(1)国防費の推移

安倍晋三第二次政権移行後、急激に増えている「国防費」

米国の言い値で豆腐を買うように「最新鋭」の戦闘機やイージス・アショアなどを購入。安倍政権の下、日本は同国の軍事産業の最終処分場になっている。国防費の急増は、中国と北朝鮮への対抗のためとの「名分」だ。しかし、米中貿易戦争ではG20の米中首脳会談で中国の対米輸出3000億ドルに対する制裁関税発動を一時凍結し、中国の大手IT企業華為(ファーウェイ)に対しても米国産業の要請により同企業への輸出を認めざるを得なかつた。

今や、購買力平価で計った国内総生産(GDP)では中国がトップ、ITを中心に先端産業でも中国は米国を激しく追い上げている。トランプ政権の対中輸出規制は米国産業の不評を買っており、対中輸入品の関税率の引き上げは、同国に輸入インフレからスタグフレーションを引き起こし、同国経済を壊滅させる。仏教では「相依相関性の絶対性」、つまり、地球社会は「共存共栄」が絶対原則であり、これから外れると「祇園精舎の鐘」がなる。「米国ファースト」という「理念」が宇宙と人類歴史の原理原則から離れている。だから、トランプ大統領は「五分五分では駄目だ。米国の利益が(大幅に)勝らなければならない」などと強気を吐いているが、白旗を挙げるのは米国だ。

ただし、中国も一党独裁制を止揚しなければ、経済社会の真の発展はない。この意味でも、軍事産業の強化は最終的には同国の発展を阻害する。また、トランプ大統領が軍事境界線(38度線)を越えて金正恩総書記に会うなど、次期大統領戦もあり、米朝関係には新しい歴史が始まりつつある。トランプ大統領は機を見るに敏であり、政策転換が早い。ということで、新しい歴史的な世紀を迎えつつある今日、古色蒼然たるウルトラ右翼の日本会議に引きずられるがままに、国防費を急増させるなどのことはアナクロニズム(時代錯誤)以外の何物でもない。今は、国防費の増加よりも経済社会の確固たる成長戦略を立て、増収分を特別会計とともに年金など社会保障費の増加に充てるべきである。

(2)7・21参院選の議席数について

参院定数を6増する公職選挙法改正で今回の改選数は124議席、選挙後の定数は245議席となる。与党が掲げる改選過半数は63議席だが、首相は勝敗ラインについて「与党で非改選も含めた過半数」と苦戦を予想しており、自民、公明両党で非改選の70議席を加えて53議席を確保、参院で過半数を獲得することを最低限の目標に設定している。

自民党の改選議席数は66、公明党の改選議席数は11で合計77議席。野党が自公の改選議席の過半数である63議席割れに追い込むには、消費税増税強行・年金大逆風(にしなければならない)を考慮すれば、可能性は小さくない。しかし、自公両党を77議席から53議席未満に大敗退させ、参院全体を過半数割れに追い込むには「無党派層」「無関心層」の大層が投票を放棄しないことに加え、右翼化が懸念されている若年層の心の琴線に訴えることが不可欠だ。また、国民もマスコミの誘導報道に惑わされることなく、自分の胸に手を当てて、投票することが大切である。

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