生活の党・小沢一郎代表が「野党」民主党に檄文

生活の党の小沢一郎代表が10月2日、事実上民主党に対して「猫(政権)を捕らないネズミ(「野党」)になるな」と檄文を飛ばした。これは、日本共産党の「国民連合構想」に反対する民主党の悪徳十人組=連合赤軍派に対する厳しい批判である。彼らの「お陰」で今の日本はさんざんな目に遭っている。

ただし、彼らは対米隷属の新自由主義を根幹に置く松下政経塾出身の「政治屋」であり、また民主党の中にはあの日本会議に名を連ねているものもいる。彼らが、自公独裁連立政権を陰で支えている同連立政権のスパイである。悪徳十人衆は、藤井裕久氏、渡部恒三氏、仙谷由人氏、菅直人氏、岡田克也氏、野田佳彦氏、前原誠司氏、枝野幸男氏、安住淳氏、玄葉光一郎氏。これに加えて、ジャパン・ハンドラーズのマイケル・グリーンやリチャード・アーミテージの指令の下に活動している長島昭久氏も危険人物である。

小沢一郎代表の「檄文」を引用させいただく。

−−転載開始−−

政権交代こそ野党連携の最大の目的(談話)

代表 小沢一郎
違憲立法を許すならば戦前の昭和史を繰り返すことになる

第189回国会は9月27日に閉会しました。安倍政権は、戦後最長の会期延長を行い、安保関連法を数の力で強引に成立させました。今後、日本は時の政府の判断で憲法の前文や第9条にある平和主義、国際協調という基本理念を全く無視して、海外のどのような紛争にも無原則に自衛隊を派遣できるようになります。

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為政者が国民を蔑ろにして勝手にことを起こそうとする時は、常に似たような言葉を使って国民をごまかそうとします。安倍首相は「外国にいる邦人を救出する」、「ホルムズ海峡に機雷が撒かれて海峡が封鎖されると日本は存立危機事態に陥る」などと説明しました。

これは戦前の大本営発表で使われた言葉と全く同じです。「邦人の生命を守る」、「満蒙は大日本帝国の生命線だ」・・・。そして日本は戦争に突入していったわけですが、安倍内閣は正にそれと同じような言葉を使って国民を欺いています。このような考え方に基づく、今回の違憲立法がまかり通れば、また戦前の昭和史と同じことを繰り返しかねません。

日本だけでなく古今東西の歴史が示す通り、一強支配体制は政治から健全な競争をなくし、国民不在の政治をもたらし、その結果として、国民を不幸に陥れてきました。安倍政権は、今またその道へと突き進み、国民の命と生活を脅かしています。

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国民の多くは自公に代わる政権の受け皿を求めている

こうした事態を避けるためのシステムが民主主義です。本来の議会制民主主義では、与党が国民と約束したことと全く違う政治を行えば、いつでも政権が交代するという緊張感こそが良い政治をもたらします。それが小選挙区制の利点であり、民主主義を機能させる方法です。ところが現在、自公に代る政権の受け皿がありません。政権交代を現実のものとするためには、何としても野党が連携していくことが不可欠です。

2014年総選挙で自民党が勝ったとはいえ、得票数が増えたわけではありません。また、投票率をみると、戦後最低だった2012年の総選挙をさらに7ポイントほど下回り戦後最低を更新しました。これは国民の皆さんが自公政権にさまざまな面で不満はあるものの、それに変わる投票先がないという忸怩たる思いの表れだと思います。

つまり、多くの国民の皆さんは依然として、もう一度、日本を立て直すことをきちんとやれる政権の誕生を望んでいます。そして、野党各党も政権獲得のために連携していかなければならないという認識を強くしているように思います。政権交代が実現するかどうかは、野党の協力次第だと思います。

政権交代を目指さない野党連携は単なる子どもの遊び

野党再編の最大の目的は次の総選挙で政権を取ることにあります。国民との約束を果たすには、政権を担わなければ実現できないからです。この前提を抜きにして、何を言っても始まりません。政権獲得を目指さない政党の離合集散は、単なる子どもの遊びになってしまいます。

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しかし、野党が政権を取るためには、各党がそれぞれ独自の候補者を立てて選挙を戦ったのでは、小選挙区制の下では自民党に勝ちようがありません。最近の国政選挙の結果を見れば明らかです。来たる参議院選挙、衆議院総選挙では、各選挙区で野党が候補者調整を行って統一候補を出し、自公と対決する形に持っていく必要があります。

その意味で日本共産党が戦後一貫した選挙方針を大転換し、「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」で一致する野党との選挙協力を提案したことは、野党共闘に向けた大きな弾みとなり、この決断を私たちは高く評価しています。

それでは野党連携のための最善の策は何か。各党が解党して一つの党をつくることだと思います。しかし、現実的になかなかそこまでいかない部分もあります。では次善の策をどうするか。それが今日の我々の最大の課題です。

政権交代の鍵は「オリーブの木構想」

私は、野党は次の参院選を統一名簿による選挙、つまり「オリーブの木構想」で戦うべきだと思います。これは単なる選挙協力や選挙区調整と考え方が根本的に違います。「オリーブの木構想」は、選挙時の届け出政党を既存の政党とは別に一つつくり、そこに各党の候補者が個人として参加するというものです。

その際、候補者は所属政党を離党することも既存の政党を解党する必要もありません。選挙区調整では自党の候補者が選挙区から出ていないと、どうしても自党の比例区の応援に力が入ってしまい本当の野党結集にはなりません。しかし「オリーブの木構想」なら、選挙区も比例区も一緒に戦うわけですから、本当の力の結集になります。

