財務省、「森友文書」書き換え明日公表ー安倍内閣総辞職が狙い

東京新聞など報道機関が11日明らかにしたところによると財務省は明日12日、2月2日に朝日新聞がスクープした、同省によるいわゆる「森友文書」の書き換えが事実であったことを公表する。一般的には、麻生太郎財務大臣の更迭で「一見落着」にする筋書きが予想されているが、同省の狙いとしては阿部晋三内閣総辞職にあると見るのが妥当であろう。

「森友文書」とは、「右翼」養成学校である森友学園への財務省理財局管理の国有地売却の際に、財務省近畿財務局が作成した2015年の貸し付け契約と2016年の売却契約に関する財務省の決済文書。朝日新聞によると、これらの文書は当初、「特例的な内容になる」「本件の特殊性」「価格提示を行う」などの重要な文言が記載され、その上で、財務省理財局が承認、決済したもの。

しかし、その後の調べで事実上、時価10億円の国有地が200万円で売却され、国民の貴重な財産がタダ同然で右翼系の学校である森友学園に売却され、しかも、その指示は同学園の前理事長を「尊敬していた」安倍晋三首相と同学園の名誉校長であった安倍首相の妻・安倍昭恵氏が関与して出されたものであることが濃厚になってきた。

このため、野党の国会議員らがこれら「森友文書」の開示を迫り、財務省はやむなく同文書を国会に開示したが、佐川宣寿(のぶひさ)理財局長(当時、その後国会での嘘の答弁が安倍内閣を守ったと評価され国税庁長官に栄転したが、朝日のスクープと近畿財務局の交渉当事者の部下の「自殺」で「自主的に」同長官を辞任)の嘘の答弁に合わせるため、「特例的な内容になる」「本件の特殊性」「価格提示を行う」などの重要な部分を削除し、改ざんした。

決済を受けた当時の「森友文書」は、朝日が恐らく財務省から入手し、保管していると見られる。このため、近畿財務局の当事者を証拠隠滅のため闇に葬ったとしても、本来の「森友文書」は必ず明らかになる。財務省理財局の一連の書き換えは、少なくとも「虚偽公文書作成罪」に問われ、実際に公文書を書き換えた近畿財務局の担当者だけでなく、指示をした上司や了承した理財局の幹部も刑法上の罪に問われる。書き換えを指示した「上司」は当然、理財局と財務省近畿財務局の幹部だが、それらの幹部に事実上の指示を行ったのは阿部首相夫妻であると見られる。

ご存知財務省

つまり、東京地検特捜部と大阪地検特捜部が本格的に安倍首相夫妻の任意徴収や家宅捜査を行えば、森友事件の本当の原因が安倍首相夫妻であったことが判明する公算が極めて大きい。安倍首相は昨年2017年2月の国会で「私や妻が関係していたなら、首相や国会議員も辞める」と大見得を切った答弁を行ったことから、疑惑の核心が安倍首相夫妻であったことが明らかになれば、麻生財務大臣の辞任どころではなく、安倍内閣総辞職にまで発展せざるを得ない。

財務省の幹部と見られる人物が本物の「森友文書」を朝日に持ち込んだ真の狙いはそこにあると見られる。このため、麻生財務大臣兼副首相の辞任どころで「一見落着」にすることは不可能だ。財務省としては疑惑の根本に迫ることができるような公表の仕方をするであろうし、森友疑惑の根本的原因について、野党も徹底的に追及するはずだ。

なお、野党は日本国憲法「第53条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」に従って、森友・加計疑惑解明のための臨時国会の開催を要求してきた。しかし、安倍首相は双方の疑惑を隠すため、招集した臨時国会の冒頭で、野党側に質問の時間を与えず衆議院を解散するという「議会制民主主義」を破壊する暴挙に出た。

なお、これと関連して言えば、自民党憲法調査会は日本国憲法改悪の最大の論点として、基本的人権を踏みにじり、国会を無視する「非常事態項目」を追加することを決めた。これは、ドイツはナチスの「全権委任法」以上のものである。全権委任法の内容を日本国憲法に追加するためである。

今週が最大の山場である。安倍首相が良心というものの保持者なら、いさぎよく自己の罪を認め、権力の私物化が再現されることのないよう、日本国および国民のために内閣総辞職を断行するとともに、阿部夫妻揃って虚偽公文書作成罪の罪を償う必要がある。

 

 

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