コロナ禍対策抜本転換と新型ワクチンの問題について

年末・年始に向けて、新型コロナ感染者数が東京都を中心に全国的に急増している。コロナ禍対策抜本転換と新型ワクチンの問題について、まとめてみた。

12月20日日曜日コロナ感染状況

本日12月20日日曜日の新型コロナ感染状況は、東京都は新規感染確認者は1週間前の12月12日金曜日の480人より76人多い日曜日としては最多の556人、東京都基準の重症者は前日比4人減少の62人、重症者は4人増えて66人だった(https://www.fnn.jp/articles/-/61484)。
東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は603.0人、PCR検査人数は6999.0人だから、陽性率は8.63%。東京都独自の計算方式でも7.3%。感染者のうち感染経路不明率は58.86%だった。ステージ3/4の陽性率は10%。いずれの「公式公表値」も悪化傾向が続いている。7日移動平均で感染者数が初めて600人台になった。推定瞬間陽性率も9%近くに達しており、新規感染者数と医療体制に強い懸念が出てきた。
全国では午後23時59分の段階で新規感染者が2496人、死亡者が36人確認されている。重症者は前日比5%減の595人。
【参考】東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、12月19日時点の実効再生産数は全国が前日比0.03人減少の1.05人、東京都では前日比0.02人減少の1.29人となっている。 東京都は18日時点の推測数値と合わないが、19日時点の数値は再計算したものと思われます。

東京都のコロナ感染者数の推移
東京都のコロナ感染者数の推移
12月19日のコロナ感染状況
本日12月19日土曜日の新型コロナ感染状況は、東京都は新規感染確認者は1週間前の12月12日金曜日の621人より115人多い736人、死亡者は5人。東京都基準の重症者は前日比4人減少の62人だった(https://www.fnn.jp/articles/-/61484)。
東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は592.1人、PCR検査人数は6999.0人だから、陽性率は8.46%。東京都独自の計算方式でも7.3%。感染者のうち感染経路不明率は58.49%だった。ステージ3/4の陽性率は10%。いずれの「公式公表値」も悪化傾向が続いている。
全国では午後23時59分時点で2911人の新規感染者、38人の死亡者が確認されている。重症者は前日比11人減少の598人。ただし、東京都、全国とも重症者の減少が症状改善のためか亡くなられたのが理由なのかは不明。
【参考】東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、12月18日時点の実効再生産数は全国が前日比0.01人減少の1.08人、東京都では前日比0.02人減少の1.15人となっている。

東京都のコロナ感染者数の推移
東京都のコロナ感染者数の推移

日本全体の感染源になっていると思われる東京都の感染状況が日ごとに悪化しており、12月28日を待たずに東京発着ともにGo To トラベルは中止スべきだ。ただし、➀政府=菅義偉政権の無為無策②「コロナ慣れ」の国民が多く出てきたことから、中若年層の人出は減っていないーことなどから、東京都の感染状態は悪化傾向が続いている。ネット系のメディアPC Watch(https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1295476.html)では、Googleが公表している(https://cloud.google.com/blog/ja/products/ai-machine-learning/google-and-harvard-improve-covid-19-forecasts)4週間の新規感染者と死亡者のAI予測を高く評価している。

予測期間は11月17日から12月14日まで。ただし、日本全国の1日あたりの平均値では新規感染者数が1843人、死亡者数は19.8人と実際よりは少ない。これは、過小推計だ。既に過去のものだから新たな発表を待つしかないが、➀政府=菅義偉政権の無為無策②「コロナ慣れ」の国民が多く出てきたことから、中若年層の人出は減っていない③全国への感染拡大の震源地である東京都の感染状態は悪化傾向が続いているーことなどため、GoogleはAI予測方法を修正していかなければならないだろう。ただし、AIを使ったGoogleの予測には評価すべき面もある、PC Watchが評価した記事を下記に引用してみる。

