小池百合子という「政治家」の評価については昔から「政界渡り鳥」、「権力と寝る女」などの批判が飛び交う。最近では、小池氏の生い立ちから今日に至るまでの生涯を描いたノンフィクション作家・石井妙子氏の「女帝・小池百合子」が、平成、令和の政界激動期の中で小池氏の真実の姿を余すところなく赤裸々に伝え、大変な反響を読んでいる。

サイト管理者も石井氏の著書をアマゾンのKindleで徹夜で拝読したが、面白かったのはもちろん、大変に驚いた次第である。4年間かけて丹念に取材されており、しかも、小池氏がカイロ大学留学時代にともに生活した早川玲子(仮名=これは、本名を明かせばエジプトの軍事独裁政権やエジプトに対して巨額のODAを供与してきた日本の国家権力から彼女の生命が狙われると予想されるからだ=)さんと奇跡的に出会い、彼女から小池氏の赤裸々な真実を膨大な資料も含めて丹念に取材し、ノン・フィクション作家としての手法で「女帝・小池百合子」の姿を余すところなく描いているからだ。

筆者が感じたところでは、小池百合子という政治家は、日本の国民に幸せをもたらし、経済社会の発展と世界の平和に尽力するために権力奪取を志向する政治家ではなく、ただ単に、権力を掌握することを目標として権力奪取に知略を総動員する、政治屋に近い姿の「政治家」でしかない、ということだ。そのためには、権謀術数を繰り返すことには全く躊躇しない。石井氏によると、小池氏のこの政治姿勢は、大法螺吹きで政治志向の強かった父・小池勇二郎(実際に中選挙区時代に故郷の兵庫県で衆議院選挙に出馬したが落選した)の影響が非常に大きかったという。

その父親が、事業の失敗から小池氏をエジプトに留学させた。小池氏はエジプトの首都のカイロに1971年9月前後にエジプトに渡航し、初めの1年間はカイロ・アメリカン大学東洋学科でアラビア語を学び、翌年の10月にカイロ大学文学部社会学科に入学、留年せずに4年間で社会学科を首席で卒業した初めての日本人だったと繰り返している。それが、小池氏の原点であり、出発点だった。

しかし、石井氏が早川さんから膨大な資料と丹念な取材の中から聞き出した真実は、小池氏は進級試験に不合格となり、従って卒業もできなかったという。サイト管理者はKindleで拝読したため紙の本のページ数はわからないが、全5634ポイント・ページのうちの1675ポイント・ページに小池氏が早川さんに「私、日本に帰ったら本を書くつもり。でも、そこには早川さんのことは書かない。ごめんね。だって(進級試験に不合格になり、卒業ももちろん出来なかったことが)バレちゃうからね」とある。

2178ポイント・ページには石井氏が「小池は絶対に隠し通さなければならない秘密を抱えていた。だが、国会議員になったことでその秘密は暴かれにくくなった」と記している。サ<iframe src=”https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?o=9&p=48&l=ur1&category=kindle&banner=1YBF6JP8Q21WHGTKHTG2&f=ifr&linkID=ea27cf7144ae6ab57b413615be9c703a&t=nomura1610-22&tracking_id=nomura1610-22″ width=”728″ height=”90″ scrolling=”no” border=”0″ marginwidth=”0″ style=”border:none;” frameborder=”0″></iframe>イト管理者は石井氏の著書から、小池氏もまた、権力指向型の本物の政治家とは言えない「政治家」で、平気で法螺を吹き、敵対者を権謀術数で破滅させる人物であるとの印象を強く持った。こういう人物がスウエーデンよりも人口、経済規模、税収で大きい東京都知事を務めたら、悲惨な結果になることは当然だろう。石井氏の著書にはそのような事例が多数、丹念な取材を基に叙述されている。その意味で、現職の小池都知事が再選されれば、恐ろしい結果を招くと思う。都民・国民が下手をすれば、独裁国家づくりに手を貸すことになる。

コラムニストの小田嶋隆氏が日経ビジネス(無料電子版)に寄稿した読後感も似たようなものだ。「本書を読む前と、読了した後では、小池百合子氏に対する私の印象はかなり劇的に変わっている。具体的に説明すれば、読了前は『色々とうさんくさいところはあるものの、総じて優秀なパフォーマーではあるのだろうな』と感じていた評価が、読了後には『演技者ないしはパフォーマーとしての能力の高さはともかくとして、これほどあからさまな虚言癖を備えた人間を政治家にしておくのは、民主主義の危機ですらあるのではなかろうか』という憂慮を抱くに至った」という。

<iframe src=”https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?o=9&p=48&l=ur1&category=kindle&banner=1YBF6JP8Q21WHGTKHTG2&f=ifr&linkID=ea27cf7144ae6ab57b413615be9c703a&t=nomura1610-22&tracking_id=nomura1610-22″ width=”728″ height=”90″ scrolling=”no” border=”0″ marginwidth=”0″ style=”border:none;” frameborder=”0″></iframe>このことを示す最適な例は、築地市場解体事件である。東京都として銀座に近い公設の卸売市場であった築地市場に代えて豊洲市場を建設し、開場まであと3カ月にまでこぎ着けた時点で、東京都知事に選ばれた小池都知事が要するにパフォーマンス誇示のため突然開場延期を表明、「築地市場と新設の豊洲市場をともに活かす」と結果的に嘘の説明しておきながら、結局は築地市場の閉鎖を決定し2018年(平成30年)10月11日に豊洲市場を開場させ、同日から旧築地市場施設の解体工事に着手したことである。これに伴い、築地市場と豊洲市場の関係者は大混乱に陥ったが、小池知事は陳謝も補償もしなかった。

