回の中東歴訪で安倍首相がやろうとしていたことは、イスラエルとの投資協定である。これがもっとも重要なアジェンダだった。

(引用開始)

投資協定の年内締結で一致 日イスラエル首脳会談

日経新聞 2015/1/19 21:08 (2015/1/20 0:14更新)

【エルサレム=坂口幸裕】安倍晋三首相は19日、イスラエル首相府でネタニヤフ首相と会談した。両首相は自由貿易協定(FTA)の締結を視野に、投資協定の年内締結を目指すことで一致した。イスラエルの企業が日本での経済活動を拡大させるため、東京に続いて新たに大阪に貿易事務所を開設すると申し合わせた。

ネタニヤフ首相は投資協定について「今年末までに締結することをターゲットとしよう」と提案。安倍首相も「今年中の妥結を目標として頑張ろう」と応じ、両首脳から担当者に協議を加速するよう指示する方針を確認した。

投資協定を結ぶと、相手国に進出した企業が現地企業並みの待遇を受けられたりするなどの利点がある。投資財産の保護や規制ルールなどが明確になるため、企業が投資しやすくなる。

今回、安倍首相には大手電機や食品メーカーなど30社近くが同行するなど、イスラエルへの日本企業の関心は高まっている。同国にはソフトウエアやサイバーセキュリティー、医療などで世界最先端の技術を持つ企業がある。

安倍首相は19日、ネタニヤフ首相との共同記者発表で「経済界同士の相互交流の活発化など両国経済関係の進展を期待する」と述べた。

ネタニヤフ首相は18日の安倍首相との少人数会談でも「投資協定やFTA締結に向けて動きを進めたい」と提唱した。安倍首相は「投資協定を含めてFTAに関しては各国と積極的に進める立場だ」と応じた。

イスラエル政府は4日、日本との経済協力関係を強化する計画を閣議決定した。今後3年間で数十億円規模の投資で集中的に連携を進め、2017年までに日本からの観光客を45%増やす目標も打ち出した。

イスラエル中央統計局によると、13年の日本からの輸入額は11億1千万ドル(1302億円)で自動車や電気機器、化学品が多い。イスラエルから日本への輸出額は7億2千万ドル(844億円)で工学・医療機器や機械・電子機器などが上位を占める。同国の人口は818万人(14年5月時点)だが、1人あたり国内総生産(GDP)は日本と同規模で経済は好調だ。

(引用終わり)

イスラエルとの投資協定を結ぶということは、イスラエルの電子機器などの軍事転用可能な製品を共同研究するということでもある。ここで日米イスラエルの軍需産業が連携しているという構図になってしまう。アラブ諸国はそのように見るはずだ。

http://livedoor.blogimg.jp/bilderberg54/imgs/2/9/293e3664.jpg

日本がイスラエルと連携する理由は何もない。日本にとって中東諸国が重要なのは、中東の資源を日本が輸入し、日本の電力プラントを中東諸国に輸出することにある。UAEのような諸国との連携を深めることは重要でも、いま、ガザ侵攻やパレスチナ国家樹立に反対するイスラエルと連携する理由はない。