11月15日時点の国内累計感染者数は11万7,809人、累計死亡者数は1,884人。GoogleのAIが示した数は、11月17日から向こう28日間で新規陽性者数が5万3,321人、新規死亡者数が512人だったが、12月14日時点でのそれまでの28日間の実際の数字はそれぞれ6万3,179人、758人となった。Google AIの予測は、感染ペースの大幅拡大を言い当てたが、現実より控えめな結果となった。

今後28日間についてGoogleでは、新規陽性者数が9万8,094人、新規死亡者数が824人と見積もっている。陽性者数については、日を追うごとに増えるものの、死亡者数は12月12日以降、減少に転じるとみている。

東京都渋谷区
東京都渋谷区


12月入りし、日本全国が完全に冬入りしたから、今後については上図のGoogleのAI予測の延長線上にはなく、新たな予測の公表が参考値として期待される。ただし、今後の新規感染者数、重症者数、死亡者数の増加を避けるため、下記にサイト管理者(筆者)なりの提言をしておきたい。

  1. 政府は2020年度に第一次、第二次補正予算を合計58兆円策定し、第三次補正予算案では19兆円強を充てることにしている。第三次補正予算案ではコロナ収束後の予算措置に力点が置かれているが、現実離れしているとしか言いようがない。全額コロナ禍対策に充てるべきだ。特に、2020年度に予算は国会で定めるという日本国憲法の定め(日本国憲法の第83条「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない」)を無視して12兆円もの予備費を確保したが、このうち約5兆円はまだ未使用だ。これは全額コロナ禍対策に充当するべきだ。
  2. 当面、年末には通常、医療機関は業務を停止するので、医療体制の崩壊を招くことがないように、医療体制の強化を行う。取り敢えず、コロナ対策用に3兆円規模の臨時地方創生交付金精度が設けられたが、地方自治体が2割負担することを求めているので、絵に書いた餅になっている。財政状況が厳しい地方自治体に負担を課すことなく、全額国庫負担するべきだ。取り敢えずの使途は、経営が悪化している医療機関の減収補填と、年末年始の医師、看護士を確保するための特別手当てを支給する必要がある。
  3. 予備費を新型コロナ禍で失業、低賃金を余儀なくされている国民に対する食費・住居費を中心とする生活支援金の支給に充てることも重要だ。
  4. 一部の高級ホテル、旅館、富裕層に利益を与える不公平なGo To トラベルを含むGo To キャンペーンは即時、停止し、財政資金はコロナ禍で経営悪化した企業や失業や低賃金を余儀なくされている勤労者全てに交付する。
  5. 新型コロナウイルスの特徴は、感染しても無症状あるいは軽症である場合が多く、PCR検査を積極的に行わない場合は感染の実態が掴めない。東京オリンピック/パラリンピックの強行開催が感染症対策の上位目標に置かれている(フランスは2024年開催のオリンピックについて、計画の修正に取り組み始めた)。このため、オリ/パラ用にコロナ感染の実態を掴めないようにすることと検査利権を獲得することを目的として、政府=安倍、菅政権はPCR検査不要論を流し、一般医療機関での検査を抑制してきた。その大きな法的根拠になったのが、新型コロナウイルス感染症を第Ⅱ類相当の指定感染症に指定したことで、行政検査と第Ⅱ類感染患者を受け入れる医療機関でしか治療できないようにしてしまった。これを改めることが必要である。
  6. 厚生労働省が12月17日、新型コロナウイルス感染症に対する現行の、感染症法に基づく「指定感染症」と、検疫法の「検疫感染症」に指定する政令を2021年2月から1年間延長する方針を固めたと報じられているが、まずはこれを改める必要がある。感染集積地(エピセンター)では全員、PCR検査を国費で受けられるようにすることと、国民全員がいつでも、どこでも、何回でも無料で検査を受けられるような新たな「指定感染症」に分類し直すことが必要だ。
  7. PCR検査方法は1980年代に基礎が確立された古い技術だが、複数の検体を同時に検査するプーリング方式など今回の新型コロナウイルスの出現で急速に技術革新が進み、検査費用も大幅に低下している。一部のクリニックでは1件につき2千円程度まで下がっている。政府が本腰を入れれば、もっと安くなるだろう。政府(厚労省)が新しいPCR検査方法の導入を抑制していることを止めさせることが重要だ。
  8. 今後については取り敢えず、感染症対策、遺伝子工学、計測工学、情報工学の専門家からなり、政府(菅首相)を忖度するのではなく、国民の生命を第一に考え、対策する責任体制を明確にした専門家会議を設置し、将来的には政府から独立した日本版疾病予防管理センター(日本版CDC:Centers for Disease Control and Prevention)を設立すること。
  9. 財政再建原理主義=緊縮財政論で20年以上の長期デフレ不況が続いた中で、新型コロナウイルス禍に見舞われたことを踏まえて、積極財政に転じることが重要だ。現代貨幣経済理論を日本の実情に合わせて応用することが必要になるが、供給力が失われないよう中小企業の経営悪化や失業対策に真剣に取り組まなければならない。

