日本型に変異したコロナ第二波の襲来認めない安倍政権ー制圧の意思なし

大手マスメディアやネットメディアによると、日本感染症学会の舘田一博理事長は19日、東京都内で始まった同学会の学術講演会で「(日本は)コロナ第二波のまっただ中」にいると語った。ただし、政府=安倍晋三政権の菅義偉官房長官らは「第二波」ではないと否定している。東京先端科学技術センターの児玉龍彦東大名誉教授は7月16日の国会閉会中審査会として開かれた予算委員会での野党側招致の参考人として今日の状況を声を大にして警告したが、その背景には、国立感染研究所が現在日本で感染拡大している新型コロナウイルスが首都圏型に変異したものであることを公表していない事実を掴んでいたことがある。政府=安倍政権は一刻も早く臨時国会を召集し、真相・真実を公表すべきだ。

◎追記:複数の大手メディアによると20日の新型コロナウイルス新規感染確認者は、東京が午後15時時点で15日以来の300人台で339人。朝日デジタルによると瞬間陽性率は5.6%と検査人数6004人にしてはやや高く、20代〜30代以外の感染者は46%と感染年齢の広がり傾向は続いている。一時的に少なくなった「盆休み効果(PCR検査などの検査数の減少)」が終わりつつあると見られる。全国では21時30分現在で1185人、うち大阪府は132人、沖縄県は県民だけで45人。亡くなられた方は10人になっている。

舘田一博日本感染症学会理事長

舘田一博日本感染症学会理事長

菅官房長官のほか加藤勝信厚生労働相、政府の新型コロナ感染症対策本部の西村康俊経済再生担当相(実態は経済破壊担当相)らもつまるところ。第二波の襲来を否定している。世界各国で第二波の襲来に見舞われている国は、日本以外にないからだ。しかし、児玉東大名誉教授は日本でPCR検査が積極的に行われず(実際は妨害してきた)、無症状の感染者を放置してきたため、無症状感染者の体内に潜んでいたコロナウイルスが変異し、それが首都圏を中心に「感染震源地(エピセンター)」を形成、全国に拡大していったと見ている。この事実について、国立感染研究所はゲノム解析を行っているが、その結果を公表していない。

8月20日付の朝日新聞1面トップ記事(朝日デジタルが2020年8月20日午前5時00分にネット配信した記事)によると、舘田会長(政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の構成員と厚生労働省の助言組織のメンバーも兼任)が「第2波」との見解を示した理由は、①6月以降の感染者数は今春の「第1波」の2倍以上にのぼる②都道府県の発表をもとにした朝日新聞の集計では、「第1波」では3月末からの2カ月で感染者は約1万5千人。いまの「第2波」は6月末からの2カ月弱ですでに4万人弱が報告されている③感染者が多い主な都府県である東京や大阪、愛知、福岡、沖縄では、直近7日間平均の新規感染者は8月上旬に最も多くなった後、ここ1週間は少し減っているが、お盆時期で各都府県のPCR検査件数が少なかったことによる可能性があるーことなどだ。

直近の主な都道府県の新規感染者数の推移

直近の主な都道府県の新規感染者数の推移(https://digital.asahi.com/articles/DA3S14592178.html?iref=pc_ss_dateによる)

これに対して政府=安倍政権は、「菅義偉官房長官は7月30日の記者会見で『第2波が訪れていると分析していないのか』と問われ、『4月の緊急事態宣言当時とは状況が異なっている』と回答。8月19日の衆院厚労委員会の閉会中審査でも、野党議員の『明確に第2波でいいか』との質問に加藤勝信厚生労働相は『必ずしも定義があるわけではない』と発言した。西村康稔経済再生相は会見で『第2波に定義があるわけではない。どう呼ぶかは別として大きな波であることは間違いない』と語った。そのうえで『重症化するリスクの高い方々への感染が増えてきていることは警戒しないといけない』と話した」と、感染拡大の原因については究明する意思を見せず、はぐらかす答弁しか行っていない。

