第24回参院選は自公に加え、改憲に賛成するおおさか維新、日本のこころを大切にする党、安倍晋三政権支持の無所属議員を合わせると日本国憲法の改憲勢力が3分の2の多数を占める結果になった。敗北の原因は、①投票率が過去4番目に低い54・70%を喫したことに示される国民の民主主義からの逃避②日本共産党の「国民連合政権構想」を潰した民進党の「連合赤軍派」の責任―である。
注目された32ある1人区は野党統一候補が11選挙区で勝利した。また、日本共産党は選挙区で1議席、比例区で5議席確保し、非改選の8議席と合わせると6議席から14議席に大躍進した。これに対して、民進党は今回の改選議席43を31議席に落とす惨敗を喫した。民進党が共産党の志位和夫委員長の唱導した「国民連合政権構想」を支持していたら、投票率は大幅に上がり、憲法改悪勢力が参議院でも3分の2を占めることもなかっただろう。
このことは、志位委員長の提唱した「国民連合政権構想」の方向の正しさを証明している。ただし、日本共産党もスターリン主義から完全に決別、「共産主義」の「共生共栄友愛主義」への転換することが必要である。
日本の政治・経済・社会の根幹が崩れてきた今日、民進党は「ゆ党」の立場を止め、①アベノミクス廃止(消費税増税廃止を含む)②環太平洋連携協定(TPP)反対③核兵器と「双子の悪魔」である原発阻止・廃止④日本国憲法改悪阻止⑤民主主義再建―を唱える政党に転換しなければ、存在価値はない。
なお、新潟選挙区から無所属で野党統一候補になった森ゆうこ氏は大接戦の末、自民の中原八一氏を56万429票対55万8150票の2279票差で破り、参院議員に返り咲いた。大きな希望である。上記理念と政策を柱に、国民に安心して支持できる「国民連合政権構想」を実現していくことが、日本の経済社会の再建、真の民主主義の確立の前提になる。