ただし、それでも小池都知事の再選は揺るがないという。「本書を読んだ読者が対立候補に寝返る可能性がないとは言わないが、そもそも小池百合子氏を支持する人々はこのテの本を読まないし、それ以前に、本を読んで投票に臨むような人間は、最初から彼女を支持したりしない。仮にまっとうな政治家が立っても、知名度の差はいかんともしがたい」。この箇所は、戦後の民主主義化がほとんど失敗しているという日本の実態を正しく表現している。

余談だが、その理由は理念と政策立案能力を有した政治経済評論家の植草一秀氏がいつも指摘しているように、安倍政権が①刑事司法を不当に支配していること②NHKの経営委員会の掌握に成功していることと、傘下に置いている利権企業(政商)で広告を通じてマスメディアを支配している電通を通してマスメディア(全国紙と地方紙、全国のテレビ局)を間接的に支配していること③国民の(生)ぬるさ(国民が自分の生活に追われ、議会制民主主義を通じた国民主権を事実上放棄していること)−にある。

さて、エジプトの大使館がフェイス・ブックで「小池都知事は1976年に確かにカイロ大学を優秀な成績で卒業している。これに異議を唱える者に対しては法的措置も検討する」と言ったようだが、カイロ大学を掌握しているエジプトの軍事独裁政権が小池都知事の水面下での依頼を受けて流したものではないか。小池氏が本物の卒業証書ないし、それを失くしたというのなら、それに代わるカイロ大学公式作成の卒業証明書をマスコミなどにじっくりと提示すれば、済む話だ。それをしないから、学歴詐称の問題がいつまでも晴れない。もっとも、小池氏が日本に帰国してから自分を売り出すための切り札がカイロ大学発行の「卒業証書」だったから、失くすなどのことは通常あり得ない。

西井氏の「女帝小池百合子」によると、小池氏はこれまで3度「卒業証書」を極めて不完全な形で示している。3回目は小池氏が2016年にフジテレビでチラリと得体の知れない「卒業証書」を見せているが、これは公訴時効が到来していない。これについて、この行為は、長崎地検で活躍した郷原信郎弁護士によると、(検察庁が不正を見逃さないまともな検察庁であれば)「偽造私文書行使罪」に相当するという。

小池氏の「学歴詐称」問題については、石井氏が「終章小池百合子の深淵」でまとめている。石井氏の著書などこのところ、小池氏の実像と虚像については心ある都民・国民には広く知れ渡ることとなっているから、かつての「小池人気」の再来について、サイト管理者は懐疑的である。

夏の東京都知事線に出馬を表明した小池百合子現職都知事

これに関連して、7月5日投開票の都知事選挙の構図も固まりつつある。朝日デジタルが2020年6月12日19時43分に投稿した「小池氏が都知事選立候補を表明 政党推薦求めず無所属で」によるとまず、意外にも小池都知事は、急ごしらえながら地域政党で東京都議会第一党の都民ファーストや自民党の推薦ではなく無所属で都知事選に再選出馬するという。小池都知事と東京都連にわだかまりがあること、浮動票を取り込む狙いがあることなどもその理由だと言えようが、都民ファーストくらいは推薦しても良かったのではないか。

もっとも、国政に進出した日本ファーストの会が小池氏およびその側近の政党運営に失敗して国政選挙で見事に敗退し、2018年3月1日をもって解散した経緯があることから、都民ファーストを推薦団体にするには「格好が悪かった」のだろう。この点も含めて、管理者にはいわゆる「小池人気」に「陰り」が次第に拡大しているということも関係していると思われて仕方がない。なお、小池氏としては新進党から分裂した自由党からさらに分裂した保守新党時代に国政活動を共にした二階俊博現自民党幹事長を通して自民党に再入党し、ポスト安倍を狙っているとの噂が絶えない。

同じ記事によると、「都知事選には、元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(73)が無所属で立候補を表明し、立憲民主、共産、社民が支援する。元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)も無所属で立候補し、日本維新の会が推薦を決め、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)も党公認で立候補を表明している。れいわ新選組の山本太郎代表(45)も出馬を検討している」。

小野氏は日本維新の会推薦だから、自公票が割れる可能性がある。同じように、れいわの山本太郎代表が出馬すると、反小池表も割れる可能性がある。その場合、サイト管理者は宇都宮氏と山本代表が一種の予備選挙を行って、得票数の多い候補者に一本化して、立憲、日本共産党、社民党の統一候補とするほうが、来る解散・総選挙を考えていも得策と考えるが、いかがであろう。

なお、国民民主党は日本維新の会と地方分券に関する勉強会を設けると言う。同党は、立憲との合流の道とは異なる道に突き進み始めた。日本の真の支配者は米国である。米国は日本の独立を目指す鳩山由紀夫−小沢一郎民主党政権の誕生に懲りて、日本に自国の言いなりになる二大政党制を構築させるべく暗躍している。真に日本の独立を考える国民の所属議員は早期に同党を離党し、新党を立ち上げるか、立憲に鞍替えすべきだろう。

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