トランプ2.0、米上院で閣僚人事すべて承認され、本格スタートー国際情勢は大変革、オールド・メディアの権威凋落から

米国の上院議会でトランプ大統領が指名した閣僚がマット・ゲーツ氏が司法長官を辞退しパム・ボンディ氏に交代してからは全て上院で承認され、トランプ2.0(トランプ第二期政権)が本格スタートすることになった。上院での承認が困難視されていたのはトゥルシー・ギャバード国家情報長官とロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官だが、上院での共和党議員の議席数53に対し、民主党は47にとどまっている。いずれの閣僚も時代の大転換を見抜けないミッチ・マコネル前上院院内総務が反対しただけで、52対48で承認された。トランプ大統領が共和党内で圧倒的な力を有していることが証明された形だ。まずは、ウクライナ戦争の締結・終戦と中東和平に向けて本格的スタートすることになるが、同時にオールド・メディアの凋落が始まることになる。

ギャバード氏とRFKJ氏の承認は、トランプ大統領支持勢力の強さの現れ

トランプ2.0(トランプ第二期政権)の閣僚の顔ぶれは、朝日新聞のサイト、asahii.comで紹介されている(https://www.asahi.com/articles/ASSCD6W6QSCDUHBI01QM.html?iref=pc_extlink)。トランプ1.0の成果が期待ほどではなかったのは、第一期目のトランプ大統領はホワイトハウス入りが初めてであり、ディープステート=諜報界の英米単独覇権派の傘下にある人々を正しく見極めることができなかったからである。しかし、トランプ2.0では、人材を見抜き、抜擢する脳力を飛躍的に高めている。驚くべき大統領令を大量に発令しているのは、そのためだ。

このうち、上院での承認は難しいとオールド・メディアが報道したトゥルシー・ギャバードとロバート・ケネディ・ジュニアの上院での指名については、次の通りである。

トゥルシー・ギャバード氏の承認が困難視されていたのは、①ウクライナ戦争支持への表明が希薄だった②2017年にシリアのアサド大統領に直接会い、ロシアが守っている同大統領を支持する旨の発言を行ったことーなどの理由による。

しかし、ウクライナ戦争のきっかけになったロシアの「特別軍事作戦」の開始は、本サイトでもしばしば言明しているように、バイデン前政権とウクライナのゼレンスキー「大統領」が、ミンスク合意Ⅱ(2015年2月締結)を無視したことによるものだ。ミンスク合意Ⅱは、東部ドンバス地方での新露派勢力とウクライナのネオ・ナチ系武装勢力の戦闘を停止し、ドネツク州、ルガンスク州に高度な自治権を与えることを中心的内容とする。ただし、ミンスク合意Ⅱは、ドイツのメルケル元首相が告白しているように単なる時間稼ぎにすぎなかった。

ゼレンスキー氏は、大統領選挙時にミンスク合意Ⅱを守ると約束したものの、2020年の米国選挙でトランプ大統領(当時)が破れ、バイデン候補が勝利して2021年1月20日に大統領に就任して以降、バイデン大統領とともに、東部ドンバス地方に住むロシア系ウクライナ住民を大弾圧し、ロシアの「特別軍事作戦」を誘引した。米国のジャーナリストであるタッカー・カールソン氏によると、2022年5月までに、ロシアとウクライナで停戦に向けての交渉を行う動きがあったが、英国のジョンソン首相(当時)が妨害した。

また、力による領土変更は認められないとする米側陣営諸国の主張は、アルバニア人の独立を求めるコソボ紛争に、北大西洋条約機構(NATO)が軍事介入して、ユーゴスラビア連邦から独立させたコソボ紛争を見ても分かるように、同陣営自身が行っており、どんなに言い訳しても、歴史的根拠のない主張でしかない。

トゥルシー・ギャバード氏がウクライナ戦争の支援に消極的だったのは、これらの背景を熟知していたためと考えられる。シリアについては、イスラエルとトルコがシリアのHTS(シャーム解放機構)を支援し、米国内のトランプ氏も加わるディープステート=諜報界の多極派もこれに絡んでおり、ほとんど無血クーデターに近い形でアサド政権が倒された。プーチン政権もこの動きを認めるとともに、アサド大統領の家族の亡命を認めた。中東和平全体の流れからすれば、ギャバード氏の発言は結果的に、大きな問題ではなかったように思われる。

トゥルシー・ギャバード氏の上院での承認について、CNNは次のように報道している(https://www.cnn.co.jp/usa/35229367.html)。

