れいわ新選組、消費税減税を旗印に安倍内閣打倒へ

れいわ新選組は消費税率5%の消費税減税を旗印に、安倍内閣打倒に向けて動き出した。朝日デジタルも2月8日午前7時30分に同党の山本太郎代表の動きを特集、サイトに掲載している。

れいわ新選組は今年1月30日、2020年度の活動方針を発表した。同党のサイトに公開された活動方針を見てみると、次期解散・総選挙への取り組みとして次の内容を公開している。

(A)野党と共闘し、選挙に挑む。ただし、「消費税を5%に減税」という共通政策が結べた場合に限る。誰にでも自分ごととして引き寄せられる消費税を旗印に、野党が政権を取れば、「消費税は5%に減税」というパワーワードで塊になり、政権交代を目指す。

(B)「消費税5%へ減税」の旗が立たない場合。れいわ新選組は「消費税は廃止」で、独自の戦いを進める。独自とは?れいわ新選組は、100人から131人の候補者擁立を目指す。ただし、候補者の擁立には、多額の供託金や選挙資金がかかる。そのため、参議院選の時と同じく、集まった寄附がどれくらいになるか、によって挑戦できるレベル(擁立数)は変わる。

山本代表は昨年夏の参議院選挙全国区で最多の99万票を取りながら、落選した。これは、優先的に当選できる「特定枠」に重度障害者2人を上位1位と2位に置き、自分自身は3番手に回ったからだ。ただし、それによる「落選」は想定の範囲内だったと思われる。全国遊説を念頭に置いていたと思われる。

全国遊説行脚の中、自られいわ新選組のポスター貼りを行う山本太郎代表

通常国会では、「野党」と称する立憲、国民を中心に桜を見る会の公職選挙法違反の疑惑(公職選挙法違反の有権者に対する利益供与の疑いがほぼ確実。東京地検特捜部が捜査に乗り出さないだけのこと)やカジノを含む統合型リゾート事業(IR)をめぐる中国企業から自民党国会議員4人、自民党の別働隊とも言われる日本維新の会国会議員1人の合計5人の国会議員に対する贈収賄事件(ただし、金額が少ないとしてこれも東京地検特捜部は刑事責任を問わない方針との報道が流れている)などで揺れている。

しかし、公職選挙法違反や政治資金規正法違反をめぐる疑惑の追及は政治倫理を正す上で重要ではあるが、国会や国会議員の本来の仕事ではない。国家国民の安全を守り、経済社会の安定、国民一人ひとりの幸せを最大化するための政策を論じることが本来の仕事である。しかも、野党と称する政党が予算委員会を中心にいくら疑惑を追及しても、安倍晋三内閣はReaderとなり詭弁で誤魔化す。

また、日本の司法・検察システムは日本国憲法「第六条【天皇の任命権】1 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。2 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する」ことになっており、実質的には内閣が任命する。内閣総理大臣(首相)は内閣を構成する国務大臣を罷免することができるから、最高裁長官の実質的な任命権は行政府の長である内閣総理大臣が持っていることになる。また、79条の規定「最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する」に基づき内閣が任命する。つまり、最高裁判所長官は,内閣の指名に基づいて天皇によって任命される。また,14人の最高裁判所判事は,内閣によって任命され,天皇の認証を受ける=認証官=ことになっている。

そのうえで、第八十条「【下級裁判所の裁判官】1 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる」。こうし日本の裁判制度の構成が決められることから実質的には、日本の裁判所は行政府の下にあると言わざるを得ない。その前後に、陰で暗躍する組織が最高裁判所事務総局である。