野党連携の政治的な旗印は、「非自公」、「反安保法」など主要政策の一致で良いと思います。政策論議で細かいところまで詰めて一致させる必要はありません。国会の場でも、党議拘束を外せば同じ政党内でも各議員の考えで賛否の意思表示をすることができます。同じように、野党連携も国民にとって重要ないくつかの問題を共有できればそれで十分です。

野党の本気度が伝われば国民は必ず応えてくれる

来年の参院選をこの方法で戦えば1人区はほぼすべて勝利し、比例区と合わせてかなりの議席を取ることができるはずです。そうなれば自民党も先の国会のような乱暴なことができなくなります。

その野党連携実現で肝になるのが、各議員の「自分を捨てる」、「自分を殺す」という利他の精神です。そういう中で連携の輪が広がり、大事ができるようになります。「オレがオレが」と主張していては大事を成就できません。

大事とは何か。それは「国民のためにより良い政治を我々が行わなければならない」という使命と責任感。このことを常に肝に銘じて個人的な感情を捨て大義につく。極めて常識的なことですが、こうした認識を共有できれば、野党連携は必ず実現できます。

野党はそのくらいの気概をもって参院選に臨み、次の総選挙で政権を取る道筋を国民に示すべきです。次の総選挙できちんと野党が連携できれば、政権交代はすぐにでも実現可能だと思います。野党が本気でやる心意気と勇気をもって政権交代に立ち向かう姿勢を示せば、必ず国民の信頼を得ることができ、道は拓かれていくと確信しています。

−−転載終わり−−

こうした小沢代表の強いメッセージに聞く耳を持たないのが、上に掲げた11人衆である。来年夏に行われる参院選で野党連合が勝利しなければ、日本は擬似的にせよ続いてきた立憲法治民主主義国家の体制が完膚なきまでに崩壊するが、この危機意識を持たずに政治屋として自公独裁政権を陰で支えることに徹しているのが、これら11人衆である。

ただし、民主、維新両党の中には隠れ小沢派が多数存在するのも確かである。また、2012年の師走総選挙で小沢派の議員が多数、落選した。サイト管理者の私見では、これら現職、前職、元職の小沢派議員を「オリーブの木」構想および日本共産党の「国民連合政府」構想に基づき、①戦争法の廃止と7・1閣議決定の無効化②反環太平洋連携協定(TPP)③格差是正④反原発・新エネルギー開発ーといった政策で糾合、物心両面から支援するとともに、民主・維新の中の中間派(動揺派)に働きかけて真の野党大規模統一戦線を形成すべきと考える。

このため、元衆院議員の辻恵氏や国内随一の政経アナリスト・植草一秀氏らが取りまとめている「オールジャパン平和と共生」運動を日本共産党の「国民連合政権」構想と連携させながら、自公独裁政権に代わり得る真の野党統一戦線を形成すべきである。

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【※オリーブの木構想】(Wikipediaによる)

イタリアの1994年の第12回総選挙で勝利した中道右派連合は、シルヴィオ・ベルルスコーニを首相に政権運営を担ったが、ベルルスコーニの汚職疑惑によりわずか1年で崩壊した。第12回総選挙を政党連合「進歩主義者」で臨んだものの敗北した中道左派連合は、ベルルスコーニ政権総辞職後に発足したランベルト・ディーニ率いる非政治家内閣を信任、政権への影響力を持つ一方で次期総選挙に向けて中道勢力との連携が課題であった。

ディーニ内閣が上下両院で承認された翌日、経済学者のロマーノ・プローディは中道左派勢力を結集する市民運動を開始することを表明、シンボルを「オリーブの木」とした。運動名を「オリーブの木」にした理由は、「平和の象徴で、丈夫で実がなる」ことからである。

プローディの「オリーブの木」構想に賛同したのは野党第一党の左翼民主党(PdS)で、書記長のマッシモ・ダレマは「オリーブの木」への参加を表明、前回選挙を「進歩主義者」で戦った各党も参画した。しかし左派の共産主義再建党(PRC)はプローディが旧与党勢力のキリスト教民主主義(DC)出身でDC政権において閣僚経験があることから警戒し、参加を見合わせたものの選挙協力には同意した。

「オリーブの木」は旧イタリア共産党系のPdSが中核であるものの、プローディを首相候補にしたことから共産主義の色彩を抑えることに成功した。1996年の第13回総選挙ではベルルスコーニ率いる右派連合を抑え、議会最大勢力に躍進した。

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なお、もともとの共産主義は「高度に発達した資本主義経済社会」で成り立つと予想していたものであるが、ロシア帝政時代のメンシェヴィキ党員・ヴェラ・ザ・スーリッチがカール・マルクスとの書簡のやり取りで、「ロシアでの共産主義革命は可能か」と問うたのに対して、「ロシアのような農村共同体が根幹をなす(後進)国では不可能」と回答。彼女は1917年10月革命には反対し、翌年1918年5月8日に逝去した。レーニン、スターリンが無理して「共産主義革命」なるものを遂行した結果、マルクスの予想通りソ連は内部崩壊した。中国もまた「赤い資本主義」となっているのか。「共産主義とは何なのか」をもう一度、ドイツの碩学マックス・ウェーバー、英国の経済学者ジョン・メイナード・ケインズなどにより根本から問いなおす必要がある。

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なお、「オリーブ」は旧約聖書の「ノアの箱舟」で大洪水の後、「幸せ」を呼ぶ鳩ともに登場する。

 

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