戦争法案廃案のために【特別編】ー対米隷属体制樹立の原点は昭和天皇の超法規的政治・外交活動【追記】

対米隷属政権・安倍晋三政権は本日2015年8月16日18時から、参院戦争法案審議特別委員会の鴻池祥肇委員長の職権なるもので同委員会を開き、法案の強行採決を行い、自公多数で同法案に賛成させ17日にも参院本会議で可決成立させる構えだ。安倍政権はもはや「従属」の立場を越えて「隷属」の状態に陥っており、「日米同盟教」=「米国崇拝教」のカルト政権に成り下がっている。

安倍政権は、中央公聴会、地方公聴会などでの元最高裁半恥や元内閣法制局長官など過去に重要な役職に就かれた方の貴重な経験を踏まえての提言や学識経験者の本質的な議論に基づいた警告、さらには、市民を代表した、シールズ中心メンバー奥田愛基(あき)さんの理を尽くしたうえでの「戦争法案は廃案にすべきだ」などの意見を無視し、「国民の理解を広めるため丁寧な議論に努める」との発言とは裏腹に、①野党の質問に正々堂々と答えず、質問をはぐらかす②同じ答弁を繰り返して、野党の質問時間を奪うとともに、「集中審議の時間」を稼ぐ③安倍首相に至っては、特別審議会への出席をサボタージュするーなどの卑怯な戦術を繰り返すだけだ。そうして時間を稼いで、強行採決に狂奔する姿は既に安倍政権が「独裁政権」に移行したことを示している。

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「限定的集団的自衛権行使」の条件である新三要件は第一要件を除いて法律的事実が明確でなく、時の政権によっていかようにも拡大解釈できる。現行日本国憲法違反であることは明確だ。なお、安倍政権が「解釈改憲」の根拠にしている砂川判決は米国による司法介入の結果であることを「生活の党と山本太郎となかまたち」の山本共同代表が明らかにしたうえ、憲法学者も「裁判は米軍の駐留が合憲か違憲かということで争われたものであり、集団的自衛権容認の根拠にすることはできない」と言明している。

昭和47年の政府見解も、当事者は「集団的自衛権などはまずもって念頭になかった」と言明しているうえ、昭和29年成立の自衛隊法76条にも「内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃(以下「武力攻撃」という。)が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至つた事態に際して、我が国を防衛するため必要があると認める場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる」として「我が国に対する外部からの武力攻撃」に対する場合のみ、自衛権としての武力の発動を認めている。

安倍政権が集団的自衛権の行使容認の根拠として昭和47年見解を持ち出すことは法的安定性を損ない、違法かつ無効である。

加えて、限定的とする自衛権を行使する例としてあげた3つの例、すなわち①ホルムズ海峡での機雷掃海②海外での戦争から逃れるために日本人母子の乗った米軍官邸の防護③米軍イージス艦の防護ーは事実上、戦争法案審議特別委員会で撤回した。

また、15日の中央公聴会では松井芳郎名古屋大学名誉教授(国際政治学)は「戦後の国際秩序の維持は国際連合がその責にあたることになっているが、東西冷戦が勃発したためやむを得ず国連憲章51条が明記されたが、今日の国際法、国際情勢の下では集団的自衛権は制限される趨勢になっている」旨の発言を行い、安倍政権のアナクロニズム的性格を明確に指摘した。

これらの明白な事実、論理実証的な考察にもかかわらず、安倍政権は戦争法案を強行採決しようとしている。その理由は、山本太郎共同代表が明確に指摘したように、「戦争法案が、米国(の軍産複合体による)の、米国による、米国のための法案」であり、安倍政権が「日米同盟教」=「対米隷属教」というカルト宗教を信奉しているからだ。これは、歴代の自民党(自公政権)の延長上に位置する。

(次ページに続く)

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