ワシントン(CNN) 米上院は12日、国家情報長官に元民主党下院議員のトゥルシ・ギャバード氏を充てる人事を賛成多数で承認した。トランプ大統領によるギャバード氏の国家情報長官への指名は、新政権の閣僚中最も物議を醸す部類の人事とみられていた。今回の承認はトランプ氏にとって大きな勝利となる。採決の結果は賛成52、反対48。概ね党派に沿う形となったが、共和党の重鎮、ミッチ・マコネル上院議員は民主党側に回り、承認への反対票を投じた(下の動画は民主党の上院院内総務を含む上院議員のギャバード氏を批判する場面)。

ギャバード氏に対しては、複数の共和党議員が懸念を表明していた。そうした議員はロシアの侵攻に抵抗するウクライナに対する同氏の支持の欠如や、2017年に同氏が行ったシリアのアサド前大統領との会談などを問題視。さらに米情報機関の元職員で情報漏洩(ろうえい)に関与したエドワード・スノーデン氏について、過去にこれを支持する発言をしていた点にも言及していた。それでも承認の成否の鍵を握るスーザン・コリンズ氏らの共和党議員は、最終的にギャバード氏の承認を支持する立場に回った。

国家情報局はCIAなど、米国の諜報機関を管轄する部局だが、CIA(英国のMI6から設立と訓練を受けていると言われる)などの諜報機関は、主に米国ディープステート=諜報界内の単独覇権派(英米単独覇権派)に都合が良くなるように、対外諸国のレジームチェンジを起こす実働部隊である。1963年11月22日、ベトナム戦争の激化に否定的またはベトナム戦争を集結させたいと考えていたと見られるケネディ大統領が暗殺されたが、これは同戦争の激化を目指す英米単独覇権派が支配するCIAが行ったという見方が強い。米国がベトナム戦争に敗北して以来、同国は負け続けている。

トランプ大統領は、ジョン・ケネディ大統領とロバート・ケネディ司法長官、アーサー・キング牧師暗殺の機密情報を完全公開する(黒塗りでない公開)大統領令に署名している。また、トランプ大統領は選挙機関中に狙撃暗殺未遂事件に巻き込まれた。そして、日米首脳会談中に「シンゾー」と5回語ったとされるトランプ大統領は、狙撃暗殺された安倍晋三元首相の安倍由紀恵夫人を通して間接的に、また、石破茂首相との日米首脳会談の際、直接的に、同大統領が狙撃暗殺未遂事件に遭遇した時の写真を表紙にした写真集「Save Ameria」を手渡している。これら2つの事件は、①政府のシークレット・サービスによる警護が極めて杜撰だった②事件の詳細が未だに解明されておらず、バイデン前政権や岸田前政権による事件の真相の解明がなされていない(事件から2年半経つのに、Xの公判は一度も行われていない)ーことなどの点で共通している。

トランプ氏が選挙中、狙撃暗殺未遂事件に遭遇、未遂に終わったあとに力強く立ち上がるトランプ氏の写真集の表紙

ギャバード国家情報長官はカシュ・パテル連邦捜査局(FBI)長官とともに、これら過去・現在の暗殺・暗殺未遂事件を徹底的に解明する作業から着手し、真相を解明しつつ、CIAなどの各種諜報機関の再建を図っていくだろう。日本の石破茂政権は、安倍晋三元暗殺事件の徹底的解明を行った方が良い。Xによる単独反抗説には無理がある。

次に、ロバート・ケネディ・ジュニア氏が厚生長官として上院で承認された件について、読売新聞オンラインは「アメリカ上院、ケネディ氏の厚生長官就任を承認…ワクチン懐疑論者で共和党からも反対票」と題して、次のように伝えている(https://www.yomiuri.co.jp/world/20250214-OYT1T50035/)。

米上院は13日、トランプ政権の厚生長官にロバート・ケネディ・ジュニア氏を充てる人事案を賛成52、反対48で承認した。ケネディ氏はワクチン懐疑論者として知られ、米国の保健福祉行政を統括する閣僚としての適格性を疑問視されていたことから、承認されるかどうか注目が集まっていた。1月に開かれた上院の指名承認公聴会では厳しい追及が相次ぎ、ケネディ氏は「ワクチンを支持する。反対していない」と弁明に努めた。13日の投票では、与党・共和党の議員の中で、重鎮のミッチ・マコネル氏が反対票を投じた。