などが、重要な課題になる。なお、コロナ用の新型ワクチンに不自然に期待が集まっているが、取り敢えずアレルギーを持っている人には副作用がで出ることが明らかになった(https://www.tokyo-np.co.jp/article/75516)。

米疾病対策センター(CDC)は19日、米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンを接種後、アレルギー反応の中でも特に重いアナフィラキシー症状が6例確認されたと有識者委員会で公表した。
CDCによると、14日から19日までに全米で少なくとも27万2千人に接種。18日の段階で、急激なアレルギー反応が全身に出るアナフィラキシー症状が6例報告された。1人は狂犬病ワクチンでこの症状を起こしたことがあった。
(ただし)委員の一人は「一般的なワクチンより頻度が高くみえるが、接種の利益がリスクを上回るとの評価を変える必要はない」と述べた。

なお、ヤフーニュース(https://news.yahoo.co.jp/pickup/6379929)も次のように伝えている(時事通信社の配信記事)。

通常、ワクチンの開発には数年かかると言われているが、今回は10カ月程度で「開発」された。サイト管理者(筆者)はワクチンそのものを否定するわけではないが、開発期間を考えると称賛より疑問がつきまとう。まずは、➀上述のようなコロナ禍対策の抜本転換②ワクチン接種で健康被害にあった場合は、被害者の挙証責任を免責して躊躇なく政府が賠償すること(健康被害がいつ出るかも明らかでないことも考慮すること)ーが必要不可欠だ。

国民を欺いて忘年会を行った8人衆
国民を欺いて忘年会を行った8人衆


なお、菅首相、二階俊博自民幹事長を含む8人の高齢者が、国民を欺いて5人を超える忘年会(マスクなし忘年会と見られる)を行い、国民を欺いたことが国民の大きな批判を浴びている。二階幹事長が呼びかけたもので、菅首相は自民党派閥の影響力を無くすことにやっきだが当面、二階派(本来の派閥ではなく半グレ集団)だけとは良好な関係を保ちたいと思っている。そのための出席と見られるが、「国民を守る」と言いながら、感染収束前に国民にとっては不平等なGo To トラベルを開始し、年末・年始も強行するかと思っていたら突然、12月28日から来年1月11日までは全国一斉に中止すると発表した。

支離滅列な「コロナ禍対策」を続けている菅首相ではあるが、対照策とは言え、自らが発した会食(忘年会)自粛要請を破った責任は重い。自民党内では、菅総裁が安倍前首相兼総裁の国会喚問を認めるなど、安倍晋三前首相の清和会や宏池会など派閥の本流とハングレ派閥(集団)との間の泥仕合が始まっているようだ。自壊を始めた自民党に対して、立憲民主党の枝野幸男ー福山哲郎幹事長ー安住淳国対委員長の執行部の責任はますます重大になっているが、国民の期待に応えるのか、国民は監視の目を強めなければならない。



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