分科会構成員や厚労省の助言組織の専門家メンバーの危機感・認識を真摯に受け止めないようでは、何のために「専門家」の強力を仰ぐのか。つまるところ、政府のコロナ禍対策の方針(と呼べるほどのものではないが)を正当化するための「御用専門家組織」にしてしまっているということだ。政府サイドの尾身幸次分科会会長は昨日19日の国会閉会中審査で「沖縄県での感染拡大は収束しつつある」と述べたが、疑わしい。沖縄県民とも接触する在日米軍基地関係者の感染も相当数に上り、今なお増えているという二重の苦しみにあえいでいるからだ。「Go To トラベル」の強行が、沖縄県を始め全国に日本型コロナウイルスを拡散させている可能性が高いこともある。感染症対策専門家(医師)・看護師の派遣決定、実行は遅きに失したと言える。

国民の間でも第2波襲来に不安と危機意識が募っている。下の動画はユーチューバーが動画サイトに投稿した日本感染症学会の舘田一博理事長の発言関連の動画。

政府=安倍政権を率いる安倍晋三首相は通常国会閉会後、官邸での公務は午前中のみ、午後はさっさと帰宅するという日課を繰り返していたが、どうも体調不良が再燃している可能性が高い。このためだと思われるが18日、慶応大学付属病院で検査を受けたが、大手マスメディアや週刊文春の体調不良報道、自民党内を中心に拡大する健康不安節を否定する形で、休暇が開けた19日から政務に専念すると記者団に語った。それが本当なら直ちに臨時国会を召集して、体調不良疑惑やコロナ第2波襲来問題、日本経済の大不況入り懸念とその対策など、国民の間に高まる疑問・疑惑に対して予算委員会を中心に正面から堂々と答えるべきだ。

この異常な危機的状態に、国会の召集すらしないというのであれば、安倍首相にはその資格はない。内閣総辞職すべきだ。もっとも、本人にはその自覚がないから取りあえずは国会閉会中審査で対応を協議するしかないが、この状況はいつまでも放置できるものではない。盆休みの影響がなくなれば、感染爆発(オーパーシュート)が起こる可能性も否定できない。また、これまでの第2波による感染で重症者が増えてきていることも医療体制圧迫をもたらしている。


私事で恐縮だが、小生の三男(既婚)は大腸憩室炎のため都内の大手病院に入院しているが当初は、本日のPCR検査判明まで何も出来ないと言われ、自宅で静養していた。しかし、看護師の資格を持つせがれの妻が危機意識を感じて大手病院に入院させた。ただし、コロナのため、面会は禁止の状態だ。日本全体の医療体制がおかしくなっていることが分かる。根本原因は、新型コロナ感染症を政府=安倍政権が感染症法の指定感染症Ⅱ類に指定し、行政検査しかできないようにして、PCR検査を妨害したことにある。今でも、日本のPCR検査数は人口10万人/100万人当たり世界第150位という、日本の医療技術からすると世界最悪の状況にある。特に、無症状感染者を放ったらかしにしておいたことが最大の問題だ。

このため、繰り返しになるが、新型コロナウイルスが感染力が極めて強い日本型(直接には首都圏型ウイルス)に変異し、無症状感染者が集まったところが感染の震源地(エピセンター)になり、第2波が発生している。それにもかかわらず、小池百合子都知事率いる東京都は、厚労省がコロナ重症者として認定する基準(①集中治療室=ICU=で治療を受けている②人工呼吸器または人工心肺装置=エクモ=を付けているーのいずれか)に従わず、重症者を過小申告していた(重症者は10人程度増加する)が(東京新聞20日付1面)、小池百合子都知事は感染者が急増していた際に重症者は少ないと自慢をしていた。今後、厚労省には同省の基準に基づいて報告するが、報道機関に対してはこれまで通りの東京都の基準(②のみ)で重症者数を発表するという。二枚舌も甚だしい。

中長期的には、「確かな野党の共闘」による政権奪還しか道はないが当面、都道府県傘下の地方自治体と住民、仁術を持つ医師との連合で切り抜けていくしかない状況だ。