景気悪化を示す経済指標が次々と出始めている。2015年11月12日、内閣府が発表した今年7ー9月期の設備投資の先行指標である船舶・電力を除く季節調整済みの機械受注統計は前期比10・0%減と5・四半期ぶりのマイナスに転じた。下げ幅の大きいこと甚だしく、あのリーマン・ショック直後の09年1ー3月期の前期比11・4%以来下げ幅となった。

黒岩日銀が戦力の「逐次投入はしない」と大見得を切って無茶苦茶な量的金融緩和=国債の買い取りを行い、円安・株安に誘導したものの、経済の二大エンジンの一翼である設備投資は今、無残な状態に陥っている。一方の主力エンジンである民間消費だが、総務省が発表した9月の家計調査では二人以上の世帯の実質消費は前年同月比0・4%減、季節調整値で前期比1・3%減少だ。

household01

※クリックすると大きくなります。

今、消費の現場では意図せざる在庫、経済用語は難解だか要するに売れ残りが劇的に積み上がっていて、ニッチもサッチも行かなくなっている。これは、日本国の家計の収入・所得(必要経費を覗いた文が所得)が冷え込んだままだからだ。秋以降、経済の二大エンジンである設備投資と民間最終消費の大幅な萎縮が明らかになっており、きたる11月16日の国内総生産統計(GDP)は、大幅マイナスが見込まれている。なお、円安誘導の売国政策のため、ドル換算でみればGDPも企業利益も、目も当てられない状況であることは明らか。

日刊ゲンダイが11月12日号に危険な経済統計数字を下記のようにまとめている。
statistic02

秋以降鮮明になった中国経済の落ち込みを主因にする向きが多いが、基本的にはアベノミクス(アベクロノクス)に何の効果もなかったということである。物価上昇率目標の達成もどんどん先送りされていく。岩田規久男副総裁は目標が達成されなければ「辞める」と言ったのに、いすわりつくこと甚だしい。大阪維新の会の橋下徹代表?と同様だ。米国の指示で中国と敵対・戦争しても何も益することはない。中国との経済関係を深める中で、中国の民主化と透明な市場経済の有り様についてアドバイスするのが、日本国および韓国の使命だ。

安倍晋三政権は「第一次?アベノミクス」の総括もしないで、「第二次?アベノミクス」を打ち出し、「一億層活躍社会」などと称して戦時体制に向けた「一億総動員」体制をしこうとしている。日本国民をこれほど舐めきった「政権」はなかった。

 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう