スウエーデンの「集団免疫獲得」路線は破綻、国王批判ー日本は「感染拡大と経済悪化の両立」爆進

新型コロナ集団免疫路線を採用したスウエーデンは国王から批判を受け、完全に失敗。日本ではPCR検査を徹底的に抑制しており、これがコロナ禍対策の根本的な謬りである。東京都が年末・年始警戒情報を発令、医療体制の整備を行うにしても、PCR検査数を大規模に行い、無症状・軽症感染者を早期に発見し、保護する体制を整えない限り、意味がない。無為無策のコロナ禍対策で、経済情勢も消費者物価が一段と低下し、デフレ大不況が鮮明になった。

12月18日金曜日コロナ感染状況

本日12月18日金曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では午後15時の速報値で新規感染確認者は1週間前の12月11日金曜日の595人より69人多い過去最多の664人、東京都基準の重症者は前日と同じ66人だった(https://www.fnn.jp/articles/-/61484)。
東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は575.6.人、PCR検査人数は7184.3人だから、陽性率は8.01%。東京都独自の計算方式でも7.1%。感染者のうち感染経路不明率は58.29%だった。ステージ3/4の陽性率は10%。いずれの「公式公表値」も悪化傾向が続いている。年末年始に一種の「非常事態」を発令しても、問題は解決しない。
全国では午後23時59分時点で2829人の新規感染者、47人の死亡者が確認されている。重症者は609人。

東京都のコロナ感染者の推移

東京都のコロナ感染者の推移

欧州でただ一国、新型コロナウイルス感染症に対する集団免疫路線を採用してきたスウエーデンのコロナ対策が完全に失敗した。北欧三国のうち、ノルウエーやフィンランドに比べて人口当たりの感染者数、死亡者数ともに桁違いに多くなっているからだ。ただし、PCR検査数では日本よりははるかに多い。日本はPCR検査を抑制して、コロナ感染状況を知らせず、検査利権を貪ることが実態だった「コロナ禍対策」なるものを行ってきたが、完全に破綻している。

コロナ対策としての行動規制をしないスウエーデン

コロナ対策としての行動規制をしないスウエーデン



世界各国の新型コロナ感染状況、死者数、PCR検査検査数をリアルタイムで公開しているサイト(https://www.worldometers.info/coronavirus/)の12月18日午前7時46分(日本時間)のデータをまとめてみる。

国名 感染者数
(人口100万人当たり)
死亡者数
(人口100万人当たり)
PCR検査件数
(人口100万人当たり)
スウエーデン 3万5249人 779人 39万3890件
ノルウエー 7815人 74人 45万9626件
フィンランド 5812人 87人 40万5644件
韓国 906人 12人 6万8997件
日本 1481人 22人 3万3333人

この表を見ても分かるように、集団免疫獲得路線を志向したスウエーデンの失敗は明らかだ。スウエーデンの人口は東京都より少ない1000万人程度だから、高齢者を中心に8000人弱程度の死亡者が出たと推測される。大きな犠牲だ。



その理由は、新型コロナウイルスはヒトの免疫作用の中核となり、ウイルスを攻撃する中和抗体がなかなか産生されないことにある。朝日デジタルの報道(https://digital.asahi.com/articles/ASNDK6QRHNDKPIHB010.html?iref=pc_ss_date_article)の記事から引用させていただく。

神戸大学は、兵庫県内の病院などから提供された約1万人の血液を調べた結果、0・15%(6人)で新型コロナウイルスの感染経験があることが分かったと17日、発表した。この結果から、実際の感染者は感染確認された人の2~3倍いると推定できるとしている。

大学院医学研究科が8~10月、県立5病院と健康診断を実施する1施設から、発熱外来を除く外来患者や健康診断受診者ら(平均62歳)計1万377人分の血液の提供を受け、ウイルスが体内に入った際に作られる中和抗体の量を調べた。1万人規模で中和抗体を調べた調査は国内初という。

血液を提供した病院がある県内の瀬戸内閣沿岸部の人口約450万人に照らすと、6千~7千人が感染経験者という計算になった。10月1日時点の県内の感染者は累計2738人で、実際はその2~3倍が感染経験者だと推定できる結果になったという。