こうした裁判所制度と検察庁にも内閣が人事介入を行う(例えば、安倍政権は1月31日に東京高等検察庁の黒川弘務検事長=今年2月8日で満63歳、この日で定年退職するはずだった=の任期を半年延長した。これで、検事総長だけが定年は65歳になっているため、安倍政権は同政権に近いとされる黒川氏を検事総長に就任させる道を開いた)から、東京地検特捜部など検察庁が国民の期待に応える捜査や立件をしなければ、国会での追及は実質的な結果を伴わない。無罪放免になるからだ。無論、国会の各種委員会での政治屋の不法行為の追及は必要ではあるが、そうした政治屋の腐敗堕落の根源であり、小泉純一郎政権から強化された自由放任主義に基づく政策の根本的な誤りと弊害をこそ、追及し、代案を国会での論戦を通して国民の前に明らかにすることが、本来の国会での真性野党国会議員の国民から付託された仕事であり、任務である。

新自由放任主義政策のあやまりを一部挙げると、➀財政金融政策の誤りによるデフレ脱却からの失敗②社会保障と税制度の一体的改革、要するに大幅消費税増税継続路の継続③応能原則に基づいた税制の抜本改革への不作為③2019年9月2日に発表された2018年度の内部留保=企業が生み出した利益から税金や配当、役員報酬などの社外流出分を差し引いた残余金で、社内に蓄積されたおカネ=金融業・保険業を除く全産業ベースで、17年度と比べて3.7%増の463兆1308億円=の膨大さと大格差社会の出現という日本の経済社会の大崩壊④公的企業の「民営化」による利権の不当供与(郵政民営化の家庭で生じたかんぽの宿の不当売却など)③「民にできることは民にゆだねる」とのキャッチフレーズから始まった利権政治の跋扈や利権支出の増大化-などである。

山本代表のれいわ新選組は従来の新自由放任主義(付け加えると、旧日米安保条約以来の日本の対米従属化外交政策)を抜本的に転換する政策を持ちああせており、政権奪取によってその政策を実現する意思のある日本では唯一の真性野党と言って良い。日本共産党も「民主主義革命により、よりましな資本主義社会を実現する」と公約をしており、れいわと共闘する意思を持った政党ではあるが、いまだなお史的唯物論や資本論(生産手段の私的所有を根本原則とする資本主義社会は歴史の必然によって崩壊し、暴力革命または何らかの革命によって生産手段を社会化すれば理想の経済社会が実現する=それには、日本国憲法の「改正」が必要である=というのが結論であるが、資本論や史的唯物論には批判が絶えず、生産手段の社会化が何を意味するかも不明)に呪縛されており、これが国民政党として脱皮できない根本的な原因である。

れいわは現政権の政策思想を根本から転換しようとする、日本では唯一の野党である。安倍政権の政策を支持する御用組合である日本労働組合総連合会(連合)の言いなりになる国民民主や立憲民主は、真の野党にはなれない。これが、れいわ新選組が2020年の解散・総選挙に向けた(A案)(B案)の双方を提示した理由である。連合から脱却できない立憲や国民は、真性の野党議員を除いて自公に移るか、自公と共闘するのが筋である。

次の総選挙は、新自由放任主義対反新自由放任主義の構図で行うべきである。そうなれば、疲弊に喘ぎながらも政治に期待を失った国民の政治に対する関心を呼び起こし、投票率が上がることが大きく予想される。こうしたれいわの総選挙への取り組みに対して、朝日デジタルは、「『他党の擁立状況にコメントする立場にはない』。立憲の枝野氏は31日の会見でそう平静を装った。だが、立憲幹部は『れいわはけんかを売っているようなものだ。最後は自民党に寄っていくのではないか』と憤りを隠さない。共産党の小池晃書記局長は『冷静に見守りたい。れいわも野党共闘は否定していないと理解している』と語った」と伝えている。

これが本当なら、小池書記長の談話はその意味するところを考慮する必要があるが、立憲側のコメントは醜い。まず、枝野代表のコメントは、選挙で多数派になることが狙いであることを意味している。同代表は別のメディアで、れいわが消費税の税率5%の引き下げを公約していることについて、「他党の政策にはコメントしない」などと語っているが、それでは政策転換が政権奪取の目標ではなく、政権奪取が目標にしかなっていないことを意味する。政策での共闘を行い、政権奪取によってその政策の実現を図っていくのが、真の野党共闘の目的ではないのか。