このように、賛成票、反対票と内訳も、ギャバード国家情報長官と全く同じである。また、BBCは「米厚生長官にケネディ氏が就任 上院の承認投票では与党重鎮が反対」と題して、次のように報道している(https://www.bbc.com/japanese/articles/c626yrxpx55o)。

アメリカの厚生長官にロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が13日、就任した。ドナルド・トランプ大統領による閣僚指名の中で、大きな物議を醸した一人。ケネディ氏は今後、約8万人の職員と1兆ドルの予算を持つ保健機関の指揮を執る。疾病対策センター(CDC)、食品医薬品局(FDA)、国立衛生研究所(NIH)、メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)などが含まれる。また、食品の安全、医薬品、公衆衛生、予防接種などの健康産業も管轄する。

ケネディ氏については、根拠のない健康に関する主張やワクチン懐疑論を公言してきたことや、人工妊娠中絶に対する立場などから、与野党両方の議員らが、厚生長官への指名を問題視していた。

ロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官が、ワクチンそのものを否定していたかどうかは怪しい。同氏がまずは民主党の大統領候補として出馬したのは、子供のワクチンによるものと見られる医薬品被害をその母親から、「民主党も共和党もどちらの党も取り上げてくれない。だから、ロバート・ケネディ・ジュニア氏あなたに相談に来た」と頼まれたことがきっかけだ(https://www.youtube.com/watch?v=ntVzlhznm8M)。

ワクチンの承認には医学・科学的な裏付けと、多段階の臨床実験から、膨大な手間ひまがかかることが医学界の常識になっている。しかし、世界中に拡散するコロナのmRNA型ワクチンは救世主のようにもてはやされ、「緊急事態」として早期に承認されたものの、さまざまな疑惑が出回った。次の書籍は有名なものだ。

コロナワクチンに警鐘を訴える書

製薬会社には利益を上げるために、政治家にロビー活動を行い、早期に承認工作を行うものも少なくない。国際情勢解説者の田中宇氏は、10日に投稿・公開した「https://tanakanews.com/250210trump.htm」(無料購読)で、「(メルケル独首相=当時=が抜擢した)EU大統領(欧州委員会委員長)のフォンデアライエンも、コロナワクチン認可の見返りに製薬会社から贈賄されていた汚職事件で失脚していく」と指摘している。薬品業界の第一の使命は、国民の健康を守ることであり、それに貢献・成功してこそ、利益がついてくる。ロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官の厚生行政は、そのような本来の姿を取り戻すことになることが期待される。

なお、幸福実現党で活躍し現在、参政党を支援する国際情勢アナリストとして活躍している及川幸久氏は、自身のYoutubeチャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=rgl-5F0A6Gc&t=1098s)で、イーロン・マスク氏がトツプのDOGE(政府効率化省=Department of Government Efficiency)は、既に行われたUSAID解体の次の標的として、中国の武漢研究所(USAIDによる資金援助があった)から研究所外に出たとの噂が耐えなかったCovid-19(新型コロナ)と、米国でコロナ感染症対策を指揮したアンソニー・ファウチ前国立アレルギー感染症研究所所長を挙げている。ロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官はこの事件に加わることになる。なお、トランプ大統領は昨月末、ファウチ氏に対する警備責任を打ち切った(https://jp.reuters.com/world/security/PXA5LVBG6RPRFDTR3TTMNYJDZQ-2025-01-24/)。

トランプ大統領は選挙中からこの問題を指摘していた。Covid-19(新型コロナ)はウィスルであるから賠償責任は負えないから、トランプ大統領は中国政府に責任を問うことになるだろう。世界的大問題に暗転する可能性が高い。NITについては、次の項で説明するが、要するに世界のオールド・マスコミをコントロールする(報道を検閲する)組織で、CIAの傘下にある。

トランプ大統領によるUSAIDの解体は覇権単独派による不正な対外諸国のレジーム・チェンジを阻止するもの

トランプ大統領は、USAID(米国国際開発庁、日本で言えばJICA=国際協力機構=に相当)を閉鎖する大統領令に署名している。USAIDは元々は、対外諸国に米国から経済その他の支援を行う組織である。しかし、この組織は本来の意図を離れて、海外諸国を英米国単独覇権派の都合の良いようにレジームチェンジ(体制転覆)を図る組織として機能してきた。その好例が、世界各国のオールド・メディアに対する資金援助や報道記事の検閲である。このことについては、及川氏の各種公開動画情報に詳しい(例えば、https://www.youtube.com/watch?v=MJuMwto34BY&t=758s)。このことを最初に告発したのが、ロバート・ケネディ・ジュニア氏である。また、「ニキータ伝〜ロシアの手ほどき」の「ロシアとUSAIDの関係を深掘り(https://www.youtube.com/watch?v=a06V6S2Qds0)」も参照されると良い。