1万377人全てが新型コロナ感染者であるとは言えないが、可能性が少なくない兵庫県民の抗体検査だ。朝日デジタルは、450万人×0.15%=6750人と概算したのだろう。450万人全てが感染の疑い濃厚とは言えないから、かなり荒っぽい数字だ。しかし、「10月1日時点の県内の感染者は累計2738人で、実際はその2~3倍が感染経験者だと推定できる結果になったという」との指摘は重く受け止めないといけないだろう。

教訓として、抗体検査とPCR検査(厚生労働省が勧めている抗原検査は精度が低いと言われる)を適宜に組み合わせた大規模検査と観戦者が重症化しないようにするための抗ウイルス薬の開発が必要だ。その過程をすっ飛ばして、新型mRNAワクチンに傾斜しすぎるのはいただけない。

さて、スウエーデンの集団免疫獲得戦略の失敗に対して、カール16世グスタフ国王(74)が異例の批判を行っている(https://digital.asahi.com/articles/ASNDL2BYGNDKUHBI044.html)。写真はNHKのWebサイト(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201218/k10012770601000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001
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スウェーデンのカール16世グスタフ国王(74)が、新型コロナウイルスの対応について「私たちは失敗したと思う」と述べた。同国の公共放送SVTが17日、伝えた。多くの死者が出ていることを受けたもので、政治とは距離を置く国王が「政策の批判」(ロイター通信)と受け取られる発言をするのは異例だ。(中略)

欧州各国が外出制限や店舗閉鎖を伴うロックダウン(都市封鎖)に踏み切る中、スウェーデンは強制的な措置を極力避ける「緩め」の戦略をとってきた。マスクの着用は求めておらず、飲食店も社会的距離を取るなど一定の制限はありつつも営業を続けている。こうした戦略は、国民から一定の支持を得る一方で、死者は北欧では突出して多い約7900人にのぼる。人口100万人あたりの死者は772人(16日時点、英オックスフォード大調べ)で、1千人を超えるイタリアやスペインなどよりは少ないが、74人のノルウェー、168人のデンマークなど近隣諸国よりはるかに多い。科学者らからは、より厳しい対応を求める声が強まっている。
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ただし、そのスウエーデンでもPCR検査は行っている。韓国(人口5200万人)でも最近は1日の感染者が1千人程度(日本の人口規模に換算すると2千人強の規模)に急増しているが、コロナ感染防具服を着用したPCR検査検査部隊が至るところに設置され、PCR検査を行っているという。PCR検査検査数は人口比で日本の2倍程度で、人口当たりの死亡者数も半分程度に抑えている。

東京都は昨夜、コロナかるたに夢中になっていた小池百合子都知事が突然、「年末年始特別警報」の発令を行ったが、ステージ4のレベルに引き上げた医療逼迫状況を乗り切り、医療崩壊を避けようとするもので、単なる対症療法に過ぎない。地域によりPCR検査の全員検査、PCR検査と抗体検査の組み合わせを実施し、世代を問わず検査陽性者=感染者を見出すことが対策の基本的な第一歩で、感染症対策の王道でもある。医療体制の再建・拡充は、中等症状に悪化する前に無感染症症状者、警鐘感染者を見出すことが先決だ。

小池百合子都知事は「年末・年始コロナ警報」の発令で感染拡大を阻止したいと言っている。しかし、➀「誰でも、どこでも、いつでも、何回でも」無料または超低価格でPCR検査、抗体検査を行える体制の確立②第Ⅱ塁相当の指定感染症に政令指定したため、感染症法上は行政検査しか行えなくなったコロナ感染症の政令指定の見直し③改正インフル特措法に休業補償を明確に規定する重要な見直しーを行わなければ、元の木阿弥に戻ってしまう。

【追記:12月18日午後16時45分】総務省が18日発表した全国の消費者物価指数(https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html)は、生鮮食品を除く指数は前年同月より0.9%低い101.2だった。下げ幅の大きさは2010年9月に1.1%下げて以来、10年2カ月ぶりの大きさ。Go To トラベルで、宿泊料の値下げが行われたことが最大の要因。Go To トラベルは高所得者と豪華ホテル、旅館に税金で利益を供与する逆所得再配分政策だが、20年以上に及ぶ長期デフレ不況にさらに追い打ちをかけた。政府=菅政権はコロナ禍(感染症の拡大と経済悪化の両立)に爆進していることを理解する必要がある。