また、立憲幹部のコメントは呆れてものが言えない。福山哲郎幹事長か安住淳国対委員長の可能性もあるが立憲自身がそうしたら良いし、現に2月2日に投開票された京都市長選挙では自公に擦り寄り、現職で自公推薦の門川大作候補(現京都市長)を勝たせた。小池百合子党首の希望の党と民進党が合流する時、排除された民進党議員がリベラル色の濃い立憲を結成し、総選挙で日本共産党の支援を得て野党第一党になったが、その後の立憲、特に枝野代表は国民の期待を裏切り続けており、その結果として党勢の低迷が続いている。

次回の総選挙はオリンピック、パラリンピック後だとの説が有力であるが、降って湧いたような新型コロナウィルス型肺炎への対応が極めてまずい。植草一秀氏がメールマガジン第2550号で指摘するように、横浜に帰港したクルーズ船の乗員、乗客3600人の入国を認めない。新型コロナウィルス型肺炎に感染しているかどうかはまず、全員に対して検体検査=PCR検査を行い、陰性の結果が出た乗員・乗客はいったん入国させ、経過を観察し、陽性の結果が出た乗員・乗客は適切な病院などに隔離して、措置すべきというのが本来のあり方だろう。全員入国禁止というのでは、乗員の負担と不安が多きすぎる。また、乗客のストレスも相当なものになる。

新型コロナウィルスは武漢市で発生したと見られているが、Googleで検索した2月10日のNHKによると、「武漢のある湖北省では、重体となっている患者が1200人以上いて、深刻な状況が続いています。中国の保健当局、国家衛生健康委員会は、新型のコロナウイルスの感染が確認された患者の数が、9日さらに3000人以上増え、4万171人に達したと発表しました」という。

武漢に滞在したことのない外国人が新型コロナウィルスに罹患していることも確認されていることから、米国では、➀同国 到着前14日間に中国に滞在した外国人の入国を拒否②中国本土の武漢市・湖北省以外の地域を訪ねた米国民は指定された11の空港でスクリーニングを受け、14日間自宅観察をする③ 武漢市・湖北省を訪ねた米国民は、入国後、潜伏期間の14日間強制隔離する-などの強制隔離対策を講じている。これに比べても安倍政権の新型コロナウィルス対策は場当たり的で、一貫性がない。こういう状況では、感染力が強く、ワクチンが開発されていない新型コロナウィルス罹患患者の広範な日本国内での広がりを阻止することはまず、無理だ。

内閣府が2月7日に発表した昨年12月の景気動向指数速報値は、景気の現状を示す一致指数(CI)が前月比横ばいの94.7だった。前年同期比では7.3%の減少で、リーマン危機期以来の下落率になってい
る。指数から自動的に決定される景気の基調判断は5ヵ月連続で「悪化」となった。原因は、10月からの消費税増とそれに関連した実質賃金のさらなる低下であるが、これに新型コロナウィルスへの感染による被害が加わる。安倍首相が自慢していた日本への観光客の増加は、主な観光客の母国である中国、韓国から激減している。全国各地の観光業界は悲鳴をあげている。これに、日本国名での罹患者が拡大すれば、風評被害も加わって、日本の観光業界は壊滅的な打撃を被る。オリンピック・バラリンピックに影響が出てくることも想定しておかなければならない。

安倍政権には、不正を行う力は漲(みなぎ)っていても、緊急事故に対する対策能力ははっきり言ってない。このため、山本太郎率いるれいわ新選組、スターリン主義からの決別を理論的に宣言した日本共産党、立憲・国民になお所属する真性野党議員の広範囲な結集で政策連合の体制を早急に構築し、来る解散・総選挙で政権奪取できる体制を整えるべきだ。心ある国民・市民にも期待したい。

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