つまり、CIAがUSAIDを通して、英国(米国ディープステート=諜報界のうちの英米単独覇権派の由来国)の公共放送機関BBCを窓口にして、世界のメディアを支配、検閲していたというのである。ウイキペディアの英語版によると、「Trusted News Initiative (頭文字をつなぐとTNIになるが、NIT呼ばれる)は、国政選挙、新型コロナウイルス感染症のパンデミック、新型コロナウイルス感染症のワクチンに関する偽情報とされるものを特定し、これと闘うために活動していると主張するニュースメディア、ソーシャルメディア、テクノロジー企業の国際連合です」ということになっているが、「偽情報」として、「真実」を隠蔽し、自らに都合のよう情報を「報道」する組織でしかない。NITのサイトはBBCのサイトの中にあり、トップベージには、日本の窓口はNHKと書かれている。

このところ、世界のオールド・メディアでLGBTQを養護するような報道や番組が多くなってきたのは、そのせいだろう。なお、NHKのサイトではこのところ、盛んに「ネット上の偽情報を見つけ、無視して下さい」と言った情報を探している。問題はオールド・メディア自身にある。昨年11月5日の米国大統領選挙ではオールド・メディアすべてで、トランプ候補とハリス副大統領との「大統領選挙は大接戦」と報じたが、結果は見事に外れ、トランプ候補の圧勝(激選7州すべてを制覇し、各州の群単位でみてもトランプ氏が優位に立っていた群が多い)という結果で終わった。オールド・メディアは当てにならないことが証明されたが、「大接戦報道」は全て、英米単独覇権派の指示を受けたCIAとTNIの誘導によるものと思われる。

正すべきはオールド・メディアなのだが、NHKは「SNSでフェイク・ニュースに気をつけましょう」といったキャンペーン(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241213/k10014667351000.html)を行っている。とりわけ、執拗にDOGEのトップを任されているイーロン・マスク氏を攻撃している(「USAIDめぐりトランプ大統領 マスク氏の投稿で “誤情報“ 拡散」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250213/k10014720881000.html)。

しかし、米国ディープステート=諜報界内の英国が押し付けた米国単独覇権派は隠れ多極派に完敗したから、世界の各国で右派ポピュリスト(民衆)政権が壇上するとともに、オールド・メディアも凋落し、そのうち真実を伝えるメディア(ツルー・メディア)に生まれ変わらなければ、それぞれの国民に見放されるだろう。ルーマニアのヨハニス大統領は10日、5月のやり直しの大統領選の実施を待たずに辞任すると明らかにしたのは、右派ポピュリスト(民衆)政権が誕生する一例に過ぎない(https://jp.reuters.com/world/security/44B6XLPIPZIZTANDQXAP4BOS2Y-2025-02-10/)。ツルー・メディアもすぐに、世界の諸国民の前に登場するだろう。

ルーマニアのヨハニス大統領は10日、5月のやり直しの大統領選の実施を待たずに辞任すると明らかにした。有権者の支持を背景に勢力を拡大する極右系の野党による、弾劾の動きを回避するのが狙い。2024年に実施された大統領選の第1回投票では、無名に近かった極右で北大西洋条約機構(NATO)に批判的なカリン・ジョルジェスク氏が首位となった。ただ、ロシアによる選挙介入疑惑を踏まえ、ルーマニアの憲法裁判所は第1回投票の結果を無効とする判断を下した(注:USAIDが工作したと言われる)。このため、24年12月21日までだったヨハニス氏の任期が、今年5月のやり直し選挙で後継者が選出されるまで延長されていた。


一方、議会の約35%を占める野党3党は、親欧州を掲げる与党側の汚職疑惑を受け、ヨハニス氏の弾劾を求める動議を提出していた。ヨハニス氏は支持が低迷しており、専門家らは与党側の一部の議員が弾劾に対して賛成する可能性があると指摘していた。

国際情勢解説者の田中氏は、「トランプは、米覇権を牛耳ってきた諜報界(DS、深奥国家)を速攻で潰している。これは国際政治・覇権動向的に、冷戦終結より大きな出来事で、第二次大戦に匹敵する大事件だ」と指摘している(「米諜報界=DS潰れてウクライナ戦争も終わる」https://tanakanews.com/250210trump.htm、無料記事)。時代は大転換期に本格突入した。

 

 

 

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